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既存の粒度指標によるポーラスアスファルト混合物の粒度の検討

ドキュメント内 第1章 序論 (ページ 69-87)

3 章では,異なる粒度によって空隙状態が変化すること,空隙状態によって吸音特性が変化するこ とを明らかにした.これより,ポーラスアスファルト混合物の粒度による吸音特性を示し,粒度によ り吸音特性を予測するためには,ポーラスアスファルト混合物の空隙状態を示す粒度指標が必要とな るが,ポーラスアスファルト混合物の空隙状態の情報を含んだ粒度指標がない.

そこで,本章では,ポーラスアスファルト混合物の粒度の特徴を分析し,さらに既存粒度指標を用 いて,ポーラスアスファルト混合物の粒度に適用性があるか吸音特性による検討を行い,これらによ り垂直入射平均吸音率関係を考察することとする.

4-1 既存の粒度の指標

地盤工学の分野では,粒状土の工学的性質は,土を構成している粒子の大小に大きく左右されるた め,土の粒度分布を用いて土の工学的性質の基礎的な判断が行われる.一般的に均等係数 Ucおよび 曲率係数U'cが,土の粒度分布の良否を判定する指標として使われている.均等係数Ucは粒度加積曲 線の勾配を示し,均等係数 Ucが 1 に近いほど粒径の分布は狭く,「均等粒度」になる.曲率係数 U'c

は粒度加積曲線の拡がりの程度を示しており,この拡がりがなだらかになると,粒度分布がよいと言 える.

コンクリート工学の分野で,粒度分布を一般的に用いて評価する方法としては,粒径分布曲線で示 す方法,粒径加積曲線から残留する骨材の質量百分率が25%および75%となる粒径値を求め分級係数S で表す方法,細粗粒子の混合割合の状態を標準偏差で表す方法,定められた一組のふるいの各ふるい にとどまる骨材の質量百分率を100で割った値で骨材の粒度を数値的した粗粒率によって評価する方 法がある.

4-1-1 均等係数

均等係数 Ucは,粒径加積曲線の傾きを表す指標であり,均等係数Ucが大きくなるほど粒度分布幅 が広いことを示す2).従来,Ucが 4~5以下の土を「粒度分布が悪い」,Uc ≧10 のとき「粒度分布が 良い」と表していた.2000年の地盤工学会基準改定(JGS0051-2000)6)により,細粒分含有率が5%未 満の土について,Uc ≧10のとき「粒径幅の広い」,Uc <10のとき「分級された」と呼ばれようにな った.以上の均等係数 Ucは,図4-1に示した質量通過百分率の10%と 60%の点の粒径をそれぞれ D10D60としたとき,以下の式(4-1)から求められる.また,均等係数Ucは図4-1に示した 点線のようにD10D60の傾きとして,粒度の形を示す.

60 10 C

U D

D

・・・(4-1)

66 ここに,

Uc:均等係数

D10:粒度分布曲線から,残留する骨材の質量百分率10%の粒径値(mm) D60:粒度分布曲線から,残留する骨材の質量百分率60%の粒径値(mm)

4-1-2 曲率係数

曲率係数U'cは,粒径加積曲線において図4-1に示した質量通過百分率の 10%,30%および60%

の点の粒径をそれぞれD10D30およびD60としたとき,以下の式(4-2)から求められる.粒度分 布の広がり,曲線の形状を数値的に表わす指標で,粒度分布の状態を知ることができる.U'c=1~3は

“粒度分布が良い”としている4)

2

' 30

10 60 C

U D

D D

・・・(4-2)

ここに,

U'c:曲率係数

D10:粒度分布曲線から,残留する骨材の質量百分率10%の粒径値(mm) D30:粒度分布曲線から,残留する骨材の質量百分率30%の粒径値(mm) D60:粒度分布曲線から,残留する骨材の質量百分率60%の粒径値(mm)

図 4-1 均等係数Ucと曲率係数U'cの概念図

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0.01 0.1 1 10 100

通過質量百分率(%)

