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概要

ドキュメント内 個人適応型ユビキタス環境 (ページ 88-98)

SAML

4.4 プロトタイプシステム

4.4.1. 概要

75

取り出した複数の文字列の中に,指定した文字列が含まれるかどうかの存在 判定を行う場合には,まず,取り出した文字列の個数を指定する判定文(図

4.13)

を実施する.その後,該当する文字列を引数として,string-is-inを演算子とす る条件判定文を実行する(図

4.14)

例:4つの文字列を所得する場合の文字列個数の指定

引数(値:0x04(binary)) 演算子(string-bag)

文字列取得 文字列取得

4つの文字列を取得

0x04, 0x01, 0x04

T L V

0x04, 0x01, 0x23

T L V

4.13 文字列個数を指定する条件判定文

例:4つの取得した文字列の中に“ABCD”と一致する文字列があるかどうか

T L V

引数(値:“ABCD‖) 演算子(string-is-in)

データ数指定 文字列取得 文字列取得

0x04, 0x04, 0x41,0x42,0x43,0x44 0x04, 0x01, 0x23

T L V

4.14 指定した文字列の存在判定のための条件判定文

今回開発したプロトタイプシステムにおける資源は,ブラウザを具備したイ ンターネット接続可能な端末である.それぞれ

Resource Policy Decision

Policy Enforcement Point

Windows OS

上に

Java

で実装した.

外部ネットワークとの間でパケットをフィルタリングするゲートウェイ装置 上にサービス認可装置の機能である

Usage Decision

を実装した.また,サービ ス提供者サーバに

Use-right Policy Issuing

をそれぞれ

LINUX OS

上に

Java

で実装した.インターネット端末には,利用権をサービス提供者サーバから取 得する際のインターフェース機能(Request for Use-right Policy)を実装してい る.さらに,利用権の行使判定のための

IC

カードとサービス認可装置間のイン ターフェース機能(Use-right Policy Execution)として資源表示機能や

APDU(Application Protocol Data Unit)伝達機能を実装している.Request for Use-right Policy

Use-right Policy Execution

は,利用権の入手やその利用の 際のユーザインターフェース及び

IC

カードとサービス提供者サーバやサービス 認可装置とのインターフェース機能である.これらは,資源が持つべき

Resource Policy Decision

Policy Enforcement Point

とは独立な機能であるため,必ず しも資源であるインターネット端末上に実装する必要はない.しかし,今回は,

機能や性能検証が目的であるため,同一の端末に

Interface Function

としてこ れらの機能を実装した.

IC

カードの発行機能や

IC

カードへのアプリケーションダウンロード機能等 については,マルチアプリケーション

IC

カード管理プラットフォームである

NICE[28][29][30]を用いた.

Assertion

については,拡張性を持たせるために用意した可変長の予備領域等

を持つデータ構造(128byte~,内利用権

ID:66byte)を独自に定義した. Assertion

には,利用権

ID

やアクセス制御ポリシに対する判定結果が含まれる.これらの

Assertion

には,生成元でデジタル署名が付与される.そたのめ,分散認証認可

フレームワークに基づきその正当性の確認が可能である.

IC

カード内の

User Policy Decision

には,

4.3.4.節で示した条件判定に関わる

処理系や利用権取得・削除などの利用権管理機能を実装した.さらに,利用権

77

発行・利用権行使に伴うサービス提供者サーバやサービス認可装置とのインタ ーフェース機能を

C

言語で実装した.プログラムサイズは,約

20Kbyte

であっ た.

ハードウェアとしては,インターネット端末として,Pentium4 2.8GHz相当 の

PC

を用いた.また,ゲートウェイとして,Pentium M 1.6GHz相当の

PC

を用いた.ICカードとしては,非接触型大容量マルチアプリケーション

IC

カ ードである

eLWISE[24][25]カードを用いた.これは,暗号処理プロセッサが具

備されていること,複数のアプリケーションが搭載可能なことなどの要求に合 致していたためである.

