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(b)の方法では、 2章で示したように図2-1の3質点系モデルを用いた衝撃応答解析を行 い、 落石覆工側質点n13の応答量から次式によりエネルギー伝達率が得られる2 )。

U.".,__.

Yo = Emm ×l∞(%)

ただし U2(I)mJ

S M

(7-7a) (7-7b)

(c)の方法では、 6章で示した衝撃応答解析より式(6-5a)のーを用いて求められる。U E

7. 3 安全性照査法の数値計算例

ここでは、 6章で数値計算に用いたPC落石覆工を対象に安全性照査を行い、 7. 2で示 した3種類の方法について比較 ・検討した。

7.3.1 PC落石覆工の限界吸収エネルギー

落石覆工の限界吸収エネルギーUAの算定法として、 前節で示した3種類の方法を検討する。

)

''aa ・冒‘''z、

160

m

m C

C M

4

只v

kd

ぶ人

L Y 1 形 …μ = 変

5……/5の

十)

一 以汽

)

工f…ベ,

f 覆

れ一

\

0 落詠II1EO

1

\ …

i

c

貝U

なお、 PC部材のM""ゅ関係は6章で計算した値(表6-1参照)をそのまま適用し、 横締め

パラメータについては6.3.3と同保に載併桁の変位量をmいて算定できるものと考え、 式(6-8)によるイ直た。

まず最初に①の静的。LØ塑性解析により計算した結果、 PC落石覆工の荷重~変位関係、とし て図7

-

4 (a)がられた より、 静的約 9.0c mであり、 限界吸収エ ネルギーはUA=10.2tf・mで、ある ことが認められた。

、 ②の崩壊メニズムによる方法では、 PC桁がはり機構で崩壊ー ドを仮定

たうえで式(7-4),..., (7-5)を適用す る と、 弾性l吸収エネルギーUeおよび塑性吸収エネノレギ­

U

p

れ以られ る。

UE=陀(α2-l)=0

0372×(4662-1)=0 771(Lf-m) (Ma)

(M +m)g2T2

ただ し、 Wn同

=

=

0

. 0

372 :落石覆工の弾性振動エネルギー、 Aイ=5. 00/9. 80 = 8 π4

0.510 :落石の質量、 n1=l. 885 :落石覆工側の有効質量、 T=O.112 :落石覆工の1次固有周 ( L \(. l '

月!、 α=109.0/23. 4

:静荷重に対する降伏荷重の比 u叱十 / ろ ら← 戸 ) =Mイ p 川 E 寸 Jlい l 十t J μ 一 O

(7η1. 21 Xく102)X (ω0.046X10一3)X (80∞O. 0/6ω) X (ω1 + 1/0. 659) X (ω2. 722一lυ)= 5. 68. . . .. (7-8b) ただし、 μ

= o.s{

1

+

+

(

2

と2

) }

=2.722 :じん性率

�4.174 ) 代 =0山00

よって、 限界吸収エネルギーUAは以下のようにな る 。

nH FL 4EL 「huAT PO 一一pa u U ι

一一

AA U

. . . . .. (7-9)

すなわち、 ②の崩接メカニズムによ る 方法は、 ①の静的抑塑性解析で得られた値(U.�= 10.

20t[・m)の約65%程度のかなり低めの評価が得られた。

さらに、 ③の衝撃応答解析より得られる落石覆ー仁の限界l没収エネルギーは、 図6-13 (c)の 落石嶺工が破壊したときの結果を用いると、 表7-1の③の値のようにU_.j=15.30tf. mとな る。 以上の結果より以下のことが推察される。

A. 静的弾塑性解析の崩壊過程を見ると、 図7-4 (b)に示すように、 まず柱上端部が降伏し た後に主桁中央の載荷点が降伏するため、 静定はりとしてのはり機構の崩壊メカニズムの計 算よりも限界変形は大きくなることが認められる。

B. 崩壊メカニズムを仮定した計算値は、 ③の衝撃応答解析の約1/3倍程度、 ①の静的弾塑性 解析の約65%程度と小さく過小評価となっている。 ③の衝撃応答計算例では、 式(6-5a)中の 応答吸収エネルギーU全体に対して、 部材要素の運動エネルギーUE(式(6-5d)より計算され る) の占める割合が、 最終的(時亥IJ t =91m sのとき)に約32%にも達している。 このUE を 除いた吸収エネルギーの値(表のカッコの中の値であり10.4tf . m)は、 ①の静的弾塑性解析の 値とほぼ同じであり、 したがって運動エネルギーを差し引くと両者の値は同じと考えて差し 支えないものと考えられる。

表7-1 P C落石覆工の限界吸収エネルギーの比較(tf . m)

|①崩壊メカニズム|②静的弾塑性解析|③一体化衝撃応答解析

吸収エネルギーU (tf.m) 6.45 10.20 15.30(10.4)

7.3.2 落石覆エへのエネルギー伝達率

エネルギー伝達率の算定法として、 (a)運動量保存則による方法、 (b)3質点系モデノレによ る方法、 (c) 6章で示した街磐応答解析の応答量による方法の3種類を比較する。

