0( 0%)
2(12..50)
2(12..50)
8(50−00)
0( 0)
*)n=12(1989),n=16(1992)。
8) ここで「市価マイナス基準」とは、市場価格から販売会社の手数料など販売会社の諸経費を差
し引いたものを、製造会社の完備とするものである。日本企業が海外進出する場合によくみられ る会社形憶であり、同資本系列の製造会社と販売会社が同じ地域にあり、製造会社は製品の大部 分をその販売会社の注文に基づいて生産する場合が多く、この場合に製造会社から版売会社へ販 売される場合にとられる振替価格の−・形態である。
日本企業の経営実践と管理会計の国際移転の一つの試み −ββ−
4−3会計情報システムの整備と移転
在英日系企業の会計情報システムの整備の程度と国際移転の実態について、
表−20により検討する。
会計情報システムとしては、社会の利害関係者に報告するための損益計算書、
貸借対照表、資金計算書などを中心にした財務会計システム、事業計画から予 算・実績の差異分析までの経営計算制度の中心である予算管理システム、製品 原価など製造原価の計算を中心にした原価計算システム、及び近年プラニング 段階の戦略的原価管理として注目を浴びて いる原価企画システム(target cost management system)を考え、在英企業での会計情報システムが現時点でどの 程度整備されているか。またそれらシステムの導入の際、親会社のシステムを ベー・スにしているのか、あるいは英国企業のシステムを参考に整備を進めてき たのか、その国際移転の実態をも検討する。
まず在英企業における会計情報システムの整備レベルであるが、最も整備さ れているのは財務会計システムであり、4=07点とほぼ整備が行き届いている。
その理由は、英国企業として英国の会社法により登記される限りは、英国の会 社法に則って会社経営がなされるのは当然のことであり、法律に従って事業報 告書(Accounts)を提出するのも当然の義務である。従って−、出来るだけ英国 陰に合うような財務会計システムを英国の公認会計士などの指導・助言を得な がら、財務会計システムの導入をするのが最も自然である。残された課題とし ては、日本の親企業、あるいは他の海外の関係会社との間における財務会計シ ステムの比較可能性、あるいは連結財務諸表作成の観点からそれとの調整の容
9)なお表中の「その他」の1社は、日本の親企菜の現地での販売価格と同価格という考えカであ る。この場合、当該企業の製品の販売可能な市価(予測)と、日本企業が製造原価に利益をプラ
スした価格をもとに、現地での販売価格を日本の親企業が決める。通葡は、在英企業の現地での 製品の販売価格は、日本企業の販売原価(売上原価十輸出諸経費)よりも高い。従って、在英日
系企業は、日本企業の現地販売価格以下に絞り込むことが要求される。またそうしないと、現地 に利益が出ないし、在英企業に赤字が累積する。しかしそのようなことは、企某としても許され ないし、また税務的にも問題が残っている。
J994 香川大学経済学部 研究年報 33
−∫4−
易性などが、問題として残るが付随的なものである。しかもそのような課題は、
大部分は:日本の親企業或いは欧州の地域統轄本社がグローバルな観点から、配
慮・解決すべき課題である。従って、同資本系列の他の子会社との比較は、日
本の親企業サイドからみれば、グローバルな観点から連結及び比較可能性のためには、是非とも必要であり、それは日本の親会社あるいはヨー・ロツパの地域 統轄本社で出来るよう工夫がなされている。
表−20会計情報システムの整備と国際移転
シ ス テ ム 整備の程度 国際移転の状態 平均値 標準偏差 平均値標準偏差 1)財務会計システム
2)予算管理システム 3)原価計算システム 4)原価企画システム
0 9 4 9 8 4 7 9
0 0 0 0
4り60 0..91 4‖00 1.20 3 33 1.63 2.73 1い68
7 7 0 1 0 6 4 7
4 ウリ つ止 2
*) n=15(整備),n=15(移転)(1992)。表中の得点の付け方:整備の程度 における得点は、以下のとおりである。ほとんど整備されていない→1点、
、ある程度整備されている→3点、…、ほぼ完全に整備されている→
5点として、回答企業の総得点をだし、回答企業数で割り、1社あたりの平 均点を出した。
また、国際移転の状億に関する得点も、親会社の制度をそのまま移転→1 点、……、親会社の制度を半ば修正・移転→3点、、現地企業のシステ ムを導入→5点として、回答企業の総得点をだし、回答企業数で割り、1社 あたりの平均点を出した。
