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下水道マスタープラン

ドキュメント内 【FS公開版】5-和_下水要約_old140926_ xdw (ページ 31-55)

3.1 汚水処理に関する整備方針 整備方針の概要

3.1.1

下水道を含む汚水処理に関しては、その管理・運営組織も本格的整備に向けては不十分であり、

汚水処理や水環境に関しての法的な整備もされておらず、従って整備財源の基盤も明確ではない 状況にある。このような状況を鑑みるに、上水道に引き続き整備が進められる下水道等に関して は、本格的な整備に向けての制度的なフレームワークの構築、財源等確保に向けての段階的な取 り組み、コストを踏まえた汚水処理の効果を上げるための各種汚水処理の段階的な採用・移行な どを考慮した効率的な汚水処理整備の方針が不可欠である。

以上のことを勘案し、短期(~2025 年)・中期(~2040 年)・長期(2040 年~)に分けて、以 下のような整備項目ごとに、整備の基本方針・ロードマップを整理する。整備方針の概要を図 S.6 に示す。

ミャンマー国ヤンゴン市 上下水道改善プログラム協力準備調査第5巻 下水道・排水(要約)

3-2

短期 中期 長期

整備項目

目標年次 ~2025 ~2040 2040~

組織力の拡充

下水道計画(建設・運営・財務)

法整備

下水道事業計画

整備財源

下水道計画区域(~2040年)内

下水道計画区域(~2040年)外

大規模開発地域

工場排水対策

注1:当面は暫定的な下水道整備により、下水道普及率の向上を目指す。重点を下水処理水量に置く場合はインターセプター方式により下水処理場の建設を進め、身近な生活環境 の改善に置くならば、下水管渠の建設を進め処理場は後に整備する、方法が選択できる。いずれにしても、下水管路へのごみの投棄防止、下水道料金(使用料とするか、環境改善 費用として税方式とするか)への理解など、下水道に関する市民への意識啓発が必要。

注2:新規に設置する腐敗槽は雑排水も処理可能な改良型とし、既存建物や既成市街地で改良型腐敗槽が技術的に設置不可能な地域については、建物の立替や地域の再開発にあわ せて改良型(もしくは下水道への接続)を導入する。

各種基本方針の策定 下水道法・下水道条例・開発行為に 関する規制・工場排水規制等の制定 JICA ビジョン・M/Pの活用

組織構築 法制度の整備 先進国からの専門家・技術者招聘

短期で育成された人員による 内部での人材育成 YCDCによる下水道整備計画の作成

本格的な下水道拡張期

円借款等の活用 円借款等の活用

料金収入・国庫補助

自主財源での下水道整備料金収入・

国庫補助

改良型腐敗槽注2or 合併浄化槽

個別接続のある 分流式下水道

現行の腐敗槽 ピット・ラトリン

規制法の制定・開発指導の開始

民間事業者による下水道整備(マレ ーシアの ように)

・住宅開発はミニ下水道システム(コミュニティプラント)

・大規模ビルは個別排水処理施設・ (浄化槽) など

規制法の制定・規制の開始 取締りの強化

除害施設の設置

法の運用 施行細則の拡充 規制法による取り締まりの強化

自主的な運営

YCDCによるM/Pの見直し(効率的整備)

継続的な施設・経営管理システム

指導の実施・取締りの強化 ピット・ラトリン

円借款による1号案件(技術支援付き)

C1処理区の実施 可能ならばW1処理区

複数個所での下水道整備事業を実施 2040年の下水道普及率50%を目標

下水道整備区域の拡張 最終的な下水道システムへグレードアップ

改良型腐敗槽 注2or 合併浄化槽

個別接続のある 分流式下水道

現行の腐敗槽 暫定的な下水道整備注1

管渠のみorインターセプタ-方式

出典:JICA 調査団

図 S.6 汚水処理に関する整備基本方針

YCDC が当面着手すべき事項の優先順位 3.1.2

YCDC は JICA 等の協力・支援のもと、上記の整備方針に基づいて整備を進めることとなるが、

早期整備・早期供用開始を実現するためには、第 1 期建設に先立って、多くの事項を効率的に進 める必要がある。ここでは、これらの作業を整理し、優先順位を勘案してその進め方の概要を下 表に整理して示す。

