しています.実地医療にもとづいた貴重な知見,独創性に富んだ論文の投稿を歓迎します.
■ 投稿に際してのお願い
1.ツムラ医療用漢方製剤の使用症例を優先させていただき ます.
2.プリント1部,CD-ROM(MS-word,text 保存)を添付.
3.本誌規定による査読後,採否を決定.最終的な掲載区分はご 一任ください.また,修正,加筆,あるいは掲載をお断りさせ ていただく場合もありますので,予めご了承ください.
4.掲載決定の場合,編集部より連絡させていただきます.すす
■ 「漢方医学」への投稿につきましては当該雑誌の投稿規定をご覧ください.
5.別刷50部謹呈(臨床リポートのみ).
6.発行後,本誌規定による原稿料をお支払いいたします.
■ 投稿原稿送付先
株式会社協和メドインター「漢方情報誌投稿」係
〒105-0004 東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館4階 TEL:03-3572-7780 FAX:03-3572-7798
臨床リポート
症例アブストラクト 臨床リポート
は,先生方のご投稿をお待ちしております.
漢方と診療 Vol.2 No.2(2011.06) −
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代表世話人の藤原久義先生は,京 都大学医学部の学生だった頃から漢 方や鍼灸に興味をもち,前任の岐阜 大学附属病院では,全国に先駆けて 国立大学のなかで漢方外来を開設さ れた。その頃から,若手医師や学生 に対する漢方教育の必要性を実感さ れていたという。
「今,大学では漢方についての教 育がようやく少し定着してきたとこ ろですが,まだ十分ではありませ ん。特に卒後教育はほとんどされて いないのが現状です。やはり初期研 修医や後期研修医,若手医師に対す る教育がとにかく必要ではないか と,ずっと考えていました。4年前 に,この病院に赴任し,漢方専門の ドクターや鍼灸師が揃っているここ でなら卒後教育が実現できると思っ たのです。昨年夏から準備を始め,
11 月には第 1 回のセミナーを開催 することができました」
第 1 回のセミナー開催にあたっ ては,世話人のなかに後期研修医 2 人を加え,若い人の望んでいるもの などを聞きながら計画を練ってきた という。そこで一致したのは,いわ ゆる「大家」に理論的なものを講演
してもらうのではなく,もっとプラ クティカルな内容を目指そうという ことだった。
「日常診療のなかで,西洋医学で は対応できない病態に対して東洋医 学が有効であるということは,みん な知っています。それにもかかわら ず,第一線の急性期病院で東洋医学 の位置づけが欠けているのが問題で す。そこで研修医のときから東洋医 学をきちんと学んでもらうことはと ても重要だと思っています。実際の 患者に対して実践し,それで本当に 患者がよくなったという体験をぜひ 重ねてもらいたい」
セミナー参加者約 40 人のうち,
半数以上が研修医で,近隣の病院の 若手医師らも来ているという。
世話人の一人である松川義純先生 は,セミナーの背景にある尼崎病院 での研修医制度について話された。
「この病院では 2007 年に藤原先 生の指示で,初期研修 2 年目に東洋 医学を選択できるようなシステムを 作りました。これは,一般病院とし てはかなり早かったと思います。カ リキュラムも充実した内容です。毎 年 4 人くらいの方が研修され,この 2011 年2月 26 日(土)
兵庫県立尼崎病院2階講堂
兵庫県立尼崎病院は県立病院としては最大の基幹病院であるとともに,漢 方外来や併設の兵庫県立東洋医学研究所による東洋医学的治療で歴史のある 病院である。このセミナーは,院長の藤原久義先生自らが発案し,他のベテ ラン医師や研修医などの若手医師とともに企画・運営されている。病院勤務 の若手医師が「病棟で使える漢方」を修得できることを目指した,注目すべ き試みである。参加者や講師の年齢が大変若いことが特徴的だ。みな熱心に 聞き入り,質疑も活発に行われていたのが印象的であった。
藤原久義先生(代表世話人・県立尼崎 病院院長・県立東洋医学研究所所長)
◆
漢方の卒後教育をプラクティカルな内容で
若手医師・学生のための 東洋医学セミナー
◆
初期研修医が東洋医学科を 選択できる漢方と診療 Vol.2 No.2(2011.06) −
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成果も確実に上がってきています」
研 修 医 OB で あ る 片 岡 裕 貴 先 生
(呼吸器科)もセミナーの世話人の 一人で,研修の経験などについて次 のように話された。
「 私 は 東 北 大 学 の 学 生 だ っ た 頃 に,岩崎鋼先生の授業を受けて漢方 に興味をもちました。この病院を研 修先に選んだのも,東洋医学科を選 択できることが大きな理由でした。
初期研修医は,後期研修中の先生に バックアップされて患者さんを診る ので,自分で漢方薬を選んで使うこ とはできませんが,自分が後期研修 医になってからは自由に使えるよう な環境が作れます。私たち若手は,
