者団 体の 果た す役 割 さて
、U WG の体 系に おい ては
、消 費者 保護 は集 団的 保護 を意 味す ると され
、消 費者 保護 の任 に当 たっ てい るの は主 に消 費者 団体 であ る。 以上 の検 討を 踏ま える と、 消費 者団 体は
、右 に述 べた 諸機 能の うち
、消 費者 の決 定自 由 侵害 の事 前的 予防 の他
、消 費者 のそ れ以 外の 諸利 益の 保護
、消 費者 の立 場に 立っ ての 市場 秩序 の維 持と いっ た目 的 のた めに
、除 去請 求権
、差 止請 求権 およ び利 益剥 奪請 求権 を行 使し てお り、 個別 消費 者は これ によ り間 接的 に保 護 され る。 二〇
〇八 年改 正以 前は
、U WG の規 制対 象は 競争 行為 に限 られ てい たが
、不 公正 取引 方法 指令 の国 内法 化 によ り、 UW Gの 規制 対象 は今 や契 約の 広告
・勧 誘か ら履 行に まで 及ぶ こと とな り、 これ に伴 って
、市 場秩 序維 持 のた めに 消費 者団 体が 果た す役 割も 大き なも のと なっ てい る。 以上
のよ うに
、ド イツ 法で は、 消費 者の 決定 自由 の保 護が UW Gの 重要 な目 的の 一つ であ るこ とが 承認 され てい る。 そし て、 その 違反 に対 して 消費 者個 人の 権利 を発 生さ せる べき レベ ルの 義務 群と 並ん で、 事業 者の 取引 行為 が 有す る乗 数効 果を 根拠 に義 務を 高度 化し
、消 費者 個人 の権 利は 認め られ ない もの の、 なお 除去 や差 止め など の集 団 的保 護措 置が とら れる べき 義務 を設 定し
、そ れに より
、消 費者 の決 定自 由侵 害の 事前 的予 防お よび その 他の 利益 の 保護
、さ らに は市 場秩 序の 維持 を図 ろう とし てい る。 ここ では
、個 別当 事者 を基 準と した BG Bに よる 個別 的具 体 的保 護と
、平 均的 消費 者を 基準 とし た集 団的 一般 的保 護と が、 消費 者の 決定 自由 を重 層的 に保 護し てい る。 この よ うな 考え 方は
、わ が国 にお いて も示 唆す ると ころ が多 いだ ろう
。そ こで
、次 章で
、日 本法 への 示唆 につ いて 若干 の
検討 を行 う。
︵
︶ ただ し、 撤回 権の 構成 要件 が状 況関 連的 ある いは 契約 類型 関連 的で あっ て、 決定 自由 の侵 害を 要件 とし ない こと には 留保 が必 要で ある
。そ の 115 意味 で、 撤回 権は
、本 文で 述べ てい る両 義務 群の 中間 にあ ると いう こと もで きよ う。
︵
︶ Kö hl er ,G RU R2 00 3, 26 5︵ 26 6︶ .
︵ 116
︶ 二〇
〇八 年改 正前 のも の。 不作 為に よる 誤認 惹起 もあ わせ て規 定さ れて いた
。
︵ 117
︶ Bu sc h, In fo rm at io ns pf li ch te ni mW et tb ew er bs -u nd Ve rt ra gs re ch t, 20 08 ,S .1 65 .
︵ 118
︶ Bu sc h, a. a. O.
︵F n. 11 8︶ ,S .1 65 f.
︵ 119
︶ Bu sc h, a. a. O.
︵F n. 11 8︶ ,S .1 66 f.
︵ 120
︶ なお
、L ei st ne r, a. a. O.
︵F n. 62
︶, in sb es .S .1 03 2f f. は、 需要 者の 決定 自由 の保 護に 関す る限 りに おい て、 契約 法上 の義 務の 基準 と競 争法 上の 義 121 務の 基準 とは 同一 であ るべ き︱
︱競 争法 上の 保護 の基 準が 契約 法上 のそ れよ りも 高い 場合 には
、別 の正 当化 を必 要と する
︱︱ との 主張 の上 に立 って
、競 争法 の独 自の 意義 は、 個別 契約 関係 に入 った 顧客 が、 損害 が軽 微で ある など の理 由か ら、 自己 の権 利を 貫徹 せず
、そ のよ うな 意 味で の事 実上 の欠 缺︵ pr ak ti sc he Du rc hs et zu ng sl üc ke n︶ があ る場 合に
、競 争事 業者 や適 格性 ある 消費 者団 体な どが 個別 契約 関係 の履 行を 差 し止 め、 それ によ って 顧客 が自 己の 権利 や請 求権 を自 ら行 使で きる よう にす る点 にあ ると する が、 独自 の見 解に とど まる
。
︵
︶ Fa us t, Pr äv en ti ve rS ch ut zd er En ts ch ei du ng sf re ih ei td ur ch da sW et tb ew er bs re ch t, in :Z im me rm an n︵ Hr sg .︶ ,S tö ru ng en de r W 122 il le ns bi ld un gb ei Ve rt ra gs sc hl us s, 20 07 ,S .1 93
︵1 94 f.
