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地方路線バス旅客輸送事業者

ドキュメント内 日本の地方陸上旅客輸送事業 (ページ 98-111)

第5章 地方陸上旅客輸送事業の現状分析

第6節 地方路線バス旅客輸送事業者

 H本には2006年3月3111現在,路線バス旅客輸送‘1傑者が513存在する23‘).本節では,

これらの地ノ∫路線バス旅客輸送事業者の現状を分析する.

1.地方路線バス旅客輸送事業者の経営形態経営内容・規模j

 まず,地ノ∫路線バス旅客輸送’6業者がどのような経営形態にあるのか,また経営内容・

規模かどうなっているのかを検討する.

 地方路線バス旅客輸送‘1喋者には,公営地方路線バス旅客輸送事業者,第三セクター地 方路線バス旅客輸送事業者,民営地方路線バス旅客輸送事業者,特定非営利活動法人地方 路線バス旅客輸送1日業者の4形態がある.

 地ノ∫自治体が現業として営む公営地方路線バス旅客輸送‘拝業者は,次のように定義され る.公営地方路線バス旅客輸送]喋者とは,道路運送法第4条,第21条,それに地方公営 企業法に基づき,地方自治体の般会計から分離された会計のドに運営されている地方公 営企業(交通局・交通部)が現業として運営する地方路線バス旅客輸送事業者と定義され る,また,地方公営企業法第39条の2に規定される企業団231も公営地方路線バス旅客輸

送「1[業者に含まれ.る.

 ’方,「21条バス」,「廃止代替バス」の事業については,地方自治体が地方路線バス旅 客輸送事業者や貸切バス旅客輸送事業者に事業を委託するもので,地方自治体が直接現業

として路線バス旅客輸送事業を営んでいないので,その地方自治体は公営地方路線バス旅 客輸送事業者には含まない.また,地方自治体が小中学生の通学のために無償で運行して

いるスクーノレ・バス,ならびにこのスクール・バスを道路運送法第78条で認められた「自 家川有償旅客運送」や,地方自治体が道路運送法第78条に基づき,自ら路線バス旅客輸送

を運行するあるいは民営路線バス旅客輸送事業者に運行を委託する「コミュニティー・バ ス」についても公営地方路線バス旅客輸送事業者に含まれない.これらの定義による公営 路線バス事業者を図表5-31に示す.

230 ミ団法人II本バス協会編[2007],p5より.なお㌧出所では「乗合バス事業者数」としてお り,この数値にははとバスのような定期観光バスの運行を専業とする事業者も含まれる.

231 驪ニ団とは,地方公営企業の経営に関する事務を共同で処理する部事務組合である.

      -253万

第5章 地方陸Il旅客輸jg ;ii:業の現状分析

図表5-31 公営地方路線バス旅客輸送事業者

1‘1㌧/J、4タ〔Ili (」ヒ活」道)

1‘沿齔X市

八戸市(1‘「森県)

イ[1|f?・lff

不火llltli

東京都

八丈川’(東京都)

:宅村(東京都)

横浜Ili

川崎市

南アルプスll∫

伊那市(長野県)

名占屋市 京都市

高槻llf(大阪府)

人阪市 神戸市

尼ll卜奇llf(兵庫県)

f川’」市(兵庫県)

実施部局地方’1治体・企業団名

市交通部

ll∫交通部

市交通部 市交通局 市交通局 都交通局

田j’企業課

村企業課 市交通局 市交通局

(lll梨県)市企業局

長谷総合支所南ノ’

ルプス林道管理宅

市交通局 Ili交通局 市交通部 市交通局 lii交通局 lf∫交通局

市交通局

明石ll∫(兵庫県)

姫路市(兵庫県)

松江市

呉ll∫(広島県)

尾道lti(広島県)

三原lti(広島県)

zj三i午lsl|i   (llI l ILE,し)

岩llこ|市仙川県)

徳島市

鳴門市(徳島県)

小松島rli(徳島り,キ)

