FinePix HS30EXR は ズ ー ム レ ン ズ の 先 端 に フ ィ ル タ ー ネ ジ
(58mm)が備わっています。そこでクローズアップレンズ、コンバー ジョンレンズを利用して撮影領域を拡大しました。
(1) クローズアップレンズ
■ MCON-35
レンズ構成:2群2枚、f=350mm、取付けネジサイズ62mm、フィルタ径72mm 大きさ:約75mm(最大径)×14mm(フランジ面からレンズ先端)、重さ135g
FinePix HS30EXRとMCON-35(OLYMPUS)の組合せ
表34 FinePix HS30EXRのマクロ撮影性能 焦点距離 [Exif]
(mm)
レンズ繰り出し長
(mm)
撮影可能距離
(mm)
撮影倍率
(@最短距離)
50 [8.3] 2 22~ 0.65
80 [13.8] 10 48~1080+α 0.72
105 [17.5] 15 73~900+α 0.72
135 [23.0] 21 84~670+α 0.80
200 [31.5] 28 106~500 0.90
300 [44.8] 35 165~430 1.00
500 [80.8] 45 255~385 1.50
720 [126] 52 295~370 2.25
備考:・表記は35mm判換算
・三脚穴から広角端でのレンズ先端まで96mm
・ステップアップリングとMCON-35の長さ17.5mm ・撮影条件によって若干の誤差を含む
FinePix HS30EXRとMCON-35の組合せ:焦点距離と撮影可能距離
・ 三脚穴から被写体までの距離
マクロエクステンションレンズ MCON-35 は CAMEDIA E-20
(Olympus)のアクセサリーとして著者が入手したものです。ステッ プアップリング58→62mmを使ってFinePix HS30EXRに接続し、
主な焦点距離で AF の合焦する範囲を測定した結果を表 34、そして HS30EXR の三脚穴の位置から合焦する範囲を図にまとめたものを図 として紹介します。MCON-35 は取り付けネジ径は 62mm ですが、
主レンズと組み合わせた時にケラレを低減するために前玉のサイズが 大きい設計でHS30EXRと組み合わせた際、広角端で左下に若干、周 辺減光が認められますが、狙いどおりの効果が得られています。なお、
MCON-35 を組み合わせた場合、クローズアップレンズの常で広角側 で糸巻き型の歪曲収差が生じるため、使用範囲外の領域にあります。ま た、MCON-35 には 72mm のフィルターねじが切られていて、フィ ルターも取り付けられるようになっています。
2章で解説のようにHS30EXRはマクロ性能が高く、35mm判換算 200mmでレンズ先端から被写体までの距離が104mmほどで合焦し、
0.8 倍の撮影倍率が得られます。こ れは MCON-35 を組合せ て
200mm の位置で撮影するのとほぼ、同じ数値となります。よって
MCON-35 を HS30EXR に組合せて有効に活用するにはズームの焦 点距離 200mm 以上とするのが使いこなしのポイントといえます。ま た、HS30EXRのズームレンズは52mm伸びるため、これを考慮して 撮影位置を決める必要がありますが、被写体とHS30EXRの三脚穴の 距離を 50cm として撮影すると、カメラの位置を移動することなく、
ズーム全域が使えます。
マクロ撮影では被写界深度が撮像素子の小さい方が深くなり、使いや すいと考えましたが、HS30EXR は広い範囲で合焦することから、使 いやすいといえます。なお、f=350mmのMCON-35と組合せてそれ より長い撮影距離でAFが合焦することには「?」となっています。
今日、MCON-35 を新品で入手することはできませんが、本機と組
み合わせる他のクローズアップレンズを選ぶ場合、PRO1D ACクロー ズアップレンズNo.3(58mm)(Kenko、実売価格4,000円前後)が 画質と適度なワーキングディスタンスから使いやすく、お薦めです。な お、MCクローズアップレンズは画質の面からお薦めしません。
MCON-35の組合せの望遠端
(35mm判換算約2.25倍)
FinePix HS30EXRとMCON-35の組合せ実験
■ ACクローズアップレンズ No.5
レンズ構成:1群2枚、f=200mm
