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教育活動全体を通じて行う指導

ドキュメント内 小学校学習指導要領解説道徳編 (ページ 100-115)

第1節 指導の基本方針

(「第1章 総則」の「第1 教育課程編成の一般方針」の2 再掲)

2 学校における道徳教育は,道徳の時間を 要 として学校の教育活動全体を通

かなめ

じて行うものであり,道徳の時間はもとより,各教科,外国語活動,総合的な 学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて,児童の発達の段階を考慮 して,適切な指導を行わなければならない。

(中略)

道徳教育を進めるに当たっては,教師と児童及び児童相互の人間関係を深め るとともに,児童が自己の生き方についての考えを深め,家庭や地域社会との 連携を図りながら,集団宿泊活動やボランティア活動,自然体験活動などの豊 かな体験を通して児童の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しな ければならない。その際,特に児童が基本的な生活習慣,社会生活上のきまり を身に付け,善悪を判断し,人間としてしてはならないことをしないようにす ることなどに配慮しなければならない。

学校における道徳教育は,道徳の時間を 要 とし,各教科,外国語活動,総合的なかなめ 学習の時間,特別活動などあらゆる教育活動を通じて,児童一人一人の道徳性の育成 を図るものである。各学校においては,児童が自らはぐくむ道徳性が自己の生き方の 指針として統合されるように,教育活動全体を通じて行う道徳教育と,それらを補充,

深化,統合する道徳の時間の指導とが,十分に関連をもって機能するようにしなけれ ばならない。学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育は,それぞれの活動の特質に 応じて効果的に展開される。そのための全体を通じての指導の基本方針としては,特 に次の諸点が挙げられる。

(1) 各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動の特質に応じた道徳性の 育成を図る

各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動には,それぞれ固有の目標 や内容がある。しかし,それらはすべて,児童の豊かな人格の形成につながるもので ある。したがって,教育活動全体を通じて行う道徳教育では,それぞれの教育活動の 特質に応じて,道徳的な心情や判断力,実践意欲と態度などの道徳性の育成に努める 必要がある。

(2) 教師と児童の信頼関係と児童相互の人間関係の充実を図る

学校教育のあらゆる場を通して,教師と児童の信頼関係をはぐくみ,児童相互の人 間関係の充実を図ることは,道徳教育の基本である。教師には,すべての教育活動に おいて,一人一人の児童に温かく接し,共に考え,悩み,夢や感動を共有するという 基本姿勢が求められる。そして,各教育活動の特質に応じて児童相互の交流を深め,

互いに節度をもち,伸び伸びと生活する中で,認め合い,助け合い,励まし合い,協 力し合う態度を育てることが重要である。

(3) 児童自ら道徳性をはぐくみ,自己の生き方についての考えを深めるようにする 児童は,様々な場面で道徳性をはぐくんでいる。学校教育全体において,各教育活 動の特質に応じて,児童の豊かな心を育てる指導を一層充実させる必要がある。その ためには,共に学ぶ楽しさや自己の成長に気付く喜びを大切にして,自らが成長を実 感し,これからの課題や目標が見付けられるような指導を工夫することにより,各教 科等の学習が自らの生き方に深くかかわることを実感できるようにするなど,道徳教 育に資する学習を充実させなければならない。そして,それらの学習と道徳の時間に おける道徳的価値の自覚を深める学習とが関連し合うようにすることが大切である。

(4) 豊かな体験活動を通して児童の内面に根ざした道徳性を育成する

小学校段階は,道徳的成長のために直接的な体験を必要とする時期である。集団宿 泊活動やボランティア活動,自然体験活動など,児童が体全体で対象に働きかけ,か かわることにより,心が動かされ,新たな気付きや見方の広がりをもたらすような豊 かな体験の充実が求められる。各教育活動の特質や児童の興味・関心に応じた豊かな 体験を通して,調和のとれた形で児童の内面に根ざした道徳性が育成されるようにす ることが大切である。

(5) 社会生活上のきまりや基本的なモラルについての指導を充実する

学校の教育活動全体を通して人間としてよりよく生きていくための道徳性を育成す る視点に立って,基本的な生活習慣や社会生活上のきまり,基本的なモラルの育成な どにかかわる道徳的実践の指導を心掛けなければならない。小学校では,特に低学年 段階から,社会生活上のきまりを身に付け,善悪を判断し,人間としてしてはならな いことをしないことなどについて考えられるように,全教育活動を通じて繰り返し指 導する必要がある。そして,日常生活の中で児童自らが自律的で責任ある行動をとる ことができるように,家庭や地域社会とも連携を図って指導していくことが大切である。

