• 検索結果がありません。

第 5 章 実験セットアップ 29

5.5 測定回路系

5.5.1 測定系の制御

本研究ではCAMAC クレートコントローラを用いてデータ収集を行い、その補助としてNIM モジュールを用いた。PCによってCAMAC Output Register(テクノランドC-RP202)の出力 を制御し、ビームの電流測定用のFaraday Cup の出し入れと、超音波装置の電源on-offを制御 している。制御は以下の表に示すように行った。

Time [sec] Beam Ultra Sonic

3 off(BackGround) off

10 on(ForeGround) off

3 off on

10 on on

表 5.1: Faraday Cup と超音波電源の制御。Back Ground とFore Ground 間はFaraday Cup 引き抜きの為に2秒間、Fore Ground とBack Ground 間はFaraday Cup 挿入の為に1秒間、

データ収集を行っていない。このサイクルが測定中繰り返される。各条件におけるデータ収集 はIDにより区別され、別々に解析を行う事ができる。

5.5.2 エネルギー測定

Si検出器からの信号をPre-Amp.(ORTEC社製142B)に通し、そのE出力をLinear Amp.(ORTEC 社製935、以下L.A.)を用いて増幅した。L.A.のUnipolar出力をAttenuatorに通し、 CAMAC-ADC(ORTEC 社製AD811、Peak Sensitive 型) に入力することでSi検出器のエネルギー情報 を得た。また、RESERCH PULSER(ORTEC社製448)を用いてSi検出器のOutputに似せた 信号を作り、同じPre-Amp.のTEST入力に5Hzで入力し、ゲイン変化の指標とした。ADCの ゲートは同L.A. のBipolar出力をDiscriminator で論理信号に変換し、それをGate Generator に入力することで発生させた。

また、PCによるデータ収得時間(〜200µsec/event)はGate Generatorにvetoをかけ、ADC の Gateが発生しないようにした。Scaler0(LeCroy 社製2551)には veto をかけず、測定中の全 トリガー数が計数できるようにした。図5.9に測定回路の概略図を示す。

5.5.3 測定時間情報及びビームカレントの取得

時間情報の取得は、ファラデーカップによる電流測定と密接に結び付いている。ファラデー カップによって計測された電荷量は、Current Integrator(ORTEC 社製439) によって積分さ

5.5. 測定回路系 37 れ、107Cごとに+5V,500nsecの信号を出力する。この信号を Inverter と Attenuetor を経由 し、Scaler0及び Scaler1(C-TS 203)に入力することで電荷量を測定した。測定時間は、Clock Generator(Technoland社製N-TM203)からの1MHzの信号を直接Scaler1に入力している。こ れら2つの情報を用いて、ビームカレント及びフォアグラウンド時の入射電荷数を決定するこ とができる。Scaler0に関しては、測定中の全イベント数と電荷量を計数するために、測定開始 時にリセットをし、それ以降は読み取り以外の操作を行わない。Scaler1に関しては、フォアグ ラウンド時は、Live time を計測するために ADC の Gate にveto がかかっている時は、同様 に Scaler にも Inhibit をかけている。バックグラウンド時はイベントが発生しても Inhibit を かけていない。また、上記の測定サイクルの1つが終わるごとに値はリセットされる。

図 5.8: エネルギー測定で用いた回路図。信号は基本的に上から下に進むが、一部のそうでは無 い部分には信号の進行方向を矢印で示した。

38 第5章 実験セットアップ

図 5.9: カレント及び時間の測定に用いた回路図。信号は基本的に上から下に進むが、一部の そうでは無い部分には信号の進行方向を矢印で示した。LeCroy G.G.はファラデーカップの制 御に用いていて、ファラデーカップ挿入時以外の時に G.G.2 が Inhibit をかけないようにして いる。