Gateway as Service Permission Equipment

Service Provider Server

Usage Decision

Packet Filter

Internet Use-right

Policy Issuing Not mandatory

User Policy Decision

IC Card

Internet Terminal Resource Policy Decision

Policy Enforcement

Point

Web Browser Request for Use-right

Policy Use-right

Policy Execution Interface Function

Gateway as Service Permission Equipment

Service Provider Server

Usage Decision

Packet Filter

Internet Use-right

Policy Issuing Not mandatory

User Policy Decision

IC Card

Internet Terminal Resource Policy Decision

Policy Enforcement

Point

Web Browser Request for Use-right

Policy Use-right

Policy Execution Interface Function

図 4.15 システム構成

4.4.2. 動作シーケンス

動作シーケンス(図

4.16)を以下に示す.

(前提条件)ICカード内の

User Policy Decision

には,“ISP Xの会員”とい う利用者属性が格納されている.インターネット端末内の Resource Policy

Decision

には,“画面サイズ

20

インチ”という資源属性が格納されている.

①“ISP

X

の会員が

20

インチ以上のインターネット端末を使用して

1

時間イ ンターネットアクセスが利用可能”という利用権取得時に,利用者属性に関 する判定がカード内で行われる.(図

4.16

では,省略)

②インターネット端末に

IC

カードが挿入されると,

IC

カードから利用権

ID

が 取得され,資源一覧を表示する.それとともに,ICカードとゲートウェイ間 で公開鍵証明書(それぞれ

133byte)が交換される.

③インターネット端末選択により,ゲートウェイの

Usage Decision

が中心とな り,

User Policy Assertion

など(Data set1)の取得検証が行われる.その後,

Resource Policy

の判定依頼(Data set2)とその結果(Data set3)の検証により,

行使判定を行い,Decision Assertionが作成される.

④Decision Assertion がインターネット端末の

Policy Enforcement Point

に送 信(Data set4)される.それにより,インターネット端末から外部インター ネットへのアクセスが可能になる.具体的には,Packet Filterにルーティン グ情報とタイマが設定され,インターネット端末の

Web Browser

が起動され る.その結果(Data set5)が

Usage Decision

に送信されることで,利用権の削 除指示(Data set6)が発出され利用権が削除される.

79 Internet Terminal IC card

Use-right Policy Execution User

Packet Filter Gateway

User Policy Decision Insert IC card

Use-right Policy ID Acquisition

Public Key Certification Request Public Key Certification Exchange Select Internet Terminal

Authentication Process Start Order Data set1

Resource Policy Decision

Data set2 Resource Policy

Decision

Verification &

usage decision Data set3

Data set4 Verification &

Execution

APDU Relay Data set6

Resource Display

APDU Relay

APDU Relay

Verification

Start OK

Routing Information &

Timer Setting OK Data set5

Verification & Use-right policy deletion

Usage Decision

Web Brower

Policy Enforcement Point

Internet Terminal IC card

Use-right Policy Execution User

Packet Filter Gateway

User Policy Decision Insert IC card

Use-right Policy ID Acquisition

Public Key Certification Request Public Key Certification Exchange Select Internet Terminal

Authentication Process Start Order Data set1

Resource Policy Decision

Data set2 Resource Policy

Decision

Verification &

usage decision Data set3

Data set4 Verification &

Execution

APDU Relay Data set6

Resource Display

APDU Relay

APDU Relay

Verification

Start OK

Routing Information &

Timer Setting OK Data set5

Verification & Use-right policy deletion

Usage Decision

Web Brower

Policy Enforcement Point

図 4.16 インターネット端末一時利用シーケンス

4.4.3. 性能測定

4.7

の①の処理に含まれる

IC

カード内の利用者属性判定処理(User policy

decision)と図 4.16

の②~④で示される分散認証認可処理は非同期で実行され

る.そのため,それぞれ,独立に性能測定を実施した.