」ヒプLク、日rli

佐賀rlf 長崎県

佐世保市(長崎LEi-!-)

松浦市(長崎県)

熊本市 鹿児島市

rii交通部 rff交通局 市交通局

[1∫交通局

市交通局 lli交通局 市交通局 市交通局

ll∫交通局

市運輸部 rli運輸部 rf∫交通局 fii交通局 県交通局

lf∫交通局

市交通課 市交通局 市交通局 沖永良部バス企業団(鹿児島県)

薩摩川内市(鹿児島県)市産業経済部

〈註〉 秋川市は2006年3月31Hに秋IHIii央交通に‘1享業を移管し廃lilした.

ぐ出所〉総務省自治財政局編[2007]より筆者作成.

 日本国有鉄道自動}[局が運営していたいわゆる「国鉄バス」は,公営地方路線バス旅客 輸送事業であった.国鉄改革により,国鉄の地方路線バス旅客輸送事業についても民営化 されJR旅客6事業者が「1喋を承継した.その後,1998年に本州3事業者は子会社を設立 して路線バス旅客輸送‘]環を分離(分社化)し,2004年までにJR三島旅客輸送事業者も 路線バス旅客輸送II環を分離分社化した.後者のJR三島旅客輸送事業者は現在も独立 行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が全株を保有し,JR法が適用される「特殊会 社」であるが,路線バス旅客輸送事業についてはそこから分離,分社化した事業であり,

JR:島旅客輸送事業者の100%子会社であるものの,独、γ行政法人鉄道建設・運輸施設 整備支援機構とは1白:接的な関係がないため,公営地方路線バス旅客輸送事業者とはいえな

い,

 これらの公営地方路線バス旅客輸送‘1環者については,次のような特徴が挙げられる.

第’に,東京都や横浜市,人阪市のように大都市のll∫域内で路線バス事業を営んでいる点232,

232 ネ坑 このような大都市の市域内で路線バス旅客輸送事業を営んでいるllの公営地方路線

一254一

第5章 地方陸(1旅客輸送’P業の現状分析

第1に八丈町や薩摩川内llf,沖永良部バス企業団のような離島で,かつ民営地方路線バス 旅客輸送]喋者が有:在しない地域内で,路線バス旅客輸送事業を営んでいる点である233.

 次に,第一1セクター地ノ∫路線バス旅客輸送事業者についてである.地域企業経営研究会 編[2003]に掲載されている2002イドニ現イEの第三セクター会社のうち,路線バス‘拝業i者に該

当するのは,南部バスや加越能鉄道など,その数は少ない.後述する分社化によって,沿 線の地ノ∫自治体が出資要請に応じる/l多で第:セクター地方路線バス旅客輸送事業者が設立

されている程度である.鉄道旅客輸送事業,特に地方鉄道旅客輸送事業の多くが第一三セク ター地ノ∫鉄道旅客輸送事業者によって匹1喋運営されているのと比較すると,路線バス旅客 輸送’1}:業における第弛クター地方路線バス旅客輸送事業者は非常に少ないという特徴が

ある.また,特定非営利活動法人地方路線バス旅客輸送事業者は,2006年の道路運送法改 ll三によって同法第78条に基づいて本格的に導入された経営形態であるが,その事業者数は

少ない.

 最後に,民営地方路線バス旅客輸送事業者である.第三セクター地方路線バス旅客輸送

‘1深者,特定非営利活動法人地方路線バス旅客輸送事業者が非常に少ないことから,公営 地ノ∫路線バス旅客輸送‘1喋者を除いた450を超す地方路線バス旅客輸送事業者が民営地方 路線バス旅客輸送’1[業者である.この民営地方路線バス旅客輸送事業者には,地方鉄道旅 客輸送事業者が地方路線バス旅客輸送事業も兼業している事業者や,過去に地方鉄道旅客 輸送’1喋を営み鉄道旅客輸送事業を廃If二し地方路線バス旅客輸送事業に専業化した事業者

も存在する.なお,個人名で路線バス旅客輸送事業者として事業許・∫を受けた事例もある.

