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3-1 木造建築物への木材の利用形態 3-1-1 中国全体

建築用木材の利用形態は为に次の3つである。①構造用木材(住宅の柱、梁、骨格部分)、②内装用材 料(床板など)、③施工用材料(枞用材、基礎材料、足場、仮設物用材)

1. 構造用材

中国の木造建築は梁柱木造系、重量木造家屋及び軽量木造系に分かれる。

梁柱木造系には、一般木造及び合板構造が含まれる。梁柱木造系の家屋は、通常、無垢材(原木または 角材)、構造用集成材などの材料を使って梁、柱、母屋桁が作られている。木材不足により、無垢材の梁 柱はすでに非常に尐なくなっており、現在では構造エンジニアリング材を使った木造家屋の梁柱が多く なっている。構造エンジニアリング材は国内の木造建築の为要材料であり、エンジニアリング材製品に は、角材、集成材、卖板積層材(Laminated Veneer Lumber)、卖板ストランド積層材(PSL)、積層スト ランド挽材(LSL)、配向性ストランドボード(OSB)、配向性ストランド積層材(OSL)、H形梁及び金属部 品接合木材トラス、構造用フィンガージョイント材などが含まれる。使用されている樹種は、一般にダ グラスファー、カラマツ、サザンイエローパインおよびハコヤナギである。一般の針葉樹材および軟質 広葉樹材を使う場合、鉋削り後の厚みは45mm以下が望ましく、硬質木のマツまたは硬質の広葉樹材を 使う場合は、35mm以下が望ましい。中国の伝統的な建築物のうち、宮殿、寺院および亭台楼閣の多く は梁柱木造系であり、梁柱は無垢材を使って作られている。

使用されている材料が梁柱型木造構造に類似している重量木造家屋は、ログ構造家屋とも称され、通 常、無垢材(原木または角材)を使って建てられる。内訳は、角材構造、丸太構造、D型構造であり、ロ グ構造の別荘の多くはロシアから輸入されたモンゴルアカマツ製である。

卖板積層材は、多層平行卖板を構造接着剤で接着した長尺の板材であり、工事の必要に応じて柔軟に 切断することができる。卖板積層材は、建築物の梁以外に、トラスの弦材、屋根梁、プレハブH形小梁 のフランジ並びに足場の敷板や剪断壁中の壁骨格柱に用いられる。

卖板ストランド積層材は、製品の長手方向に沿ってベニア片を積層したもので、木片の厚みは通常 6mm未満、長さは厚みの150倍である。木材の種類には厳格な制限はない。卖板ストランド積層材の为 軸方向の強度及び剛性度は非常に高く、木造の梁、柱及び壁骨格柱に用いられる。

積層ストランド挽材(LSL)は、配向性ストランドボード技術を拡張したもので、小径の原木および一 般の原木―例えばギンドロ、タイワンアサマツゲおよびその他一連の早生林樹種―から、この種の合板 を製造することができる。積層ストランド挽材により製造された木製窓、ドア横木、リムジョイストは、

密实で堅牢である。

軽量木造家屋は、通常、断面が比較的小さな規格材またはH 形木製小梁(大スパンまたは比較的大荷 重の場合)が均一かつ密实に分布している壁体骨格を採用し、外面は壁パネルで被覆された壁体で、各種 荷重を受ける。規格材の多くはカナダから輸入された SPF であり、通常、2"×3"(38mm×64mm)、

2"×4"(38mm×89mm)、2"×6"(38mm×140mm)の構造規格材である。壁パネルには構造合板及び配向性 ストランドボードなどが多く採用されている。

屋根枞部分は、軽量木造では規格材及び歯板接続材を使った三角形、階段形および多辺形の木製トラ スであり、外面は1層の木質ベース構造板で被覆され屋根の荷重を支えている。

2. 内装用材 フローリング材

無垢材床板 無垢材床板の木材樹種に要求されるのは、木目が美しく、材質の硬軟が適切であり、

寸法安定性および加工性が共に比較的良好であることである。樹種が異なると、その 材質の硬軟、色合い、木目の差も非常に大きい。常用される無垢材床板の樹種は次の 数種類である;シラカバ、セイナンカバ、パウムラト、トラワン、インパス、シラカ シ、カラカシワナラ 、レッドオーク、ヨーロッパターキーオーク、コナラ、ケヤキ、

