はじめの認識 家庭生活につい ての知識や技能
深まった認識 家庭生活と家族の
大切さに気づく た め す す ぎ で
や れ ば 水 が 少 な く て き れ い にすすげる。
水 の 量 を 減 ら し た い で も き れ い に す
無意識 日常の家庭生活
あいまい
対象と関わり2
自分のすすぎ方が分かる
洗濯してきれい になった 対象との関わり1 洗濯の手順が分かる
しっかりしぼって、す す ぎ の 後 に 水 の 色 を 確認して、なるべく少 な い 回 数 で す す い で 水を減らしたい
まとめにかえて
近年、子供の生活経験が乏しく、家庭科の教科の本質である、課題を持って「よりよい 生活づくり」を考えさせることが難しくなってきている。
そこで、本授業実践では、生活経験の乏しい子供に生活を観察させ、生活を個人の中で 意識化させるところからスタートした。最初に、目によく見える汚れとして運動会後の靴 下の汚れの洗濯を観察させる。この汚れた靴下の手入れの仕方を観察することによって、
無意識だった生活を意識化して見ることを体験させる。次に、目に見えないシャツの汚れ をニンヒドリン反応の実験を用い、汚れを可視化する。このことは、子供に「気持ちよく 着るためには、どのような洗濯が必要であるのか」という課題をより明確に認識させてい くことになる。
家庭では洗濯機で洗濯を行っているため、汚れの落とし方が目に見えない。そこで、子 供が水と力、水と洗剤での汚れ落としの実験を行うことによって、汚れの落ち方の原理に ついて理解を深め考えさせることにした。その際、洗濯を3要素、水、洗剤、力に焦点化 することにした。また、プロセスや結果を可視化することで、子供は課題を明確に認識す ることになる。
次に、洗濯のすすぎに焦点をあてた。子供が比較しやすくするために、新品の靴下を右 半分、左半分に分けて洗う。子供に洗濯を1回実習させ、2回目はその1回目の経験を生 かし、認識を深めることとした。1回目の洗濯実習の VTR において、ためすすぎと流し すすぎの子供の様子を観察させ、使用している水量、洗剤の残量を可視化して示した。そ の結果、水量を減らし洗剤の残量を減らすには、ためすすぎをすることやしぼることの有 効性について、子供が認識を深めることができた。
生活経験の乏しい子供に洗濯を意識する活動、洗濯に関する実験・実習、自分たちの・
実習の VTR 視聴による振り返り、などを取り入れ、プロセスや結果を可視化することを 通して、課題を明確に認識させることができ、結果として洗濯の原理、原則を深く理解す るとともに、洗濯を通したエコライフにまで認識が深まっていった。
健康教育グループ
児童・生徒の生活習慣と生活行動の関連
代 表 : 神川 康子 附属小学校 : 松森 由香里 附属中学校 : 大場 真紀子 附属特別支援学校 : 池田 優香
学部 : 藤本 孝子 、澤 聡美
(1)学部での取り組み -生活習慣調査の中間報告(H24,25年度報告書のつづき)
平成26年度も、平成24年度より健康教育グループ(以下、生活習慣研究会)で実 施している大規模アンケート調査を継続した。子どもたちの成長・発達を支える生活習 慣を食生活や運動・睡眠習慣から検討し、将来を担う子どもたちが元気で健やかに育つ ための家庭や学校における教育プログラムを提案することが調査の目的である。現在ま で6897票を回収して分析中である。
上述のアンケート調査の継続に加え、今年度は計 6 回の生活習慣研究会を開催し、
進捗状況や分析結果、各学校における健康教育の実態などについて意見交換を行った。
ここでは、富山県と石川県の小学校5校(合計1570名)を分析対象とし食生活と 学習意欲及び生活意欲の関連ついて分析した結果を報告する。分析の結果、食生活と学 習意欲及び生活意欲に大きな関連がみられ、有意差のあった食生活に関する項目は学年 が上がるにつれて増加する傾向が見られた。食生活のなかでも特に学習意欲及び生活意 欲との関連に有意差が見られた項目は「昼食が楽しいか」「しっかり噛んで食べるか」
「家族と食事について話すか」「家族との食事は楽しいか」「食事の準備や片づけを手伝 うか」の5つであった。図1―5に小学校高学年(5,6年生)の学習意欲と食生活の 関連を示した。
図1 小学校高学年の学習意欲と昼食が楽しいか(男子p<0.001,女子p<0.05)
図2 小学校高学年の学習意欲としっかり噛んで食べるか
(男子p<0.001,女子p<0.01)
図3 小学校高学年の学習意欲と家族と食事について話すか(男子p<0.05)
1.8 0 0.8 0.7
12.5 6.3
12.5 7.2
52.7 43
61.7 43.8
33 50.7
25 48.4
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
女子・学習意欲(低)(112) 女子・学習意欲(高)(142) 男子・学習意欲(低)(128) 男子・学習意欲(高)(153)
昼食が楽しいか
楽しくない あまり楽しくない やや楽しい とても楽しい
0 0.7
3.9 0
13.2 3.5
13.3 6.4
43 34.3
56.3 37.6
43.9 61.5
26.6 56.1
