第４章 法人向けネットワーク
第２節 法人向けネットワーク（WAN サービス）市場の分析結果
２ 料金の状況
76
77
展開により、MVNOサービス市場がより活性化することが期待できる。
３ 携帯電話に係る端末設備シェア等
2015年度におけるNTTドコモの携帯電話に係る端末設備シェア及び収益シェアは、とも に40％を超過している。
NTTドコモ、KDDI及びソフトバンクの間で比較すると、NTTドコモは端末設備シェアと収
益シェアともに首位であり、いずれも2014年度までは減少傾向にあったが、2015年度は増 加に転じている。
第２章 固定系データ通信
79 第２章 固定系データ通信
第１節 固定系ブロードバンド市場（小売市場）
１ 競争状況等に係る分析 (1) 固定系ブロードバンド市場
① 市場規模 ア 契約数
2016年度末時点における固定系ブロードバンドサービス38の契約数は3,869万（前期比
▲0.2％、前年同期比＋2.3％）となっている。
これまで増加し続けてきたものの、DSLの契約数（251万）の減少に伴い、前期比で純減 となった。
FTTHの契約数は2,932万（前期比＋1.0％、前年度末比＋5.2％）と増加傾向であり、固 定系ブロードバンド契約数全体に占める割合は75.8％（前期比＋0.9ポイント、前年度末 比＋2.1％）となっている。
【図表Ⅱ－１】 固定系ブロードバンド市場の契約数の推移
出所：電気通信事業報告規則に基づく報告
38 FTTH、DSL、CATVインターネット及びFWA。以下、特段の記載がない限り本章において同じ。
3,410 3,493 3,530 3,602 3,680 3,782 3,825 3,851 3,875 3,869
2,022
2,230
2,385
2,531 2,661 2,788 2,835 2,868 2,902 2,932
820
670
542 447
375 320 310 299 288 251
567 591
601 623 643 673 679 683 686 685
1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000
11.3 12.3 13.3 14.3 15.3 16.3 16.6 16.9 16.12 17.3
（単位：万契約） 固定系ブロードバンド ＦＴＴＨ ＤＳＬ ＣＡＴＶインターネット ＦＷＡ
（第４四半期）
（第４四半期） （第１四半期） （第２四半期） （第３四半期）
80
固定系ブロードバンドサービスの契約数の増加率は2014年度末以降、増加傾向となっ ている。FTTHの契約数の増加率は2015年度末以降５％程度で推移している。
【図表Ⅱ－２】固定系ブロードバンドサービスの契約数の増減率の推移
注：対前年度末比の増加率を表している。
出所：電気通信事業報告規則に基づく報告
3.8% 2.4%
1.1% 2.0% 2.2% 2.8% 2.3%
13.6%
10.3%
6.9% 6.1%
5.1% 4.8% 5.2%
-15.8%
-18.2%
-19.1% -17.6% -16.0% -14.6%
-21.6%
6.7%
4.1%
1.8% 3.6% 3.3% 4.7%
1.8%
-25%
-20%
-15%
-10%
-5%
0%
5%
10%
15%
20%
11.3 12.3 13.3 14.3 15.3 16.3 17.3
固定系ブロードバンド ＦＴＴＨ ＤＳＬ ＣＡＴＶインターネット
81 イ 売上高
固定系ブロードバンド市場における売上高については、2016年度において１兆7,429億 円（前年度比＋1.0％）となっており、サービス別ではFTTHが全体の72.0％（前年度比＋
0.4ポイント）を占めている
【図表Ⅱ－３】 固定系ブロードバンド市場の売上高の推移
注：各社の公表資料等を基に市場の売上高を推計している。
出所：各社決算資料を基に総務省作成 8,508 9,844 10,963 11,607 11,697 11,855 12,339 12,542
4,386
3,404
2,686 2,179 1,831 1,449 1,192 1,057 2,534 2,900 2,946 2,751 3,200 3,748 3,719 3,830
15,427 16,148 16,595 16,537 16,727 17,052 17,249 17,429
0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000
2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
FTTH売上高 ADSL売上高 CATVインターネット売上高
（単位：億円)
82
② 市場シェア
2016年度末時点における固定系ブロードバンド市場の事業者別シェアは、NTT東日本・
西日本（以下「NTT東西」という。）が31.6％39（前期比▲1.9ポイント、前年度末比▲9.7 ポイント）、KDDIが17.6％40（前期比＋0.1ポイント、前年度末比＋0.4ポイント）、ソフト バンクが4.0％（前期比▲0.8ポイント、前年度末比▲1.5ポイント）となっている。
HHIは2,412（前期比＋19、前年度末比▲267）と減少傾向となっている。
【図表Ⅱ－４】 固定系ブロードバンド市場の事業者別シェア及び市場集中度の推移
注１：固定系ブロードバンド契約数の事業者別シェアはFTTH、DSL及びCATVインターネットを対象としてお り、FWAを含んでいない。以下同じ。
