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放物型部分群

ドキュメント内 p 進簡約群の構造 (ページ 38-46)

5.3.1 放物型部分群の記述

Gの放物型部分群のLevi成分のことをGLevi部分群という.Levi部分群M G に対して,

M をLevi成分に持つGの放物型部分群の集合をP(M) =PG(M);

M を含むGの放物型部分群の集合をF(M) =FG(M);

M を含むGのLevi部分群の集合をL(M) =LG(M)

でそれぞれ表す.特にM = M0 の場合はF0 := F(M0), L0 := L(M0)などと略記 する.

代数閉体上の場合と同様に,ルート系Σ0の基底はM0を含む極小放物型部分群たちで 記述される.

補題5.7. (i)P0 = M0U0 ∈P(M0)に対して,ΣP0 :=PA0(u0)はルート系 Σ0の正系で ある.それに付随するΣ0 の基底を∆P0 と書く.

(ii) P(M0) P0 7→P0 {

Σ0 の基底}

W0 の作用と可換な全単射である.特に P(M0)にはW0が単純推移的に作用している.

P0 P(M0)を止めたとき,P0 を含む放物型部分群をP0 標準放物型部分群といい,

それらの集合をF(P0) =FG(P0)で表す.命題4.11と系4.12から次が従う.

命題5.8. P0 ∈P(M0)を固定する.

(i)F(P0)は放物型部分群のG(F)共役類の完全代表系である.

(ii)P ∈F(P0)はM0を含むLevi成分M をただ一つ持つ.これをPP0標準Levi 分という.このときP0M :=P0∩MM の極小放物型部分群であり,

F(P0)∋P 7−→PM

0 {

P0 の部分集合} は全単射である.

5.9. 5.6 (ii)の状況を考える.上三角元からなる部分群P0 GM0 をLevi成分

に持つ極小放物型部分群で,

P0 =i =ei−ei+1 |1≤i < m}

である.F(P0)はmの順序付き分割m= (m1, . . . , mr)に対するPm =MmUm:

Mm :=







 ág1

g2

0

. ..

0

gr

ë

gi ∈Gmi 1≤i≤r







 ,

Um =











à1m1 x1,2 . . . x1,r

1m2 . .. ... . .. xr1,r

0

1mr

í

xi,j Mmi,mj(D) 1≤i < j ≤r











 たちからなる.ni :=∑i

j=1 mj, (1≤i≤r)と書けば,∆PM

0 = ∆P0ni |1≤i < r} である.

注意5.10. (i)標準放物型部分群に対してF0 の元を準標準放物型部分群ということがあ

る.定義からF0

Ad( ˙w)P, w∈W0, P ∈F(P0)

からなる集合である.p進簡約群の表現論では標準放物型部分群よりF0 を用いた方が簡 明な記述が得られるが,放物型部分群の分類には標準放物型部分群が必要である.

(ii)順序付き分割(2,1)と(1,2)に付随するGL3の標準放物対のように,異なる標準放 物型部分群は共役ではないが,その標準Levi 成分はG(F)共役であることがある.この ようにG(F)共役なLevi成分を持つ標準放物型部分群たちは互いに付随しているという.

次の結果は定理4.10から導き出される.

命題5.11(一般化されたBruhat分解). (i)直和分解G(F) = ⨿

wW0 P0(F) ˙wP0(F)が成 り立つ.

(ii)M,M ∈L0に対して,両側剰余類集合W0M\W0/W0M の完全代表系MWM ⊂W0

を固定する.このとき任意のP ∈P(M),P ∈P(M)に対して G(F) = ⨿

wMWM′

P(F) ˙wP(F)

が成り立つ.

5.3.2 制限ルート

連結簡約F 線型代数群Gの根基ZG0 はトーラスであった(定理3.21).その分裂成分を AG と書く.またGの極大アーベル商をDG :=G/Gderで表す.補題2.5から次が従う.

補題5.12. (i)合成射ZG0 ,→GDGはトーラスの同種射である.

(ii)制限射X(G)∋χ7→χ|AG ∈X(AG)は線型同型Q⊗X(G)→ Q⊗X(AG)を与える.