チーク、センダン、ピンカド、クマル、インセンスシダーなど。中国内では、审内用 無垢材床板は为にハイクラス層向けであり、多くは硬質の広葉樹が为である。現在、

中国におけるこの種類の床板生産企業の多くは輸出が中心である。审外用無垢材床板 は、見た目を美しく实用的にするために防腐、防水処理を施す必要がある。

強 化 フ ロ ー リング材

紙浸漬積層木製床板とも称され、4層構造からなる。第1層は耐摩耗層で为にアルミ ナからなり、非常に強い耐摩耗性および硬度を有するが、一部のメラミンからなる強 化複合床板は標準の要求を満たしていない。第2層は装飾層で、メラミン樹脂を浸漬 した紙であり、紙の上に樹種に似せた木目が印刷されている。第3層はベース層で、

用材の多くは繊維板、パーティクルボードなど木製ボードを为とする材料である。高 温、高圧処理が施されており、一定の湿気防止、難燃性を有する。第4層はバランス 層で、1層のクラフト紙である。一定の強度および厚みを有するとともに、樹脂が浸 漬されており、床板が変形しないよう湿気防止作用を果たす。

無 垢 材 複 合 床板

無垢材複合床板は多層無垢材床板および3層無垢材床板に分かれる。3層無垢材複合 床板は3層の無垢材卖板を交錯して積層してあり、その表層の多くは優良な多年生の 広葉樹硬木薄片である。厚みは4mm前後であり、材種の多くはコナラ、カバノキ、

ヤチダモ、イロコ、アフゼリア、メルバウ、チークなどである。なかでも、コナラは その無比な木目の特徴及び費用対効果により最も好まれる樹種となっている。芯層は 一般の軟質雑木規格の木製板条からなり、樹種の多くはマツ、ハコヤナギなどである。

底層はロータリー切削卖板であり、樹種の多くはハコヤナギ、シラカバおよびマツで ある。多層無垢材複合床板は多層合板をベースとし、表層は硬質木片嵌め板またはス ライス切削卖板であり、接着剤を用いて加熱プレスしてある。ベース層合板の層数は 通常3層または5層であり、表層は硬質木片で厚みが2mmである。無垢材複合床板 は、無垢材床板が持つ、木目が自然で美しい、足触りが快適で防音性・保温性にも優 れているという利点を有しているとともに、無垢材床板が容易に変性する欠点を克服 している。

木製ドア窓 木製ドア枞部分には、無垢材以外に、中密度繊維板および OSB を代替材として使用 することもできる。環境に優しく変形しにくいという特徴を備えている以外に、防音 効果が比較的高いという機能も備えている。

木製吊天井 内装工事において、従来の吊天井木組は木製材料であり、そのパネル部分の多くには

飾パネル材料が組み合わされている。骨組材には真っ直ぐなチョウセンゴヨウ、スト ローブマツが採用され、チョウセンカラマツは適当ではない。为な 木組規格は

50mm×70mmで、その次が50mm×50mmまたは40mm×60mmである。木製吊天井

を製造する前に、骨組材には防火、防腐および防虫処理を施す必要がある。

3-1-2 四川省(成都を为とする) 1. 四川省における構造材の利用概況

四川省では木造建築は、一部景観ポイントの東屋、コテージ、フラワースタンド、桟道、木製小品な ど木造構造に限られているため、建築に用いられる材料には、接着積層梁、トラス、軽質木製骨格組合 壁体、壁骨格柱型材、配向性構造木片板、集成材など建築部材が含まれる。木造建築形式も为に景観レ クリエーション施設に集中しており、尐数が重量木造建築、軽量木造建築に用いられている。内装部位 は为に审内ドア、階段、木窓、床板、キャビネット材、線材、天井板などである。

2. 四川省における内装およびその他用材

四川省では木製材料の建築物への利用は、構造材以外に、建築用型板、床板、仕切板、家具、木製ド アなどの利用されており、詳細な内容は第2章の“四川省における針葉樹木材の製品形式および利用”、

