3 解析
3.4 HSS の L バンド
3.4.2 最小二乗法
ある N 組の組み合わせを持つデータ列
{ 𝐴𝑖 }( i = 0, … ,2𝑁 − 1 ):{ 𝐵𝑖 }( i = 0, … ,2𝑁 − 1 ) (3.15) について、回帰直線を求めて相関があるかないかを調べるために、
𝐴𝑖= 𝑎𝐵𝑖+ b (3.16) と定義する。この𝑎は比例係数、bは定数である。
この傾きを求めるため、隣り合うデータの変化量(差分)を Δ𝐴𝑖 =(𝐴2𝑖− 𝐴2𝑖+1)
2 Δ𝐵𝑖 =(𝐵2𝑖 − 𝐵2𝑖+1)
2 (3.17)
とする。この変化量から比例係数𝑎を求めるため最小二乗法より 𝑎 =∑𝑛𝑖=0 Δ𝐴𝑛Δ𝐵𝑛
∑𝑛𝑖=0 (Δ𝐵𝑛 )2 (3.18) で求まる。
図 3.8 最小二乗法
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ここで、L バンドの変動ΔL、M バンド変動ΔM とする。ΔL とΔM の変動比から時間ビン ごとの比例係数𝑎を定めるため、
ΔL=a ×ΔM (3.19)
と定めた。
定数bは X 線のカウント値が 0 に近い時は誤差の範囲とし、ないものと考えた。
2.4 節で述べた多温度黒体放射、べき型成分について考える。𝐹𝑙に含まれている各成分は 以後、多温度黒体放射を B 成分、べき型成分を P 成分と記す。
Low energy band のフラックスは、B 成分の X 線強度𝐹l𝐵と P 成分の X 線強度𝐹l𝑃より 𝐹l= 𝐹
l𝐵+ 𝐹
l𝑃 (3.19) と定義する。3.4 節で説明した差分変動率より隣り合うビンの平均を𝐹+、変動成分の差分を 𝐹−とする。
𝐹l𝑃の変動成分は med energy band 𝐹𝑚とべき型成分で関連した変動をするとした時、
これらの関係は比例係数𝑎𝑃を使って、
𝐹l𝑃+= 𝑎𝑃𝐹𝑚+
𝐹l𝑃
−= 𝑎𝑃𝐹𝑚− (3.20) と言える。
𝐹l𝐵 には独立の変動成分を持っているが、𝐹l𝑃と連動して変化してしまう部分が含まれた
ものとして、前者の変動を𝐹l𝐵,𝐼、後者の変動を𝐹l𝐵,𝐶とする。𝐹l𝐵の連動部分は、
比例係数𝑎𝐵を使い、
𝐹l𝐵,𝐶= 𝑎𝐵𝐹𝑚 (3.21) である。
ここで𝑎𝐵、𝑎𝑃は次のような関係を持つ。
𝑎 = 𝑎𝐵+ 𝑎𝑃 (3.22)
上記より、式(4.1)、(4.2)、(4.3)、(4.4)をまとめると 𝐹l= 𝐹
l𝐵+ 𝐹
l𝑃
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= 𝑎𝐹𝑚+ 𝐹
l𝐵,𝐼 (3.23) 独立に変動する𝐹l𝐵,𝐼は差分変動率の期待値がないので、式(4.5)は
𝐹l−− 𝑎𝐹𝑚−= 0 (3.24) 差分変動係数𝑎は、式(4.6)に最小二乗法を用いることで求めることが出来る。
データ列{𝐹l(𝑖)−: 𝑖 = 1, 𝑁}、{𝐹𝑚(𝑖)−: 𝑖 = 1, 𝑁}を与え、
𝑎 =∑𝑁 𝐹l(𝑁)−𝐹𝑚(𝑁)− 𝑖=1
∑𝑁𝑖=1(𝐹𝑚(𝑁)−) (3.25) と求めることが出来る。
33
3.4.3 2 成分の独立性
𝑎𝑃 は𝐹𝑚と平行に変化する𝐹lの要素を含む係数とすると、時間経過によらずに一定であ るといえる。しかし、求めた比例係数を見ると、時間幅ごとの値は時間の経過とともに増 幅している(図 3.9)。時間スケールが一番早いところでは、𝑎𝐵、𝑎𝑃は完全に独立している。
比例係数の傾きは𝑎𝑃の傾きとすると、𝑎が最小の時、𝑎𝐵= 0と考えることが出来る。よって、
𝑎が最小である𝑎𝑚𝑖𝑛は
𝑎𝑃 = 𝑎min (3.26) と示せる。
これより、HSS の L バンドにおける PL 成分と BB 成分を分割し、各々の差分変動率を求 めた。
最小二乗法より導き出した L バンドと M バンドの比例係数が図 3.11 である。
時間スケールが短くなるほど値が小さくなっている。これは、降着円盤の内側に行くほど 相関性が次第に失われ、独立性が強まっていくと考えることで説明できる。
求めた比例係数より、L バンドの独立した成分、M バンドと比例した成分を分割ため次の 章に方法を記述した。
図 3.9 HSS の L バンドと M バンドの相関関係 1
1.5 2 2.5 3
0.1 1 10 100
比例係数
day
1st LHS
4th HSS
34