FinePix F300EXR用に入手した AC CLOSE-UP No.5(Kenko)
をステップダウンリングを使って 組合せ、最大倍率の実験を行いま した。その結果、クローズアップ レンズの先端から被写体のスケー ル ま で の 距 離 約 180mm で 35mm 判換算 3.6 倍の倍率が得 られました。
■ MSN-202スーパーマクロレンズ(raynox)
MSN-202スーパーマクロレンズ
(raynox)
・自家製ステップダウンリング 55→37と組合せ
FinePix HS30EXRと
MSN-202スーパーマクロレンズの 組合せ
ステップダウンリング58→55mmと 自作のステップダウンリング
55→37mmと組合せて FinePix HS30EXRに取り付け
MSN-202スーパーマクロレンズ(raynox)は、FinePix F300EXR とマクロコンバージョンレンズB-MACROの組合せによるマクロ撮影 機材としての使い勝手のよさに気をよくして、入手したものです。そし てF300EXRの望遠端(35mm判換算360mm相当)で撮影倍率と
して35mm判換算約8.1倍を得られました。
FinePix HS30EXRとMSN-202スーパーマクロレンズは写真のよ うに自作の55→37mmのステップダウンリングと58→55mmのス テップダウンリングを組合せて取り付けました。この結果、望遠端で約 32mmの距離で35mm判換算約 16倍のマクロ撮影が可能となりま した。なお、被写界深度が浅く、マクロスライダーの使用が不可欠で、
また、振動などを伝えないように撮影環境の整備も必要です。
MSN-202スーパーマクロレンズ(raynox)の組合せでの望遠端
・ スケールの指標の約2mm分
(2) テレコンバージョンレンズと超解像ズーム
TCON-17(Olympus)、倍率:1.7倍、取り付けネジ径:55mm
・ 後継レンズはTCON-17X、同等品はDMW-LT55 (Panasonic))
・ 著者は保護リング(八仙堂)77mmを取り付けてフィルター対応にし、また、
滑り止めのラバーを貼り付け
[広角端] [望遠端]
FinePix HS30EXRとTCON-17を組み合わせ
注: ズームレンズ先端に重いコンバージョンレンズがつけるのは FinePix HS30EXRの想定外の使用のため、自己責任で。
『FinePix F300EXR Maniac』で紹介のようにF300EXRと1.7 倍のテレコンバージョンレンズ TCON-17 の組合せがきっかけで
FinePix HS30EXR を 入 手 し ま し た 。TCON-17 は E-100RS
(Olympus)用に入手し、FinePix S9000 とステップダウンリング 58→55mmを使って35mm判換算510mmの望遠としても使いま した。HS30EXR のフィルターネジサイズは S9000 と同じ 58mm で手持ちのステップダウンリングで接続できました。
TCON-17、テレコンバージョンレンズの常で広角側でケラレを生じ、
ケラレや周辺減光がなくなるのは Exif情報で 43.1mm(35mm判換 算246mm相当)で、1.7倍すると420~1224mmの範囲で使えま す。HS30EXR 単体とテレコンバージョンレンズと組み合わせで焦点 距離の切れ目なく使えるのは使い勝手がよいといえます。
TCON-17 と組み合わせた望遠端の画質は等倍で見ると画像周辺の 色収差が気になる場合がありますが、十分、使える画質と思います。昼 間、条件がよければ体を構造物に預けてタイマー2秒を使うことで手ブ レを感じさせない写真を撮ることもできます。TCON-17 と組み合わ せる三脚については「5. アクセサリー」の章で解説します。
HS30EXRは「超解像ズーム」として画像を2倍(望遠端で35mm 判換算1440mm相当)、1.4倍(同1000mm相当)に拡大するデジ タルズーム機能があります。表35に超解像ズームとTCON-17の組 合せで実現できる焦点距離をまとめます。各組み合わせでの作例(記録 画素数4M)と512×384画素で切り出した画像を次に示します。超 解像ズーム、1.4倍であれば画質の低下をあまり気にしないで使えます。