より詳細に述べると、英国企業として事業報告書(その中心は会計報告書で ある)と呼ばれる報告書を英国政府に提出することが義務付けられて−おり、い ずれの日系企業も英国の法律に従って、事業報告書を財務会計システムにより 作成している。英国の法律との関連があるため、英国の公認会計士を顧問とし て一俵頼したり、また企業内(経理部門)に公認会計士を雇用し、英国の法律に 従い詳細な営業報告書を提出して−いる。この財務会計システムは、大部分英国 で市販されている既存の財務会計用のソフトウエアを一・部自社用に改良し、そ れを用いて作成している場合が大部分である。また日本本社との連結財務諸表
日本企業の経営実践と管理会計の国際移転の一つの試み −β百−
の作成のためには、日本本社で作成した連結財務諸表用のソフトウエアに合わ せて会計数字(データ)を入力すれば済むように作られている。
次に、予算管理システムは、企業の経営計算制度の中心的役割を果している。
事業計画をもとにした予算は本社の承認事項であり、日本本社の経営会議で承 認・了承されて始めて執行される場合がほとんどである。その予算書の内容は、
概要、材料費予算、労務費予算、経費予算、損益予算、売上予算、製造予算、
製品別予算、製造間接費予算、貸借対照表、資金繰表、在庫計画、固定資産計 画、人材の推移などからなり、予算編成、執行、及びその差異分析という形で 運用されている。この予算管理システムも、ある程度整備(3.67点)がなされ てきている。
次に国際移転の観点からみると、この予算管理システムは、本社サイドから は日本本社や他の海外子会社との比較可能性を保てることが必要であり、出来 れば日本本社のシステムを導入したいが、現地の経営規模や実状に合わせて修 正を行う必要がある。またこれは、経営内部報告のための会計情報システムで あり、財務会計システムに比べると英国の会社港の制約を受けないため、日本 の親企業での予算管理システムとの関係を考慮して作成されている。
原価計算システムは、生産して1、る製品種類や個々の企業により、システム
に相違がみられる。そのため、基本的には、日本の親会社のシステムを英国の
子会社にフィットするように修正、導入しているケースが多い。また原価計算システムの整備レベルも未だ十分になされているとは言えない。これは、在英 企業における製造ライン(製品、生産量、従業員の訓練)がようやくスムーズ に行くようになり、それらライン業務をサポートするスタッフ機能である原価 計算システムの整備は、ようやく開始されたばかりである。また日本の親企業
に比べると、経営規模なども小さく、担当スタッフも少ないので、日本の親企
業と同精度のシステムは必要でもないし、また期待すべきでもないことも一周である。
最後に、原価企画システムの場合を考えてみよう。計画段階での製品のコス ト、機能、品質をVEなどの手法を使って作り込むための方法である原価企画 は、日本の自動車、電気機械製造業を中心に広く普及し、諸外国からも熱い眼
Jタタイ
香川大学経済学部 研究年報 33
−ββ−
差しで国際移転が待ち望まれて−いることは、周知の事実である。その原価企画 が、在英日系企業でどのように導入・整備されているかは、内外の実務家はも ちろん研究者にもたいへん興味あることである。
原価企画システムを導入するには、その技術的前提となる開発・設計などの 機能のロー・カル化が必須である。しかし在英企業のR&D活動は、現時点では、
設計段階、その中でも応用(詳細)設計段階からローカル化を行っている企業 が大部分であり、製品企画や研究開発段階の現地化を進めているのは、まだ−・
部のR&Dの国際化に積極的なグローバルな企業に限られている。また原価企 画というコンセプトは、日本の自動車メーカー・の経営実践の中から生まれた概
念であり、これまで外国企業には無かったものである。従って、原価企画のコ
ンセプトもまたそのシステムも、日本の親企業のやり方を導入することにより、在英企業で原価企画活動をスタートしている。そのため、国際移転のレベルも 日本の親企業の影響が強く、また前述の基礎的なR&Dなどがいまだ十分に整 備されていないので、整備のレベルも日本人担当者を中心に、在英企業及びそ
のサプライヤー・(日系及び現地の両方を含む)に指導・教育を行っているのが 実状である。今後、原価企画のコンセプト及びその技術的な側面についても積 極的に国際移転が進むことにより、在英日系企業及び英国企業を始めとする欧 州企業の原価低減に大いに貢献するであろう。ただ勿論原価企画には、日本的 な管理会計の典型と言われたりすることもあり、コンセプトや技術的な側面の 国際移転には問題は少ないが、それを実際に動かす段階では、経済、社会、文 化、風土などの面からコンフリクトや解決すべき課題も勿論多く発生す−るであ
ろう:0)
4−4資金調達の方法
在英日系企業が、資金調達を英国(場合によっては大陸の欧州諸国)で行っ ているか、あるいは日本の親企業から調達して−いるか、ということは日系企業
10)なお詳細は、井上信一・(1993)、加登盤(1993)を参考のこと。