基本的に入院患者さんか救急外来の 患者さんを診ることが多いので,そ こで使えるような漢方の勉強がどう しても必要なのです。普通の漢方研 究会は,一般的な外来患者を診るこ とを目的としたものが多いと思いま すが,ここのセミナーや研究会では,
このような若手の考え方も加えてい ただいています」
松川先生は,漢方を学ぶ上での 自己研鑽の大切さについても触れ られた。
「漢方薬をいかに漢方的な考え方 にもとづいて使うか,ということに 関しては,基礎としてある程度正確 な知識が必要だと思います。ですか ら研修の間も,実地で患者さんを診 てもらうのと同時に,基礎理論につ いては自分で勉強してもらうことに しています。例えば,私たちが選ん だ本や,自分が読みたいと思う本を 空き時間に自習してもらって,その 内容を週 1 回,診療が終わった後に 必ず発表してもらっています。東洋 医学科の医師が集まって,その発表 を聞き,ディスカッションをします。
また,われわれ指導医も有効症例を 発表して質疑を受けるなど,単に教 えるだけではない双方向のやりとり ができるような工夫をしています」
研修医は,一定期間に1人ずつし か受け入れないので,個人個人に 合ったきめ細かな指導することがで きているという。これは,漢方専門 の常勤医師が 3 人いるこの病院だ からこそできることだと,藤原先生 は強調 さ れ た。 月 に 1 回は, 東洋 医学研究所の鍼灸師 6 人も加えた 合同カンファレンスによる症例検討 も行っている。
片岡先生は,研修医時代の発表に ついて,とても自分のためになった
といわれる。
「人に伝えられるように自習する ことは,漢方修得の一番の近道だ と思います。発表のために作った 資料などは,私自身が研修医の先 生などに教えるときに役立ってい ます」
そうした資料は,すべて東洋医 学科の中ではオープンにしている ので,あらたに来られた若手の先 生方へのよい刺激にもなっている。
取材当日のセミナーで発表され 座 長:永井朝子先生 ( 兵庫県立塚口病院副院長 )
(1)症例発表
「ベッドサイドですぐに使える漢方診察」
大前隆仁先生(兵庫県立尼崎病院ER総合診療科)
(2)特別講演
「急性期の漢方治療 −すぐに使える病態と処方−」
加島雅之先生(熊本赤十字病院総合内科)
プログラム
◆
自習の成果を発表して力をつける
松川義純先生(世話人・県立尼崎病院東洋 医学科部長・県立東洋医学研究所副所長)
片岡裕貴先生(世話人・県立 尼崎病院呼吸器科)
研究会リポート/若手医師・学生のための東洋医学セミナー
た大前隆仁先生も卒後 3 年目だが,
舌診について自作の豊富な資料をも とに話をされていた。
この会のこれからの展望を藤原先 生にうかがった。
「当面,1年に 3 回くらいのペー スでセミナーを開催していきたいと 思っています。関西の広い範囲に呼 びかけて,参加人数も徐々に増やし ていって,この会を起爆剤にして漢 方の新しい展開ができたらよいと考 えています。そして同じような試み を他の病院でもやっていけるように なると面白いですね」
片岡先生はご自身の将来像も含め て,抱負を語られた。
「私自身はあくまで呼吸器内科医 として診療をしていきたいと思って いますので,やはり西洋医学の薬だ けではどうにもならないものに,上 手に漢方を使える医者になりたいの です。ですから今後の特別講演の講 師も,今日の加島雅之先生のように 実際に入院患者に漢方を使っている 先生たちにお願いしたいと思ってい ます。いずれは,この会で蓄積した
内容をデータとしてまとめたものを 研修医の先生方に渡して,漢方に興 味をもってもらえればよいと考えて います」
片岡先生の言葉を受けて,藤原先 生は最後にこう述べられた。
「これからは,片岡先生が言うよ うに,病院のなかで西洋医学の専門 分野をもちながら,的確に漢方を使 える医師がどうしても必要です。多 くの医師が西洋医学も東洋医学も自 由に使い分けられるようになって いったらよいと思います。ただし,
漢方を使うときに西洋医学的な病名 をもとに処方を選ぶのではなく,証 にもとづいた使い方ができなけれ ば,意味がありませんから,この会 ではその点を大事にしていきたいの です」
いま県立尼崎病院と同様の卒後 教育ができる条件の整った施設は,
あ ま り 多 く な い か も し れ な い が,
ひとつの先進的モデルとして非常 に興味深いものがある。ここで育っ た若手医師たちが,それぞれ別の 場所で活躍することで,「病棟漢方」
の種が広がり花開くときがきっと 来るだろう。 (文責・編集部)
永井朝子先生(座長・兵庫 県立塚口病院副院長)
次回セミナーのご案内
日時:2011 年 7 月 23 日(土)14:00 〜 講師:山本修平先生(県立尼崎病院ER総合診療科)
北村 順先生(神戸海星病院内科部長・島根大学医学部嘱託講師)
王 寧元先生(北京市中西医結合病院心臓内科)
会場:兵庫県立尼崎病院2階講堂 会費:500 円(研修医・学生は無料)
主催:若手医師・学生のための東洋医学研究会 共催:株式会社ツムラ
連絡先:ツムラ神戸支店 TEL 078-393-0933 FAX 078-393-0938
◆
関西全体で漢方の新しい展開を
症例発表・大前隆仁先生
(世話人・県立尼崎病院ER 総合診療科)
特別講演の講師・加島雅之先生
(熊本赤十字病院総合内科)