P-49 Lentzea 属放線菌由来 trehalose 類縁体 lentztrehalose 類の構造と生物活性
グルクロン酸の 4 位と 5 位に二重結合を作る 脱離反応型のヒアルロニダーゼ( EC4.2.2.1 )
2. 放線菌の分離を行っていると、分離プレ ート上に様々なコロニーが出現してくるが、
同じコロニーが多数出現してくることがあ る。これら優先的に存在している菌株は、他 の菌株に何らかの影響を与えることはない だろうかと、培養液を分離用寒天培地に添加 してみた。無添加では出現しない菌株が多数 得られた。この菌株増加効果物質を追いかけ てみたところスーパーオキシドジスムター
ゼ
(SOD)であることが分かった。
SODに効
果があるということは一般的な寒天培地か
ら活性酸素(
O2–)が発生しているのではな
いかと考え
O2–の発生量の解析を試みたと
ころ、反応時間に依存して
O2–が増加してい
ることが分かった
2)。グルコース・ペプト
ン・肉エキス寒天培地で約
3 nmol/ml/h発生 しており、各培地成分ごとに調べたところ全 体の発生量の
60%が肉エキスに起因するも のであった。カタラーゼの同時添加によりさ らにコロニー数が増加した。
活性酸素種の中で細胞に最も強いダメージ を与えると言われているヒドロキシラジカ
ル
(•OH)も検出された
3)(図参照) 。
この方法で分離された菌株から、
1科、
3属、
8種の新分類群を提唱した。
中でも興味深いのは、新科
(Patulibacteraceae)としても認められた
Patulibacter minatonensisKV614T4)
である。この菌株の近縁種を
16SrDNA
塩基配列を用いて
Blast検索すると土 壌からクローンでしか確認されていないも のや、通常濃度の
100倍希釈培地で
3ヶ月 間培養して得られた菌株等がヒットしてき た。環境中の
90%以上が分離に成功してい ないと言われているが、その一部ではあるが、
未分離株を分離する新たな方法が提案でき た。また、様々な地域の試料から、近縁菌を
PCRにより検出を行ったところ約
70%の土 壌試料に存在する結果が得られ、同様の菌株 は広く環境中に存在することが示唆された。
3.
私達は、ここ数年、植物の根に注目して
放線菌を分離してきたが、植物の根からは、
希少放線菌の分離頻度が高い
5)。 しかし、
新規物質の探索は生物活性を指標に行われ るため目的化合物を生産していなければ希 少にもかかわらず廃棄されてきた。また、約
50年に渡って、新規や既知物質の生産菌を 凍結乾燥で長期保存してきた。これらの菌株 を生かすために化合物の物性を指標にした
Physicochemical screening
を実施し、構造の 新規性を予測して物質を単離精製する手法 で希少放線菌からトレハンジェリン
6)やマ ングロマイシン
7),アクチノアロライド
8)等 の新規骨格の化合物や、長期保存復元株(主
に
Streptomyces属)からも元の生産物質とは
異なる化合物を見出すことができた。これら の化合物は物質取得後に生物活性試験によ り細胞保護作用、抗トリパノソーマ、抗酸化 作用等が見出されている。
我々は、放線菌が与えてくれる贈り物をた くさん見落としてきたのではないか。すぐに、
活性が見いだせない化合物も将来の宝物と 考えることはできないだろうか。
ここまで書いて投稿しようとしたら,大村 智先生ノーベル受賞のビッグニュースが飛 び込んできた。夢のようなできごとに舞い上 がってしまっている。これを機会に、天然物 探索の重要性や微生物資源の大切さが再認 識されることを期待する。
参考文献
1. Y. Takahashi, Actinomycetol., 18, 54-61 (2004).
2. Y. Takahashi et. al., J. Gen. Appl. Microbiol., 49, 263-266 (2003).
3. Y. Takahashi, J. Antibiot., 65, 135-145 (2012).
4. Y. Takahashi, et al., Int. J. Syst. Evol.
Microbiol., 56, 401-406 (2006).
5. A. Matsumoto et. al., Int. J. Syst. Evol.
Microbiol., 64, 2706-2711 (2014).
6. T. Nakashima et al., J. Antibiot., 66, 311-317 (2013).
7. T. Nakashima et al., J. Antibiot., 67, 253-260 (2014).
8. Y. Inahashi et. al., Org. Lett., 17, 854-867 (2015).
“Digital Atlas of Actinomycetes” 編集委員からのお知らせ
大村先生のノーベル賞効果なのか ?!
本学会が運営する
“Digital Atlas of Actinomycetes”の
webサイト(
http://atlas.actino.jp/)に、最 近、おもしろい現象が生じています。
大村先生のノーベル賞発表を機にアクセス件数が急激に増加しているので す。 以下に添付し た図をご覧いただきながら説明します。 「
Access Ranking」はトップページ最下段です。 次 ペ ージ上段の棒グラフを見ると
10月からアクセスが急増していることが分かります。また、次の ページではノーベル賞発表のあった
10/6からアクセス数が増加していることも分かります。
「
Species」 レベルのアクセス回数では、それまで番外だった「
Streptomyces avermectinius」が
3番目まで上昇していま す。ご存知の通り、これはノーベル賞の対象となった寄生虫感染症薬ア
ベ ルメクチンの生産株です。最後に、この菌株の画像集も紹介しておきます。
さらに、サイトの現状を簡単に紹介します。現在の投稿者は
198人、うち海外からの投稿者は
40%に相当する
80人で、 国別では
Argentina, Australia, China, Germany, India, Indonesia, Italy, Korea, Myanmar, Mongolia, Russia, Spain, Thailand, UK, USA, Vietnamの
16ケ国です。記載を全て英語表 記に統一したこともあって放線菌に関わる世界中の人たちから大きな注目を集めています。サイ ト最大の魅力は放線菌の形態学的・分類学的情報ですが、更に関連文献や生産物情報へのアクセ スも充実させました。みなさん、ぜひ、放線菌画像を投稿してこのサイトを一層 魅力的にして 下さい。ただ、
IJSEM誌などの雑誌に掲載された画像は版権のトラブルなど避けるためお断り しています。画像の投稿は
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編集委員;田村 朋彦
(NITE)、浜田 盛之
(NITE)、早川 正幸
(山梨大学
)、堀田 国元
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機構,)、石川 淳 (国立感染症研)、松本 厚子 (北里大学)、宮道 慎二 (NITE)、高橋-中口 梓 (千
葉大学
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(北里大学
)、土崎 尚文
(微生物クリニック
)、山村 英樹
(山梨大学
)、
Amanda L. Jones (Northumbria Univ., UK), Peter Schumann (DSMZ, Germany), Gernot Vobis (Univ. Nacional del Comahue, Argentina)以上
14人
The Journal of Antibiotics の Web 閲覧方法について
日本放線菌学会 会長 長田裕之
これまで
Actinomycetologicaなどでお知らせしてきましたように、日本放線菌学会会員は、会
員サービスとして、学会のホームページ経由で、本学会の
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The Journal ofAntibiotics
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JA)のウェブサイトにアクセスし、全文閲覧が可能となりましたので、ご案内いた
します。なお、Web 閲覧は、年会費を滞納していない会員に限定した会員サービスですのでご 了承下さい。
下記の要領でパスワードを取得後、JA にアクセスすることができます。
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