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
女子・学習意欲(低)(114) 女子・学習意欲(高)(143) 男子・学習意欲(低)(128) 男子・学習意欲(高)(157)
しっかり噛んでいるか
ほとんどかんでいない あまりかんでいない ややかんでいる しっかりかんでいる
10.6 5.7
19.4 10.3
38.1 32.6
33.3 27.1
33.6 33.3
34.1 36.1
17.7 28.4
13.2 26.5
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
女子・学習意欲(低)(112) 女子・学習意欲(高)(142) 男子・学習意欲(低)(128) 男子・学習意欲(高)(153)
食事について話すか しない あまりしない 時々する よくする
図4 小学校高学年の学習意欲と家族との食事は楽しいか
(男子p<0.001,女子p<0.05)
図5 小学校高学年の学習意欲と食事の準備や片づけを手伝うか
(男子p<0.01,女子p<0.05)
以上より、しっかり噛んで食べること、食事を楽しむこと、家族と食行動を共にする ことが子どもの学習意欲及び生活意欲にとって重要であることが示唆された。また、例 えば食事を楽しむということには、おいしさだけではなく一緒に食べる人がいること、
食事中の会話、食事の手伝いなどが影響すると考えられるなど、これらは相互に関連し ていると考えられる。このことを踏まえて子どもの食生活と学習意欲及び生活意欲の関 連について詳細に検討するとともに効果的な指導を検討していきたい。
1.8 0.7 1.6 0.6
8.8 4.2
9.4 5.7
39.8 25.2
47.2 25.9
49.6 69.9
41.7 67.7
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
女子・学習意欲(低)(112) 女子・学習意欲(高)(142) 男子・学習意欲(低)(128) 男子・学習意欲(高)(153)
家族との食事は楽しいか 楽しくない あまり楽しくない やや楽しい とても楽しい
4.4 2.8
5.4 3.8
15 11.9
25.6 15.9
56.6 43.4
51.9 45.9
23.9 42
17.1 34.4
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
女子・学習意欲(低)(112) 女子・学習意欲(高)(142) 男子・学習意欲(低)(128) 男子・学習意欲(高)(153)
片づけを手伝うか
手伝わない あまり手伝わない 時々手伝う よく手伝う
(2)小学校での取り組み
平成25年度に、生活習慣について20項目を子供自身がチェックする「附属っ子 チ ャレンジ20」を実施した結果、特に必要な取組が明らかになった。
そこで、平成26年度は5項目に絞り、「附属 っ子 チャレンジファイブ!」を使用して1か月 に一度、月~金の5日間、子供たち自身の振り返 りを促すとともに、保護者も一緒にお子さんの健 康な生活について考えた。カードには生活習慣を チェックするとともに、最後には子供と保護者の 感想を書いて、親子で生活を振り返る場を設定し た。
① 朝の起床について
本校の子供たちの多くは、交通機関を利 用して登校するため、朝7時前には家を出 ることが多い。そのため、朝、起きる時刻 が早くなるが、身支度、朝食等の時間を確 保するためにも、自分で起きられるよう意 識させたい。毎日、自分で起きられる子供 は54.9%、子供自身ができていると答え た保護者は54.2%であった。特に低学年 では、自分で起きた子供は45.6%と低く、
まだまだ保護者の協力が必要であること が分かる。これからも、子供の意欲を高め るとともに、子供自身ができるようになる めに、保護者の支援が必要である。
② 姿勢について
子供自身は学習中の姿勢を、保護者には家での食事中の姿勢について確認した。
授業中の姿勢から猫背、ほおづえ、船こぎ等が目立った。そこで、保健指導を行って、
悪い姿勢によって背骨や内臓にどんな影響があるか学習した。食事の姿勢は、保護者の 書かれた感想から意識が高いことが分かった。
姿勢は、すぐに楽な姿勢をとってしまう傾向がある。そうならないよう、定期的な指 導の必要性を感じた。
③ 食事の好き嫌いについて
学校での給食、家庭での食事を好き嫌いせず、きれいに食べられるよう確認すること を目的とした。同時に、食事の食べ方、マナー等を学ぶ機会として取り上げた。給食も 夕食も残さずたべることが80.2%達成できている。
就寝時刻 46.4 給食の好き嫌い 67.1 給食後の歯みがき 44.0 授業中の姿勢 57.7 授業中の眠気 53.6
児童 朝の目覚め 54.9 授業中の姿勢 74.9 給食の好き嫌い 80.2 給食後の歯みがき 60.9 就寝時刻 43.1 保護者 朝の起床 54.2 食事の姿勢 67.0 食事の好き嫌い 79.1 夕食後の歯みがき 88.5 就寝時刻 42.8
(%)
表 2 「 附 属 っ 子 チ ャ レ ン ジ フ ァ イ ブ!」で5日間達成できた子供の割合
表1 「附属っ子チャレンジ20」
で特に取組が必要とされる項目
(%)