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流動性と資金の源泉

ドキュメント内 アニュアルレポート 2001 (ページ 75-81)

資金調達と流動性マネジメント

ソニーは、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持、および健全なバランスシートの維持を 財務方針としています。

ソニーは資金調達について、投資・出資などの長期資金需要は必要に応じて長期借入債務や株式あるいは株 式にリンクした債券の発行等により、また運転資金需要は短期借入債務により対応することを基本方針とし ています。長期資金については、ソニー㈱が3,000億円の国内社債の発行登録にもとづき、半導体生産設備向 けの資金手当を目的として2000年9月に総額1,500億円の普通社債を発行したほか、株価連動型の報奨付 与を目的として同年10月に120億円の新株引受権付社債を発行しました。

ソニーは各地域の資金需要に対応するため、日本ではソニー㈱が3,000億円のコマーシャル・ペーパー(以 下「CP」)発行枠を設定しており、2000年度においては、一時的な運転資金増加に対応するために2000年6 月に500億円のCPを発行し、同年10月に償還しました。さらに米国の金融子会社では60億米ドルの米国CP 発行枠、英国の金融子会社では10億米ドルの米国CP発行枠および5億米ドルのユーロCP発行枠を設定して おり、2000年度内における最大月末発行残高は、米国の金融子会社では1,566億円、英国の金融子会社では 584億円でした。なお、2001年3月末時点のCPの合計発行残高は1,173億円でした。これらのCP発行枠に 加え、米国の金融子会社では米国投資家を対象とした30億米ドルのミディアム・ターム・ノート(以下「MTN」) 発行枠および20億米ドルのユーロMTN発行枠を、また英国およびオランダの金融子会社ではそれぞれ10億 米ドル、5億米ドルのユーロMTN発行枠を設定しています。なお、2001年3月末時点のMTNの合計発行残高 は793億円でした。

流動性の確保については、ソニーはグループ全体で年度内における最大月次売上高および最大月次借入債 務返済額の合計の80%以上に相当する流動性資産を維持することを基本方針としています。流動性資産は、

現金・預金および現金同等物、定期預金、有価証券で構成されていますが、ソニーでは、これらに加えて金融機 関との間で設定されるコミットメント・ラインについても、契約期間中いつでも借入が実行できるという意味 で流動性資産に含めています。ソニーは銀行との間にコミットメント・ラインの契約を締結しています。これ らはすべて期間が1年以内の契約で、2001年3月末時点で約4,300億円の枠を保持しています。ソニーは、

コミットメント・ラインをムーディーズの財務格付 C 以上の銀行と、さらに総額の70%以上を A または B の銀行と締結することを基本方針としています。以上の基本方針および数値情報は、独自に流動性を確保して いるソニー生命保険㈱、ソニー損害保険㈱、アイワ㈱を除いて説明しています。

ソニーは世界的に資金の集中化・効率化を進めています。日本では大部分の子会社における資金の過不足は、

ソニー㈱への預け金およびソニー㈱からの貸付金を通じてソニー㈱により一括して運用または調達される体 制になっており、子会社の支払いもソニー㈱が一括して代行する資金集中化システムを導入済みです。また 1999年度より、米国、英国、シンガポールの地域金融子会社およびソニー㈱間では、余剰資金が出た場合に、

お互いに融通しあって地域間の資金の偏在をなくし、グループ全体で不必要な現金・預金および借入を極力削 減する体制を整えました。2000年度末時点の残高でみると、830億円の資金が資金余剰のアジア子会社か ら他地域の金融子会社に貸し付けられました。なお、ソニーは2000年度において、今後のグループの資金・為 替業務のより一層の集約・合理化や財務オペレーション機能の効率化を図ることを目的とした子会社「ソニー・

グローバル・トレジャリー・サービシーズ」を設立しました。

ソニーの財務状況は引き続き健全性を保っています。ソニーは現金、その他の流動性資産により充分な流動 性を確保しており、金融・資本市場からの調達を通じ、現行事業の拡大と新規プロジェクトの開拓に必要な運 転資金や投資・出資に対し充分な資金を提供できるものと考えています。

資産および負債・資本

2000年度末の総資産は、1999年度末に比べ1兆208億円(15.0%)増加の7兆8,280億円となりまし た(総資産は為替換算の影響を大きく受けました。1999年度末の為替レートを適用した場合の2000年度末 の総資産は、1999年度末に比べ約9%の増加と試算されます)。この増加は、投資有価証券その他、受取手形 および売掛金、棚卸資産、有形固定資産などが増加したことによるものです。

流動資産は、4,555億円(15.1%)増加の3兆4,775億円となりました。この増加は、主に受取手形および 売掛金、棚卸資産が増加したことによるものです。流動資産項目のうち、受取手形および売掛金(貸倒および返 品引当金控除後)は、主にエレクトロニクスとゲーム分野の売上増加にともない、2,398億円(22.7%)増加 の1兆2,953億円となりました。棚卸資産は、エレクトロニクスとゲーム分野における増産を反映し日本の生 産事業所を中心に1,963億円(26.3%)増加の9,429億円となりました。エレクトロニクス分野では、棚卸

 短期(1年以内に返済期限の到来する長期借入債務を含む)

*3月31日現在 有利子負債残高

 長期

(十億円)

