12. SCVMM 構成 について
13.4 VMware vSAN 構成用シャットダウンスクリプト
vSAN 構成では、VMware の仕様上、データストアに存在する仮想マシンのサイズが非常に大きい ケースでは、vSAN 用メンテナンスモードを、デフォルトオプションである「アクセシビリティの確保」で実行 した際に発生する仮想マシンの同期処理に時間がかかるため、場合によってはメンテナンスモード移行 が完了できない事象が発生し、ESXi Host を安全にシャットダウンできない可能性があります。
この事象の回避のため、すべての仮想マシンを正常シャットダウンした後、メンテナンスモードを 1 台 ずつ順番に実行するスクリプトを用い、ESXi Host を安全にシャットダウンさせます。
サンプルとなるスクリプト“ vSAN_shutdown_macro.ttl”と、PCNS からスクリプト実行するためのファイル
“vSAN_shutdown.bat”は以下のメーカページの一番下にあるリンクから、ダウンロードしてください。
https://www.schneider-electric.co.jp/ja/faqs/FA329212/
13.4.1 シャットダウンスクリプトの設定
実行環境に合わせ、サンプルスクリプト”vSAN_shutdown_macro.ttl”内の以下のパラメーターを編集しま す。
(1)vSANクラスタに含まれるESXiホストの数
スクリプト内の以下の部分で、クラスタに含まれるESXiホストの数を、サンプルを参考に設定してください
;===================================
;Input the total number of ESXi host.
;===================================
Num = 3
(2)メンテナンスモード移行させるESXiホストのアドレス
スクリプトの以下の部分で、メンテナンスモード移行が必要なクラスタに含まれるESXiホストのFQDN またはIPアドレスを、サンプルを参考に設定してください。
;===================================
;Input IP Address or FQDN of all ESXi hosts.
strdim ESXi_HOST_IP 10
;===================================
ESXi_HOST_IP[1] = '192.168.0.212' ESXi_HOST_IP[2] = '192.168.0.213' ESXi_HOST_IP[3] = '192.168.0.214'
123
(3)ESXiホストログイン用のアカウントとパスワード
スクリプトの以下の部分で、11.6で設定した各ESXiで共通のローカルユーザーアカウントとパスワードを、
サンプルを参考に設定してください
;===================================
;Input User Name to access to each ESXi host.
;===================================
UserName = 'root' Passwd = 'root'
(4)スクリプト実行ログ
ログの名前と出力する場所を設定します。(初期設定はPowerChuteインストールディレクトリ配下) 必要に応じてファイルパス、およびファイル名を変更してください。
;===================================
;Configurations
;===================================
;Log file
fileopen filehandle 'C:\Program Files\APC\PowerChute\group1\vSAN_shutdown_log.txt' 1
注: Configurations のParameters部分の値は変更しないようにしてください
13.4.2 スクリプト実行ファイルの設定
スクリプト実行ファイル“vSAN_shutdown.bat”は PCNS から 13.4.1 で編集した vSAN_shutdown_macro.ttl を実行するため、ttpmacro.exe と vSAN_shutdown_macro.ttl のファイルパスが記載されています。
このファイルパスを実行環境に合わせ、絶対パスでの指定となるようにファイルを編集してください。
13.4.3 スクリプト実行のための PCNS 設定の変更手順
1.作成したスクリプトの実行のため、vSAN_shutdown.bat を、11.3 項(15)を参照し、
「シャットダウン条件の設定」画面で設定してください。
コマンド実行時間の目安として、ESXi ホスト 1 台あたり 15 秒程度で所要時間を設定してください。
(例えば 3 台であれば所要時間 45 秒程度で設定します)
環境により所要時間には差異が発生しますので、必ずテストシャットダウンを実施し、必要に応じて 適宜パラメータを調整してください。
2.スクリプトでのメンテナンスモード実行を行うため、PCNS のデフォルトのメンテナンスモード実行を、
スキップする設定を以下のように行います (※1) (1) PCNS をインストールした Windwos 物理マシンより、
サービス「Power Chute Network Shutdown」を停止します (2)pcns.jar(※2)ファイルの名前を変更します(例:back.pcns.jar)
124
(3) 以下のメーカページの一番下にあるリンクから、ファイル”pcns.jar”をダウンロードし、
pcns.jar ファイルのあったフォルダにコピーします。
https://www.schneider-electric.co.jp/ja/faqs/FA329212/
(4) pcnsconfig.ini ファイル(※3)の[HostDetails] のセクションに以下の文を 1 行追加し保存します(※4) Skip_Maintenance_Mode = true
(5) 停止したサービス「Power Chute Network Shutdown」を開始します
※1:メンテナンスモードをスキップしているにも関わらずシャットダウン時に、
PCNS が「VCSA VM をシャットダウン中のため、ホスト<ESXi ホストの IP Address/FQDN>で メンテナンスモードタスクがキャンセルされました。」のメッセージを出力しますが、
仕様のため問題はありません
※2:デフォルトでは Program Files\APC\PowerChute\comp の下にあります
※3:デフォルトでは Program Files\APC\PowerChute\group1 の下にあります
※4:設定後に PCNS のイベントログに以下のエラーメッセージが出力されますが、
問題はありません
「無効なキーMaintenance_Mode_Duration を INI ファイルのセクション HostDetails から削除する 必要があります」
125