(6) 学級や学校の環境の充実・整備による指導を充実する

児童の道徳性の育成において,環境の与える影響は極めて大きい。児童が日々生活 する学級や学校の環境は,道徳性の育成に直接,間接に影響するものである。学校や 学級における道徳教育の基本方針が反映されるような望ましい雰囲気を醸成し,適切 な環境を整備することが必要である。

第2節 各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動 における指導

(「第3章 道徳」の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」)

2 第2に示す道徳の内容は,児童が自ら道徳性をはぐくむためのものであり,

道徳の時間はもとより,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活 動においてもそれぞれの特質に応じた適切な指導を行うものとする。その際,

児童自らが成長を実感でき,これからの課題や目標が見付けられるよう工夫す る必要がある。

学習指導要領では,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動のそれ ぞれにおいて,道徳教育の目標に基づき,道徳の内容について,各教科等の特質に応 じて適切な指導をすることとしている。各教科等は,よりよい人格形成のためにあり,

各教科等の目標に基づいてそれぞれに固有の指導を充実させる過程で,道徳性がはぐ くまれる。そのことを考え,見通しをもって指導することが重要である。

各教科等の指導を通じて児童の道徳性を養うための視点として,以下の3点を挙げ ることができる。

(1) 道徳教育と各教科等の目標,内容及び教材とのかかわり

道徳教育の目標や内容と各教科等の目標,内容及び教材とのかかわりを通した道徳 性の育成が考えられる。

各教科等の目標や内容には,児童の道徳性の育成に関係の深い事柄が直接,間接に 含まれている。各教科等において道徳教育を適切に行うためには,まず,それぞれの 特質に応じて道徳教育にかかわる側面を明確に把握する必要がある。それらに含まれ る道徳的価値を意識しながら指導することにより,道徳教育の効果も一層高めること ができる。

(2) 学習活動や学習態度への配慮

各教科等では,それぞれの学習場面において,活動への取組の姿勢がはぐくまれ, 学習態度や学習習慣が育てられていく。その視点から,児童が伸び伸びとかつ真剣に 学習に打ち込めるよう留意し,学級の雰囲気や人間関係が思いやりがあり,自主的か つ協力的なものになるよう配慮することが大切である。話合いの中で自分の考えをし っかりと発表すると同時に友達の意見に耳を傾けること,各自で,あるいは協同して 課題に最後まで取り組むことなどは,各教科等の学習効果を高めるとともに,望まし い道徳性を育てることにもなる。さらに,未来に向けて,児童が直面する課題に主体

的に取り組む姿勢を育てるためにも,このような学習態度の習慣化が必要になる。

(3) 教師の態度や行動による感化

日常の各教科等の指導における教師の態度や行動は,児童の道徳性の育成に大きな 影響を与える。教師の用いる言葉や児童への接し方などは,児童の道徳性が育つより よい学級の雰囲気や環境をつくるとともに,児童の人格の形成に直接,間接に影響を もつものである。また,教師の授業に臨む姿勢や熱意は,授業中の様々な態度や行動 となって現れる。それは,児童の態度や行動にも反映し,学級の雰囲気をつくる。例 えば,真理や学ぶことへの姿勢は,教師の姿から学ばれることが多い。それは,教師 の内にある探究心や真理に対する謙虚さが,児童の実践意欲を触発するからである。

教師は,授業内容の指導に力を入れると同時に,道徳の目標や内容に示されている精 神を自らが授業の中で実践するよう心掛ける必要がある。

1 各教科及び外国語活動における指導

(「第2章 各教科」の第1節から第9節及び「第4章 外国語活動」の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の1)

※以下は国語科の事例。他教科等も同様に示している。

(7) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づ き,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容に ついて,国語科の特質に応じて適切な指導をすること。

(1) 道徳教育と各教科及び外国語活動

学習指導要領には,第2章の各教科の節及び第4章の外国語活動における第3「指 導計画の作成と内容の取扱い」の1に,共通して上記のように示された。学習指導要 領に示されている各教科等の目標と道徳教育との関連をみると,特に次のような点を 指摘することができる。

ア 国語科

国語科においては,目標を「国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,

伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力及び言語感覚を養い,国語に対する 関心を深め国語を尊重する態度を育てる。」と示している。

国語による表現力と理解力とを育成するとともに,人間と人間との関係の中で,

互いの立場や考えを尊重しながら言葉で伝え合う力を高めることは,学校の教育活 動全体で道徳教育を進めていく上で,基盤となるものである。また,思考力や想像 力及び言語感覚を養うことは,道徳的心情や道徳的判断力を養う基本になる。さら

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