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5.6 人工軽量骨材を用いたカプセル化の基礎実験
1.はじめに
5.1においてインテリジェント化の手法の1つとして、マイクロカプセルを用いた実験を行った。本節で は、このマイクロカプセルという「殻」を人工軽量骨材に置き換え、その可能性について考察する。
2.人工軽量骨材への補修剤含浸
本節で用いる人工軽量骨材とは、内部に大きな空隙が存在し、 β=0.52(絶乾)、粒径は10‑15mmの骨材で ある。特に本項では、粘度が異なる2種類の補修剤(表l)を用意し、実際に補修剤の含浸を試みる。
2.1実験概要
図1のように真空器を用い、一度器具内を真空にした後、補修剤を 人工軽量骨材に流し込む。このことにより、一度真空にされた人工軽 量骨材中の空隙に補修剤が含浸されるはずである。この一連のプロセ
スを想定し実験を行う。補修剤含浸量、また含浸後の人工軽量骨材か
らの補修剤流出量は補修剤の粘度により大きく異なることが予想され る。よって、表1に示した粘度の大きい補修剤A (エポキシ系樹脂) と、粘度が小さくセメント系材料と反応しガラス質の析出物を生成す る性質を持つ補修剤Bとで比較する。人工軽量骨材の使用量は50gとし、含浸直後骨材表面についている 補修剤をふき取り、重量を測定する。その後は恒温室で保管し、補修 剤が人工軽量骨材から流出するかどうかを確認する。また比較方法と
しては補修剤の含浸量を重量比で表し、人工軽量骨材中の補修剤の割 合を比較検討する。
2.2 実験結果及び考察 実験結果を表2に示す。
補修剤Aと補修剤Bとでは、人工軽量骨材への含浸量に大きな差が 認められる。これは補修剤の粘度の差により生じた結果であると予想 できる。よってある程度の粘度を有する補修剤であれば、人工軽量骨 材への含浸が可能であるといえる。しかし、現段階ではその含浸量は
表1補修剤の性質
比重 僞97fユ 2テ# 竰
補修剤A 3000 4500
補修剤B 水と同等
図1実験方法
十分であるとは言えない。また、骨材の破壊と同時に補修剤が吹き出すという状態までは至っていない。今 後はひび割れを補修するのに十分な量の補修剤を含浸させ、その補修剤を人工軽量骨材の破壊と同時に吹き 出すという性質を持たせられるような技術が必要であろう。
さらには時間の経過と共に、人工軽量骨材表面に補修剤の流出が確認できた。確かにその量は微量では あったが、インテリジェント化の一手法としてこれを用いるためには、数年後にも内部の補修剤が健全なま まで存在していなければならない。よって、補修剤含浸後、人工軽量骨材の表面をコーティングし、補修剤 がひび割れ発生前に流出するのを防ぐ必要がある。
表2 補修剤の含浸量
補修剤 畏)E9 イ B(低粘性) B B
経過時間【h】 重量【g】 ネホ2 s2 Sb紕 s"纉Sb s"纈 56.0
含浸補修剤量【gl 2 6.4 "纈 6.2 "纈 6.0
補修剤重量比【%】 絣 ll.3 紕 ll.0 紕 10.7
3.補修剤を含浸させた人工軽量骨材の埋設
ここでは2.で作製した、補修剤を含浸させた人工軽量骨材を実際に埋設する。また補修剤Bは含浸量がそ れほど期待できないという2.の結果より、特に補修剤Aを用いて実験を行う。
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3.1実験概要
圧縮試験体は5≠ ×10【crd]の円柱状、曲げ試験体は4×4×16lcrd]の直方体のものとする。
使用材料を表3、調合表を表4に示す○但し、調合表中の骨材とは補修剤含浸前の人工軽量骨材を指すo練 り混ぜには容量68のオムニミキサーを使用し、粉体のみで空練りを1分、その後水、減水剤を入れて3分、
そして繊維を混入して1分、最後に骨材を入れて2分とする。打設後24時間まで養生室(ュo℃/相対湿度 100%)において静置し脱型。所定の期間水中養生を施す.
また曲げ試験前にはコンクリートカッターで1cmのノッチを入れる。
比較のためのシリーズは、圧縮試験、曲げ試験それぞれ水中養生期間を1週間施したもの(DC5≠1、
DCl)と4週間施したもの(DC5≠4、 DC4)を用意する(表5) o 表3 使用材料
セメ̲ント コリ7ク8ク6x8庖E 6 H8 v 6r ォ 褫 B峯
シリカフユーム(p=?.̲2̲Q̲.̲平均粒墜9:"1阜Lum) ナフタリンスルホン酸塩系高性能減車処世.20/空気非連行性)
̲̲握和則̲̲̲ ̲̲縛碓̲̲ー ̲̲̲=一旦軌.
ポリプロピレン繊維(p〒p二91、≠0.018×12mm) ^rI重量型蔓延!且室.52(絶乾)、粒径:10‑15mm)
補修剤 x7ネ4ネ5h x闥 モ IE97Ε3 モCS ユ 2テ# 竰
W/(C+SF) b オ4b奉 Va 秒 硬水剤
40【wt.%】 謡B禊 35【yol.%】 Gf B禮 「 2【wt.%1
但し、 W:水、 sF:シリカフユーム、 Va:骨材体積、 vf:繊維混入率であるo 表5 供読体シリーズ
養生期間 B 4週
圧縮試験用供試体 妊3X # DC5≠4
曲げ試験用供試体 妊6ツ DC4
3.2 実験結果及び考察
本項では補修剤を含浸させた人工軽量骨材の埋設を実験的に行うことを目的としているため、強度に関す る結果は表記しない。
2.において補修剤の人工軽量骨材からの流出を指摘した。本項において実際に埋設した場合でも、このこ とが確認できた。図2のように試験体表面に斑点が見えるoこれは練り混ぜ時に撹拝されることによって補 修剤が流出した証拠であろう。
また、曲げ試験を行い試験体を破壊した時の破壊面を図3に示すo先に述べたように、補修剤は人工軽量 骨材の表面に流出している。このことにより骨材の表面に膜が形成されるoこれが原因で骨材が破壊される 前に、骨材とマトリクスとの間に剥離破壊が起こったことがこの図から確認できるo補修剤はセメント水和 物と反応する性質を持つが、本項では硬化剤を用いず実験を行ったため反応が促進されず・液体のまま骨材 表面に存在していたためと考えられるoこのことがDClの方に顕著に見られるo DC4においては、養生期間 を4週施してある分、流出した補修剤がある程度固化し、 DClほど顕著ではなかったと考えられるoしかし 骨材とマトリクスが完全に一体であるとは言い切れない0人工軽量骨材からの補修剤の放出がある程度確認
できたが、骨材とマトリクスが完全に一体になっていなければ、骨材から破壊し、補修剤が放出されるとい うインテリジェント機能は十分に機能しない0 ‑万、圧縮試験についてはDC5≠1、 DC5≠4共に、骨材が破 壊し補修剤が放出されたことが確認できたo確かに骨材とマトリクスの境界面が欠点になっているものの、
骨材は強度が低いため破壊されたと考えられるo今後、実際に補修剤が放出されたことで、破壊部分を確実 に補修するかどうかを確認する必要がある。
ト機能がはたらくようにするには、補修に十分な量の補修剤の含浸、補修剤の健全なままでの保存、骨材と マトリクスの一体化が今後の課題として挙げられる。
図2 圧縮試験体表面
図3(a) DClの破壊面
図3(b) DC4の破壊面
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