M ∈L0 に対して

aM := Hom(X(M),R), aM :=X(M)R

は互いに双対な有限次元R線型空間である.指標の制限を取る準同型たちは可換図式 X(M) −−−−→ X(AM)



y y X(G) −−−−→ X(AG) をなすが,上の補題からこれは可換図式

aM aM

a?GOO

aG

を与える.すなわち aG は自然に aM の直和因子と見なされる.双対を考えれば aG も aM の直和因子である.そこで

aGM :={H aM |λ(H) = 0, λ∈aG}, aG,∗M := aM |λ(H) = 0, H aG} とおけば,互いに双対な直和分解

aM =aGM aG, aM =aG,MaG (5.1) が成り立つ.

特に M = M0 のとき,ルート系の定義から∆P0 はaG,∗0 := aG,∗M

0 の基底である.同様 に対応するコルートの集合∆P

0 := |α∈P0}aG0 =aGM

0 の基底になる.そこで aG0 の∆P0 に対する双対基底を

∆ˆP0 =α P0}

と書く.同様にaG,0 の∆P

0 aG0 に対する双対基底を

∆ˆP0 =α P0}

で表す.後者は基本ウェイトと呼ばれるもののF 有理版である.

■制限ルートと制限コルート 極小Levi部分群M0 の場合と同様に,M ∈L0に対して もΣM = ΣGM :=PAM(g)∖{0}とおき,その元をAMGでのルートという.ΣM の 元でnα, (n 2, α ΣM)の形に書けないものを非可除なルートと呼んで,その集合を ΣindM と書く.P = M U P(M)に対してΣP := PAM(u)とおき,その元を P 正ルー トと呼ぶ.容易にわかるとおり

ΣM ={|AM)̸= 0, ∈X(AM) Σ0}

={|aM)̸= 0, aM Σ0}

= ΣP ⊔ −ΣP

である.さらにΣP の元で2つ以上のΣP の元の和に書けないものをP 単純ルートと呼 び,その集合を∆P で表す.P ∈F(P0)ならばP0M :=P0∩M として

P

|aM)|α∈P0 ∖∆PM 0

©

である.ΣM はΣ0 ∖ΣM0 の分解a0 = aM,0 aM におけるaM 成分を取ったものだか ら,一般にルート系になるとは限らない.そこでα =α0|aM ΣM, (α0 Σ0∖ΣM0 ) コルートαα0 の分解a0 =aM0 aM におけるaM 成分と定める.

ルート系の場合と同様に各 α ΣM の零点集合Hα := {X aM |α(X) = 0}を壁と いい,壁の合併の補集合

aM,reg :={

X aM |α(X)̸= 0, αΣindM } の各連結成分をaM 内の部屋という.

補題5.13. 任意の部屋C aM はあるP ∈P(M)を使って

C =a+P :={H aM |α(H)>0, α P} と書ける.

次にP ∈P(M)を止め,それに関する単純ルートのコルートの集合を

P := |α∈P}

と書く.またα= (α0|aM)P, (α0 P0∖∆PM

0 )に対して,ϖα :=ϖα0,ϖα:=ϖα0 と定める.

補題5.14. (i)∆P はaG,∗M の,P はaGM の基底である.

(ii)∆ˆP := α |α∈P} ⊂ aG,M は∆P の,∆ˆP := α P} ⊂ aGM は∆p の,

それぞれ双対基底である.

同じ基底でも単純ルート∆P と∆ˆP は互いになす角度に違いがある.

補題5.15. P =M U ∈F0を取る.

(i)⟨α, α > 0, ⟨α, β⟩ ≤ 0, (α ̸= β, P)が成り立つ.一方で,¨

ϖα, ϖβ

0, (α, β P)である.

(ii)+aP :={H aM α(H)>0, α P}とおけば,a+P +aP である.

(iii)a+P

0 の閉包は次の直和分解を持つ.

a+P

0 = ⨿

P∈F(P0)

a+P

この (iii)の分解はCartan分解と併せて,p進簡約群の表現論において大切な役割を果

たす.