(a)の方法によるYoを求めるにあたり、 まず図7-1に示した落石覆工の固有値解析を行い、

1次固有周期を求めると、 To=113.2msが得られる。 次に、 PC落石覆工を1質点系ばねに 置換したときの換算ばね係数k3として、 図7-4 (a)の荷重~変位l曲線の傾きを用いると、 次 式により落石覆工の有効質量mが求められる。

庄 山門

I.2•ι

n1 = ふーーすム4 πι (7-10)

したがって、 式(7-6)を用いて(a)の方法による落石覆工へのエネノレギー伝達率を求めると、

表7-2の(a)の値が得られる。

一方、 (b)の方法では図2-1の解析モデルを用いて計算する。 なお、 サンドクッションの モデル化は、 落石重量W、 落下高さH、 サンドクッション厚hをパラメータとした回帰式を 用いて行なうが、 ここでは実験で使用された砂の粒度特性が最も川砂に近いことから、 2章 で示した川砂に関する回帰式を用いて計算を行った。

3質点系モデルを用いて計算したエネルギー伝達率の値を表7-2の(b)に示す。 さら に、

(c)の衝撃応答解析によるエネルギー伝達率の値も表7-2に示すが、 落石の重量および落下 高さが大きくなるにつれてエネルギー伝達率が急激に大きくなることが認められる。 表7-2 より以下のことが考察される。

表7-2 P C落石覆エへのエネルギー伝達率y。の計算結果の比較(弘) 落石条件 (3)運動量保存則 (b) 3質点系モデ、ル (c)衝撃応答解析

W= 1. Otf、 H=lO.Om S. 1 1. 41 1. 87

H=20.0m 5. 1 1. 84 3. 55

W=3.0tf、 H=10.0m 14.0 4.91 6. 79

1-1=20.0m 14.0 7.31 12.36

W=5.0tf、 H=lO.Om 21. 3 9. 11 18.98

H=15.0m 2l. 3 1l. 71 20.40

A. (b)の3質点系モデ‘ノレによる値は、 結石重量が小さい場合は(c)の衝撃応答解析による値に 比較的近いが、 落石重量が大きくなると合わなくなる。 これは、 サンドクッションのパラ

メータの回帰式を適用範囲外にまで用いたためと考えられる。

B.これに対し、 (a)の運動量保存則による方法は、 結石の重量が比較的小さい場合には他(}) 2つの方法の値に比べてかなり大きいが、落石重量が大きくなるにつれて衝撃応答解析によ

る値に近くなる。 すなわち、 P C�客石覆工破壊するような落石条件(W=5.Otf, 11=15. Om) 下では、(a)の方法は(c)の方法によるエネルギー伝達率とほぼ等しいことが認められる。

以上のことから、エ不ルギー伝達率の推定方法として、 (a)の運動量保存則を用いた手法は 落石覆工が破壊する終局限界状態においては有効で、あるものと考えられる。

7.3.3 エネルギー基準による安全性照査

(1), (2)で得た結果を用いて、式(7-1)によるエネルギー基準によるPC落石覆工の安全性照

査を以下の3通りの方法により行った。

(A)落石覆工の限界吸収エネルギーは②の崩壊メカニズムによる方法を用い、 エネルギー伝 達率の計算は(a)の運動量保存則を適用する方法

(B)落石覆工の限界吸収エネルギーは①の静的弾塑性解析により求め、エネルギー伝達率は (b)の3質点系モテ、ルを用いる方法

(C)落石覆工の限界吸収エネルギーは①の静的弾塑性解析により求め、エネノレギー伝達率の 計算は(a)の運動量保存則を適用する方法

以上の方法による結果に、 6章の衝撃応答解析で得た結果も併記して整理すると表7-3が 得られる。

この表より、(A)の方法は3種類の中で最も安全側の評価を与えるが、これは落石覆工の 限界吸収エネルギーを過小評価していることに起因しているものと考えられる。 一方、(B) の方法はやや危険偵IJの評価を与えるように思われる。 これは、落石条件が大きくなるにつれ て、 3質点系モデ、ルによるエネルギー伝達率y。の値が表7-2にも見られたように小さすぎ

るためであると考えられる。 したがって、(C)の運動量保存則によるエネルギー伝達率と静 的弾塑性解析による限界吸収エネルギーを用いる組み合わせが最も妥当であり、衝撃応答解 析によるものとほぼ同じ結果を示している。 この(C)による安全性照査法は数値計算も簡易 であることから、現実にも十分使用可能であるものと考えられる。

表7-3 エネルギ一基準によるPC落石覆工の安全性照査

(A)の方法 落石条件 (UA孟Yo.E)

W=1.0tf H=lO.Om 6. 45 � 0.51 (Safe) 20.0m 6. 45 � 1. 02 (Saf e) W=3.0tf H = 10. Om 6. 45� 4.20(Safe) 20.0m 6. 45壬8.40(Fail) W=5.0tf 1l=10.0m 6. 45 �玉10.65(Fai1) 15.0111 6. 45 �五15.98 (Fai 1)