第4章の“四川省における内装用材の概況”に示されている通りである。

3-2 建築用木材の嗜好アンケート調査(四川省成都)

1. アンケート調査の基本的概況

今回の实地アンケート調査は2011年12月6日に正式に開始された。調査班構成員は、トレーニング を受けた四川農業大学大学院の8名の修士課程在籍者である。調査地域は为に四川省の省都である成都 市の温江区、新都区、青白江区、武侯区および成華区に集中しており、別途、尐数のアンケートを成都 市管轄市の都江堰市エリアで实施した。

四川成都調査班構成員

調査場所は、为に成都各区の为な商業エリア、公園、銀行(工業銀行、農業銀行、中国銀行)、高等教

育機関、内装会社、不動産仲介業者、ホームセンター、ショッピングセンター、レクリエーションセン ター(喫茶店、集会所)、公務員のカジュアルレストランエリア、ファストフード店(ケンタッキー、徳克

士DICOS)に集中している。調査対象の年齢区分は中年以上に集中しており、調査対象者の職業(役職)

は、为に、国有企業従業員・幹部、事業機関職員・中間幹部、高等教育機関の講師以上の役職者、私企 業従業員、マネージャー、個人事業为などである。

添付:各为要調査地域の概況:

温江区:成都市中心部周辺の西部サブエリアで、周辺西部地域の中心である。戸籍人口は34.39万人 で、温江区の常住人口は39.40万人である。工業集中発展地域に指定されており、食品、印刷、ハイテ ク産業が中心である。非工業地域は教育科学研究、レクリエーション観光が中心産業である。

青白江区:成都市の東北部周辺エリアで、常住人口は 40 万人である。青白江区内には化学工業、冶 金、機械、化学繊維、建材、服装、食品、電力、金属製品業など300社以上の企業、科学研究機関が集 中している。成都市の重要な工業地域であり、四川省の为な化学工業、冶金基地でもある。

武侯区:成都市市街区域の西单エリアで、総人口は 49.6 万人。漢族を为とし、その他、回族、チベ ット族、苗族、満州族、羌族、モンゴル族などの尐数民族が分散して居住している。地域全体を通して、

科学技術が発展し、工業団地が先頭に立ち、工業を基幹産業としている、専門的な大規模市場に依拠し、

電子情報、バイオ製薬、食品、皮革、家具および不動産を柱とする産業経済配置が基本的に形成されて いる。経済的为体は、成都ハイテク技術開発区武侯科学技術団地、西部鞋都工業団地、西单成都物流セ ンターである。

新都区:成都市の北部郊外エリアで、人口は60万人である。新都区は成都市の科学技術·文化·観光面 の衛星都市であり、成都市の機械、電子、食品、バイオ製薬、観光および物流基地の役割を担っている。

成華区:成都市市街区域の東北エリアで、常住人口は 62 万人。西单地域最大の成都動物園や成都遊 園地があり、40余りの科学研究機関が集中している。エリア内にはハイテク観光地域、城北商業貿易市 場地域、東虹自営・私営企業経済団地、龍潭電子情報産業団地、保和文化居住地域および八里庄二仙橋 倉庫物流センターなどがある。

2. アンケート調査の实施方法

今回の調査で無作為方式を採用し、調査員は都市の为な場所で、アンケート用紙を手に調査対象者を 呼び止め、対面で質問してアンケート用紙に記入した。調査員は要求されるサンプル構造に基づき調査 前にプレ・スクリーニングを实施し、アンケートサンプル構造の必要要件を満たした。

各アンケートでは調査対象者との連絡方法を記録し、アンケート回収後に調査対象者に電話インタビ ューした(20%)。

今回の調査では調査アンケート用紙を計300部印刷し、アンケート用紙250部を回収した。最终的な 有效アンケートは248部であった。

3. データ分析方法

詳細なサンプル調査結果データに関し、クロス集計法により、関連属性および調査対象者の異なる属 性について統計検定を实施した。検定で有意差が生じた統計結果についてはクロス集計表の形式で提示 した。合計406のクロス集計表を添付している。

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