T 一
6.1 自己止水コンクリート
処理を行う。そして補修剤の養生のため3日間恒温室で静置した後透水試験を行う。また試験体の形状及び 破壊試験方法を図2に、透水試験方法を図3に、 cO5‑gシリーズの静置方法を図4に各々示す。
表1各試験体の破壊試験と補修剤表面塗布の有無(育:○,無:‑)
SeneS 僥ィ 韋ヒ 表面塗布 Q95̲‑U 峰2 ○ ○ ガラス管からの放出
9975 cO5‑∩‑U cQ声I甲 cO5‑A 峰
C)
図2 cO5‑gシリーズの試験体及び破壊試験 (co5及びco5‑∪シリーズはガラス管が埋設されない)
図3 透水試験方法 図4 cO5‑gシリーズの静置方法
4.実験結果及び考察
図5に全シリーズの時間と透水量の関係を示す。各シリーズ毎で比較すると、割裂試験を行った中で、 cO5 シリーズとco5‑Uシリーズとでは大きな差がないのに対し、 co5‑gシリーズが他のシリーズと比べ単位時間に 対する透水量が少ないことを確認できる。すなわち、試験体にガラス管を埋設することにより止水機能の自 己回復が可能となったと見て良いだろう。
しかしながら、割裂破壊試験によって発生した残留cMOD (割裂破壊試験除荷後試験体に残った開口変 位)にはある程度の幅があり、それにより透水時間の差が生じたと考えられる。図6に残留cMODと透水試
一一●一一cOS
= cO5‑U
・・.・嶋‑ cO 5‑g
y‑2.3026+‑8.9369xR=0.90629 y=0.3089 +8.7074xR‑0.22176 y‑ 17.684+‑54.25x R=0.576
0.05 0.1 0.1 5 0.2 0.25
残留CMOD 【mml
図6 各シリーズの残留CMODと透水時間の関係
‑63‑
︻u
!u ]匝 皆貴 職0 09
く。この原因として、コンクリートの養
生時または乾燥時に発生する乾燥収縮に よるひび割れや温度ひび割れが微細なひ び割れとして表面に存在していることが 挙げられる。透水試験時ロートをかぶせ る範囲にはその形状の性質上、破壊試験 によるひび割れ部分だけでなく、この乾 燥収縮や温度ひび割れによるひび割れ部
分も含まれてしまう。 co5‑Uはこのひび 割れも補修することとなり、 C05と比べ 残留cMODの開きに対し透水時間が大 きくなるはずである。このことは図上で も表れている。そして、この表面ひび割 れの度合いにより、測定残留cMODが 大きくても周辺の表面ひび割れが十分補 修されていれば透水時間の延長が期待で きる。また逆に測定残留cMODが小さ くても周辺の表面ひび割れがほとんど補 修されなかった場合は、それが透水時間
70
60
=50
j亡
糊 姪40
30
20
cO5‑g cOS及びcO5‑U
図7 cO5‑gシリーズとその他のシリーズの最大荷重の比較 の短縮につながることになる。またもう一つの原因として、表面塗布が手作業による試験であることが挙げ られる。このことにより、どうしても面内に塗布量の斑が出てくる。その斑がロートをかぶせる範囲内にあ ればそれが不確定要素になることは必至である。この不確定要素が試験結果に影響している可能性は否定で
きない。
次に、 C05とco5‑gとを比較する。まず最初に、 cO5‑gがC05に比べて上方に分布していることに気付くo上 方に分布しているということは同じCMODに対する透水時間が長いことを示すというのは言うまでもない。
このことはガラス管による止水機能に関するインテリジェント化の効果があったことを示しているといって も良いであろう。勿論グラフ上の散布図の散らばり具合からも、確実な制御ができているとはいえない。だ が、シリーズの傾向として論じるとすれば明らかに止水機能の自己回復がなされたといえるであろう。更 に、この比較においても傾きの差は一目瞭然である。 cO5‑gのグラフの傾きがより滑らかであるということ は、言い換えれば残留cMODが大きくても止水効果の減少が顕著ではないということである。よって、この ガラス管埋設によるインテリジェント化は、止水機能に関してはある程度のクラック幅に相応して自己修復 をするといえる。
また、図7では破壊試験時の最大荷重について比較している。インテリジェント化の手法として用いたガ ラス管はコンクリートにとって異物であり、構造物の荷重負担能力を低下させる可能性がある。しかしなが ら、 cO5‑gシリーズとco5及びco5‑Uシリーズとでは、最大荷重がほぼ等しく、このことからガラス管の埋設 によって生じる強度低下は認められない。
5. まとめと残された問題
以上の結果よりまとめると、以下のようになる。
①本研究で用いたインテリジェント化の手法は、コンクリートのひび割れに対し、センサ・プロセッサとし てのガラス管とアクチュエータとしての補修剤が有効に働き、止水機能の自己回復が可能である。
②ある程度のひび割れに村しては、その幅に応じた止水機能の自己修復が可能である。
⑨ガラス管埋設による強度低下は認められない。
本研究は緒についたばかりであり、現段階では現象論に止まっている。そのため本節での実験考察に加 え、補修剤や透水試験時の水がコンクリート内部で如何に挙動するかを考察する必要がある。そのことによ
り、より確実な制御がなされるようにすることが今後の課題である。
本節で提案した自己止水コンクリートの開発は、補修剤を保存する殻を如何に制御するかにかかってい る。特に本節ではガラス管を殻として各種実験を行ってきたが、このような脆性的な材料を使用するに当 たり、施工性の問題が考えられる。このように実用化の点で様々の問題が残っている。先にガラス管を使用