(1)ICカード内の利用者属性判定処理

4.3.4.節で示した条件判定種別毎の処理時間を図 4.17

に示す.また,参考で,

同じ条件判定を

XACML

で記述した場合の条件判定文のデータサイズの比較を 表

4.9

に示す.

性能に関しては,条件判定種別によって多尐のばらつきがあるものの,おお

むね

100msec

前後であった.実際の利用シーンを想定すると問題の無い範囲で

ある.これは,ICカードという計算リソースが限られている環境では,逆ポー ランド記法による条件判定文を処理可能な仮想スタックマシンが適しているこ とを表している.

一方,表

4.9

より,逆ポーランド記法では,XACMLで記述した場合に比べ,

2~15%程度のサイズに収まっていることが分かる.これは,今回,処理可能な

判定条件を限定したこと,可変長データ記述形式である

TLV

を用いて変数名等 を符号化したことなどが効果を表していると考える. XACMLでは,条件を記 述しないことで,条件なしと判定させることができる.一方,逆ポーランド記 法では,最終的にスタックに何らかの値が積まれている必要がある.そのため,

条件なしの場合,条件が真であることを示す値を最低限スタックに積んでおく 必要がある.条件なしの場合,XACMLが

0byte

になっているのは,この理由 によるものである.

81 0

20 40 60 80 100 120 140 160

条件なし 利用者ID限定 年齢制限 会員限定 グループ限定 処理時間(msec)

条件判定種別

4.17 条件判定種別毎の処理時間

4.9 条件判定文のデータサイズ比較

条件

XACML(byte)

逆ポーランド記法(byte) 比率(%)

条件なし

0 3

利用者

ID

限定

434 24 6

年齢制限

752 22 3

会員限定

514 12 2

グループ限定

545 84 15

(2)分散認証認可処理

実際に資源を利用する場面である図

4.16

の②から④までの動作時間と

3

章で 示した自律的資源利用認証方式における動作時間を図

4.18

に示す.分散認証認 可方式は,約

2.6s

で処理が完了しており顕著な改善が見られる.自律的資源利 用認証方式では,利用権や利用者属性を

IC

カードから資源に集約後,認証認可

を実施する形態であった.そのための暗号通信路構築が性能に影響していた.

今回は,暗号通信路を前提としなかったことが性能向上に貢献している.特に,

分散認証認可プロトコルの中核である異なる装置間の行使判定処理③に関して

は,約

600ms

で完了しており,その高速性が確認できた.

今回のプロトタイプでは,Usage Decisionをインターネットとの接続制御機 能としてのゲートウェイ装置に実装している.そのため,設置される端末台数 によっては,行使判定時にサービス認可装置であるゲートウェイ装置に負荷が かかり,処理性能が劣化する可能性がある.そこで,スケーラビリティに関す る評価実験を行った.

5

台の実機(Real Terminal)にそれぞれ

10

台の仮想端末(Virtual Terminal) を実装した.計

50

台の仮想端末に対して,指数分布に基づく利用者の到着率λ

(到着利用者数/ms)により仮想的な利用者を生成するシミュレータ(図

4.19)

を実装した.それぞれの装置スペックを表

4.10

に示す.

本シミュレータを用いて,行使判定処理③のスケーラビリティを評価した結 果を図

4.20

に示す.本実験では,サービス認可装置のスケーラビリティ評価が 目的である.そのため,サービス利用による待ち時間の影響を抑えてサービス 認可装置に負荷をかける必要があり,サービス利用時間を

2

秒と固定して評価 を行った.その結果,λ=0.0003の時,つまり

3

秒当たり

1

人の利用者が到着 する場合,行使判定処理時間は,約

1.2

秒であった.また,λ=0.001の時,す なわち

1

秒当たり

1

人の利用者が到着する場合,行使判定処理時間は,約

3

秒 であった.

以上より,分散認証認可プロトコルの中核である異なる装置間の行使判定処 理③に関わるスケーラビリティ上の問題は無いと言える.これは,空港やカフ ェでのネットワーク資源を一時利用するような想定する利用シーンを前提とし ている.

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