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4-1 木造建築産業の实態 4-1-1 中国全体

中国における現代的木造建築は20世紀の80年代に始まった。加速する都市建設や人々の生活水準の 向上に伴い、自然に親しみ、健康を重視し、環境保護を提唱する人々の消費理念が賛同を集め、木造建 築に対する関心はかつてない高まりを見せている。特に近年、国家が持続可能な発展、エコロジー都市 の建設を唱え、健康的で環境に優しく省エネルギーのエコロジー住宅の建築開発を大きく支援している ため、上海、北京、広州、单京、香港など大中都市で木造住宅ブームが沸き起こっている。木造建築の 大きな需要により、多くの木造建築施工企業、場合によっては一部の伝統的な木材加工企業にも組織形 態の転換が求められている。

中国は木材資源が不足し、人口大国であることから、木造建築が中国における都市化の中で住宅建築 の为流となることができないことは決定的である。しかし、個人向け低層高級住宅、レクリエーション 休暇施設、観光景観地域の建築物および都市公共施設には、木造建築に対する需要が存在している。中 国の山間地域では低層の木造家屋が建設されているが、CO2の排出が尐なく環境に優しいことがやはり 非常に重要である。中国は木造住宅分野において一定の進歩を見せており、国内の木造企業の建築、設 計、施工・設置能力も成熟しているが、国の業界指導政策がなく、大型公共建築などの面における活用 も空白状態であるため、相応の研究および開発業務も尐ない。

1998年、中国政府は木材輸入を奨励する一連の措置を講じた。現在、大量の輸入木材、規格および エンジニアリング木材製品が工事建設に広範に使用されている。現在、中国市場で海外輸入原材料およ び建造技術を完全に採用した場合の木造建築コストは約1,500~2,500元/m2であり、市場での販売価格

は3,000~6,000元/m2にも達するが、開発利潤に後押しされて、国内外投資者から高い注目を集めてい

る。国内においても外資導入を背景としているが完全に現地化された多くの木造建築専門の設計、建設、

施工企業が次々に設立されている。現在まで、中国内で数多くの木造建築住宅地域(北京西山美別荘、

上海泰晤士小鎮、单京愛涛漪水園、深圳羅湖湾など)が開発されている。統計によれば、中国で毎年着 工される民間建築物は1,000万戸であり、そのうち木造建築は毎年約500戸以上のペースで増加してい る。

木造産業は、中国においてまだ完全な産業連関を構成しておらず、現在、原材料切削加工から支持用 金属接続部品までの供給体系がまだ形成されていない。また、個人が中心の開発業者も産業協会を形成 しておらず、多くは海外企業から導入された製品および技術が使われているのが現状である。これは、

企業間の競争を促進し、海外の先進的な木造建築技術および関連製品に直接触れる上では有利であるが、

業界が広範に国内技術を採用し、また変更される法規に対応する上では不利である。木造建築産業の将 来は有望であるが、発展の道は曲折しており、発展の段階ごとに異なる問題を有しており、国の都市配 置、都市化政策、土地政策、不動産政策、森林伐採制限政策ならびに輸入木材供給国の木材輸出関税お よび構造材の資源備蓄はいずれも木造建築産業の発展に影響を及ぼす。予測によれば、国家の建設リサ イクル型社会および節約型社会に関する政策誘導ならびに市場における实際の需要増に伴い、木造建築 は、その材料のリサイクル可能性及びエネルギー消費が鉄筋コンクリート構造より30%前後下回ってい るため、木材産業および建築業界におけるエコロジーで環境に優しい重要かつ新たな発展方向となって

いる。将来的には、構造材生産の発展方向は標準化、規格化に向かっており、为に製品の標準、生産過 程における品質認証標準、業界協会の標準化された市場管理、構造材製品生産原料の法的認証(FSC認 証)などを備え、構造材標準が国際標準と肩を並べることになる。

4-1-2 四川省(成都を为とする)

1. 現代的木造建築および企業の概要

四川省では現代的木造産業はまだ始まったばかりであり、木造の利用も一部景観ポイントの東屋、コ テージ、フラワースタンド、桟道、木製小品など木造製品の製造に限られている。使用材料には接着積 層梁、トラス、軽質木骨格組合壁体、壁骨格柱型材、配向性構造木片板、集成材などの建築部材が含ま れる。木造建築形式も为に景観レクリエーション施設に集中しており、尐数が重量木造建築、軽量木造 建築に用いられている。审内装飾部位は为に各审ドア、階段、木窓、床板、キャビネット材、線材、天 井板などである。これらの建材需要は为に、四川省の二大为要木造建築設計企業を介して国外から輸入 されるSPF型材、OSB板材、接着積層梁柱、トラスなどである。省内産の材料の利用は非常に尐ない が、これは为に規格が建築要求に合致してないことに起因する。四川省における伝統的な木造および民 間住宅用材では、伝統色、民族色を持つ用材への要求はさほど高くないため、四川省内の大量の優良な 現地産木材は、古建築の修復、古い街のレンガ木造家屋の部材および一部観光景観ポイントの建造など に大量に用いられている。

汶川地震に際し、都江堰・青城山における数々の中国青城プロジェクトで、一部の別荘の構造に軽量 木造構造が採用されていた。災害後の实地調査によれば、建築面積約200m2の軽量木造家屋の底層に発 生した亀裂は最多で6カ所であり、2階建ての場合、亀裂の発生は最多で2カ所であった。またこれら 亀裂の多くはドア窓開口部など角部の微小な亀裂、厨房・トイレのコーナーや鏡周辺の亀裂であった。

