第5章 地方陸上旅客輸送事業の現状分析
第3節 民営地方鉄道旅客輸送事業者・国鉄特定地方交通線転換第三セ クター鉄道旅客輸送事業者
1.岳南鉄道
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岳南鉄道は,岳南鉄道線・ll;原(静岡Lil!一富lr{b-)一岳南江/毛(同)間g、2kmで鉄道事業 を営む地方陸[i旅客輸送事業者である193.
岳南鉄道は,1948年12月にrfi原本町から沼津への鉄道路線を計画した第1次世界大戦 ケfh,わ‖1∫の計画をIJIき糸陛き設、乞された鉄道 1}:業者で,1949年ll月18日に鈴川(現在の占原)−
L ト は’t’ I’ ほ! トしは) かぐな1’1 tおカ
tl煙エ本町間が開業し,1950年4月に:ii原(現在の本∫fF原)まで,1951年12月には岳南富」:岡 まで,1953年1 Jjには岳南711尾まで開業した.沼津までの延伸計画は1972年に沙汰Iflみ
となった.
岳南鉄道の資本金は1億6000万円で,全体の60%強を富ir急行グノレープで保有するた め,連結子会社となっている.なお,岳南鉄道は1966年から1998年まで路線バス旅客輸 送‘1喋を兼業していたが,路線バス旅客輸送事業については同じく富1:急行のグループ会 社である富L急静岡バスに移管した.
岳南鉄道の大きな特徴の1つに鉄道貨物輸送事業の存在があり,日曜日を除く日に吉原 一比奈間で8本の貨物列r{〔が運行されている.これは富ヨ:市の代表的な産業である製紙業 の鉄道貨物輸送事業で,Ji原でJR東海東海道線と接続してJR貨物に貨物列車の運行が
弓1き絹iがれる.
岳南鉄道線の輸送成績を 図表5-13 岳南鉄道線の旅客輸送事業成績(2004年度)
図表5-13に示す.岳南鉄道線 の輸送人員は,|967年度に約 5|0万人のピークを迎え,爾 来減少傾向が続いたものの,
2002イ艘以降はわずカ・ながら〈出所〉剛交通省鉄道艦修[2°°6・]より筆緋成
増加している.それでも2004年度はピーク時の13.5%に過ぎない.また輸送密度も801 人と国鉄の特定地方交通線であれば廃1卜対象となる水準である.岳南鉄道は,全線を利用
旅客輸旅客輸送人員 旅客輸送人キロ 送密度
@C「・人) (OG) (千人キロ) (OO) (人)
定期
闃匇O
㈹v
278 4029 Ll23 40.45 324 S12 59.71 L653 59.55 477 U90 100.00 2、776 100.00 801
193 岳南鉄道の路線図を附図表9(p.3gg)に図示した.なお,岳南鉄道の路線には正式な路線名 称がない.本論文では便宜的に「岳南鉄道線」と路線を指す.
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第5章 地方陸ヒ旅客輸送事業の現状分析
すると350 liJの運賃が必要だが, il曜日・休日には全線が400円で自山に乗降できるll フリー券を発売している.なお,鉄道貨物輸送事業についても,鉄道旅客輸送事業と同様 に,輸送{ltは滅少している.1969年度に99万tが2004年度には12万tに減少している.
ソ∫,岳南鉄道の財務状況を図表5-14に 図表5-14 岳南鉄道の財務状況(2004年度)
示す.この鉄道「1深営業損益には鉄道貨物 輸送事業分も含まれている.なお,鉄道旅 客輸送事業部分の収人は1億L803万円で 鉄道事業営業収益の47。1%をllfめている.
鉄道’1[業営業損益では2388万II」の赤字を 計Lしているが,その他の営業損益5.094 ノ∫円の黒字隅で鉄道h業営業損益と営業外
端の赤持補姻る/l多で冷撲糸蹴il}lll;繍f『鍵繊=[,。。6。]より鞘
益は2.451万lllの黒字を、ll iiしている.最 f乍成・
終損益では黒字を決算しているが,鉄道づ撲営業損益の赤字額の圧縮,黒字化が当面の課 題となっている.
