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本章では、健康づくり検討会から、今後渋谷区ですすめるべき施策を提言します。
1 区民の栄養・食生活を支援するために
〔現代食生活でおこりがちな問題〕
脂質やエネルギー量(いわゆる“カロリー”)のとりすぎは、肥満や脂質異常症の原 因となり、循環器疾患や糖尿病のリスクを高めます。食塩・塩蔵食品の過剰摂取は胃が んのリスクを高めます。
〔土台となる食生活の基本をしっかり固めよう〕
食生活指針、食事バランスガイドに示されているようなバランスのよい食事を続ける ことで、消化吸収、代謝、運動、免疫、神経伝達物質やホルモンなど生命維持や安定し た心身の活動に必要な栄養素がまんべんなく供給されます。
適切な量と質の食事は健康づくりの基本中の基本であり、支援のために、関係者には 知識を普及し、実践しやすい環境整備を進めることが求められています。
区役所の地下食堂で健康に配慮したメニューを提供する
・ 事業者の管理栄養士等と連携して、ポスター、チラシなどで適切な量と質の食 事について普及啓発する。
・ 一日塩分8g以下、野菜 350g 以上、脂肪エネルギー比率が 20〜25%程度の食 事を体験できるメニューを提供し、その意義について解説する。
・ 男性区民(国保加入者)の3人に 1 人が該当するメタボ予防のための昼食として 適切な 500kcal 目安などの健康づくりメニューの普及啓発の場として活用す る。
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一日の野菜を取る目安が350gであることを普及啓発し、実際の 取り方を普及する。
・ 多くの区民が野菜を目ばかりできるよう、あらゆる機会と媒体を通じて継続的な 普及啓発を続ける。*)目ばかり・・・秤を用いず大体の重量を目で見て判断で きること。手で持ってわかるのは手ばかりといい、家庭では献立を立て購入量や 提供量を決める人にとって重要な技術。飲食店でも 1 食分 120g 程度の野菜が入 っていることが望ましく、メニュー作成者が習得してほしい技術。・
・ 手軽さ、安さ、生鮮野菜が買えないときの保存食品の活用、バランスなど、区民 の生活状況に応じたいろいろな野菜のとり方の工夫を情報提供する。
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2 区民の身体活動量の増加・運動実施の支援をするために
〔運動不足は死亡に対する危険因子の第 3 位〕
身体活動を活発に行う者は、循環器疾患や、がんなどを発症するリスクが低いことが わかっています。
WHO
(世界保健機関)は、全世界の死亡に対する危険因子の第4
位 に身体不活動を位置づけ、日本では喫煙、高血圧に次ぐ第3
位に位置づけられています。〔高齢期、ロコモ予防と認知症予防に運動を〕
また、運動だけではなく、生活活動を含めた身体活動全体を視野にいれて身体活動量 をみてみると、一日
40
分以上身体活動をしている高齢者では、認知症や、ロコモティ ブシンドロームを予防する効果があることがわかっています。毎日の身体活動量の増加 を図る必要があります。〔成長期にはいろいろな運動の経験により心身プラス社会性の発達も〕
子どもにとって運動は、多様な動きを身に付けるだけでなく、心肺機能や骨形成にも 寄与し、丈夫でバランスのとれた体を育むために必要なものです。
運動を行うときは、状況判断から運動の実行まで脳の領域がいくつも同時に働きます。
全身運動をする時には、すばやい方向転換などの敏捷な身のこなし、状況判断・予測な どの思考判断を必要とすることから、脳の運動制御機能や知的機能の発達促進に有効で あると考えられています。また、運動を行う際には、ルールを守り、自己を抑制し、コ ミュニケーションを取り合いながら、協調する社会性を養うことにもなります。以上か ら、子どもにとってのびのび運動できる環境は、豊かな人生を送るための基盤づくりと なる重要なものであるといえます。
〔子ども時代からの運動習慣を大人になっても続ける意義〕
