第 3 章 本州四国連絡橋における実橋観測
3.5 動態観測結果の分析
3.5.4 橋体の振動特性
3.5.4 橋体の振動特性
図- 3.5.31 風速と桁の応答の時刻歴(台風 9807 号通過時のデータ)
0 10 20 30 40 50
0 60 120 180 240 300 360 420 480 540 600
風速(m/s)
1/2L点 風速(P3)
0 200 400 600 800
0 60 120 180 240 300 360 420 480 540 600
水平変位(cm)
1/2L点 水平(GPS)
-50 -30 -10 10 30 50
0 60 120 180 240 300 360 420 480 540 600
水平速度(cm/s)
1/2L点 水平(速度計)
-100 -50 0 50 100
0 60 120 180 240 300 360 420 480 540 600
鉛直変位(cm)
1/2L点 鉛直(GPS)
-50 -30 -10 10 30 50
0 60 120 180 240 300 360 420 480 540 600
鉛直速度(cm/s) 1/2L点 鉛直(速度計)
-50 -30 -10 10 30 50
0 60 120 180 240 300 360 420 480 540 600
鉛直速度(cm/s) 3/4L点 鉛直(速度計)
時間(s)
時間(s)
時間(s)
時間(s)
時間(s)
時間(s)
図- 3.5.32 桁応答のパワースペクトル(台風 9807 号通過時のデータ)
図- 3.5.33 ERA 法による固有振動数の同定結果(文献 3.39 より引用)
0 50000 100000 150000 200000 250000 300000 350000 400000
0.00 0.05 0.10 0.15 0.20
パワースペクトル(cm2・sec2)
周波数 (Hz) 1/2L点 水平(GPS)
水平対称1次 (0.038Hz)
0 5 10 15 20 25 30
0.00 0.05 0.10 0.15 0.20
パワースペクトル(cm2)
周波数 (Hz) 1/2L点 水平(速度計) 水平逆対称1次
(0.080Hz) 水平対称1次
(0.038Hz)
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000
0.00 0.05 0.10 0.15 0.20
パワースペクトル(cm2)
周波数 (Hz) 1/2L点 鉛直(GPS ) 鉛直対称1次
(0.063 Hz)
鉛直対称2次 (0.121 Hz)
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500
0.00 0.05 0.10 0.15 0.20
パワースペクトル(cm2)
周波数 (Hz) 1/2L点 鉛直(速度計)
ねじれ対称1次 (0.164 Hz) 鉛直対称2次
(0.121 Hz) 鉛直対称1次
(0.063 Hz)
0 200 400 600 800 1000 1200
0.00 0.05 0.10 0.15 0.20
パワースペクトル(cm2)
周波数 (Hz) 3/4L点 鉛直(速度計) ねじれ対称1次
(0.166 Hz) 鉛直対称1次
(0.070 Hz) 鉛直逆対称1次
(0.080Hz) 鉛直対称2次
(0.121 Hz)
0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30
0 10 20 30
平均風速 (m/s)
振動数 (Hz)
鉛直曲げ対称1次 鉛直曲げ逆対称1次 鉛直曲げ対称2次 ねじれ対称1次 ねじれ逆対称1次
解析値(0.208Hz)
解析値(0.150Hz) 解析値(0.121Hz) 解析値(0.084Hz) 解析値(0.064Hz)
図- 3.5.34 Wavelet スクリーニングを用いた減衰特性同定結果(文献 3.39 より引用)
2) 主塔の振動特性
明石海峡大橋の主塔は海面上約 300mに達するほど高く,従来にも増して風で揺れ やすい特徴を有している.そのため塔柱には耐風性に優れた隅切り断面を採用すると ともに塔柱内にTMD(Tuned Mass Damper)を設置して,渦励振により発生する振幅を 許容値内に抑えることとしている.(詳細については文献3.40)を参照)
供用後10年間のデータのうち,橋軸直角方向±30deg.の範囲のデータを整理した結 果を図- 3.5.35 に示す.ここで,それぞれのグラフの縦軸は,10 分間に記録された データ(156 個)の絶対値の最大値と平均値の差を最大振幅と見なしたものである.こ れらのデータのうち,風速 30m/s程度で曲げ用の TMD変位計に若干大きな値が記録 されているのが明らかとなった.このデータは,台風 9807 号が通過した時のもので あり,主塔風洞試験において渦励振の発生が確認された条件(風速30m/s程度)に近 い強風は作用していることが確認された.そこで,この振動が計測された1時間のデ ータに着目し,時刻歴波形 (図- 3.5.36~図- 3.5.38) の分析を実施した.この時間 帯の風速は,橋軸直角方向±30deg.の範囲で 20m/s~40m/s の変動をしており,特に 1200秒より後ろは乱れ強さが小さくなる傾向にあるが,主塔の振動が発達している状 況が確認されなかった.一方,TMD の変位計の時系列データを見ると,1000~2000 秒の時間帯においてわずかであるが TMD の変位が発生している状況が確認できたが,
時系列グラフを見る限りにおいては主塔の速度計との相関が見受けられない.
