第 3 章 ジンクリッチペイントの防食機構
3.3 結果
3.3.1 溶接ビード部と熱影響部の状態
Figure 3.5およびFigure 3.6に溶接した後,ステンレス鋼製ワイヤブラシ処理した溶
接試料におけるめっき層の損傷状態を示す.各 EDX マップ画像では各元素濃度が高 いほど明るいコントラストで表示されており,各 EDX マップ画像の横にあるカ ラーバーと対比することで各元素の分布状態がわかる.たとえば,Figure 3.5 に示し た Fe マップ画像におけるカラーバーをみると元素濃度が高い部分は白色~赤色,元 素濃度が低くなるにしたがい黄色~緑色~青色と変化し,元素濃度がほぼゼロとなる 箇所は濃紺色~黒色で表示されている.したがって,Figure 3.5のFeマップ画像で白 色~赤色~緑色の表示されている部分では Fe が検出されており,濃紺色~黒色で表 示されている部分ではFeが検出されていないことになる.また,Figure 3.5のZnマ ップ画像におけるカラーバーをみると元素濃度が高い部分は白色,元素濃度が低くな るにしたがい緑色,元素濃度がほぼゼロとなる箇所は黒色で表示されている.したが
って,Figure 3.5のZnマップ画像で白色の表示がされている部分はZnが検出されて
おり,緑色~黒色の表示がされている部分はノイズを含む信号と考えられるためZnは 検出されていない.このようにしてFigure 3.5およびFigure 3.6のEDXマップ画像を みると,溶接ビード部の亜鉛めっき層はほとんど消失したことがわかる.一方,熱影 響部には亜鉛めっき層が残存しており,その厚みは約50 μmであった.
Figure 3.7~Figure 3.10にステンレス鋼製ワイヤブラシ処理した溶接試料に対して,
Table 3.1の各処理を適用した各溶接試料の表面SEM-EDX分析結果を示す.アルミナ
粉末を用いてブラスト処理した溶接試料Bの場合,他と比較して被処理材表面が粗面 化した.また,Figure 3.8に示した溶接ビード部のAlとOのEDXマップ画像をみる と共通した箇所で元素濃度が高いことをあらわす白色で示されており,これは被処理 材表面に投射材として用いたアルミナ粉末に由来するものと考える.なお,Figure 3.8 の溶接ビード部における各 EDX マップ画像で,左端中央部や右端下部等の共通する 部位に黒色のコントラストが観察された.この原因は,電子線の照射にともない溶接 試料 B の表面から発生した特性 X 線が,溶接試料表面の大きな凹凸によって検出器 方向への進行が妨げられたために生じたと考えられる.また,Figure 3.9およびFigure 3.10 に示した Ni 粉末を用いて微粒子ピーニング処理した溶接試料 C における Ni の EDXマップ画像をみると,Niの元素濃度が高いことをあらわす白色が点在している.
これは溶接ビード部および熱影響部ともに投射材として用いた Ni 粉末に由来するも
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のと考える.
Figure 3.5 Damage of the coated hot-dip alloy.
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Figure 3.6 Surface morphology and SEM-EDX analysis results after stainless steel wire brushing.
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Figure 3.7 Surface morphology and SEM-EDX analysis results of welding sample A before organic zinc-rich painting.
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Figure 3.8 Surface morphology and SEM-EDX analysis results of welding sample B before organic zinc-rich painting.
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Figure 3.9 Surface morphology and SEM-EDX analysis results of welding sample C (Weld bead) before organic zinc-rich painting.
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Figure 3.10 Surface morphology and SEM-EDX analysis results of welding sample C (Heat affected zone) before organic zinc-rich painting.
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