• 検索結果がありません。

で整理した結果,凝結始発に要する時間と凝結終結に要する時間の 2 点間の傾きを硬化速度と定義したが,この値は凝結始発時間以降の硬化の程度

ドキュメント内 学修番号 16885407 多田 真人 (ページ 50-55)

第 4 章

結合材の化学組成および最高温度が モルタルの特性に及ぼす影響

4.1 本章での検討概要

第 3 章で整理した結果,凝結始発に要する時間と凝結終結に要する時間の 2

4.3 結合材中の CaO/SiO 2

結合材の化学組成を表 4.3 に示す。この値から各モルタルの CaO/SiO 2 比を算 出したものを表 4.4 に示す。活性の低い SiO 2 に対する活性の高い CaO の含有率 の比となっているため,CaO/SiO 2 比が高いと反応性の高い結合材であると考え られる。CaO/SiO 2 比は N よりも E で高い結果となった。混合セメントとしても 高炉スラグ微粉末とフライアッシュの置換率は一定であるので,基材のセメン トの CaO/SiO 2 比の影響で E を基材とした混合セメントが N を基材とした混合セ メントよりも高い CaO/SiO 2 比となっている。

普通エコセメントと普通ポルトランドセメントを比較すると,一般に,普通 エコセメントでは C 3 A が多く,C 2 S が少ない。C 3 A が多いため,初期の C 3 S 水和は 遅れる傾向にあるが C 3 S の反応が始まれば,凝結特性としては,普通ポルトラン ドセメントと同程度の速度を示す。本研究では,温度履歴開始前の前養生を,

同じ貫入抵抗値となるまで実施していることから,普通エコセメント,または,

これを基材とした混合セメントの反応性を表す指標の1つとして CaO/SiO 2 比を 用いた整理を行うこととした。

CaO SiO 2 Al 2 O 3 Fe 2 O 3

普通ポルトランドセメント C 3.16 64.09 20.27 5.20 2.77 高炉スラグ微粉末4000 F(B) 2.90 47.75 33.40 14.69 0.36 フライアッシュⅡ種 F(F) 2.33 2.42 56.38 37.34 4.62 普通エコセメント EC 3.15 61.62 17.12 6.80 3.73

結合材 記号 密度 g/cm 3 化学成分 %

表 4.3 各結合材個別の化学組成

表 4.4 モルタル中の結合材の CaO/SiO 2

表記 CaO/SiO 2

N 3.16

BB 2.08

FC 1.47

E 3.60

EBB 2.17

EFC 1.52

4.4 供試体の作製および養生条件

(1)供試体の作製

供試体の作製は,20℃,60%

R.H.の恒温恒湿室で実施した。

作製する供試体は φ50×100mm とし,前養生後に型枠内に打ち 込まれた状態で,温度履歴養生 を行うため,熱伝導率の高い使 い捨ての鋼製型枠を使用した。

また,温度履歴養生中の乾燥を 防止する観点から,型枠に打ち 込んだ状態で,打込み面を塩化 ビニリデンフィルムで封緘した。

すなわち,本検討での給熱養生 の状態は,封緘温度履歴養生と いうことになる。

(2)温度履歴

温度履歴を図 4.1 に示す。前養生ののちに温度および湿度を管理することが できる恒温恒湿槽によって,モルタル供試体に温度履歴を与えた。

前養生温度は 20℃の一定とし,各モルタルの凝結始発まで前養生を行う場合 と,前養生を行わないものの 2 水準とした。前養生を行わない場合については,

接水からの時間を 30 分の一定として昇温を開始した。昇温速度は 40℃/h,降温 速度を-15℃/h の一定とし 20℃で 1 時間静置した後,脱型した。

最高温度は,一般的に用いられる 65℃を中心に±10℃の 3 水準とした。最高 温度の保持時間は,最高温度が異なっても,温度履歴養生の昇温工程以降の見 かけの総積算温度(℃・h)が一定になるように調整した。すなわち,ここでの

図 4.1 温度履歴養生条件

凝結始発時間

75℃

‐15 ℃ /h

20 ℃ 1.744h 3.667h 1h 20℃

接水 40℃/h

1.375h

凝結始発時間

65 ℃

‐15℃/h

20 ℃

3h 3h 1h

20℃

接水 40℃/h

1.125h

凝結始発時間

55℃

‐15 ℃ /h

20 ℃ 4.545h 2.33h 1h 20℃

接水 40℃/h

0.875h

のため,外的な行為としての総積算温度は一定となっているが,結合材にとっ ては,反応のための積算温度は一定とはなっていないことに注意が必要となる。

(3)脱型

実験室温度を 20℃とし,温度履歴を行った後,供試体をチャンバーから取り 出し,脱型をした。材齢 14 日の圧縮試験用供試体は,気温 20℃,湿度 60%R.H.

