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排水マスタープラン

ドキュメント内 【FS公開版】5-和_下水要約_old140926_ xdw (ページ 55-63)

4.1 浸水改善目標

現在ヤンゴン市内各所で浸水が頻発している。現状では、浸水は小規模なものであり、住民及 び YCDC の浸水被害に対する危機意識は高くないが、今後、ヤンゴン市の更なる都市化に伴い、浸 水被害に対する経済損失額も増大していくことが予想される。また、生活雑排水を含む排水の溢 水防止は、衛生環境及び景観の観点からも、早期の改善が求められることから、雨水排水施設整 備に係る浸水改善目標を、下記のとおり設定した。

計画目標年 : 2040 年

計画目標 : 市内中心部及び CBD 地区における浸水被害の解消

計画目標年までに、市内中心部(既成市街地)の浸水被害を段階的に解消す ることを、施設整備計画目標とする。

対象排水区 : 市内中心部の主要 22 排水区及び CBD 地区

施設整備計画の対象は、既成市街地である中心部 22 排水区及び CBD 地区とす る。当該地区における既存排水施設の管理は YCDC であり、今後 YCDC が主体 となって雨水排除(内水排除)計画を策定していく必要がある。

※計画対象区域外については、「16.3 将来開発区域における雨水排水施設整 備に係る提言」を記載

4.2 排水施設整備 計画方針及び設計条件

計画方針 4.2.1

一般的な、雨水排水施設整備手法を下表に示す。施設整備計画の策定においては、これらの整 備手法を適切に組み合わせ、放流先河川整備計画との整合にも配慮した効率的な施設整備計画と する必要がある。

こうした施設整備計画策定のためには、既存排水路の放流先河川の管理機関である農業灌漑省 等、関連機関との調整が必要である。一方、現状においては、関連機関における治水対策方針及 び計画が明確ではなく、貯留施設等の流出抑制型施設に対する計画条件を設定することが困難で あるため、本調査においては、計画雨水量に対する、流下型施設整備(管きょ及びポンプ場)を 基本とした計画策定を行い、事業規模の把握に資するものとする。

なお、将来的には、施設整備だけでなく、高潮による浸水被害防止を目的とした地盤沈下対策 としての地下水揚水規制や、民間開発事業者に対する雨水流出抑制施設設置の義務付け、さらに

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上下水道改善プログラム協力準備調査 第 5 巻 下水道・排水(要約)

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は計画的な土地開発の指導等、関連規制/制度を整備し、総合的な雨水排水計画としていくことが 肝要である。

表 S.19 雨水排水施設整備手法の分類

項目 整備手法

流下型施設整備 ・管きょ

・ポンプ場 流 出 抑 制 型 施 設

整備

・貯留施設

・浸透施設

その他 ・関連規制・制度整備

・土地利用管理

・降雨情報管理 計画諸元

4.2.2

ヤンゴン市の雨水排水における現状、及び YCDC との協議を踏まえ、雨水排水施設概略計画策定 のための計画諸元を、下表のとおり設定した。

計画の実施には長期間を要することから、当面は、既存排水路の浚渫やごみの回収、ごみ投棄 の防止キャンペーン、局所的なボトルネックの改修等の対策を実施していくことが重要である。

表 S.20 雨水排水施設整備における計画諸元

項目 採用値 備 考

(1) 計画目標年 2040 年 上水道/下水道(汚水)整備計画と

の整合 (2) 降雨確率年 5 年

農業灌漑省 計画諸元との整合

(出典:“Study on Drainage System

of Mingalar Taung Nyunt Area”, Fukken Co., LTD, Nov 2002)

※計画対象施設は、既成市街地に おける根幹的施設であるため、出 来るだけ浸水に対する安全度を高 める必要がある。一方で、過大な 施設整備は、財政面からも事業実 施が困難となるため、施設整備水 準として、降雨確率 5 年程度が妥 当であると判断した。

(3) 雨 水 流 出 量 算定

合理式

A I C

・ ・

360

Q 1

ここに、

C: 流出係数 I: 降雨強度 A: 排水面積

<降雨強度式>

I= 1,115/t0.7 t: 流達時間

(4) 流出係数 CBD 地区: 0.8

CBD 地区 以外: 0.4~0.6

2040 年における都市化(人口密度)

を基に想定

(5) 計画外水位 +3.619 既往最高潮位

4.3 排水施設整備計画

施設整備計画 4.3.1

設計方針及び設計条件を踏まえた施設整備計画を、図 S.11 及び表 S.21 に示す。

ー国ヤンゴン市 改善プログラム協力準備調査第5巻 下水道・排水(要

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ミャンマー国ヤンゴン市 上下水道改善プログラム協力準備調査第5巻 下水道・排水(要約)