ふるい目(mm)

D10 D30 D60

67 4-1-3 粗粒率

粗粒率(Finess Modulus:F.M)は式(4-3)のようにコンクリートに用いる骨材のふるい分け試

験には,JIS A 1102:20061)に基づいて,80 mm,40 mm,20 mm,10 mm,5 mm,2.5 mm,1.2 mm,0.6

mm,0.3 mm,0.15mmふるいの一組を用いて,ふるい分け試験を行う.各ふるいにとどまる骨材量の

全試料に対する質量百分率の和を100で除した値を粗粒率F.Mと定義されている5).標準の細骨材では 2.3~3.1程度の範囲である.

粗粒率は一般に広く用いられている指標であり,骨材の平均的な粒径が大きいほど,大きい値とな る.しかし,粗粒率の等しい粒度分布は無限にあることに留意しておく必要があり6),既存研究によ ると粒度に大差があっても粗粒率は等しい粗粒率を示すと指摘した7)

.

100 F

i

F M  

・・・(4-3)

ここに,

F.M : 粗粒率

Fi: 定められた一組のふるいの各ふるいにとどまる骨材の 質量百分率日本では,呼び寸法が,80 mm,40 mm, 20 mm,10 mm,5 mm,2.5 mm,1.2 mm,0.6 mm,0.3 mm,0.15mm のふるいを一組にしている.

図 4-2 ふるい分布の概念図

4-1-4 分級係数

骨材の粒度の表現を示すものは,粒度曲線であるが,粒度の良否を数量的に比較するためには粒度 曲線のままでは適しないため,地質学の分野は四分測(Quartile measure),もしくはモーメント測定

(Moment measure)と呼ばれる方法を用いて粒度を示そうとしている.四分測定は,粒度曲線を幾何

学的に解析する方法であり,図4-38)に示すようにその曲線上で加積重量百分率(累積頻度%)がそ れぞれ25%,50%,75%に相当する粒径値(各々の値をQ1, Md, Q3とする)を求め,これらの値から中 間粒径(Median diameter),分級係数9)(Sorting coefficient)Sなどを以下の式から求める方法であり,

上述のように粒度曲線を横軸(粒径軸)に平行な4つの部分に分割し測定する.

80mm 40mm 20mm 10mm 5mm 2.5mm

0.6mm 0.3mm 0.15mm 1.2mm

68

3 1

S Q

Q

・・・(4-4)

ここに,

S:分級係数

Q1:粒度分布曲線から,残留する骨材の質量百分率25%の粒径値(mm) Q3:粒度分布曲線から,残留する骨材の質量百分率75%の粒径値(mm)

図 4-3 粒径による累積頻度8)

4-1-5 最大寸法

最大寸法Dmaxは,質量で骨材90%以上が通過するふるいのうち,ふるい目の開きが最小のものの呼 び寸法で示される粗骨材の大きさで 6),大部分の粗骨材粒の上限寸法の目安を表す指標として一般に 広く用いられている.

4-2 既存の粒度指標によるポーラスアスファルト混合物の吸音特性

既存の粒度指標として4-1で取り上げた均等係数Uc,曲率係数U'c,粗粒率F.M,分級係数S,最 大寸法Dmaxを用いて,ポーラスアスファルト混合物の粒度の指標として適用できるかを試みる.なお,

既存の粒度指標により求めたポーラスアスファルト混合物の粒度指標における,流れ抵抗Rsと垂直入 射平均吸音率AACの検討を行うことである.

69 4-2-1 ポーラスアスファルト混合物の粒度の特徴

平成18年の舗装設計施工指針10)による,最大粒径20mmと13mmの一般的な密粒度アスファルト 混合物とポーラスアスファルト混合物の粒度の範囲の中央値を図4-4 に示す.図4-4 により,密 粒度アスファルト混合物の粒度曲線は,なだらかな形である.一方,ポーラスアスファルト混合物の 粒度は,粒径4.75mm で変曲点を有し,ポーラスアスファルト混合物の粒径4.75mm以下の骨材の混 入量は,密粒度アスファルト混合物より大幅少ないことが分かる.これは,ポーラスアスファルト混 合物が高空隙率を確保するため,粒径4.75mm以下の骨材の混入量を少なくするためである.