この輸送成績と財務状況から,岳南鉄道は鉄道貨物輸送がなく,鉄道旅客輸送単独だけ では鉄道事業の存続が難しいことがわかる.
岳南鉄道線は4線が富i:lif域であるため,沿線の地方自治体は基本的に富’1:市のみとな る.そのため,岳南鉄道と富1;liiの協力体制の構築は比較的進んでいる.富i:市は人口が 24万人と中規模の地方都liiである.富1:市は1966年11月に富t市・吉原市・鷹岡町が合 併して発足した地方自治体で,JR東海富ir駅を中心とした旧富七市街と旧吉原市街に中 核市街地が1分化し,さらに1988年に富ir駅の南東約1.5kmにJR東海道新幹線の新富士 駅が開業したため,市街地が三極に分化している.しかし,これらを結ぶ地方陸上旅客輸 送事業は路線バス旅客輸送’拝業のみで,東海道新幹線と東海道線,岳南鉄道線が有機的に
うまくネットワークとして形成されていない問題点がある.富i:市は, 三極に分化したrf∫
街地を地方陸ヒ旅客輸送事業のネットワークで有機的に結ばれていないため,自家用乗用
[lilo)増加を招き,さらには岳南鉄道線の輸送人員の減少を招いたと考え195,地方陸ヒ旅客 鉄道事業営業損益 ▲ 2,388
@ 金失道’封業f淫業月又・益… 25,077
@ 鉄道事業営業費川 27,464 その他の営業損益 5,094
c業外損益 ▲ 256
@ 営業外収益 L222 .
@ 営業外費川 1,479 全事業経常損益 2,451
牛苫月IJ打1益… ▲ 760 兇弓ll〕f∫打]名釜 L691
最糸冬打乏益… 925
194 その他の営業損益では,
1gs x1:市の調査に拠れば,
不動産‘拝業による収益が大きなウェイトを占めている.
バーソントリップの71%は自家用乗用車に依存し,地方陸ヒ旅客
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第5章 地方陸ll旅客輸送事業の現状分析
輸}g ・1}:業を中心とした公共川旅客輸送タ1喋を屯視した施策を立案した.
この施策では,富1:市域の東西基軸ノ∫向の地方陸ll旅客輸送事業として岳南鉄道に役割 か期待されている.富L市は,占原・富i:・新富irの3地域を結ぶ長期的な施策として,
岳南鉄道線に軌陸両川ili:(DMV,第7~;;第2節(P,32・)参照)を導人する計画を策定し ている.これに拠れば,この軌陸両川[{s:を岳南£ハ漣線に導人することで,岳南鉄道線の設 備を活川しつつ,J源駅での乗り換えを解消して, lf源・富1:・新富トの3地域を直線的 に結び,さらにはそれぞれの市街地で乗降できるとしている.この軌陸両用車を活用した
,1’ 1一画は2012年度の供川開始を目標とし,2007年1月には,JR北海道から軌陸両Al E{ ilを 借り受け,岳南鉄道線て試験運行を実施した.
富lr市側も岳南鉄道線を市域の「財産」と捉え,活川させる方向にあり,岳南鉄道も富 川側に協力する意向があることから,岳南鉄道線は地ノ∫陸1二旅客輸送事業再生の好例と なる日∫能性が1・分にあるといえる.
2,北海道ちほく高原鉄道・北越急行
(D Jヒ涌万」芭ちほく1問届(3失)芭
北海道ちほく高原鉄道は,2006年4月までふるさと銀河線・池田(十勝支庁中川郡池田 町)一北見(網走支庁北見ll∫)間140.Okmで鉄道旅客輸送事業を運営していた地方陸上旅 客輸送,拝業者の1つである196.
ふるさと銀河線は旧国鉄(JR北海道)池北線を承継した路線で,池北線は道南・道央
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地方と網走を結ぶ網走線として建設され,1910年に池田一注別(のちの陸別)間が開業
’い ’し
し,1911年には潅別一野イ寸牛(現在の北見)間が開業した(翌1912年に網走まで全通開 せきはx
業),1961年に池川一北見間を池北線と改称した.1932年に石北線が開業し,徐々に道央 地方と網走を結ぶメィンルートは網走線・池北線から石北線に移り,池北線は沿線には都
ちし :tt・市もなく,帯広,池田,足寄,陸別,北見などのローカルな旅客輸送事業が主体となった.
