海と安全 2011・秋号
77
5月25日 付 発 行 の 本 誌 夏 号
(特集・海洋ゴミと船舶航行、
緊急リポート「東日本大震災と巨大津波に立ち向か った船員たち」)、その他に対して寄せられた読者の コメントを紹介します。
※ S・H生 北海道在住
情報誌「海と安全」の特集記事を興味深く読ませ て頂いている。中でも2010年冬号「外航船員の確保・
育成」の記事では、今や外国人船員が97%とか。こ れではもはや 日本人船員は絶滅危惧種 である。
しかも減少傾向にある日本人船員希望者。30年前の パワーをなくした船員教育機関。外国人船員を乗せ て船は動いている。荷主サイドの一定の安心感。将 来不足すると見込まれる船員は、日本人船員と言い 切れないなど、教育現場からの意見が掲載されてい た。
船会社の日本人船員必要論は「ゆくゆくは管理部 門で必要だから…」と聞こえてくる。「トン数標準 税制」による目標値だけでよいのか。外航日本人船 員確保・育成スキーム。産学官によるPR活動に期 待したい。
2011年春号に、この記事に対する読者コメントが 掲載されていた。「外航の問題点が全て網羅されて いるが、会社トップと船員部門の考えにまだまだ差 がある」。「船長・機関長が目標、一生船に乗って職 業生活を終えたいという若者の存在」「本来の海技 の伝承」をどうする? まったくそのとおり! ま さに現場船員の生の声と聞いた。小生もこのコメン ト者同様、次のテーマに期待する。
※ 大貫行雄 第一中央汽船㈱専務取締役
今号では「海洋ゴミと船舶航行」とともに、大震 災時の船員の危機脱出のための臨機応変な対応が紹 介され、緊急対応の具体例として興味深く読ませて いただきました。特に硯海丸は弊社グループの船舶 であり、無事で良かったとあらためて思った次第で す。限られた編集作業の中で、時節に合わせたタイ ムリーな話題を提供戴き、感謝しています。今後益々 のご活躍を祈念申し上げます。
※ 大野一夫 海員組合元教宣部長
緊急リポート「東日本大地震と巨大津波に立ち向 かった船員たち」見ました。最近の海運、水産界で 見ることのない優れた企画編集だと思います。巻頭
の「大船渡港での巨大地震・津波遭遇報告」は迫真 のルポルタージュであり、衝撃波を受けたような気 がした。他の手記もすごい内容です。
※ 宮崎和博 宇部興産海運㈱
震災時の船舶を特集した No.549号を拝読しまし た。震災時は当社のセメント船も仙台に接岸してお り、船長以下乗組員の懸命の作業によって無事脱出 に成功しています。この際には離岸に手伝っていた だいた陸上の方々や、脱出の際の船長の苦悩など 色々とエピソードがあったようです。
当社船は緊急時には10分間隔で位置情報を送信で きる装備があったのでその情報を基にした簡単な画 像を送付します。
今回の海洋のゴミに対しても大変な事になってい るようですね。今後の特集としては、今度のような 海洋への大量のゴミにどう対応していくか。
また、福島沖を航海しなくてはならない船舶の放 射能対策などはいかがでしょうか?