︶.
︵
︶ Fa us t, a. a. O.
︵F n. 12 2︶ ,S .1 95 ff .
︵ 123
︶ Fa us t, a. a. O.
︵F n. 12 2︶ ,S .2 04 ff .
︵ 124
︶ 不公 正取 引方 法指 令も
、そ の考 慮理 由六
、八
、一 一に おい て、 直接 的に は消 費者 保護 の高 い水 準を 作り 出す こと を、 間接 的に は競 争事 業者 を 125 保護 し、 公正 な競 争を 保証 する こと を、 規制 理由 とし て挙 げて いる
。同 指令 が、 消費 者の 保護 と競 争の 保護 の双 方を 目的 とし てい るこ とを 明確 に主 張す るも のと して
、W un de rl e, Ve rb ra uc he rs ch ut zi mE ur op äi sc he nL au te rk ei tr ec ht ,2 01 0, S. 20 3f f. を参 照。
︵
︶ F. By dl in sk i, Sy st em un dP ri nz ip ie nd es Pr iv at re ch ts ,1 99 6, S. 60 9f .; vg l. au ch Be at er ,U nl au te re rW et tb ew er b, 20 02 ,R n. 56 ff .
︵ 126
︶ Al ex an de r, a. a. O.
︵F n. 62
︶, S. 52 f.
︵ 127
︶ Al ex an de r, a. a. O.
︵F n. 62
︶, S. 54 .
︵ 128
︶ Al ex an de r, a. a. O.
︵F n. 62
︶, S. 54 f.
︵ 129
︶ Le is tn er ,a .a .O .︵ Fn .6 2︶ ,S .2 38 ff . 130
︵
︶ なお
、A le xa nd er ,a .a .O .︵ Fn .6 2︶ ,S .5 7u .2 30 は、 競争 法と 契約 法の 適用 領域 の区 別に つい て、 顧客 が契 約締 結と いう 決定 を行 った 時点 で、 競 131 争関 係を 特徴 付け る事 業者 間の 並行 的緊 張関 係は 消滅 する から
、顧 客の 決定 によ って 生じ るこ のく さび
︵区 切り
︶が 競争 法か ら契 約法 への 移行 を基 礎付 ける
、と 述べ る。 しか し、 UW Gの 適用 範囲 は二
〇〇 八年 改正 によ り契 約締 結時 や契 約締 結後 の行 為態 様に も及 ぶこ とに なり
、 他方
、契 約法 上の 規制 も契 約締 結段 階に 及ん でい るか ら︵ 契約 締結 上の 過失
︶、 この よう な切 り分 けは 正当 でな い。 Vg l. Kö hl er ,G RU R2 00 3, 26 5︵ 26 6F n. 14
︶; Le is tn er ,a .a .O .︵ Fn .6 2︶ ,S .2 44 ff .
第五 章
おわ りに
︱︱ 日本 法へ の示 唆 わが
国に おい ては
、消 費者 に対 する 不当 な勧 誘や 広告 にか かわ る法 規制 は、 民法 のほ か、 消費 者契 約法
、景 品表 示法
、特 定商 取引 法、 割賦 販売 法、 不正 競争 防止 法︵ ただ し、 消費 者の 保護 は反 射的 効果 にと どま る︶
、独 占禁 止法
︵不 当顧 客誘 引や 優越 的地 位の 濫用 等の 不公 正な 取引 方法
︶、 金融 商品 販売 法、 金融 商品 取引 法︵ 三七 条以 下︶
、商 品取 引 所法
︵商 品先 物取 引法
、︶ 宅地 建物 取引 業法
︵四 七条
、四 七条 の二 な︶ どに 分散 し、 それ ぞれ に消 費者 個人 の権 利や 適 格消 費者 団体 によ る差 止請 求、 措置 や業 務停 止な どの 行政 的規 制が 定め られ てい る。 範囲 が広 範な ため
、日 本法 に 関す る本 格的 な検 討は 他日 を期 し、 以下 では
、特 定商 取引 法の うち とく に訪 問販 売に 関す る
( )
規律 を素 材に
、ド イツ
132
法か ら得 られ る示 唆に つい て検 討す る。 一
特 定 商 取 引 法 の 行 為 規 制 の 概 要
︱︱ とく に訪 問販 売に 関し て すで にみ たよ うに
、U WG は、 消費 者の 決定 自由 をゆ がめ るに 足り る行 為に 関し て、 付表 も含 めて かな り詳 細な 構成 要件 を定 めて いる
。一 方、 わが 国の 特定 商取 引法 は訪 問販 売に 関し て、 以下 のよ うな 行為 規制 を定 める
。同 法 によ る規 制は
、省 令︵ 特定 商取 引法 施行 規則 も︶ 含め てみ ると
、か なり 詳細 なも のと なっ てい る。