第 5 章 結論
A.1 材料試験概要
A.1 材料試験概要
静的水平加力実験後に,柱部材から切り出して試験片を作製し,JIS Z 2101に準拠し,縦 圧縮試験と曲げ試験を実施した。
A.1.1 試験片概要
縦圧縮試験片と曲げ試験片の緒元を表A‐1,詳細図を図A‐1に示す。両試験片とも,
長手方向を繊維方向に平行,両端面を長手方向に直交方向(繊維直交方向)となるように作 製した。なお,作製の際には,部材の損傷などを考慮せず切り出した後,健全な試験片を5 片ずつ選んだ。そのため,S3 試験体の後柱と中柱から切り出した試験片は,損傷の関係上 それぞれ2片と4片となった。
表A‐1 試験片緒元
部材 材種 縦圧縮試験片数 曲げ試験片数 機械等級
F試験体 前柱 スギ 5 5 E90
後柱 スギ 5 5 E90
S1試験体 前柱 スギ 5 5 E90
後柱 スギ 5 5 E90
S2試験体
前柱 スギ 5 5 E90
中柱 スギ 5 5 E90
後柱 スギ 5 5 E90
S3試験体
前柱 スギ 5 5 E90
中柱 スギ 5 4 E90
後柱 スギ 5 2 E90
図A‐1 試験片詳細図
(a) 縦圧縮試験片
(b) 曲げ試験片
25
25 52
25
25
25
25
400
25
25 52
25
25
25
25
400
- 60 - A.1.2 加力・計測システム
縦圧縮試験と曲げ試験の加力システムを図A‐2,試験時の様子を写真A‐1に示す。
縦圧縮試験では,試験片を鉄板で挟み、加力盤を降下させることで加力した。また、正確 な荷重を計測するため、中央の鉄板と加力盤でロードセルを挟み、鉄板とロードセルの荷重 を加味し、試験片にかかる荷重を算出した。さらに,試験片側面の中央にひずみゲージを貼 付し,ひずみを計測した。
曲げ試験では,支点および加力点として円柱状の鉄板を横伏して試験片を挟み、加力盤を 降下させることで加力した。また、正確な荷重を計測するため、中央の鉄板と加力盤でロー ドセルを挟み、鉄板とロードセルの荷重を加味し、試験片にかかる荷重を算出した。さらに,
試験片上下面の中央にひずみゲージを貼付し,ひずみを計測した。なお、支点間距離は
350mm、加力点間距離は120mmとする。
A.1.3 縦圧縮強度σpと縦圧縮弾性係数Epの算出方法
試験片断面積A,荷重Pとすると,縦圧縮強度σpと縦圧縮弾性係数Epは次式で表される。
𝜎𝑝=𝑃𝑚𝑎𝑥
𝐴 (A‐1)
𝐸𝑝= ∆𝑃
𝐴∆𝜀𝑝=0.4𝑃𝑚𝑎𝑥− 0.1𝑃𝑚𝑎𝑥
𝐴(𝜀0.4− 𝜀0.1) = 0.6𝑃𝑚𝑎𝑥
𝐴{(𝜀𝛼0.4+ 𝜀𝛽0.4) − (𝜀𝛼0.1+ 𝜀𝛽0.1)} (A‐2)
A.1.4 曲げ強度σbと曲げ弾性係数Ebの算出方法
支点間距離Li,加力点間距離Lj,断面係数Zとすると,曲げ強度σbと曲げ弾性係数Ebは 次式で表される。
𝜎𝑏=𝑃𝑚𝑎𝑥(𝐿𝑖− 𝐿𝑗)
4𝑍 (A‐3)
𝐸𝑝= ∆𝑀
𝑍∆𝜀𝑏= 𝑀0.4− 𝑀0.1
𝐴(𝜀0.4− 𝜀0.1)= 0.3𝑃𝑚𝑎𝑥(𝐿𝑖− 𝐿𝑗)
2𝑍{(𝜀𝛼0.4− 𝜀𝛽0.4) − (𝜀𝛼0.1− 𝜀𝛽0.1)} (A‐4)
図A‐2 加力・計測システム (a) 縦圧縮試験
(b) 曲げ試験
荷重P
写真A‐1 試験後の試験片
(a) 縦圧縮試験 (b) 曲げ試験
荷重P
εα εβ
εα
εβ
ひずみゲージ 反力盤 ロードセル
加力盤
反力盤 加力盤
350 120 ひずみゲージ
ロードセル
Li = Lj =
ひずみゲージ 反力盤 ロードセル
加力盤
反力盤 加力盤
350 120 ひずみゲージ
ロードセル
Li = Lj =
- 62 - A.1.5 試験結果
縦圧縮試験と曲げ試験より得られた各試験片の縦圧縮強度 σp,曲げ強度 σb,縦圧縮弾性 係数Ep,曲げ弾性係数Ebを表A‐2に示す。なお,表中の数値は小数点第三位以下を切り 捨てた。また,材料試験のデータ例として,S1 試験体の前柱から切り出して作製した試験 片の縦圧縮試験データを図A‐3に示す。
図A‐3 S1前柱試験片の縦圧縮試験結果(ひずみ‐荷重関係)