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11.5.1 主要評価項目:投与終了/中止時の臨床効果(有効率)

PPSでの投与終了/中止時の有効率は、疾患全体で95.6%(173/181)であり、その95%CI

は92.6%~98.6%であった。疾患別の有効率は、市中肺炎で95.9%(140/146)及び慢性呼吸

器病変の二次感染で94.3%(33/35)であった。

また、FASでの投与終了/中止時の有効率は、疾患全体で90.2%(175/194)であり、その 95%CIは86.0%~94.4%であった。疾患別の有効率は、市中肺炎で91.0%(141/155)及び慢 性呼吸器病変の二次感染で87.2%(34/39)であった。

FASの成績はPPSよりも低かったが、いずれの疾患でも90%前後の有効率を示した。

2.7.6 個々の試験のまとめ

クラビット点滴静注バッグ500 mg/100 mL レボフロキサシン水和物 クラビット点滴静注500 mg/20 mL

表2.7.6.11.5-1 投与終了/中止時の臨床効果(有効率)(解析対象集団:PPS) 疾患名 有効 無効 判定不能 合計 有効率(%)a

95%信頼区間)b 全体 17395.6 84.4 00.0 181100.0 95.692.6, 98.6 市中肺炎 14095.9 64.1 00.0 146100.0 95.992.7, 99.1 慢性呼吸器病変の二次感染 33(94.3) 2(5.7) 0(0.0) 35(100.0) 94.3(86.6, 100.0)

a:有効被験者数/解析対象被験者数(判定不能は分母から除く)

b:正規近似による信頼区間

11.5.2 副次的評価項目

11.5.2.1 投与開始3日後の臨床効果(有効率)

PPSでの投与開始3日後の有効率は、疾患全体で65.7%(119/181)であり、その95%CI

は58.8%~72.7%であった。疾患別の有効率は、市中肺炎で63.7%(93/146)及び慢性呼吸器

病変の二次感染で74.3%(26/35)であった。

11.5.2.2 投与開始7日後の臨床効果(有効率)

PPSでの投与開始7日後の有効率は、疾患全体(ただし7日間以上投与された被験者)で 93.7%(148/158)であり、その95%CIは89.9%~97.5%であった。疾患別の有効率は、市中 肺炎で92.9%(118/127)及び慢性呼吸器病変の二次感染で96.8%(30/31)であった。

11.5.2.3 最終観察時(投与終了/中止7~14日後)の臨床効果(有効率)

PPSでの最終観察時の有効率は、疾患全体で89.5%(162/181)であり、その95%CIは85.0%

~94.0%であった。疾患別の有効率は、市中肺炎が90.4%(132/146)及び慢性呼吸器病変の 二次感染が85.7%(30/35)であった。投与終了/中止時後も十分な効果を示していた。

11.5.2.4 投与終了/中止時の微生物学的効果(陰性化率)

投与終了/中止時の原因菌の陰性化率(「菌消失又は推定菌消失被験者数」/「解析対象被 験者数」)は、疾患全体で97.6%(80/82)、このうち市中肺炎で100%(61/61)、慢性呼吸器病 変の二次感染で90.5%(19/21)であった。

11.5.2.5 投与終了/中止時の微生物学的効果(菌消失率)

投与終了/中止時の原因菌の消失率(「消失菌株数」/「解析対象菌株数」)は、疾患全体 で97.8%(91/93)、このうち市中肺炎で100%(68/68)、慢性呼吸器病変の二次感染で92.0%

(23/25)であった。

2.7.6 個々の試験のまとめ

クラビット点滴静注バッグ500 mg/100 mL レボフロキサシン水和物 クラビット点滴静注500 mg/20 mL

11.6 薬物動態の結果

11.6.1 母集団薬物動態解析

母集団薬物動態解析には、2-コンパートメントモデルを使用した。CLtに影響を及ぼす要因 としてCLcrが、V1及びV2に影響を及ぼす要因として体重が選択された。最終モデルでの 母集団薬物動態パラメータを表2.7.6.11.6-1に示す。

表2.7.6.11.6-1 母集団薬物動態パラメータ推定値(最終モデル)

(解析対象集団:母集団薬物動態)

