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準天頂衛星の放送機能に関する調査

ドキュメント内 Microsoft Word - 高精度測位補正_ 修正.doc (ページ 33-36)

フェーズ1の期間においては、準天頂衛星の放送方式として、DVB-S.2方式(ETSI EN302 307 v1.1.1 2005-03)が候補の一つに挙げられていたが、最終的な方式について は検討段階にあった。この候補以外のものも含めた各種の放送方式について調査すると ともに、補正情報の配信における問題の一つとして伝送遅延の問題を取り上げ、検討を 行った。

2.5.1. 放送方式の調査

準天頂衛星で検討されていた DVB-S.2 方式(ETSI EN302 307 v1.1.1 2005-03)は ETSI(European Telecommunications Standards Institute)で策定された衛星伝送方式であり、

従来の方式に比べ効率的な伝送が可能となっている。表 2-20に各種の放送方式の特徴を 整理する。

表 2-20 各種の放送方式の特徴 項目 準 天 頂 衛 星

(仮)

PCM 音声放 送

BS デジタル放 送

CS デジタル 放送

2.6GHz帯衛 星デジタル音 声放送 使用周波数 2605MHz~

2630MHz

12.5GHz ~ 12.75GHz

11.7GHz ~ 12.2GHz

12.2GHz ~ 12.75GHz

2630MHz~ 2655MHz

偏波 円偏波 直線偏波 円偏波 直線偏波 円偏波

サービスエリア 日本全国 日本全国 日本全国 日本全国 日本全国

符号多重化方式 TDM TDM TDM TDM DS-CDM

変調方式 QPSK MSK BPSK,QPSK ,8PSK

QPSK QPSK

誤り訂正方式 BCH,LDPC BCH,畳み込 み符号

RS,ト レ リ ス 符 号、畳み込み符 号

RS,畳み込み 符号

RS,畳み込み 符号

スクランブル方式 詳細未定 COATEC MULTI2 MULTI2 MULTI2

2.5.2. 伝送遅延

準天頂衛星を用いた通信において発生する伝送遅延の問題については、測位側での GPS 観測データを蓄積するバッファに十分な大きさを確保し、通信で得られる補正情報 を蓄積して解析する方式を採用することにより、10 秒程度の遅延時間であれば容易に対 応することができ、問題とはならないものと考えられる。

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2.6.

まとめ

フェーズ1における達成目標と評価結果を表 2-21に記載する。

本技術開発において生成する各種補正情報について、必要とされる要件・生成方法等 の調査を行い、補正情報生成のためのアルゴリズムを設計し、電子基準点のオフライン データを用いて、その評価を行った。

10分程度のL1一周波の観測を用いた測位処理においてアンビギュイティ決定の影響 を評価した結果、要求される測位精度の実現のためには、アンビギュイティ決定が不可 欠であることが明らかとなった。参照基準点観測情報の仕様は、領域毎に1点の電子基 準点を参照基準点とし、そのL1搬送波位相データおよび擬似距離データをRTCMに準じ たフォーマットに変換して配信することとした。衛星軌道情報は、対流圏遅延推定のた めに充分な精度を持つことから、IGU暦の予測部分を用いることとした。衛星時計情報は、

IGU暦の値では精度が不十分であるため、日本全国をカバーする20点程度の電子基準点 のデータを用いて推定する。対流圏遅延補正情報は、静水圧遅延量を既存のモデルで与 え、湿潤遅延量のみを、計算負荷の小さなPPPで前述の衛星軌道・時計情報を用いて電 子基準点毎に推定を行う。電離層遅延補正情報は、まず、二周波の位相および擬似距離 観測値を用い、ネットワークモードで二重位相差のアンビギュイティを解いて、観測点 と衛星を結ぶ各視線の遅延量を推定する。これを天頂方向の遅延量に換算して、視線が 高度約500kmの電離層モデル面を貫通する点に投影し、双一次補間によりグリッド化さ れたモデルとする。なお、推定された電離層モデルの絶対値の精度は3TECU以内と評価 され、この精度の範囲内で電離層の状況把握に用いることが可能であることが示された。

以上のようにして設計されたアルゴリズムを用いて補正情報を生成し、これを適用し て電子基準点のオフラインデータを用いた測位解析を行い、測位精度を評価した。その 結果、測位誤差の極端に大きなはずれ値となる事例が数多くあり、これを除いた上で評 価を行った結果、アンビギュイティが解けた二重位相差の組み合わせが4つ以上の場合 については、測位誤差が標準偏差2 cm以下(水平成分)を達成できることを確認した。

はずれ値となる事例については、アンビギュイティのミスフィックスが発生しているも のと目され、その頻度と電離層の活動度との間に相関がみられることから、電離層補正 が不十分である可能性が示唆され、電離層補正情報の向上が課題として残された。

準天頂衛星の放送機能を考慮した補正情報の設計については、衛星の放送機能として 想定されていたS帯補正方式におけるデータ伝送量(1Mbps)を下回るように補正情報 が生成できることを確認した(443kbps)。また、準天頂衛星の放送機能については、補 正情報の配信に支障がないことを確認した。

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表 2-21 達成目標とフェーズ1評価結果

達成目標 評価結果

電子基準点データをもとにして 日本全国を対象としたネットワ ーク型 RTK-GPS 測位方式に 適用可能な高精度測位補正情 報を生成するための調査・設 計、アルゴリズムの構築

参照基準点観測情報、衛星軌道・時計補正情報、対流圏遅延補 正情報、電離層遅延補正情報を算出するアルゴリズムを設計し た。電子基準点のオフラインデータを用いて補正情報を生成し、こ れを適用して測位解析を行った。正しいアンビギュイティ決定が行 われた場合には、目標とする測位精度の達成が可能であることを 確認した。

ただし、電離層擾乱期の解析結果において正しいアンビギュイティ 決定ができていないと目される場合ものが多く、電離層遅延補正 情報の精度向上が今後の課題として残された。

電子基準点データをもとにして 全国の電離層総電子数(TEC)

分布をリアルタイムに推定しモ デル化するアルゴリズムを開発

2周波の擬似距離データを、コード間バイアスを補正して処理する ことにより、電離層総電子数を算出する手法を採用した。この手法 により電子基準点のオフラインデータを用いて電離層モデルを推 定し、その評価を行った結果、その精度が3TECU以内であること を確認した。

準天頂衛星の放送機能を利用 した補正情報の配信を想定し、

補正情報の選択法(構造や書 式)や容量を算出し設計

補正情報フォーマットの設計を行い、全ての情報を合わせて1 Mbps以下で、伝送可能であることを確認した。

準天頂衛星の放送機能につい て調査

準天頂衛星の放送機能と、その他の放送システムについて調査を 行い、とりまとめた。

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ドキュメント内 Microsoft Word - 高精度測位補正_ 修正.doc (ページ 33-36)