第 5 章 臨場感アーカイブへの応用
5.1 東日本大震災の被害状況のアーカイブ
東日本大震災マスメディア・カバレッジ・マップ: http://media.mapping.jp/
朝日新聞2011年12月21日『被災地の動画,プラネタリウムで』:
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201112210135.html
東日本大震災の被害状況のアーカイブの取り組みとして,google map,google earth を活用して,震災の記録,様々な情報を地図上に表示すると取組みも行われている.
google map上にマスメディアの報道や,ネット上にある様々な画像情報,twitterの
情報などをマッピングしていくサイト『東日本大震災マスメディア・カレッジ・マッ
プ』(図5-2)がある.
図 5-2:東日本大震災マスメディア・カレッジ・マップ
その他にも,関連研究の節で挙げた和歌山大学のドーム施設においても,東日本大 震災の被害状況の全周映像のプラネタリウム投影も行われている.(図5-3)
プラネタリウムといったドーム型ディスプレイを利用した防災教育コンテンツの資 料映像として撮影が行われた.全方位カメラを乗用車の屋根に取り付け,岩手県釜石 市や大槌町などの被災地で,全天周映像の取得を行い,プラネタリウムへの投影が行 われている.
図 5-3:被災地の全周映像のドーム投影
Google 「未来へのキオク」:http://www.miraikioku.com/
Googleが公開している『未来へのキオク』では,東日本大震災で被害を受けた施設
の様子を記録・保存する震災遺構デジタルアーカイブプロジェクトに取り組んでいる.
被災地の各地の街並みの写真を公開するサービス「ストリートビュー」の技術を使い,
実際にその場に立っているような感覚で360度の全周パノラマ画像が見ることが出来 る.公開している360度の全周パノラマ画像は,震災前と震災後で比較出来るように なっている.(図5-4)
図 5-4:未来へのキオク(右図:震災後 , 左図:震災前)
本研究では,実写ベースのドーム映像コンテンツの制作手法の提案を行っている.
これまでの評価実験の結果に基づいた映像づくりをすることで,被災地の全周映像の 提示だけでなく,仮想空間内にレイヤを加え更なる立体感・臨場感が期待出来る.
5.1.1 臨場感アーカイブを行った映像コンテンツ
映像コンテンツの制作にあたって,360 度のパノラマ画像を作成した.宮城県石巻 市,仙台市,陸前高田市,南三陸町で撮影した画像を stitcherを用いてスティッチン グを行った.今回,映像コンテンツとして使用した 360度のパノラマ画像は,付録に 掲載している図A-1~図A-7 である.これらの画像を仮想球体にテクスチャマッピン グし,背景レイヤを作成した.これらの 7 つの背景レイヤを切り替えることで,シー ンの変化を表現した.そして,その仮想球体の空間内に図 5-5 のような,ブルーバッ クで切り抜いた人物像の実写動画レイヤ及びその背景レイヤを撮影した場所を示す 2 次元CG 画像のレイヤを準備し配置した.2 次元 CGレイヤについては,左右に直線 移動を行うようアニメーションを設定した.また,これらの運動視差の効果により,
レイヤを浮き出させることを目的としているため,背景を左右に動くようにアニメー ションを設定した.その際,視聴者が酔いにくくするために,7 つのシーンごとに背 景レイヤの動きを逆に設定した.360 度パノラマ画像を用いた被災地のドーム映像体験 の様子は,図5-6,7である.
図 5-5:実写動画レイヤ(左図),2次元CG画像レイヤ(右図)
図 5-6:360度パノラマ画像を用いた被災地のドーム映像体験①
図 5-7:360度パノラマ画像を用いた被災地のドーム映像体験②