当社関連船は現在東北沖を航行する際はなるべく 昼間にして浮遊中のゴミをペラに入れないよう見張 っており、航行中は乗組員を外に出さないようにし ています。あくまでも素人発想なので専門的な意見 が聞かれれば乗組員の役に立てられそうです。今後 とも宜しくお願い致します。
※ 深浦勝弘 清水海上保安部交通課安全係長 この度は、無理なお願いにもかかわらず、快くご 対応頂きましたことに心より御礼を申し上げます。
大変貴重な資料であり、早速、明日の清水港台風・
津波等対策協議会の場で、貴協会提供ということで 会員70名に配布する予定です。ありがとうございま した。
※ 土井全二郎 元新聞記者
「緊急リポート」は興味深い内容だった。
三陸沿岸の港であの大震災に遭遇し、大津波に巻 き込まれた船があった。どのようにして危機一髪の 状況から生還し得たか。居合わせた二隻の船長によ る迫力にみちた記録である。千葉県袖ヶ浦の製油所 でタンカーへの燃料油積荷作業中、地震に見舞われ たバースマスターからの報告もある。
いずれの場合も外部との連絡が絶たれた孤立無援 の中で、ベテラン船員たちが「シーマンシップを発 揮」し、巨大波あるいは大揺れと格闘している点で
共通する。最悪の事態を覚悟した船長だったが、そ れでも「やるだけやる」と懸命の操船に当たってい る。
機関士と司厨長が専門外の航海計器類の操作に当 たった船もあった。緊急離岸を試みた船では岸壁の 係留ロ−プ放しに出た航海士が津波の中に取り残さ れかけた。一時は係留ロープ切断を決意したものの、
「切りたくない」と甲板長が縄はしごで下り、ロー プ放しに成功した船。休暇下船中の乗組員が自宅被 災にもかかわらず、「半日」かけて自転車で駆せ戻 った船。自船保持も困難なのに座礁ロシア船から脱 出したロシア人船員を救助した船もあった。
いま、船員問題をめぐって議論がある。効率化を 旗印に船員教育制度見直しを迫る向きもある。だが、
船員教育機関は単にライセンスを与えるだけの場で はない。「特集・緊急リポート」は短期間でそう都 合よく船員が仕上がるものでないことを教えてくれ るようだ。
※ 細谷貞男 ㈱ナビレックス検査部長
「海と安全」2011夏号を拝読。特集「海洋ゴミと 船舶航行」は、短期間に良くこれだけの資料を集め た事と、うまく纏められていることに驚きました。
原稿の出処が多岐にわたっていて、貴誌編集部のネ ットワークの広さに感服いたしました。本号は、海 洋ゴミに関する良き参考書になります。
私の経験では、長崎から石川県までの海岸には大 量のゴミが漂着しています。材木はロシア材が主流 です。冬場の北西風に乗ってハングル文字の書かれ た漂着物(プラスチックタンク、漁具、発泡スティー ル)が大量にあります。
いつもは、対馬に大量に流れ着くのですが、昨年 には上五島地区が多かったようで、現地での取材記 事では高齢化と過疎化の進行する離島で、地域の役 場と漁協関係者さらには漁業従事者たちによる漂着 ゴミへの取り組みが紹介されていて、その苦労が目 に見えるようです。
陸上でゴミが大量に散乱していたら、市民の目も あり住民パワーもあり行政は即座に動くのでしょう が、人里離れた海岸とりわけ離島ではそうなりませ ん。そうした意味で、海洋ゴミ問題の深刻な実態と 対策とが具体的に紹介されていて参考になりました。
また NPEC の活動も、今後の我国では避けて通 れない問題ですので非常に興味がありました。一つ 抜けているのが、瀬戸内海方面(特に四国)に大量 の雨が降った場合、山から大量の流木・切りカブが 瀬戸内海に流れ込むことに関わる記事があれば良か った。
中国などの環境破壊は、想像を絶します。港は、
汚れがひどく魚などは住んでいません。今回の震災 で流れ出たゴミは、千葉県の犬吠あたりからハワイ 経由でアメリカ沿岸に向かいます。ゴミも有効な資 源の一つです。
緊急リポートは良くできていますが、曳航したり 救助したりした他の多くの作業に従事した内容が盛 り込まれていたらさらに迫力を増したと思います。
※ 松尾俊彦 東海大学教授
津波に遭遇された船長の報告というものを初めて 読ませて頂きました。まず、船長という立場におけ る意志決定や乗組員の船を守るという賢明な行動に は感銘を受けました。これぞシーマンシップと評す べきでしょう。
また、寄せ波と引き波に戦われた際に、本船がど ちら側に、何回転したかを記憶されていたことも、
その冷静さに驚きました。さらには、錨の使い方に ついても、非常に参考になりました。今後の指針に なるものと思います。
一方で、乗船経験の少ない船長や水先人が誕生す る今、今回のような判断ができるだろうかと心配す るのは私だけでしょうか。いずれにしても、東海地 震が近いとされる中で、港内での船舶の避難や対応 を再検討していますが、今回の『海と安全』は貴重 な参考資料となりました。
※ 鈴木 暁 日本大学講師
企画に関することですが、物品の輸送と安全、そ れに運送責任と免責などは貴誌の範疇に入るのでし ょうか。やさしく解説してもらえればと思います。
私の担当する「国際物流論」などで参考になります。
※ 播磨清次 水先人
夏号「緊急リポート」 東日本大地震と巨大津波 に立ち向かった船員たち を、緊張感を持って読ま せて頂いた。臨場感あふれる現場船長の「生々しい 報告書」に改めて今回の津波の大きさに驚くと共に、
よくぞ無事に!よくぞやってくれた! と目頭を
海と安全 2011・秋号