第1節(p.|99)でも述べたように,1980年にH本国有鉄道経営再建促進特別措置法(国 鉄再建法,1980年法律第|1Pナ)が公布され,池北線は1982年に第1次特定地方交通線 に選定された.1984年6月に運輸大臣が池北線を特定地方交通線として承認するにあたっ
輸送‘1‘業の分担率はわずか4%である (榛葉法大[2007]).
196 北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の路線図を附図表10(P.40・)に図示した.
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第5章 地方陸ヒ旅客輸送事業の現状分析
すように22線1メll.456.5kmが 特定地方交通線に選定された
ガ・,池」ヒ糸泉(北涌万芭ちほく高
原鉄道)以外の線区は,いず れも鉄道愉送事業を廃lllし路 線ハス旅客輸送「1喋にtll」1換し
ている.池北線は,1989年6 Jl411に北?毎道ちほく高原$失 道に転換した.
北海道ちほく高JJJ($失道は,
開業(転換)初年度となる1989 年8月に列中:の運行本数を26 本から39本に増発し,1991
年には部の列車をJR根室
線に乗り人れ,帯広まで直通 運行を開始した.また,路線 名に因み著名な漫画家が描い
て,北海道などは池北線が100kmを超える長大線区であること,冬季が厳しい寒さに襲わ れる特殊1‘情がある点などを根拠に承認の除外を訴え,これを受け運輸省は冬季の交通調
なヒう てノしほぐ しへつ
杏を実施した.この調杏を踏まえ1985年6月に,名寄線・天北線・標津線を含めた100km を超す「長人IJLI線」が特定地方交通線に追加承認された.
池北線沿線では,廃Illを前提とした協議会への川席を拒否していたが,出席拒否を続け ていれば池北線の廃II:が決定されることから,第:セクター地方鉄道旅客輸送事業者を設
立して鉄道旅客輸送’1‘業を右:続させる方針に転換し,1988年ll月に北海道を最大の出資 者とする第:セクター地方鉄道旅客輸送事業者設立の方針が決定した.
北海道では,図表5-15に示 図表5-15 北海道内の国鉄特定地方交通線
営業鉄道輸送
キロ事茎廃止日白糠線 渚滑線 1相生線 万字線 岩内線 興浜北線 興浜南線
1 美・{’:・f‘泉 21・;引ノkJ St泉
2月lt抗ミ糸ハ泉
2広尾線 2瀬棚線 2湧網線
{:幌線
2羽幌線 2幌内線
2 松前糸泉
2歌志内線
2標津線 2名寄線 2天北線 2池北線
鷺無蕊竃蘇鷲摘轡 銅嶋“銘⇔田卯ロお知勾担賠’おU㎝㎝媚靱乃幻⇔”00 333213128884871425164B 1414 ぱ魎 D撒耀麟鐘轡翻馴轡
1983/|0/231985/04/Oll985/04/Ol l985/04/Ol l985/04/01 1985/07/15 1985/09/17 1985/09/17 1986/ll/01 1986/玉1/01 1987/02/02 1987/03/16 1987/03/20 1987/03/23 1987/03/30 1987/07/13 1988/02/Ol l988/04/25 1989/04/30
1989/05/0|
1989/05/Ol
〈註〉 路線名の数字は,特定地方交通線承認の時期を示す.
〈出所〉財団法人運輸政策研究機構編[2000],pp.196-197より 筆者作成.
たラッピング列中二や蒸気機関fl il(SL)を運行させるなど,増収策を展開した.
しかし,ふるさと銀河線の利用者数は減少し続け,1990年度に102万7.000人を記録し た愉送人員は2003年度に50万人を割1)込み,輸送密度は1990年度の516人から242人(2004 年度)に減り,10年余で’卜減した(次ページの図表5・・16). 、
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