量的な側面で見ると、教育・学習市場は常に供給過多であり、市場細分化と事業者の入れ替わり が激しい状態が生まれつつある。また、時代や個人の新たな状況に対応する事業開発の必要性か ら、既存教育産業だけでなく新たな産業分野からの参入、ならびに多様化した教師人材等による 起業等が相次ぐと考えられ、実質的に市場的な展開が本格化すると考えられる。
こうした中で、財・サービスの質の向上や効率化、あるいは非市場的な評価を吸収しながら、
全体として需要者に長期的・短期的な便益をもたらしつづけるための方策とその戦略について考 察する。
教育産業全体の課題とその対応方向
コンテンツ・財・サービス
(生産)
コミュニケーション
(流通)
人材・資源
(組織・経営)
需要確保
分配
★戦略的商品・先駆的商品 の 競 争 的 な 開 発 条 件 整 備
(競争的資金導入等)
★ 装 置 型 教 育 産 業 に お け る 外 部 評 価 の 実 施 や 体 制 整備→教育への関心喚起
★需要者による財・サービ ス の 編 成 と 活 用 の 柔 軟 化
(資格活用、単位互換等)
★ 教 育 産 業 に 関 す る ベ ン チ ャ ー や ア ン ト レ プ レ ナ ーなど起業家支援環境
★事業開発・人材育成にお ける中継点(ハブ)として の学校経営
★ 装 置 型 教 育 産 業 内 部 に おけるクリエーター( 教師 人材等) へのインセンティ ブ付与
需要充足 需給調整
★情報リテラシーを含めた個人 のエンパワーメント教育(自ら課 題を立て学んでいく)
★競争的環境での財・サー ビス提供促進、公教育事業 の縮小( 基礎等)
★ イ ン タ ー ネ ッ ト 活 用 に よ る 需 給 調 整 シ ス テ ム 構 築(共通インフラとして)
★事業評価システム整備
(消費者の参画による)
★教師評価システム整備
★口コミなど、学習者同士 の セ ー フ テ ィ ネ ッ ト & 潜 在的学習需要掘り起し
★公共部門、学校制度にお ける規制緩和
★公教育・小規模事業者の 経営の高度化
★教師人材流動促進策( 派 遣業、非常勤講師等)
★知的資源・技術移転等の 促進機関設置、知的所有権 保護など条件整備
★ 多 様 な 主 体 間 の 教 育 機 能の複合・接続による新事 業形成
品質向上 品質保証
★教育・学習に関する消費 者教育・相談の充実
★生きる力・基礎力・潜在 力等の評価方法開発
★ 学 生 の セ ー フ ガ ー ド 体 制の構築
●潜在的な需要開拓
●時代やトレンド対応
●装置型教育産業の改革 ●消費者との関係見直し
●事業展開手腕の高度化 基礎的学習
能力確保等
● 競争的環境での財・サービスの多様化と質的向上
● 需要者の選択能力向上とセーフネット形成
● 教師人材・知的資源の高度化、需要拡大
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<諸策の連関図>
共通の社会インフラとしての支援システム 個人(教師・生徒)の操作性向上
経営による需給接続機能の向上 競争的環境の実現
★戦略的商品・先駆的商品の競争的な開発条 件整備(競争的資金導入等)
★ 情報 リ テ ラ シ ー を 含 め た 個 人 の エ ン パワーメント教育(自ら課題を立て学 んでいく)
★競争的環境での財・サービス提供促進、公 教育事業の縮小( 基礎等)
★事業評価システム整備
(消費者の参画による)
★教師評価システム整備
★インターネット活用による需 給調整システム構築(共通イン フラとして)
★需要者による財・サービスの編 成と活用の柔軟化(資格活用、単 位互換等)
★装置型教育産業における外部 評価の実施や体制整備→教育へ の関心喚起
★ 教 育 産 業 に 関 す る ベ ン チ ャ ー や ア ン ト レ プレナーなど起業家支援環境
★事業開発・人材育成における 中継点(ハブ)としての学校経 営
★装置型教育産業内部におけるクリエーターへの インセンティブ付与
★多様な主体間の教育機能の複合・接続によ る新事業形成
★公共部門、学校制度における規制緩和
★公教育・小規模事業者の経営の高度化
☆生きる力・基礎力・潜在力等 の評価方法開発
★教育・学習に関する消費者教 育・相談の充実
★教師人材流動促進策( 派遣業、
非常勤講師等)
★知的資源・技術移転等の促進機 関設置、知的所有権保護など条件 整備
学習者のセーフティネット
★ 学 生 の セ ー フ ガ ー ド 体制の構築
☆ 口 コ ミ な ど 、 学 習 者 同 士 の セ ー フ テ ィ ネ ッ ト & 潜 在 的 学 習 需 要 掘 り起し