7. 4 結 言

(B)の方法

(UA �Yo・E)

10.20孟O.14 (Sofe) 10. 20�0. 37 (Safe) 10.20孟1.47(Safe) 10.20孟4.39(Sufe) 10.20ミ4.56 (Saf e) 10.20ミ8.78 (Safe)

(C)の方法

(U.4孟Yo・E)

10.20孟 0.19(Safe) 10.20� 0.71(Safe) 10. 20� 2.04 (Sofe) 10.20� 7. 42(Safe) 10.20� 9.49(Safe) 10.20壬15.30(Fail)

衝撃応答解析 (中11孟中1)

Safe Saf己 Sofe Safe Safピ Fai 1

本章では、 実物大PC落石覆工を用いてエネルギー基準による安全性照査を3通りの方法 で実施し、 それぞれの結果と6章の衝撃応答解析の結果とを比較することにより最も妥当性 が高い照査方法を検討した。 ここで得られた結果を要約すると以下のようになる。

(1)落石援工の限界l没収エネルギーの算定法として静的弾塑性解析による値は、 衝撃応答解析 による値から部材要素の運動エネノレギーを差し号|し、た分とほぼ一致しており、 安全倶IJの値に なることが確認された。

(2)エネルギー伝達率の算定法としては、 運動量保存則による方法は落石条件が小さい場合に はかなり過大な値を与えるが、 落石嶺工が破壊するような大きな落石条件では衝撃応答解析 の結果とほぼ同じになることが認、められた。

(3)よって、 エネルギー基準による安全性!照査式としては、 落石覆工の限界吸収エネルギーは 静的弾塑性解析により求め、 エネルギー伝達率は運動量保存則による方法を用いることが合 理的であり実用的であると思われる。

第7章参 考 文 献

1)困旧忠一郎:落石桜工の設計法についてのー提案,構造工学論Jに集,Vol. :39A, pp. 156:3---1572,

199:33

2)園田佳巨・佐藤紘志・石川信隆・桝谷i告:落石覆工への落石のエネルギー伝達率に関する基礎的考察,

土木学会論文集No.446/ 1 -19, pp. 147---155, 1992年4月

3)松葉美晴・後藤吉晴・佐藤彰・音田奨・岡士Iß博子・井上理恵:実物大PC製シェッドの落石による 破展実験について,10回土木概要集, pp. 14---25, 1992年11月

4)成岡昌夫・服部正・加藤進・後藤茂夫・上田幸雄:骨組構造解析, 培風館

第8章 結 論

ー、論文は、 落石覆工の設計法をより合理的なものにするために、 エネルギー基準による安 全性照査法について検討したものである。 すなわち、 まず最初にエネルギー基準による安全 性照査という新しい概念を提示し、 その照査に必要な落石覆工へのエネルギー伝達率と落石 覆工自体の限界吸収エネルギーの算定法について種々の検討を行い、 最も実用的な照査法に ついて考察した。 また、 落石覆工の破壊の判定を解析的に可能にするために、 落石ーサンド クッション-落石覆工の全体系の衝撃応答解析を考案し、 実物大PC落石覆工の衝撃実験結 果と照らし合わせることにより、 解析手法の妥当性を検証した。

本研究で得られた結果を各章ごとに要約すれば以下のようになる。

第1章では、 落石防護施設について概説するとともに、 落石覆工の現行設計法とその問題点 について触れ、 それらに関する既往の研究の現状を紹介した。 次に、 本研究の目的について示 したうえで、 本論文の構成について述べた。

第2章では、 エ不ルギー基準による安全性照査の概念について示し、 これに必要なエネル ギー伝達率の簡易計算法として3質点系モデ‘ルによる方法を提示した。 なお、 モデル中のサン ドクッションのパラメータについては、 過去に金沢大学で実施された実物大落錘式衝撃実験の データをもとに動的同定手法を用いて決定することとし、 それらを落石条件(落石重量Wと落 下高さH)とサンドクッション厚hをパラメータとした回帰式で表した。 これにより、 実験条件

内の中規模の落石(重量w=3 tf、 落下高さH=20.0m)であればエネルギー伝達率が算定可

能となった。 数値計算例として、 桝谷等が行った実物大H鋼はり上のサンドクッションに関す る衝撃実験を対象とした解析を行い、 本法の妥当性を確認した。

第3章では、 2章の計算法には適用限界があることが予想、されるため、 任意の砂による大規

模な落石を想定した衝撃緩衝効果の評価方法を検討した。 すなわち、 まずサンドクッションに 対する室内静的実験および室内衝撃実験を行い、 静的試験により得られる砂の換算ばね係数を 用いて衝撃実験で計測される衝撃力をほぼ把握しうることを確認した。 次に、 個別要素法によ る静的試験のシミュレーションを行い、 砂の静的換算ばね係数と解析上の仮想弾性係数との関 係を調べた。 その後、 静的換算ばね係数に対応する仮想、弾性係数を用いて、 H形鋼はり上のサ ンドクッションに対する室内衝撃実験の解析を行い、 その緩衝効果を良好に推定できることを

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