運動することが習慣となり、しばらく運動しないとすっきりしない、などの感覚が生 まれるような運動習慣が身に付くと、身体の諸機能における発達が促されることはもち ろん、生涯にわたる健康的で活動的な生活習慣の形成にも役立つ可能性が高くなります。
肥満や痩身を防ぐ効果もあり、幼児期だけでなく、成人後も生活習慣病になる危険性は 低くなると考えられています。また、体調不良を防ぎ、身体的にも精神的にも疲労感を 残さない効果があると考えられています。活動し続ける力(持久力)を高めることにも つながり、生涯にわたる健康の維持のほか、意欲や気力といった精神面の充実にも大き くかかわっているといえます。
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身体活動、運動の健康効果を普及啓発する
・ 身近な運動である「歩くこと」や、「ラジオ体操」の意義、継続効果などを健康 づくり事業者と連携して効果的に普及啓発していく。
地域で子どもも大人ものびのび体を動かせる機会を増やす
・ 地区体育会や、町会活動などで身体活動量を増加させたり、運動習慣の獲得につ ながるような施設利用の機会を増やす。
コラム 糖尿病患者に適した運動療法
〜 予防になるので一般の方もどうぞ〜
現代日本人の成人
4
人に1
人は糖尿病または糖尿病予備軍といわれ るほど、糖尿病はありふれた病気です。インスリンの分泌が低下した り、効きが悪くなったりするⅡ型糖尿病の場合は、検査で血糖が高い ことがわかっても、初期には自覚症状がほとんど皆無であるため、食 事・運動療法など必要な治療を行わずに放置されることもめずらしく ありません。糖尿病は血糖を適切にコントロールすれば、透析や失明 への進展を防ぐことが可能ですが、まずは予防が大切です。運動は、患者にはもちろん、まだ発病していない人にとっても糖尿病予防に効 果的です。ぜひ適度な運動を習慣にしてください。
□ 運動の種類と強度
あまり強い運動でなくても、運動後にインスリン感受性改善効果が 認められているので無理なく続けられ、全身の筋肉を使い、かつ膝や 腰など四肢関節に負担をかけず、怪我を起こす危険の少ない、有酸素 運動からはじめるのが一般的です。具体的には、散歩、ウオーキング、
ジョギング、ラジオ体操、自転車、水泳などです。
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安全に、かつ持続して習慣的に行うことが大切なので、特に、運動 不足から肥満、インスリンへの抵抗性を引き起こしている人にとって は、日常生活の中に、身体活動量増加の工夫を取り込むよう心がける ことが大切です。具体的には、エレベータを使わず階段を使う、自動 車を使わず公共交通機関を使うことで、歩く距離を増やす、などです。
□ 運動の短期的効果
運動することで、血糖の筋肉への取り込みが促されて血糖を消費し ていくので、血糖値を下げることが期待できます。
薬物・インスリン治療中の人は、低血糖の危険をさけ、食後の高血 糖を抑える観点から、食後
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分の運動開始が望ましいといわれてい ます。□ 運動の長期的効果
運動を続けることで、血糖を筋肉に取り込む反応が繰り返され、イ ンスリンが出たときの血糖を下げる反応もよくなる、といわれていま す。
□ 全身運動とレジスタンス運動
糖尿病に適した運動として、ウオーキングなどの全身運動と、筋力 トレーニングなどのレジスタンス運動があります。順番としてはまず レジスタンス運動を先に行うと、その後に全身運動をしたときの血糖 値の下がり方が緩やかになり、運動後の血糖上昇も低めで推移すると いうデータがあり、血糖コントロールにより効果的といわれていま す。
レジスタンス運動は息こらえを伴う無酸素運動にすると、運動強度 が高まりますが、血圧を上げたり、冠動脈〔心臓の筋肉に酸素と栄養 を供給している血管〕に問題がある場合に症状を誘発するおそれもあ るので、息こらえをともなわない中〜軽度の運動からはじめることが 薦められています。