5.16. G= SL3とする.対角元からなる部分群

A0 :={

d(a1, a2) := diag(a1, a2, a1a21)|ai Gm

}

Gの極大分裂トーラスで,極小Levi部分群M0に一致している.X(A0) =Ze1Ze2, ei(d(a1, a2)) =ai, (i= 1, 2)

と書く.P として上三角行列からなる極小放物型部分群 (Borel部分群でもある)P0 = M0U0 を取れば,

P0 =1, α2}, α1 :=e1−e2, α2 :=−e1+ 2e2

であり,F(P0)はP0,∆PMi 0

=i}となるPi =MiUi, (i = 1,2),およびG自身からな る.このときa0内の部分空間aM および部屋a+P たちは次の図のようになる.

1 SL3a0

例えばaM1α1の核であるから,α1 と直交する直線になる.α1,α2 双方との内積が正 であるベクトルからなる灰色の領域がa+P

0 である.a+P

1 はaM1,reg =aM1{0}の連結成 分のうち,a+P

0 の境界に含まれるものであり,原点がaGである.

6 p 進簡約群

この節ではFp進数体Qpの有限次拡大とする.この報告集内の原下氏の原稿[9]で 定義されたF に関する記号は断りなく用いるものとする.引き続きF の代数閉包F¯を固 定して,Galois群Gal( ¯F /F)をΓ = ΓF と書く.

6.1 L 群など

Gを連結簡約F 線型代数群とする.極大トーラスT ⊂Gに対して,X(T)へのΓ作 用は適当な有限次Galois拡大E/F GaloisΓE/F を経由する.

補題6.1. GF¯ の分裂splGE = (BF¯, TF¯,{Xα}α∆(BF¯,TF¯))B GE のBorel部分群,

ルートベクトルXα はg(E) の元であるものが存在する.特にΓF のsplG

E への作用は ΓE/F を経由する.

この事実と補題 4.16 により,σ ΓE/F に対してσ(splGE) = Ad(gσ)splGE となる

Ad(gσ) Int(G)(E) = Gad(E)がただ一つある.このとき{

θσ := Ad(gσ1)}

σΓE/F が Int(G)(E) 値 1 コサイクル ([3, VII 章補遺] 参照) であることは容易に確かめられる.

E[GE] =E⊗F F[G]のE/F 構造をこの1コサイクルでひねったもの φ: ΓE/F ∋σ 7−→idF[G])◦θσ AutF-Hopf(E[GE])

に付随するGEE/F 形式(1.2.2)G と書く.定義から恒等射GE =GE は同型 ψ:GE GE であって,例1.6の記号で

ψ◦σG◦ψ1 = Ad(gσ)◦σG, σ ΓE/F

となるものを与える.このような同型をE/F 内部捻りという.あるいはE を明らかに せずに同型ψ :GF¯ GF¯ を内部捻りと呼ぶ.

さらにgσ の取り方から分裂splG

EGE の分裂としてはΓE/F 不変である.つまり B⊂G は(F 上定義された)Borel部分群でΓE/F{Xα}α∆(B¯

F,TF¯)に置換として作用 している.このようにΓ安定な分裂を持つとき,簡約F 線型代数群G は準分裂である という.またそのΓ安定な分裂をF 分裂という.

命題6.2. 連結簡約F 線型代数群Gに対して,内部捻りψ:GF¯ GF¯ であってG が準 分裂であるものが同型を除いてただ一つある.これをGの準分裂内部形式という.

簡約 F 線型代数群 G の準分裂内部形式 (G, ψ) を取り,GF 分裂 splG = (B0, T0,{Xα})を選ぶ.定義からΓのX(T)への作用はsplGを保ち,補題4.16 (iii)か ら準同型

ρG : Γ−→Aut(RD(splG))opp= Aut(RD(GF¯))opp

を与える.GF¯ のLanglands双対群をGˆ と書いて,その分裂splGˆ = (B,T,{Xα})を一 つ選ぶ.これは補題4.16 (ii)により

1−→Int( ˆG)−→Aut( ˆG)−→Out( ˆG)−→1 の分裂s: Out( ˆG)→Aut( ˆG)を定め,上と併せて準同型

ρG : Γ−→Aut(RD(GF¯))opp = Aut(RD(GF¯))opp

= Aut(RD( ˆG))opp = Out( ˆG)−→s Aut( ˆG) が得られる.これのWeilWF Γへの制限による半直積

LG := ˆGρGWF

GL群という.

ドキュメント内 p 進簡約群の構造 (ページ 38-46)

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