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<文部省の対応方針および経済界等からの意見等>
【需要確保/分配】
● 潜在的な需要開拓
● 時代やトレンド対応
● 装置型教育産業の改革
【文】初等中等教育と高等教育との接続の改善
【文】大学改革と研究振興を進める
・21 世紀の大学像策定、留学生交流、産学連携の促進等
【文】現場の自主性を尊重した学校づくりを促進する
・地行法改定、学校の自主性・自立性等
【21】保育所、幼稚園での教育(言葉の習得と論理的思考の訓練)
【21】民族的、文化的に中立性の強い、精選された義務教育
【21】特定の領域の問題を着実に処理していく能力育成
【21】「富を創り、富を活かす」「参加し、公を担う」、より使命感のある人材の育成
【21】個人がもう一度自 分の能力を高めて再挑戦できる継続学習・継続訓練機会の拡充
【21】専門的知識の習得・更新ニーズに応えられる訓練システム・機能の充実
【21】教育の均質性と画一性の打破【21】全国的な教育の機会と質の向上
【21】社会人までに日本人全員の英語の実用能力を獲得【21】高校での職業教育の徹底
【21】教育、雇用、育児、社会での継続学習・継続訓練
【21】教育・研究の場の国際化を含めた競争的環境の取り入れ【21】文理融合の学問確立
【21】放送の教育のための一層寄与
【21】高齢者が使える図書館、公園などの社会的なインフラ整備
【経】多様な知恵の時代にふさわしい人材の育成
【経】ネットワーク社会とグローバル化に対応できる人材の育成
【教経】政府の役割の限定:2つの市場の失敗の是正に限定。質に関する規制は廃止。
:外部性(研究活動などが社会的便益を生むこと)
資本市場の不完全性(低所得者にとって教育費の借り入れが難しいこと)
【教経】教育サービスを提供する主体の役割規制、人材の養成の政府主導な慎む
【教経】戦略的な科学技術研究活動における十分な資金確保、人材の供給が可能となる環 境整備
【需要充足/需給調整】
● 消費者との関係見直し
● 事業展開手腕の高度化
【文】個性を伸ばし多様な選択ができる学校制度を実現する
・中高一貫教育推進、大学・大学院入学資格弾力化、公立小・中学校の通学区域弾力化
【文】子供の悩みを受け止められる教員の養成
【21】市場への非市場的な評価機能の導入
【21】相互批判のための機関整備
【21】子どもの教育機関の多様化
【21】生徒が教師と出会う社会的な環境整備
【21】学生の国際的流動性を向上【21】外国の大学との間で単位互換の促進
【21】奨学制度の増強
【教経】消費者の自由選択による教育サービスの質的向上
【教経】良い教育を受けるためには、そのコストを消費者が負担する関係を成立させる
【教経】個人補助による低所得者の教育費の借入れ、低所得者への奨学ローンの拡充
【教経】教育機関や教員間への競争原理の導入
【教経】国立、私立を問わない同一な競争条件の整備
【教経】競争的資金の充実による研究補助
【教経】営利法人の参入、学部、学科の新設、廃止、再編の自由化
【教経】大学教育への規制緩和の実施、組織運営(事務職員数等)・予算・人事面での制約 の見直し。国立大学の段階的改革。
【品質向上/品質保証】
● 基礎的学習能力確保等
【文】心の教育を充実する(幼児期からの心の教育の充実)
・地域・家庭教育、生きる力、幼稚園と保育所の連携強化
【情】起業家教育システムの普及
【21】先駆性・創造的なアイデアをもつ人々の正当評価
【経】自己責任とリスクを念頭においた賢い消費者を育成する教育の充実
【教経】淘汰される機関の学生に対するセーフガードの確立
【教経】評価システム、学生へのセーフガード整備を前提とした高等教育での規制廃止
※ 参考資料
【文】我が国の文教施策 進む「教育改革」文部省 平成11年度
【21】21世紀日本の構想 平成11年10月
【教経】教育経済研究会報告書 (経済企画庁経済研究所 平成10年8月)
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<発展方策のモデル事例>
【競争的環境の整備】
★戦略的商品・先駆的商品の競争的な開発条件 整備(競争的資金導入等)
▲ バウチャー制度実施:学習者や親への補助金(アメリカ・イ ギリス・ニュージーランド等)
★教育産業に関するベンチャーやアントレプレ ナーなど起業家支援環境
▲ 民間団体・県によるサポーティングシステム
・英会話教室やオーラルコミュニケーション重視の指導法研究.