ブートストラップ バリデーション結果a パラメータ

推定値(SE) 中央値 95%信頼区間

ブートストラップの 中央値と最終モデル 推定値との比 CLt 6.74(0.0870) 6.75 (6.58、6.94) 0.999

V1 19.5(0.998) 19.5 (17.2、21.6) 1.000

Q 61.1(3.11) 61.0 (54.6、68.9) 1.002

V2 45.7(1.15) 45.8 (43.3、48.5) 0.998

K CLcr on CLt 1.18(0.0876) 1.18 (1.02、1.34) 1.000

K weight on V1 1.32(0.209) 1.33 (0.93、1.83) 0.992

K weight on V2 0.650(0.0605) 0.645 (0.518、0.772) 1.008

ωCLt2 0.0421(0.00494) 0.0411 (0.0319、0.0515) 1.024 ωV12 0.127(0.0198) 0.126 (0.085、0.168) 1.008 ωQ2 0.103(0.0239) 0.101 (0.051、0.153) 1.020 ωV22 0.0315(0.00408) 0.0312 (0.0240、0.0404) 1.010 σ1 0.0673(0.00487) 0.0673 (0.0566、0.0769) 1.000 σ2 0.0400(0.00359) 0.0402 (0.0320、0.0468) 0.995

a:ブートストラップ法によるデータセットのリサンプリングを1000回行い、母集団薬物動態パラメータの信頼区 間を算出した。

最終モデル

CLt(L/h) = (6.74 + 1.18 × (CLcr(mL/min) − 82) × 60 / 1000) × exp(ηCLt) V1(L) = 19.5 × (Weight(kg) / 56.3)1 32× exp(ηV)

Q(L/h) = 61.1 × exp(ηQ)

V2(L) = (45.7 + 0.650 × (Weight(kg) − 56.3)) × exp(ηV2) Y = F × exp(ε1) + ε2

Y:血漿中薬物濃度観測値 F:血漿中薬物濃度予測値

η:平均が0、分散がω2の個体間変動誤差 ε:平均が0、分散がσ2の残差変動誤差

11.6.2 薬物動態パラメータ

PK/PD解析対象集団(安全性)全体でのCmaxの平均値(標準偏差)は12.24 (3.57) μg/mL、

C24hの平均値(標準偏差)は1.16(1.54)µg/mL、及びAUC0−24hの平均値(標準偏差)は87.65

(51.24)µg·h/mLであった。

11.6.3 PK/PD パラメータ

肺炎球菌を原因菌に含む被験者でのCmax/MICの中央値は13.3(最小6.8、最大31.6)であ

2.7.6 個々の試験のまとめ

クラビット点滴静注バッグ500 mg/100 mL レボフロキサシン水和物 クラビット点滴静注500 mg/20 mL った。また、Cmax/MICが5以上の肺炎球菌を原因菌に含む被験者の割合は100%(33/33)、

10以上の肺炎球菌を原因菌に含む被験者の割合は84.8%(28/33)であった。肺炎球菌を原因 菌に含む被験者でのAUC0−24h/MICの中央値は98.8(最小37.1、最大205.7)であった。また、

AUC0−24h/MICが30以上の肺炎球菌を原因菌に含む被験者の割合は100%(33/33)であった。

11.6.4 PK/PD パラメータと有効性評価項目との関係

PK/PD解析対象集団(有効性)全体、市中肺炎、及び慢性呼吸器病変の二次感染を対象と

した、PK/PDパラメータと投与終了/中止時の微生物学的効果との相関は、ほとんどの菌が 消失しているため検討できなかった。なお、PK/PDパラメータと投与終了/中止時の臨床効 果との相関解析の結果、本治験での血漿中薬物濃度の範囲では、明確な傾向は認められなか った。

11.6.5 喀痰中薬物濃度

慢性呼吸器病変の二次感染患者のうち6名の被験者から得られた喀痰中の薬物濃度を測定 した。最高喀痰中薬物濃度は点滴開始後0.5時間から3.75時間の間に得られ、その後一相性 の消失を示した。

最高喀痰中薬物濃度の範囲は9.8~26.0 μg/mLであり、平均値(標準偏差)は

14.2 (6.09) μg/mLであった。また、点滴終了時の血漿中薬物濃度が不採用であった1名を

除く5名の喀痰採取被験者ごとの最高血漿中薬物濃度との比(最高喀痰中薬物濃度/最高血 漿中薬物濃度)の範囲は0.45~1.54を示し、平均値(標準偏差)は0.99(0.41)、中央値は 1.09であった。

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