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院試について

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第 5 章 数学科の進路 55

5.2 院試について

ここからは大学院に進学する場合、特に東大数理科学科の入試に関する話 題です。

東大数理入試の概要

例年、東大数理科学科は7月末までに出願し、9月1日を含む週に入学試 験が行われます。合格発表は9月の中頃です。3年の3月にも大学3年次に 在学する者に係る特別選抜という飛び級できる制度がありますが、合格数は 若干名なので以下では普通の4年の9月に受ける試験についてまとめます。

試験の日程は、月曜日と火曜日に筆記試験が行われて、水曜日にさっそく 筆記試験合格者が発表され、木曜日か金曜日に口述試験を受けます。

試験内容は、「英語」が1日目の10:00〜12:00の2時間で、数学的な内容 の英文1題と和文1題を和訳または英訳します。

「専門科目A」は1日目の13:00〜16:00に行われて、基礎的な数学の試験 です。7問出題され、最初の2問は必答で他の5問のうち2問選択して計4 問を3時間かけて解きます。必答の2問は教養の線型代数と微積分の問題 で、選択問題は4学期までの内容から出ます。

「専門科目B」は2日目の11:00〜15:00の4時間かけて行われて、さらに 高度な数学の試験です。18問ほどの中から3問選んで解答します。分野的 には代数・幾何・解析・応用で4分割され、5学期以降の必修科目、選択必 修科目を中心に出題されています。

とここまでは募集要項や院試の過去問を見ればすぐにわかる話です。教務 課の次のWebページには募集要項のコピーのほか過去3年分の入試問題が 置かれています。

http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/kyoumu/examination1.html

5.2 院試について 57 また、学部生控え室にはさらに古い問題が落ちているので探してみてくだ さい。

以下では試験や面接の内容または対策を詳しく知るため、院生の方に合格 体験記を書いていただきました。快く原稿を引き受けてくださった北川さ ん、ありがとうございました。

(中安 淳)

院試体験記

筆者は修士1年であるから,修士の院試についてだけ述べることにする.

また,志望分野が特殊なので,特に面接については,あんまり参考にならな いだろう.

他学科ではなんか「院試は易しい」「落ちたら伝説」とかいう噂があるら しいが,残念ながら東大数理に関してはまったく成立しない.僕の年は,受 験者が外部も含めて約130人いたが,筆記試験の段階で全部で63人まで足 切りされ,最終的な合格者数は約40人だった.内部から受験したのを40人 ぐらいと見積もると,合格したのは20人強なので,内部でも半分が落ちる 計算になる.

だから,他大の数学系大学院も受けとくのも悪いことではないと思う(僕 も他大を1つ受けたが,志望分野の関係上,どちらが本命でどちらがすべり止めとい う区別はなかった).数理の院試の前に試験があるような所は復習にもなるし.

ただ,出願締切りがかなり早いところもあるので,早めに動きましょう.

まず,日程は,9月1日あたりの月曜日〜金曜日を使って行われる.筆記 は月,火の2日間,水曜日には筆記試験合格者発表で,筆記合格者に対し ての面接が木,金のどちらかに行われることになっている.過去問が数理の Webページや図書館で見られるので,詳しい内容はそれを見ていただきた い(傾向も分かるのでよく活用しよう)が,筆記試験の科目は「英語」と「専 門科目A」「専門科目B」である.

「英語」は単に数学に関する文章を和訳させたり英訳させたりするもので,

大学入試問題の英語の方が難しいような雰囲気もある.英語の数学書を恐れ ることなく読めるようになっているといいかもしれない.

「専門科目A」は,数学科2年冬ぐらいの知識で解けるような問題である けれども,結構忘れたりしてることが多いから,試験前に復習しといた方が いいでしょう.

「専門科目B」は,3年以降で扱う内容についての問題で,大量の問題から 3問を選択するものです.いろんな分野から出ていて,一つの分野から3問 選択できるような分野もあるけど,それだけじゃ心配ですから,複数分野の 問題をある程度解けるようになりたいものです.

で,面接.志望分野に応じて代数・幾何・解析・応用に大きく分けられ,

その4分類の中でも2つぐらいに部屋が分けられてるようだ.日程の割り 振りは水曜日の筆記合格者発表と同時に発表される.内容については,院試 の願書を出すときに,4年のゼミでやったこととか,何を勉強してきたかと か,何を読んできたかとか書くことになるので,それを考えると想像がつく だろう.4分類のうち自分の属する分野で共通に使われるようなことは,詰 まらないようにしておこう.時間は30分ぐらいで,終わった後はかなり気 持ちが沈むかもしれません.

僕の時は面接内で聞かれた数学についての問題は2つだけだった.最初の

「一般的な」問題に詰まってしまったということも理由にあるかもしれない が,とても少ないなと思った.たぶんもっと多く聞かれると思うよ.

さて,僕のやった勉強等だが,まず,6月後半に(4年のゼミが数論だった から,代数学分野の)院試の問題集を1冊買って,それを見ていた(解いた わけではない).また,夏休みに友人たちと院試の過去問についての勉強会 をやった記憶があるし,志望分野に関する本を2冊ぐらい軽く読んでもいた (この2冊は願書に書いた本ではない).他大の院試が8月中旬で,そのときに 講義ノートを読んだり演習問題たちを確認したりして,内容を復習し,数理 の院試前にもまた同じことをした.

皆さん,受かるように頑張りましょう.

(北川 弘典)

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問題の解答

問題 1

3本の直線を端から順番にl, m, nとおき、l上に点Aをとる。Aを中心 としてmを60回転させた直線を作図し(m上の2点をとりそれぞれAを 中心に60回転させてから結ぶことにより作図できる。また、点の60回転 は正三角形を作図することにより作図できる)、その直線をm0とおく。

m0nとの交点をCとおき、Aを中心としてC60回転させた点を Bとすると、A, B, Cl, m, n上の点であり、AB=AC,BAC= 60 なので、4ABCは正三角形である。

問題 2

完全数をN=piqj (p < q)とおくと、

pi+11

pi+1−pi · qj+11 qj+1−qj = 2 が成立する。ここでp6= 2とするとp≥3, q5より、

(左辺)< p p−1 · q

q−1 3 2· 5

4 = 15 8 <2

61 よってp= 2である。

(2i+11)qj+11

q−1 = 2i+1qj

となり、2i+11,qj+1q11 は整数でそれぞれ2, qの倍数ではないので、

2i+11 =qj, qj+11 = 2i+1(q1) iを消去してこれを解いていくと、

j = 1, q= 2i+11 となり、N = 2i(

2i+11)

がわかる。

問題 3

他にもあるかもしれませんが、

9−eπi

9 +π(e)i

9−iπ(e!)

ここで下2つはπを素数の個数関数(実数xに対しx以下の素数の個数 を返す関数)として使っています。また、3つ目では勝手に階乗をガンマ関 数により実数範囲に拡張して使っています(e! = Γ (e+ 1) = 4.26082· · ·)。

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