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第 4 章 映像配信における消費電力推定モデル

4.2 映像配信における消費電力推定モデルの提案

消費電力推定モデル提案にあたり、まず、スループット履歴や予測技術により導出され る通信品質変動を用いて、4.1章で定義した各状態の所要時間を推定するモデルを構築する。

同時に、導出される状態所要時間と従来の研究で提案されている電力モデルを用いること により、映像配信時の消費電力を推定するモデルを提案する。提案モデル式に用いるパラ メータを表4.2.1に示す。

30

表4.2.1 モデルパラメータ

Parameter Description )

(t

x t s後のスループットを表す関数 )

(x

P スループットx Mbpsに対する消費電力を表す関数

1

tS

,tS2,tS3,tS4 各状態の所要時間 (s) t0 各状態のスタート時間 (s)

ti

 1セグメント増加/減少にかかる時間 (s) Ri レプリゼンテーション (Mbps)

k

セグメント分割単位 (s) Bmax バッファ容量の上限 (s) Bmin バッファ容量の下限 (s)

表4.2.1に示すモデルパラメータを用いて、映像配信における4状態の所要時間と消費電

力を推定するモデル式を下記に記述する。通信速度変動から、状態所要時間を推定する際

に、図4.2.1のような概念を考慮してモデルを構築している。

図4.2.1 モデル構築概念図

① ON startup phase

まず、式(4.2.1)により1セグメント受信にかかる時間を導出し、その結果を用いて、式

(4.2.2)により本状態1サイクルの所要時間を決定する。

tt0ti

x t dt R

i

k

0

)

(

(4.2.1)

31

k

B

i i

S t

t

min

1

1 (4.2.2) 上式により、ΔtS1を算出し、式(4.2.3)に代入することで、本状態1サイクルにかかる電力 ES1を得る。

0 1

0

)) ( (

1

tS

t

S t

P x t dt

E

(4.2.3)

② [Good] ON playout phase

まず、式(4.2.4)により1セグメント増加にかかる時間を導出し、その結果を用いて、式

(4.2.5)により本状態1サイクルの所要時間を決定する。

tt0ti

x t R

i

dt R

i

k

0

) ) (

(

(4.2.4)

k

B B

i

i

S t

t

min max

1

2 (4.2.5) 上式により、ΔtS2を算出し、式(4.2.6)に代入することで、本状態1サイクルにかかる電力 ES2を得る。

0 2

0

)) ( (

2

tS

t

S t

P x t dt

E

(4.2.6)

③ [Bad] ON playout phase

まず、式(4.2.7)により1セグメント減少にかかる時間を導出し、その結果を用いて、式

(4.2.8)により本状態1サイクルの所要時間を決定する。

tt0ti

R

i

x t dt R

i

k

0

)) (

(

(4.2.7)

k

B

i

i

S t

t

min

1

3 (4.2.8) 上式により、ΔtS3を算出し、式(4.2.9)に代入することで、本状態1サイクルにかかる電力 ES3を得る。

0 3

0

)) ( (

3

tS

t

S t

P x t dt

E

(4.2.9)

④ OFF phase

32

まず、式(4.2.10)により1セグメント消費にかかる時間を導出し、その結果を用いて、式

(4.2.11)により本状態1サイクルの所要時間を決定する。

k ti

 (4.2.10)

k

B B

i

i

S t

t

min max

1

4 (4.2.11) 上式により、ΔtS4を算出し、式(4.2.12)に代入することで、本状態1サイクルにかかる電力 ES4を得る。

0 4

0

)) ( (

4

tS

t

S t

P x t dt

E

(4.2.12)

本モデル式による誤差

ON playout phaseにおける状態所要時間の推定値は、1セグメント増加・減少単位で離

散的に加算して求められる。例えば、バッファ内のセグメントが1増加する場合、

t

i期間 内にセグメントを2取得、1消費する等のように、

t

i期間内に考慮しなければならないセ グメントが複数存在する可能性がある。これは、DASH 配信時、短い期間にビットレート が大幅に変化する場合、推定値の誤差の原因となる。上記例において、取得された 2 セグ メントで、それぞれ異なるビットレートが選択されたと仮定すると

t

iに誤差が生じる。

より理論値に近い推定値を導出するには、ON playout phaseのモデル式を1セグメント 増加・減少単位ではなく、取得・消費で別の時間軸を持った関数を利用し、取得・消費単 位で構築する必要がある。しかし、今回は式が複数に分割してしまうこと、条件分岐が多 く発生してしまうことから、上式のような簡潔な形となるよう構築した。

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