0 500 1,000 1,500

97 98 99 00 01

S o n y C o r p o r a t i o n A n n u a l R e p o r t 2 0 0 1

資産は1,034億円(15.2%)増加の7,820億円となりました。同分野の棚卸資産を1999年度末からの推移 でみると、デジタル機器や電子デバイスなどの製品の好調な需要に対応し、上半期を中心に増産を進めてきた ことや2000年12月以降に米国の増収率鈍化が顕著となったことなどを反映し、第3四半期末の棚卸資産は 1999年度末に比べ2,251億円(33.2%)増加の9,037億円となりました。しかしながら、第4四半期に生産 調整や拡販を通じた在庫削減を進めた結果、同四半期の円安の進行にもかかわらず、年度末の棚卸資産は 7,820億円にまで削減されました。ゲーム分野では、プレイステーション 2 ハードウェアの増産を続けた ことを反映し、棚卸資産は日本の生産事業所を中心に807億円増加(約4.4倍)の1,047億円となりました。

このように、特にエレクトロニクス分野で需要動向の急激な変化に対応した生産・在庫コントロールを実施し たことにより、売上原価に対する棚卸資産回転月数(棚卸資産は各年度末と前年度末の平均)は2.01ヵ月と、

ほぼ1999年度並みの水準となりました。なお、過年度の棚卸資産は新映画会計基準の適用(連結財務諸表注 記2参照)にともない組み替え再表示されています。

投資および貸付金は、3,134億円(29.1%)増加の1兆3,890億円となりました。これは関連会社に対する 投資および貸付金は減少したものの、投資有価証券その他が増加したことによるものです。投資有価証券その 他の増加は、主に保険分野における保有契約高の増加にともない運用資産が増加したことによるものです。ま た、投資有価証券や子会社の売却額を上回る他社への出資および貸付を行ったことも投資有価証券その他を 増加させました。一方、関連会社に対する投資および貸付金は、主にロウズの投資簿価の全額を減損処理した ことにより減少しました。

 株主資本比率

*3月31日現在 株主資本と株主資本比率

 株主資本

(十億円) %

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500

0 10 20 30 40 50

97 98 99 00 01

29.6%

32.1%

29.0%

28.4%

25.7%

*3月31日現在

*2000年5月19日実施の株式分割を反映して修正再表示 1株当り純資産

(円)

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000

97 98 99 00 01

有形固定資産(減価償却累計額控除後)は、1,787億円(14.2%)増加の1兆4,343億円となりました。これ は主に2000年度において、エレクトロニクスとゲーム分野を中心に、減価償却費や有形固定資産の除売却額 を上回る設備投資を行ったことによるものです。2000年度の設備投資額(有形固定資産の増加額)は、1999 年度に比べ293億円(6.7%)増加の4,652億円となりました。これを分野別にみると(配賦不能設備投資額 を除く)、エレクトロニクス分野では半導体や新製品の生産設備を中心に増加したことにより6 0 6 億円

(2 6 . 6 %)増加の2 , 8 7 9億円、ゲーム分野では半導体の生産設備を中心に減少したことにより1 0 8 億円

(9.1%)減少の1,082億円、音楽分野ではDVDディスクの生産設備を中心に増加したことにより131億円

(53.3%)増加の378億円、映画分野では9億円(7.8%)減少の110億円、保険分野では14億円(46.8%)減 少の16億円、その他分野では307億円(64.3%)減少の171億円でした。

その他の資産は、1,146億円(10.3%)増加の1兆2,296億円となりました。その他の資産項目のうち、繰 延保険契約費は保険分野における保有契約高の増加にともない増加しました。

2000年度末の流動負債および固定負債合計は、1999年度末に比べ9,038億円(19.7%)増加の5兆 4,935億円となりました(1999年度末の為替レートを適用した場合の2000年度末の負債合計は、1999 年度末に比べ15%の増加と試算されます)。この増加は、主に保険契約債務その他、短期借入金、支払手形およ び買掛金、未払金・未払費用が増加したことによるものです。流動負債項目のうち、短期借入金は、1,291億円 増加(約3.3倍)の1,855億円となりました。これは運転資金の需要に対応し米国でCPを発行したことなどに よるものです。1年以内に返済期限の到来する長期借入債務は、123億円(7.8%)増加の1,708億円となりま した。この増加は、米国でMTNや社債を償還したものの、長期借入債務からの振り替えがあったことによるも のです。支払手形および買掛金は、1,140 億円(14.1%)増加の9,250億円となり、未払金・未払費用は、

1,261億円(18.5%)増加の8,075億円となりました。支払手形および買掛金、未払金・未払費用の増加は、

主にエレクトロニクスとゲーム分野の売上増加にともなうものです。固定負債項目のうち、保険契約債務その 他は、保険分野における保有契約高の増加にともない増加しました。未払退職・年金費用は912億円(70.4%)

増加の2,208億円となりました。これは、主に2000年度の日本の株式市場の低迷を反映し、ソニー㈱が保有 する年金資産の評価額が減少したため、最小年金債務を追加計上したことによるものです。長期借入債務は、

299億円(3.7%)増加の8,437億円となりました。この増加は、長期借入債務から1年以内に返済期限の到来 する長期借入債務への振り替えはあったものの、日本で1,500億円の普通社債を発行したことによるもので す。この結果、短期借入金、1年以内に返済期限の到来する長期借入債務、長期借入債務の合計(有利子負債残 高)は、1,713億円(16.7%)増加の1兆2,001億円となりました。

2000年度末の資本は、1999年度末に比べ1,325億円(6.1%)増加の2兆3,155億円となりました。こ れは主に、外貨換算調整額において、円安の影響により資本の部から控除される残高が1999年度末の4,836 億円から3,233億円に減少したことによるものです。なお株主資本比率は、1999年度末の32.1%から 29.6%に低下しました。

なお、保険分野の要約貸借対照表(監査対象外)は、67ページに記載しています。

ドキュメント内 アニュアルレポート 2001 (ページ 75-81)

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