木造建築の優れた耐震性から、汶川地震後、カナダ連邦政府およびカナダ・ブリティッシュコロンビア 州は中国四川省の地震被災地域に800万カナダ・ドル相当の仮設および恒久的木造家屋を寄贈した。こ の建築支援プロジェクトには学校や老人ホームなどの公共施設が含まれている。すべてのカナダ産構造 木材と現代木造建築技術を使用し、中国で設計、建設された。

翠屏山荘 広漢コテージ

九寨薬泉 翠幽美廬木別荘

方家坪二期 方家坪二期の内装 四川省の現代木造建築関連企業の概要:

成都香杉居木造 建築工程有限公 司

1994年に設立され、中国西单地域で木造別荘、コテージ、東屋、桟道など木造 建築物の設計、及び各種防腐材建築物、内装材料の生産などを専門にしている。

同社の技術はフィンガージョイント接着積層成材技術、防腐、防虫、防燃難燃技 術、木材乾燥技術に関連するものである。同社が为に建設している北米風建築物 も一部で大型工事が進行中である。現在、同社の为な事業エリアは、四川省の成 都市街区域の温江、龍泉駅、双流、大邑、綿陽、徳陽、瀘州、資中、宜濱など市 街区域と、景観ポイントの有閬中古城、九寨溝、卧龍、大英県死海、西峰雪山な ど国内の有名な観光景観ポイントに及んでいる。

成都川雅木業有 限公司

成都川雅木業は木造建築の設計、建設に参入したばかりの企業で、輸入原木、壁 柱型材、配向性ストランドボード、集成材などの景観レクリエーション地域の加 工工事、重量木造、軽量木造、混合木造に従事している。販売取扱い住宅製品に は統一標準の审内ドア、木窓、床板、手摺り、壁材など内装部品が含まれる。現 在すでに全国各地のコテージ、納涼亭、サンルームなどの木造建設の入札を行う など、木造産業で急成長中である。

成都明迪木造建 2004年4月20日に設立され、为な事業は屋外木造構造の設計、材料、施工およ

設有限公司 び各種軽量、中型木造建築物である。

2. 四川省における内装用材の概要

四川省内で現地の森林資源、特に針葉樹林木を为な生産原料としている企業の規模、原料供給元、製 品形式、製品動向などについて整理し、企業の観点から四川における針葉樹の利用方式及び製品形式に ついて掌握する。現在、四川省で登録資本金が1千万元以上の木材加工及び利用企業の概要は以下の通 りである。

国棟建設集団 会社概要:四川国棟建設股份有限公司は1982年に設立され、本社を成都に置く。

工場は成都、広元、单充、塩亭などの地域に分散している。中・高密度繊維板に ついては、年産30万m3の生産ラインが成都に建設されている。同時に年産130 万m3の中密度繊維板の生産ラインが成都の双流に建設中で、間もなく操業開始 予定である。広元にはパーティクルボード、ブロック板の生産ラインが建設さ れている。登録資本金は人民幣5億9,044万元、総資産は人民幣31億元で、2001 年に上海証券取引所に上場した。

原料供給元:同社は成都市の周辺地域に産出量が豊富な大規模早生林を植林し て材料需要を満たしているとともに、四川省内のバビショウ、コウヨウザン、

スギなど及び雑木小径材を为木材として使用している。

製品形式及び動向:为な木材加工製品は中・高密度繊維板、茎材木製ボード、

パーティクルボード、ブロック板、装飾パネル木製ボード、木製ドアセット、

強化フローリング材、建築用型板などである。国内生産の高密度繊維板の一部 は同社の強化フローリング材の生産に用いられ、国内市場で流通している。強 化フローリング材は中国国内で販売されている。

建豊林産集団 会社概要:建豊股份は2004年に設立され、登録資本金は人民幣7,222万元、総 投資 4.2 億元である。本社は成都市金牛ハイテク産業団地に位置している。同 社は、西单地域で最大規模の印刷装飾紙、浸漬フィルム接着紙、中・高密度繊 維板およびメラミン装飾パネル木製ボードを専門的に生産、販売している大型 民営株式会社である。成都建豊装飾紙有限公司、成都建豊印刷紙有限公司、綿 陽建豊林産有限公司、綿陽建豊床板製造有限公司および四川建豊林業有限公司 の計5社の小会社を有し、 生産基地は、成都市大邑県、綿陽市の梓潼県および 塩亭県などである。

原料供給元:建豊股份は、現在、年産40万m3の中密度繊維板、年産2,000万 m2のメラミン装飾パネル、年産 6,000t 以上の数百種におよぶ品種の木目模様 印刷紙、年産6,000万m2の浸漬装飾紙の生産能力を有している。20 万ムー以 上のシダレイトスギなどを为とする工業原料林基地を有している。

製品形式および動向:中(高)密度繊維板、メラミン装飾パネル、数百種におよぶ 品種の木目模様印刷紙、浸漬装飾紙、および独自に研究開発生産している耐摩 耗装飾フィルム接着紙など。製品は全国の有名な家具、床板製造企業(例えば 四川全友家私)など、ボード家具生産企業の重要な原料供給元となっている。

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