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表 S.21 雨水排水施設整備 概要

施設整備に係る環境社会配慮面からの提言 4.3.2

既存の雨水排水路は不法に投棄されたゴミで詰まっている状況がしばしば見られ、雨季になると ゴミにより排水されずに周辺に溢れ出す状況となっている。また、排水路のすぐ脇に住居や店、

小屋等が建てられている。今後、雨水排水路の清掃、拡張が実施される際には、このような住居 や小屋により実施が阻害されることが考えられる。そのため、施設整備にあたっては、下記の対 応が合わせて取られなければならない。

啓発活動による排水路へのゴミ不法投棄による影響の認識、不法投棄禁止のための市民の 意識及び行動改革の推進

不法住居・不法居住者への法による規制、罰則の確立

雨水排水路拡張による不法居住者の立ち退きが発生する場合、法に基づいた補償の実施

将来開発区域における雨水排水施設整備に係る提言 4.3.3

ヤンゴン市では現在も都市化が進んでおり、特に周辺タウンシップでは、今後更なる都市開発 を推進していくことが予想される。こうした地域では、都市化の進捗に伴い雨水流出量も増大し ていくため、適切な雨水排水施設整備が必要となる。

将来の施設整備にあたっては、従来の河川改修や排水路整備といった、雨水を速やかに流出さ せる対策に加え、雨水を貯留・浸透させることで、流出時間を遅らせ、雨水流出量そのものを減 少させるといった流出抑制手法の活用が、効果的・効率的な施設整備を実施するうえで重要とな る。

雨水流出抑制は、単に施設による対応だけでなく雨水が管渠に流出する以前の対策、すなわち、

適正な土地利用計画に基づく都市化の抑制、治水機能としての水田及び緑地の保全等、土地開発 管理が重要である。開発行為に対する行政の適切な指導及び規制を強化し、土地開発部局の他、

河川部局、道路部局といった関連部局との連携をとりながら、総合的な雨水排水対策を実施して いくことが求められる。

下表に、雨水流出抑制施設の分類を付す。

表 S.22 雨水流出抑制施設の分類

項目 整備手法

貯留型 オンサイト 貯留

・公園貯留、校庭貯留

・駐車場貯留、広場貯留

・各戸貯留

・公共施設用地での貯留 オフサイト

貯留

・雨水調整池

・雨水貯留管

・治水緑地整備

浸透型 ・浸透地下トレンチ、浸透側溝

・浸透雨水マス

・浸透性舗装 等

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4-6 4.4 排水施設の維持管理計画と能力開発

維持管理体制 4.4.1

雨水排水施設は、複数のタウンシップに存在するため、YCDC タウンシップ事務所(もしくは地 区事務所)ごとに雨水排水施設管理部門を設置する。また、YCDC 水供給・衛生局は、全タウンシ ップの維持管理業務を統括する役割を担い、データベース(GIS)管理部門と連携し各タウンシッ プの施設管理情報を集計・管理する。

YCDC 及び各タウンシップ事務所は、施設整備の進捗にあわせ、必要な人材を確保していく必要 がある。また、必要に応じて維持管理業務の外部委託を活用し、効率的な維持管理体制とするこ とが重要である。

能力開発 4.4.2

現在 YCDC の組織には、雨水排水施設を管理する独立した部署がない。このため、前述した維持 管理体制の構築には、既存の水供給・衛生局から異動する一部の職員を除き、経験の浅い人材の 新規採用が必要となる。一方、これらの職員には、維持管理業務に関する経験・技術が不足して いる。適切な維持管理を継続的に実施するためには、組織体制の整備と併せて、職員レベルでの 十分な能力開発が不可欠である。

能力開発プログラムは、以下の手順により実施する。

YCDC 担当部署に対するトレーニングニーズアセスメントの実施 各分野の専門家による OJT、各種講義及び研修の実施

能力開発プログラム実施に対するモニタリング及び評価

4.5 排水施設整備のプロジェクトコスト

積算条件 4.5.1

積算条件は 3.5.2 積算条件・前提と同じ。

プロジェクトコスト 4.5.2

(1) 資本費用

非公開情報

表 S.23 各事業の概算工事費

(2) 維持管理費

排水事業に必要な維持管理費用を下記に示す。電気代を除く人件費とスペアパーツ代で年間約 4.6 億円であるが、排水ポンプ及びポンプゲートの稼働状況により電気代が追加される。電気代 は全排水ポンプが 1 日稼働すると電気代は 201.5 百万円/日となる。

表 S.24 排水事業の年間維持管理費用

単位:百万円/年

区分 費用

人件費 23.4 (0.3)

スペアパーツ 436.0 (5.2)

汚泥処理 0 (0)

薬品費 0 (0)

その他 13.2 (0.2)

合計 459.4 (5.7)

()内は、百万 USD

*全排水ポンプが 1 日稼働すると電気代は 201.5 百万円/日となる。

財源計画 4.5.3

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