 次に地方路線バス旅客輸送事業者の経営内容と規模についてである.

 500を超す地方路線バス旅客輸送事業者の経営内容と規模は多岐にわたる.地方路線バ ス旅客輸送]喋のみを専業で営む事業者は少なく,前述したように鉄道旅客輸送事業事業 者が路線バス旅客輸送事業を兼業していたり,タクシー事業や不動産業,自動車整i備業な ど多角的に事業を展開している事業者がみられる.この中でも貸切バス事業を兼業してい

バス旅客輸送’拝業者(東京都,横浜11i,川崎市,京都市,高槻市,大阪市,神戸市,尼崎rfi,

伊UhMi,明イ川∫,姫路市)については序論第2節4.(p.17)より本論文の詳しい分析対象では

ない.

233 ュ児島凧糠川1肺は,川糠君1汀滅村.同酎が営むヒ甑バス企業団,ド甑村が営む「村 呂バス」について,2004年10月の旧川内市との市町村合併により,薩摩川内市産業経済部が 地方公営企業として甑遵内の地方路線バス旅客輸送事業を営んでいる.

一255一

第5,siT:地方陸ヒ旅客輸送事業の現状分析

る事業者が非常に多い.これは,EIY二用の観光貸切バスを川意し,道路運送法第3条第1項 ロに規定される般貸切旅客自動車運送事業として貸切バス事業を兼業しているケースと,

一般/l勺な路線バス車輌を貸切バスとして運行できるように貸切バス事業を兼業しているケー スがある.

 地方路線バス旅客輸送’6業者の規模については,保有するバスd[輌と事業者の資本金と いう2つの指標で比較する.

 地ノ∫路線バス旅客輸送’1[業者は,わずか数台しか保イ∫していない小規模な事業者から2,000 台を超すバ川〔輌を保有する人規模な‘1喋者まで大きな幅がある.全地方路線バス旅客輸 送li[業者て5万8,430台を保有しているので,’P均すると約113台のバスFFi輌を保有して

いる.このうち,大規模な路線バス事業者は,西日本鉄道,神奈川中央交通,東京都交通 J, ,b,北海道中央バス,名占屋ll∫交通局,横浜市交通局が1 ,OOO台以上を保有する事業者で ある.その・方で,地ノ∫路線バス旅客輸送事業の事業免許を取得したばかりかもしくは地 方路線バス旅客輸送事業の廃止を届け出たためか,保イrするバス車輌が0台という事業者

もある.

 地ノ∫路線バス旅客輸送‘1礫者が許”∫された路線キロは,5.000kmを超す事業者からわず か5kmにも満たない事業者まで,保有バス車輌台数と同様に幅広い.全路線バス旅客輸送

‘1深者が許[・∫された路線キロは35万7、 1 OOkmに及ぶ.近鉄バス,神姫バス,名鉄バス,

宮城交通,西ll本ジェイアーノレバス,阪急バス,北海道中央バスが4.000km以上の路線キ ロで事業許rl∫を受けている.ただ,許rl∫された路線キロは,路線バス事業者の路線系統の 新設・改廃により,変動しやすい点に留意する必要がある.

 このような路線バス事業者によって’1喋展開される路線バス事業の輸送成績は,次の通 りである (数値は2005年度).

 旅客輸送人員は42億4385万人(前年度比2.ll%減),旅客輸送人キロは276億6.400 ノ∫人キロ (同096%増),1H・ド均旅客輸送密度は212人(同増減0),乗車密度234は10.3 人(同0.2人増)であった.旅客輸送人員は,1968年度の101億4、381万人をピークに減 少し続け,ピーク時の582%も減少している.旅客輸送人キロは1972年度の546億0299 万人キロをピークに減少したが,1999年度の265億5.715万人キロを底に減少から横ばい

234 謗ヤ密度は,旅客輸送人キロを実車運行キロで除算した数値で,路線バスの1キロあたり の旅客輸送人員を示す.

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