将来的に小学校の講師派遣も民間主導で(長野県)
▲ 地域のグランドデザイン・カリキュラム ((財)秋田テクノ ポリス開発機構(秋田県河辺町)の「池田塾」))
・ノウハウ等のソフト商品化・地域、産業、環境との調和・企 画・開発・創造性育成
▲ 市民主催の連続講座:エコロジー住宅市民学校(東京都中野 区)「エコロジー住宅市民学校」住まいづくり連続講座
・学問としてでない実践学習・エコビレッジ建設
★競争的環境での財・サービス提供促進、公教育 事業の縮小( 基礎等)
【経営による需給接続機能の向上】
★公教育・小規模事業者の経営の高度化 ▲ チャータースクール(教育研究開発校)の開始(平成 12 年度)
・教委や学校法人などの設置者が指導要領にとらわれずに地域 の実情や学校の特色に合わせて研究課題を設定し.文部省が 研究校として指定する
▲ 民間人からの校長・教頭登用
・教員免許状不要。実施へ省令改正方針(文部省)
★多様な主体間の教育機能の複合・接続による 新事業形成
▲ リカレント教育推進体制構築(青森、京都、広島)
▲ NGO連携:総合的な学習で
▲ 土日休日の指導員廃止.PTA に活動一任(高岡市)
▲ ベネッセコーポレーション「介護支援専門員養成講座」
・介護支援専門員資格取得講座:格取得後の派遣登録・採用
▲ インターハイスクール:アットマーク・ラーニング
・インターネット・プログラム&体験学習
・在宅でアメリカの私立に通い、高校卒業資格可能。
▲ コンチェルト「アウトソーシング」
・企業新入社員の採用研修:即戦力アップ、総務部の負担軽減
★装置型教育産業内部におけるクリエーターへ のインセンティブ付与
▲ 教員給与などに対する第三者機関の設置:イギリス 91 年
★公共部門、学校制度における規制緩和 ▲ 余裕教室に保育園分園(世田谷区)学校空き教室放課後遊び 場対策事業と学童保育統合(世田谷区)
【個人(教師・生徒)の操作性の向上】
★教育・学習に関する消費者教育・相談の充実 ▲ 生涯学習支援センター(横浜市)
★情報リテラシーを含めた個人のエンパワーメント教育(自 ら課題を立て学んでいく)
▲ 「バーチャルカンパニー」:起業家育成をめざす実験授業(京 都市西京商校。事業主体は起業家教育センター)
・インターネットによる商取引授業
★生きる力・基礎力・潜在力等の評価方法開発 ▲ 生きる力の評価方法を検討(教育課程審議会)
★需要者による財・サービスの編成と活用の柔 軟化(資格活用、単位互換等)
▲ オンライン型補習学習:ベネッセコーポレーション「進研ゼ ミ中学講座チャレンジネットコース」
★教師人材流動促進策( 派遣業、非常勤講師等) ▲ 教育情報化人材支援センター:教委の情報化(文部省支援)
▲ 教職員向けにライフプランづくりの情報提供(財・教職員生 涯福祉財団)
▲ 教員が企業で研修(九州通産局)
★知的資源・技術移転等の促進機関設置、知的 所有権保護など条件整備
▲ 「学校教育専門の人材バンク」:総合的な学習での人材活用。
生きる力養成の社会人による実体験教育など。(智頭小学校)
▲ 総合学習支援ソフトウエア「スーパーYUKI 」(NEC)
【学習者自身によるセーフネット】