の恒温恒湿室にて気中保管し,材齢 1 日の圧縮強度試験,静弾性係数試験およ

び細孔径分布測定用の供試体は,後述の通り試験に供した。

4.5 試験方法 4.5.1 凝結時間

表 4.2 に示した 6 配合のモルタルについて,室温 20℃,湿度 60%R.H.の恒温 恒湿室にて凝結試験を行った。

試験は,JIS A 1147 に準拠した。

結合材の接水時間から,貫入抵抗値が 3.5N/mm 2 となる時刻までの時間を始発時 間,貫入抵抗値が 28.0N/mm 2 となる時間までを終結時間とした

4.5.2 圧縮強度

モルタルの圧縮強度試験は JSCE-G 505 に従い、

φ50mm×100mm の円柱供試体を用いた。試験の対 象となる材齢を表 4.5 に示すとおり, 脱型直後 (材 齢 1 日)および材齢 14 日とした。

圧縮強度試験用供試体は JIS A 1132 に準拠し作製した。上面仕上げには研磨 機を用いた。載荷速度は,若材齢の供試体を静弾性係数試験に供する都合上,

材齢 1 日のものは毎分 5.0N/mm 2 とした。

4.5.3 静弾性係数

モルタルの静弾性係数試験は,JIS A 1149 に準拠して行った。試験の対象と なる材齢を表 4.5 に示すとおり脱型直後(材齢 1 日)とした。ひずみの測定に は 30mm の抵抗線型ひずみゲージを用いた。また、載荷速度は若材齢の供試体の ひずみを計測する都合上、毎分 5.0N/mm 2 とした。

4.5.4 細孔径分布

モルタルの細孔径分布を水銀圧入法により測定した。測定の対象となる材齢 を表 4.5 に示すとおり脱型直後(材齢 1 日)とした。測定試料は,大きさが 2.5

〜5mm のモルタル片である。これは,φ50×100mm の円柱供試体の鉛直中央付近 試験項目 材齢 圧縮強度 1日, 14日 静弾性係数 1日 細孔径分布 1日

表 4.5 試験に供する材齢

4.6 結果および考察 4.6.1 圧縮強度

前養生を凝結始発まで行い,その後,温度履歴養生を行った場合の,材齢 1 日および材齢 14 日の圧縮強度と温度履歴における最高温度との関係を材齢ごと に図 4.2 に示す。

材齢 1 日の場合,温度履歴の最高温度が高いと,モルタルの圧縮強度は高く なる傾向がある。材齢 14 日の場合は,配合 E,FC で,最高温度が 75℃となると 若干の強度低下を示す傾向にあるが,概ね,最高温度による圧縮強度への影響 は小さいことがわかる。

結合材の CaO/SiO 2 比と圧縮強度の関係図を図 4.3 に示す。

CaO/SiO 2 比の増加に伴い,温度履歴養生直後の圧縮強度は直線的に増加する ことがわかる。材齢 1 日での圧縮強度に対する最高温度の影響については,デ ータの変動があるものの,概ね,最高温度が高いと強度が高くなる傾向にある。

また,CaO/SiO 2 比が低いと最高温度による影響は高くなる傾向にある。

材齢 14 日では、 最高温度による影響は, 特に CaO/SiO 2 比が低い結合材の場合,

材齢 1 日とは逆の傾向を示している。すなわち,最高温度が高い場合,材齢 14 日の強度は低下する傾向にある。この原因は不明であるが CaO/SiO 比が 1.5〜

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

50 60 70 80

ドキュメント内 学修番号 16885407 多田 真人 (ページ 50-55)