第 7 章 まとめ
7.6 開発環境改善のために
臨床開発期間の長期化傾向について
7.4
で触れたが、臨床試験のスピードを決める 要因の一つとして被験者組み入れスピードが挙げられるだろう。円滑な組み入れは臨床 試験期間の短縮に寄与するはずである。一般に、日本では被験者組み入れがあまり速く ないとされている。その理由としては様々なものがあるであろうが、状況を改善するた めには「治験」についての理解を国民に浸透させることが大切であろう。まず「治験」を広く知ってもらうことが必要である。
残念ながら、2005年
4
月に日本製薬工業協会広報委員会が実施した第4
回「くすり と製薬産業に関する生活者意識調査」において、依然として治験の認知度が低いことが浮 き彫りになっている。具体的には、治験の認知度について尋ねた設問で、「ある程度知って いる」は14.4%、
「『治験』という言葉は知っている」が28.5%、
「ほとんど知らない」が57.1%となっていて、
これらの値は2002
年に実施した際の結果とほとんど変わっておらず、日本における治験の認知度は全くと言っていいほど改善していなかった。
日本における新薬開発環境の改善・充実化のために、まずは治験の意義や必要性につい ての理解が一般に広く浸透することが重要であろう。「治験のあり方に関する検討会」にお いても、“国民に対する治験の意義等の普及・啓発”が、今後議論の必要な事項として 挙げられている。治験に対する一般理解の促進は、他の改善施策の実効性を高めるとも言 える。魅力ある創薬環境の整備・維持につながると考えられ、新薬創出に関わる全ての関 係者の協調した取り組みが望まれる。
参考 総合機構設立後(2004年
4
月以降)の審査プロセス申請者申請者 医薬品医療機器総合機構医薬品医療機器総合機構 外部専門家外部専門家
厚生労働省
厚生労働省 薬事・食品衛生
審議会 薬事・食品衛生
審議会
面談 と
機構からの照会・確認
申請者からのプレゼンテーション・回答
申請者 審査専門員 チーム審査 信頼性調査
審査報告①
主要問題点まとめ
審査報告②
審査専門協議Ⅰ と
主要問題点の協議・意見の調整 書面による協議もあり
面接審査会 申請者による説明(プレゼンテーション)の機会
主要問題点の検討
進行は審査担当部長(または総括審査役)
2回開催もあり
審査専門協議Ⅱ と
面接審査会に引き続き実施
審査結果
(審査結果通知書)
指名・相談
助言
承認 諮問
答申
審査専門員 外部専門家
申請者 申請者側専門家
審査専門員 外部専門家 と
審査専門員 外部専門家
申請者申請者 医薬品医療機器総合機構医薬品医療機器総合機構 外部専門家外部専門家
厚生労働省
厚生労働省 薬事・食品衛生
審議会 薬事・食品衛生
審議会
面談 と
機構からの照会・確認
申請者からのプレゼンテーション・回答
申請者 審査専門員 チーム審査 信頼性調査
審査報告①
主要問題点まとめ
審査報告②
審査専門協議Ⅰ と
主要問題点の協議・意見の調整 書面による協議もあり
面接審査会 申請者による説明(プレゼンテーション)の機会
主要問題点の検討
進行は審査担当部長(または総括審査役)
2回開催もあり
審査専門協議Ⅱ と
面接審査会に引き続き実施
審査結果
(審査結果通知書)
指名・相談
助言
承認 諮問
答申
審査専門員 外部専門家
申請者 申請者側専門家
審査専門員 外部専門家 と
審査専門員 外部専門家
総合機構ホームページより
(http://www.pmda.go.jp/sinsaanzen/shinsa_1.html)
【参考文献】
[1]
厚生労働省. 医薬品産業ビジョン(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/08/s0830-1.html)
[2]
文部科学省・厚生労働省. 全国治験活性化3
カ年計画(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/kasseika.html)
[3] Food and Drug Administration.INNOVATION OR STAGNATION(2004)
(http://www.fda.gov/oc/initiatives/criticalpath/whitepaper.pdf)
[4] Food and Drug Administration. Guidance for Industry: Pharmacogenomic Data Submissions (2005)
(http://www.fda.gov/cber/gdlns/pharmdtasub.pdf)
[5] 医薬産業政策研究所.
「日本における新医薬品の承認審査期間」リサーチペーパーNo.14(2003)
(http://www.jpma.or.jp/opir/research/article14.html)
[6]
医薬産業政策研究所.「日本における新医薬品の承認審査期間 -2003年承認取得品目 における調査-」リサーチペーパーNo.24(2004)(http://www.jpma.or.jp/opir/research/article24.html)
[7]
医薬品医療機器情報提供ホームページ.(http://www.info.pmda.go.jp/shinyaku/shinyaku_index.html)
[8] Center for Drug Evaluation and Research. CDER Guide to Median Approval Time Statistics.
(http://www.fda.gov/cder/present/MedianAPtime/index.htm)
[9] Center for Drug Evaluation and Research. CDER Drug and Biologic Approval Reports.
(http://www.fda.gov/cder/rdmt/default.htm)
[10] The European Agency for the Evaluation of Medicinal Products. Sixth General Report 2000.
(http://www.emea.eu.int/pdfs/general/direct/emeaar/005000en.pdf)
[11] The European Agency for the Evaluation of Medicinal Products. Ninth Annual Report 2003.
(http://www.emea.eu.int/pdfs/general/direct/emeaar/000204en.pdf)
[12] European Medicines Agency. Tenth annual report of the European Medicines Agency 2004.
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