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(1) 学習指導要領の解釈と題材の本質について

学習指導要領には、内容「C快適な衣服と住まい」(1)イ で、「日常着の手入れが必 要であることが分かり、ボタン付けや洗濯ができること」と内容「D身近な消費生活と環 境」(2)アで、「自分の生活と身近な環境とのかかわりに気付き、物の使い方などを工夫 できること」と示されている。

日頃 は、衣服の手入れをしてもらっている子供たちが衣服を大切に扱い、気持ちよく 着るために、脱いだ衣服などを点検し手入れが必要であることが分かり、日常的に衣服の 手入れが行われていることにも気付くようにすることが大切である。そのために、それま で無意識だった家庭の洗濯を意識的に見つめる活動を繰り返し取り入れることで、脱いだ 衣服などを点検し、日常的に衣服の手入れが行われていることに気付くと考える。また、

「見える汚れ」はもちろん「見えにくい汚れ」を「ニンヒドリン反応」の実験や黄ばみの

実物を提示することによって可視化し、手入れの必要性を実感できるようにした。

次に、ねらいの異なる2回の洗濯実習を段階的に繰り返し行うことで、洗濯の必要性や 日常着の洗濯に必要な洗剤、用具、洗い方などが分かり、基礎的・基本的な洗濯の知識及 び技能が身に付くと考える。

特に2回目の洗濯実習の前に、「すすぎ」に焦点を当てることで、身近な環境への影響 を考えた洗剤や水の使用について考え、洗濯物の種類や汚れに応じて洗濯できる子供が育 つと考えた。

そこで、本題材の本質を「洗濯の手順について理解し、洗濯物の種類や汚れに応じて洗 濯できる」こととした。

(2) 本実践の提案点ついて

① 無意識だった家庭での洗濯を意識する活動を繰り返し取り入れる

子供たちは、日頃、家族に洗濯をしてもらうこ とが多い。そんな子供たちが、それまで無意識だ った家庭の洗濯を意識的に見つめる活動を「運動 会の後のくつ下をウオッチング」と「わが家の洗 たく日記」というように繰り返し設定した。

まず、「運動会後のくつ下をウオッチング」で は、子供たちが汚れに注目しやすいように、毎日 着用しているくつ下を取り上げた。そして、くつ 下の汚れの中でも、たくさんの汚れが付くことが 予想される運動会の日に着用したくつ下の汚れ の程度や汚れている場所について観察し、ワーク シートに記入する活動を行った。その際、洗濯後 にその汚れがどうなったのか記入したり、その時 の手入れの仕方について家族にインタビューし たりすることで、これまで無意識だったわが家の 洗濯を意識的に見つめることができると考えた。

運動会の日のくつ下は、普段の洗濯機洗いだけ では汚れが落としにくいので、手洗いをはじめと する、わが家の洗濯のコツが登場することが期待 できる。実際に、子供たちのワークシートからは、

洗濯機で洗う前に土を取り除く予洗いの工夫や

洗濯板などの道具の活用、使う洗剤や石鹸の種類についての記述が見られた。

次に、「わが家の洗たく日記」では、日頃、家族がどのように洗濯物を洗濯しているのか、

どのくらい洗濯物が出るのか、どのくらいの頻度で洗濯しているのかなど、わが家の洗濯 事情が分かるよう、ワークシートの記入欄を工夫した。この洗たく日記が家族の一員とし

て、わが家の洗濯に関わるきっかけとなることを期待している。

② 手入れの必要性を実感するための「見えにくい汚れ」の可視化 子供たちは、毎日、家族に洗濯してもらった清潔

な衣服を何気なく着ていることが多い。そのため着 用後に脱いだ衣服を点検することも少ない。そんな 子供たちが、一見するときれいな衣服について「見 えにくい汚れ」をニンヒドリン反応の実験や洗濯で 落としきれなかった汚れによって黄ばんでしまった シャツで確認する活動を行った。

「ニンヒドリン反応の実験」では、首周り、脇、

背中などが汗や皮脂などのアミノ酸に反応し、紫色に染まる実験によって、普段自分が 着ている衣服のどのようなところがどのくらい汚れているのかを確認することができた。

子供たちは、一見するときれいな衣服がこれほど汚れていることに驚いていた。

「黄ばんだシャツ」の提示では、衣服を洗濯さえすればきれいになると思っていた子 供たちが、洗濯が十分でないと衣服が黄ばんでしまったり、傷んでしまったりすること を知り、日常着の手入れの必要性を実感することができた。そして、「気持ちよく着るた めには、どのような洗濯が必要であるのか」という課題をもつことにもつながった。

③ 洗濯の3要素「水・洗剤・力」の視点で洗濯の手順への理解を深める

子供たちの中には、洗濯の経験があまりいない。そこで、そんな子供たちが自信を もって洗濯実習に臨めるように、身近な衣服の手洗いによって、普段の洗濯機での洗 濯では見ることのできない洗濯の手順を洗濯の3要素「水・洗剤・力」に注目した2 つの実験を行った。

実験ア 水と力だけで汚れは落ちるのか

子供たちは、A「1日たったしょう油」B「つけたてのしょう油」C「ケチャップ」

D「墨」の4つの汚れを水と力を加えることだけで落とせるのかどうかに挑戦した。

実験前には、D「墨」A「1日たったしょう油」C「ケチャップ」B「つけたてのし ょう油」の順に汚れが落ちにくいと予想した。

結果は、水と力だけでも、かなり汚れは薄くなり、B「つけたてのしょう油」に関 しては、ほとんどの子供が汚れが落ちたと答えた。

A B C D

汚れが落ちると予想した人 4人 25人 12人 0人 汚れが落ちたと感じた人 12人 30人 12人 0人

汗をかいた部分がニンヒドリンに反応したシャツ

実験イ 水と洗剤だけで汚れはおちるのか

実験アで、水と力だけでも汚れがある程度とれること が分かった子供たちは、洗剤液に墨で汚れた布を浸す実 験を行った。水でも汚れが落ちたのだから、洗剤液なら もっと汚れが落ちるはずだと考える。

しかし、結果は、水と洗剤だけでは汚れが浮いてくる のにとどまり、「水と力」のとき程の洗浄力はないことが 分かった。つまり、洗濯には、洗濯の3要素(水・洗剤・

力)が必要であり、この洗濯の3要素(水・洗剤・力)

を使ってくつ下をきれいにしようという洗濯実習への願 いをもち、くつ下の洗濯実習の計画を立てた。

④ 「すすぎ」に焦点を当てた洗濯実習

子供たちは、最初の洗濯実習で身近な衣服の手 洗いによって、普段の洗濯機での洗濯では見るこ とのできない洗濯の手順を知る。そして、洗濯に よって衣服に付いた汚れが移った水を目の当たり にして、それだけ衣服が汚れていたということに 気付く。また、子供たちは、洗剤の使用量やすす ぎ方によって、使用する水量に差が出てくること を実際の水量を目にし、比較することで実感する。

ぞうきんを絞った経験から脱水は早く乾燥させ

るためのコツだということを知っていても、洗剤液で洗った後やすすぎとすすぎの間 の脱水(中間脱水)が洗濯を効率的に進める方法だとは気付いていない。そこで、洗 濯したはずの衣服に洗剤成分が残っていることを確かめる実験を行い、すすぎが十分 ではないと、汚れや洗剤成分が残り、黄ばみや臭いのもとになることに気付く。

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