注２：KDDIのシェアには、沖縄セルラー、JCN、CTC、OTNet及びJ:COMグループが含まれる。以下、特段の記 載がない限り同じ。
注３：その他電力系事業者のシェアには、北陸通信ネットワーク、STNet、エネルギア・コミュニケーショ ンズ及びファミリーネット・ジャパンが含まれる。以下同じ。
注４：卸電気通信役務を利用してFTTHを提供する事業者のシェアを、当該卸電気通信役務を提供する事業者（そ の他に含まれる事業者は除く。）ごとに合算し、当該事業者名の後「（卸）」と付記して示している。以下 同じ。
出所：電気通信事業報告規則に基づく報告
39 卸電気通信役務の提供に係るものは含まない。卸電気通信役務の提供に係るものを含めると54.2％。
40 卸電気通信役務の提供に係るものは含まない。卸電気通信役務の提供に係るものを含めると22.1％。
21.3% 19.6% 18.3% 17.2% NTT東日本
16.2%
8.1% 9.9% 11.3% 12.5% NTT東日本（卸）
13.8%
20.0% 18.6% 17.4% 16.4%
ＮＴＴ西日本 15.4%
4.3% 5.6% 6.7% 7.8% ＮＴＴ西日本（卸）, 8.8%
17.2% 17.4% 17.5% 17.5% KDDI
17.6%
4.4% 4.4% 4.5% 4.5% KDDI（卸）, 4.5%
5.6% 5.3% 5.1% 4.8% ソフトバンク, 4.0%
4.2% 4.2% 4.1% 4.1%
ケイ・オプティコム, 4.2%
1.0% 1.0% 1.0% 1.0% 九州通信ネットワーク, 1.0%
1.7% 1.7% 1.7% 1.7% その他電力系事業者, 1.8%
0.7% 0.7% 0.7% 0.7%
アルテリア・ネットワークス, 0.9%
0.8% 0.8% 0.8% 0.8%
アルテリア・ネットワークス（卸）, 0.8%
10.8% 10.8% 10.9% 11.0% その他
11.1%
2,679 2,554 2,465 2,393
HHI 2,412
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
16.3 16.6 16.9 16.12 17.3
（第１四半期）
（第４四半期） （第２四半期） （第３四半期）
NTT東西 31.6%
（第４四半期）
83
地域ブロック別では、NTT東西のサービス卸41の増加に伴い、NTT東西のシェアが全ての 地域で減少し、５割42を下回っている。
HHIは、最も高い地域は東北で3,038、最も低い地域は中部で1,873となっている。
【図表Ⅱ－５】固定系ブロードバンド市場の事業者別シェア及び市場集中度の推移
（地域ブロック別）
注：地域ブロック別のHHIは、卸電気通信役務を利用してFTTHを提供する事業者のシェアを、当該卸電気通信役 務を提供する事業者（その他に含まれる事業者は除く。）ごとに合算して算出している。以下同じ。
出所：電気通信事業報告規則に基づく報告
41 NTT東西が卸電気通信役務として提供するFTTHの卸売サービス。
42 卸電気通信役務の提供に係るものは含まない。
3,005 2,600
3,595 3,038
2,262
2,035 2,346 1,873
2,297 1,982
2,941 2,273
3,012
2,425 2,472 2,017
3,443 2,849
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3
北海道 東北 関東 中部 近畿 中国 四国 九州 沖縄
NTT東西 NTT東西（卸） KDDI KDDI（卸） ソフトバンク 電力系事業者 その他 HHI
84 (2) 固定系超高速ブロードバンド市場
① 市場規模（契約数）
2016年度末時点における固定系超高速ブロードバンドサービスの契約数は3,301万（前 期比＋1.1％、前年度末比＋5.5％）と増加傾向となっている。
このうち、CATVインターネット（通信速度下り30Mbps以上）は369万（前期比＋1.2％、
前年度末比＋7.9％）となっている。
【図表Ⅱ－６】固定系超高速ブロードバンドサービスの契約数の推移
出所：電気通信事業報告規則に基づく報告
2,180
2,418
2,624
2,808
2,970
3,130 3,187 3,227 3,266 3,301
2,022
2,230
2,385
2,531
2,661
2,788 2,835 2,868 2,902 2,932
158 187 238 277 309 342 352 358 365 369
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500
11.3 12.3 13.3 14.3 15.3 16.3 16.6 16.9 16.12 17.3
固定系超高速ブロードバンド FTTH CATVインターネット（下り30Mbps以上）
（単位：万契約）
（第２四半期） （第３四半期）
（第４四半期） （第１四半期） （第４四半期）
85
固定系超高速ブロードバンドサービスの契約数の増加率は、2014年度末以降、固定系超 高速ブロードバンドサービスが５％台、FTTHが５％程度、CATVインターネット（通信速度 下り30Mbps以上）が10％程度で推移している。
【図表Ⅱ－７】固定系超高速ブロードバンドサービスの契約数の増加率の推移
注：対前年度末比の増加率を表している。
出所：電気通信事業報告規則に基づく報告 13.7%
10.9%
8.5%
7.0%
5.8% 5.4% 5.5%
13.6%
10.3%
6.9% 6.1%