第3章で,粒径4.75mm 以下の混入量により空隙の面積や角数が変化することが明らかにした.さ らに,帆苅11)は,表4-1の粒度に基づいてマーシャル安定度試験用供試体を作り,空隙率Ωの試験 結果を表4-2に示した.表4-1により,5個の混合は,最大粒径13mmで,混合1から粒径4.75mm の混入量を約4%ずつ増加させた混合1から混合5まで作成した.混合1と混合5の粒径4.75mmの混 入量は16%の差を持つ.このとき供試体の厚さe=5cmの場合,空隙率Ωを混合1から約4%ずつ増加 させると混合1と混合5の空隙率差は16%になった.つまり,粒径4.75mmの混入量の1%増加に対し て空隙率Ωが 1%増加することになった.これは,粒径4.75mm の骨材の混入量を増減によってポー ラスアスファルト混合物の空隙率Ωに影響することを示している.

以上より,ポーラスアスファルト混合物の粒度の特徴は,最大粒径が20mm または13mmの場合,

粒径4.75mmで変曲点を有し,粒径4.75mm の混合量が空隙状態や空隙率に影響を及ぼす特徴がある

ことを見出した.なお,本研究では,ポーラスアスファルト混合物の細粒径基準を粒径4.75mmとし,

粒径4.75mm以下の骨材を細粒粒骨材分,粒径4.75mm以上の骨材を粗骨材分と呼ぶこととした.

図 4-4 ポーラスと密粒度のアスファルト混合物の粒度曲線 0

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0.01 0.1 1 10 100

通過質量百分率(%)

ふるい目(mm)

ポーラス(13mm)中央値 密粒(13mm)中央値 ポ-ラス(20mm)中央値 密粒(20mm)中央値

70

表 4-1 供試体の混合率 表 4-2 供試体の空隙率Ω

4-2-2 既存の粒度指標によるポーラスアスファルト混合物の吸音特性検討

既研究のポーラスアスファルト混合物の粒度12),13)と舗装設計施工便覧10)に示してあるポーラスアス ファルト混合物の粒度を図4-5に示した.図4-5に示した粒度の最大粒径は13mmであり,いず

れも粒径4.75mmで変曲点を有している.各粒度は粒径4.75mm以下の骨材の混入量が異なっている.

そこで,既存の粒度指標が粒径4.75mm 以下の細骨材分混入率変化を示せるか,また細骨材分の混入 量による流れ抵抗Rs,形状係数Kおよび垂直入射平均吸音率AACの変化を表せるかを検討した.

図 4-5 ポーラスアスファルト混合物の粒径分布

13.2mm 4.75mm 2.36mm 75μm

1 98.3 11.2 10.5 4.2 4.3

2 98.4 15.2 14.2 4.3 4.5

3 98.5 19.2 17.9 4.4 4.7

4 98.5 23.2 21.6 4.6 4.9

5 98.6 27.1 25.3 4.7 5.1

配合

合成粒度(%)

アスファルト量

(%) 3 4 5 7 9

1 27.9 28.3 28 27.9 26.8

2 25.2 25.6 24.5 23.3 24

3 18.4 19.3 19.7 19.5 21.5

4 17 17.2 16.7 15.9 13.4

5 14.7 12.5 12.9 12.5 7.8

配合

供試体の厚さ(cm)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0.01 0.1 1 10 100

通過質量百分率(%)

ふるい目(mm)

八賀1 八賀2 八賀3 岩井1 岩井2 岩井3

朴1 朴2 朴3

ドキュメント内 第1章 序論 (ページ 69-87)

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