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5.7 機能性カプセルの作製
コアセルべ‑ション法を適用して,エポキシ樹脂をカプセル化した。得られたカプセルの平均粒径は 約1 00Jlmであった。なお,カプセル化に用いた壁膜材はゼラチンである。
(2)エポキシ樹脂封入カプセルのコーティング
カプセルの耐水性向上を目的に,コーティング剤として,瞬間接着剤として知られているα‑シア ノアクリレートを使用した。カプセルを水中に分散し, α‑シアノアクリレートの反応をコントロー ルしながら滴下して,カプセル表面でα‑シアノアクリレートを重合しコーティングした。コーティ
ングしたエポキシ樹脂封入カプセルのSEM(走査型電子顕微鏡)像を写真‑ 1に示す。
写真‑ 1 コーティング処理したエポキシ樹脂封入カプセルのSEM像 3.エポキシ樹脂封入カプセルのセメントモルタルへの混入実験
セメント:砂=1:2 (質量比)及び水セメント比65%とし,エポキシ樹脂封入カプセル中のエポキシ樹 脂量がセメント質量に対して5,10及び20%となるようにエポキシ樹脂封入カプセルを混入したセメント モルタルを調製した。その結果,コーティング処理を施さないエポキシ樹脂封入カプセルを混入した場 合には,カプセル混入量が5%であっても,セメントモルタルのワ‑カビリティーが不良となり,その硬 化も著しく遅延した。これは,カプセルの壁膜がゼラチンであるため吸水性が高く,その一部が練混ぜ 水に溶解して,セメントの水和反応に影響を及ぼしたためと考えられる。
一方,コーティング処理したエポキシ樹脂封入カプセルを混入した場合には,その混入率が5%であれ は,セメントモルタルのワ‑カビリティー及び硬化にはほとんど影響を及ぼさない。このことから, α
‑シアノアクリレートによる処理は,マイクロカプセルのゼラチン壁膜の耐水性改善に効果があるもの と考える。しかしながら, 10%以上の混入率では,セメントモルタルの硬化不良が認められた。
4. まとめ
ゼラチンハードカプセルを用いた水ガラス系補修剤封入カプセルは,それ自体の保存安定性が不良で あり,セメントモルタルに配合するまでには至らなかった。又,エポキシ樹脂封入マイクロカプセルに ついては, α‑シアノアクリレートによる処理は,マイクロカプセルのゼラチン壁膜の耐水性改善に効 果があるが,セメントモルタル‑の配合量が制限され,自己修復効果を確認することはできなかった。
しかしながら,今後,適切な材質,また適切なサイズのカプセルが作製できれば本手法の可能性が検 証できると考える。
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