5.1% 4.8% 5.2%
16.1%
18.9%
27.1%
16.1%
11.7%
10.7%
7.9%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
11.3 12.3 13.3 14.3 15.3 16.3 17.3
固定系超高速ブロードバンド FTTH CATVインターネット（下り30Mbps以上）
86
固定系超高速ブロードバンドサービスの契約数の増減率を事業者別に見ると、NTT東西 が－６％前後、KDDI、電力系事業者及びJ:COMグループが１％程度で推移している。MNO（ド コモ及びソフトバンク）の増加率は低下してきているものの、10％超を維持している。
【図表Ⅱ－８】固定系超高速ブロードバンドサービスの契約数の事業者別増減率の推移
出所：電気通信事業報告規則に基づく報告
-7.0% -6.2% -5.9% -6.2%
-6.1% -5.9% -5.7% -6.1%
3.2%
1.1% 1.0% 0.9%
1.5%
1.4% 1.1% 1.0%
3.0% 1.9% 1.7% 1.3%
30.9%
19.7%
15.9%
13.5%
-10%
-5%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
16.6 16.9 16.12 17.3
NTT東日本 ＮＴＴ西日本 KDDI 電力系事業者 J:COMグループ MNO
87
【参考】固定系超高速ブロードバンドサービスの都道府県別の契約数
出所：電気通信事業報告規則に基づく報告
0 100 200 300 400 500
北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県
FTTH CATVインターネット（下り30Mbps以上）
（単位：万契約）
466
271 279
88
② 市場シェア
2016年度月末時点における固定系超高速ブロードバンド市場の事業者別シェアは、NTT 東西が34.2％43（前期比▲2.6ポイント、前年度末比▲12.3ポイント）、J:COM グループ が7.8％（前期比±0ポイント、前年度末比＋0.2ポイント）、KDDIが6.3％44（前期比、
前年度末比ともに±0ポイント）となっている。
HHIは2,686（前期比▲42、前年度末比▲505）と減少傾向となっている。
【図表Ⅱ－９】 固定系超高速ブロードバンド市場の事業者別シェア及び市場集中度の推移
注：KDDIグループに含まれるもののうち、J:COMが提供する通信速度30Mbps以上のCATVインターネットは、J;COM グループとして別に計上し、表示している。
出所：電気通信事業報告規則に基づく報告
43 卸電気通信役務の提供に係るものは含まない。卸電気通信役務の提供に係るものを含めると60.7％。
44 卸電気通信役務の提供に係るものは含まない。卸電気通信役務の提供に係るものを含めると11.5％。
24.2% 22.1% 20.5% 19.1% NTT東日本
17.7%
9.8% 11.9%
13.4% 14.8% NTT東日本（卸）
16.1%
22.3% 20.5% 19.1% 17.8% ＮＴＴ西日本
16.6%
5.2% 6.7% 8.0% 9.2% ＮＴＴ西日本（卸）
10.3%
6.2% 6.3% 6.3% 6.3% KDDI, 6.3%
5.3% 5.3% 5.3% 5.3% KDDI（卸）, 5.2%
5.0% 5.0% 4.9% 4.9% ケイ・オプティコム, 4.9%
2.0% 2.0% 2.0% 2.0% その他電力系事業者, 2.1%
1.2% 1.2% 1.2% 1.2% 九州通信ネットワーク, 1.1%
0.9% 0.9% 0.9% 0.9%
アルテリア・ネットワークス, 1.0%
1.0% 1.0% 0.9% 0.9%
アルテリア・ネットワークス（卸）, 1.0%
6.0% 6.2% 6.3% 6.4% その他FTTH, 6.5%
7.6% 7.7% 7.7% 7.7% J:COMグループ, 7.8%
3.4% 3.4% 3.4% 3.4% その他CATV, 3.4%
3,191
2,986 2,846 2,729
HHI 2,686
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
16.3 16.6 16.9 16.12 17.3
NTT東西 34.2%
（第１四半期） （第２四半期） （第３四半期）
（第４四半期） （第４四半期）
89
地域ブロック別のシェアでは、NTT東西のサービス卸の増加に伴い、NTT東西のシェアが 全ての地域で減少し、５割45を下回っている。
HHIは、最も高い地域は東北で3,481、最も低い地域は近畿で2,180となっている。
【図表Ⅱ－10】 固定系超高速ブロードバンド市場の事業者別シェア及び市場集中度の推 移（地域ブロック別）
出所：電気通信事業報告規則に基づく報告
45 卸電気通信役務の提供に係るものは含まない。
3,424 2,917
4,199 3,481
2,661 2,276
2,834 2,186
2,635 2,180
3,634
2,719 3,503
2,778 3,005 2,341
3,961 3,198
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3 16.3 17.3
北海道 東北 関東 中部 近畿 中国 四国 九州 沖縄
NTT東西 NTT東西（卸） KDDI KDDI（卸） 電力系事業者 その他FTTH J:COM その他CATV HHI