第3章 水質管理責任者
第2節 水質管理責任者の義務
4 東京都下水道局による指導の窓口
(1) 立入検査時の対応
東京都下水道局が行う立入検査時は、その窓口となり対応してください。
(参考)
公共下水道を使用する者は、法や条例により排除基準を遵守するように義務付けられています。そ の目的を達するため、下水道管理者はその職員をして立入検査を行うことができます。これは、法第 13 条第1項に規定されている強制力を有する法的権限です。
立入検査を拒み、妨げ、忌避した者には罰則の適用があります(法第 49 条第 4 項)。
○ 検査の対象となるもの
・ 排水
・ 特定施設
・ 排水処理施設
・ 特定施設以外の生産設備で、基準に適合しない下水を排出するおそれのあるもの
・ 使用原料関係帳簿、排水処理に関する維持管理記録
(水質測定記録、汚泥や廃液の処理処分記録・伝票類等)
(2) 報告対応
東京都下水道局が求めた報告に適切に対応してください。
(参考)
公共下水道管理者は、公共下水道を適正に管理するため必要な限度において、下水を排除する 事業場等の状況、除害施設又はその排除する下水の水質に関し必要な報告を徴することができま す。(法第 39 条の 2)
(3) 届出対応
公共下水道管理者に提出する届出書について表3―1に示します。
また、これらの届出書類は、東京都下水道局のホームページからダウンロードで きます。
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/contractor/others/todoke/suisitu/
表3―1 届出の種類と提出期限
届出の種類 届出期限
1 公共下水道使用開始(変更)届 あらかじめ
2 公共下水道使用開始届 あらかじめ
3 特定施設設置届出書
特定施設を設置しようとする日の 60 日前 まで。届出受理後、60 日経過後でなければ 着工できません。ただし、この期間を短縮 できる場合があります。
4 特定施設使用届出書
① 特定施設となった日から 30 日以内
② 公共下水道を使用することとなった 日から 30 日以内
5 特定施設の構造等変更届出書
特定施設の構造等を変更しようとする日 の 60 日前まで。届出受理後、60 日経過後 でなければ着工できません。ただし、この 期間を短縮できる場合があります。
6 除害施設の新設等及び使用の方法の変更届 出書
除害施設の新設等又は使用の方法の変更 をしようとする日の 60 日前まで。届出受 理後、60 日経過後でなければ着工できませ ん。ただし、この期間を短縮できる場合が あります。
7 工事等完了届出書 完了した日から5日以内
8 氏名変更等届出書 変更した日から 30 日以内
9 承継届出書 承継があった日から 30 日以内。届出する 者は承継した者です。
10 水質管理責任者選任等届出書 選任後速やかに 11 使用廃止届出書 廃止した日から 30 日以内
① 公共下水道使用開始(変更)届と公共下水道使用開始届 ア 公共下水道使用開始(変更)届(法第 11 条の 2 第 1 項)
届出が必要な場合は以下のとおりです。
・排除する汚水の量が、1日あたり最大で 50m3以上ある場合
・公共下水道へ流す汚水の水質が排除基準に1項目でも適合しない場合
※ BOD、SS、pH、温度については表2-3における( )内の製造業基準 値が適用されます。事業場に適用されている適用除外項目も含めて、届出 が必要です。
イ 公共下水道使用開始届(法第 11 条の 2 第 2 項)
届出が必要な場合は以下のとおりです。
・特定施設の設置者(ただし、上記アに該当しない場合に限ります。)
ただし、届出後に水量又は水質を変更する場合は、アの変更届を使用し ます。
② 特定施設に関する届出書
特定施設の増設等を行う場合で、新たに特定施設番号が追加される場合には 特定施設設置届出書が必要となり、同一の特定施設番号内である場合には特定 施設の構造等変更届出書が必要となります。
また、特定施設の変更又は廃止等により特定施設番号が減る場合には特定施 設使用廃止届が必要となります。
③ 氏名変更等届出書と承継届出書
法人において、法人格には変更がなく社名や代表者が変わる場合には氏名変 更等届出書となります。ただし、法人格に変更が生じる場合には承継届出書と なります。(例:合名会社から株式会社に変更する場合等)
また、法人格を持たない個人会社において相続により代表者が変わる場合等 も承継届出書となります。これは、特定施設又は除害施設は代表者個人の商人 に帰属し、その商人から相続人等に譲り渡されるためです。
④ 届出部数
公共下水道管理者への届出は1部ですが、届出者の控えが必要となります。
控えは、立入検査において東京都下水道局から指摘を受けた事項について確認 を行う際や、施設の変更等に伴って届出を行う際に必要となります。したがっ て、届出書は控えを含め最低2部は必要です。