鉛直曲げ対称1次
0 0.1 0.2 0.3
0 10 20 30 40
平均風速 (m/s)
対数減衰率
大型風洞試験結果
準定常理論
設計基準 0.03 →
ねじれ対称1次
0 0.1 0.2 0.3
0 10 20 30 40
平均風速 (m/s)
対数減衰率
大型風洞試験結果
設計基準 0.02 →
鉛直曲げ逆対称1次
0 0.1 0.2 0.3
0 10 20 30 40
平均風速 (m/s)
対数減衰率
準定常理論
設計基準 0.03 →
鉛直曲げ対称2次
0 0.1 0.2 0.3
0 10 20 30 40
平均風速 (m/s)
対数減衰率
大型風洞試験結果
準定常理論 設計基準
0.03 →
(a) 主塔速度計 (b) TMD 変位計(曲げ用) (c) TMD 変位計(ねじれ用)
図- 3.5.35 風速と応答の関係(2P)
図- 3.5.36 支間中央の風速変動
図- 3.5.37 主塔の応答波形(65%高度)
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 20 40
速度計最大計測値(cm/s)
支間中央平均風速(m/s)
西風 東風
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 20 40
TMD変位計最大計測値(cm)
支間中央平均風速(m/s)
西風 東風
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 20 40
TMD変位計最大計測値(cm)
支間中央平均風速(m/s)
西風 東風
0 10 20 30 40
風速(m/s)
桁中央風速計
Iu=9.4% Iu=12.0% Iu=7.0% Iu=6.1% Iu=5.5% Iu=6.3%
270 300 330 360
0 600 1200 1800 2400 3000 3600
風向(deg.) 桁中央風速計
橋軸直角方向(305deg.)
橋直±30deg.
-10 -5 0 5 10
0 600 1200 1800 2400 3000 3600
速度(cm/s)
主塔速度計(2P:塔頂)
-10 -5 0 5 10
0 600 1200 1800 2400 3000 3600
速度(cm/s)
主塔速度計(2P:65%高度)
時間 (s)
時間 (s)
時間 (s)
図- 3.5.38 TMD 変位計の応答波形
次に,TMD変位計が応答を示している時間帯である600秒~2400秒の主塔速度計 およびTMD変位計の時系列データに対してスペクトル解析を実施した.その結果,
いずれのスペクトルにも主塔の面外曲げ一次モード(0.442Hz)に近い振動数が卓越し ていることが確認され,主塔の振動に伴い TMD が動作したものと考えられる(図- 3.5.39).しかしながら,主塔の速度計から求められる主塔の振動振幅は片振幅で2cm 程度であり,許容振幅の30cmに対して非常に小さな振幅であるとともに,図- 3.5.36 で示した風速の時系列は主塔から約1km離れた支間中央のデータであるため,この観 測結果だけでは,TMD が有効に機能していたのか,あるいは現地の気流が十分な渦 励振の励振力を与える条件となっていなかったかは判断することができない.
(a) 主塔速度計(65%高度) (b) TMD 変位計(曲げ用)
図- 3.5.39 主塔応答のパワースペクトル
-10 -5 0 5 10
0 600 1200 1800 2400 3000 3600
変位(cm)
TMD変位計(曲げ用)
-10 -5 0 5 10
0 600 1200 1800 2400 3000 3600
変位(cm)
TMD変位計(ねじれ用)
0 5 10 15 20 25 30
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
PSD (cm2/s)
Frequency (Hz) 0
5 10 15 20 25 30
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
PSD (cm2/s)
Frequency (Hz) 0
5 10 15 20 25 30
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
PSD (cm2/s)
Frequency (Hz)
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
0.000 0.200 0.400 0.600 0.800 1.000
PSD (cm2)
Frequency (Hz) 0.0
10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
0.000 0.200 0.400 0.600 0.800 1.000
PSD (cm2)
Frequency (Hz) 0.0
10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
PSD (cm2)
Frequency (Hz)
時間 (s) 時間 (s)
600~1200s 1200~1800s
1800~2400s
0.4~0.5Hz 0.4~0.5Hz