表35 超解像ズームとTCON-17の組合せによる焦点距離 FinePix HS30EXR TCON-17と組合せ 超解像ズーム OFF 720mm 1,224mm 超解像ズーム 1.4倍 1,008mm 1,713mm 超解像ズーム 2.0倍 1,440mm 2,448mm
FinePix HS30EXR単体 (下:512×384画素で切出し)
TCON-17と組合せ (下:512×384画素で切出し)
デジタルズーム1.4倍 (下:512×384画素で切出し)
デジタルズーム2.0倍 (下:512×384画素で切出し)
TCON-17+デジタルズーム1.4倍(下:512×384画素で切出し)
TCON-17+デジタルズーム2.0倍(下:512×384画素で切出し)
■ 月撮影
HS30EXRとTCON-17と組合せての月の撮影、当初、カラー画像 としたため、背景となる宇宙と月の境界線あたりで色収差の生じる部分 があり、気になります。そこでまず、「モノクロにすれば色収差がわか らなくなる」に気付きました。また、カラー画像だとローパスフィルタ ーを通してカラーフィルターによってRGBに分解された画像情報が画 素混合によってRGBの整った画像データとする処理で空間解像度が低 下するのに対して、最初からモノクロの設定ならば画像処理が簡略化さ れて解像度の面でプラスになるのではと思いつきました。
これより、フイルムシミュレーションを B&W として画像サイズ L、
M、Sで撮影し、画像サイズLが有効に使えることがわかりました。以 上から月撮影は下記の設定を用いることにしました。
著者の月の撮影の機材を表 36 に示しますが、PENTAX K-7 と SIGMA 150-500mmの組合せより、上位になってしまったようです。
フイルムシミュレーション : B&W 画像サイズ: L ( 4608 × 3456 ) ISO : 100
(撮影モード:S、シャッター速度1/60~1/200を目安)
表36 著者の月撮影
分類 機器名
天体望遠鏡 LX50-20 (Meade)
スポッティングスコープ TS-613(KOWA)+FinePix F31fd デジタル一眼レフ+望遠ズーム PENTAX K-7 + SIGMA 150-500mm コンデジ+テレコン FinePix F300EXR + TCON-17 コンデジ FinePix F300EXR
コンデジ+テレコン FinePix HS30EXR + TCON-17 コンデジ FinePix HS30EXR
望遠端:35mm判換算720mm 相当、ISO 100、シャッター速 度 1/60sec、F5.6、画像サイ ズL
下は512x512でトリミングし た画像
TCON-17と組合せ 望 遠 端 :35mm 判 換 算 1200mm相当、ISO 100、
シャッター速度 1/60sec、
F5.6、画像サイズL)
下は512x512でトリミング した画像
参考: デジスコで撮影した月
デジスコ(スポッティングスコー プTS-613(KOWA)+30倍のア イピース+FinePix F31fd)で撮影
(6M)した月の画像を 500x500 でトリミングした下の画像と比較し てしまうと「HS30EXRもよく頑張 っているけれど・・」になってしま います (^_^;
(3) ワイドコンバージョンレンズ
ワイドコンバージョンレンズ WL-FXS6 (FUJIFILM) 倍率:0.8倍、レンズ構成:3群3枚、取付け径:58mm、
全長:37.5mm、最大径:φ95mm、重さ:214g
FinePix HS30EXRとWL-FXS6の組合せ
0.8倍のワイドコンバージョンレンズWL-FXS6はFinePix S9100 の別売りアクセサリーで S9000にも対応することから入手しました。
取り付けネジ径は58mmでHS30EXRにそのまま取り付けできます。
フォーマットとケラレ・周辺減光の発生状況を表37及び作例にまと めますが、16:9のフォーマットでケラレ無く使えるのは動画撮影に有 効といえます。
表37 WL-FXS6の組合せとケラレ・周辺減光 フォーマット ケラレ・周辺減光 備考
4:3 あり 周辺減光なく使える倍率は約0.966倍
(35mm判換算23.2mm相当)
3:2 あり 周辺減光なく使える倍率は約0.9倍
(35mm判換算21.6mm相当)
16:9 なし
FinePix HS30EXRの広角端