表 S.10 当面 YCDC が実施すべき作業と手順の一覧

当面 YCDC が実施すべき作業 優先順位

摘 要

高 

1. 用地取得及び取得の目処  

2. 下水道事業運営方針の作成

a. 下水道事業の運営体制の検討(管理・計画及び運転管理) ●  b. YCDC とタウンシップの下水道に関する役割分担 ●  c. 建設財源の確保方策の検討(国、地方政府との協議)  

d. 下水道に関する料金体系の検討  

e. 料金条例の制定  

3. 関連法規等の基本方針及び国との調整

a. 関連法規の現状確認  

b. 環境及び汚水処理に関する法体系の素案作成及び国との協議   c. 環境・汚水処理に関する法規の基本方針及び国との協議   4. 下水道関連法規の素案作成及び国との協議

a. 下水道法の枠組みの検討  

b. 下水道法の素案作成、国との協議  

c. 国への下水道法制定の要請  

d. YCDC とタウンシップでの条例素案の作成及び協議  

e. 下水道条例の制定  

5. 環境基準・排水基準に関する検討及び国との協議

a. 水質環境基準素案の作成  

b. 汚泥処理に関連する廃棄物処理関連法規の検討  

c. 国、地方政府、大学、事業者等との協議  

d. 一律排水基準の素案作成及び国への制定要請  

e. YCDC での上乗せ排水規制素案の作成、制定  

6. 他の汚水処理に関する法規・助成制度の創設

a. 腐敗槽の改良に関する方策の検討 ● 

b. 浄化槽・腐敗槽に関する法規(構造基準)の検討及び国との協議 ●  c. 腐敗槽の改良、浄化槽設置に関する助成制度の検討・創設   7. 開発行為に関する規制法規の基本方針と国との協議

a. 必要規制、協力要請事項の検討  

b. 規制に関する都市計画法との調整、国との協議  

c. 開発行為の下水道に関連する規制条例の検討、制定  

8. 工場排水受け入れに関する条例制定

a. 業種別の工場排水水質調査  

b. 利害関係者(国、地方政府、YCDC 他部署、事業者)との協議  

c. 工場排水の下水道受け入れに関する条例制定  

9. 下水道・汚水処理に関する市民への PR

a. 一般的な啓蒙資料、制度紹介資料等の作成  

b. 説明会の開催  

10.供用開始・事業進捗に向けての手続き

a. 各種手続き、及び管理台帳、運転日報・月報等の作成  

b. 水質管理計画の作成  

ミャンマー国ヤンゴン市

上下水道改善プログラム協力準備調査 第 5 巻 下水道・排水(要約)

3-4 3.2 下水道計画

下水道計画フレーム 3.2.1

(1) 人口予測

人口予測は、水道計画で用いたものと同様、「2012 年 JICA ヤンゴン都市圏調査」で想定された タウンシップ別の人口とする。YCDC 内では 2011 年の人口 514 万人が 2025 年、2040 年にはそれぞ れ、646 万人、852 万人に増加するものと推計される。YCDC と周辺 6 タウンシップの総人口は 2011 年、2025 年、2040 年でそれぞれ、557 万人、798 万人、1,173 万人に達するものと推計される。

(2) 下水量

下水量は水道の供給量を基に算定する。実際に家庭等で消費された水量に地下水等の浸透量を 加えたものを発生下水量とする。家庭等の消費量は水道の給水量から漏水量を除いたものである。

なお、大規模な工業団地等で独自の水源を利用しているような大規模工場は工場排水規制を遵守 する排水処理施設を設けるものとし、下水道の対象外とする。

下水量については日平均下水量、日最大下水量、時間最大下水量を推定する。日平均下水量は 年間の下水総量を 365 日で除した値で、使用料収入の計算等に用いられる。日最大下水量は計画 年次における年間で最大の下水量発生の 1 日当たりの下水量であり、主に下水処理場の設計に用 いられる。時間最大流量は最大下水量日における 1 時間当たりのピーク流量であり、管渠、ポン プ場、処理場内のポンプや導水渠の設計に用いられる。日最大下水量は日平均下水量の 1.1 倍と し、時間最大下水量は日最大の 1.5 倍とする。これらはいずれも水道計画の考え方と統一したも のである。

地下水量はヤンゴン市の実測データや設計例が得られないため、東南アジアの類似都市として バンコクで採用されている 10m3/ha/day を採用する。ただし、タウンシップの実質面積(行政面 積から水面と大規模公園を除いたもの)を基に計算しており、これから開発されるところでは実 際の市街地面積よりも過大に計算される。したがって、地下水量が下水量の 30%を超えるタウン シップについては 30%を上限とした。2040 年における発生下水量を表 S.11 に示す。地下水量につ いては日最大も時間最大も日平均量と変わらないものとする。

表 S.11 発生下水量(日平均)

出典:JICA 調査団

(3) 排除方式

一般的に下水道の排除方式は、汚水と雨水を別々に収集する分流式と一緒に収集する合流式に 区分される。ヤンゴン市の状況を踏まえ、以下の理由により分流式を採用する。なお、YCDC の法 令による、方式の選定は確認されていない。

1 既設の下水道整備区域は分流式である。

2 雨水の降雨強度は高く、合流管の口径は過大となる。

3 地形的に雨水排水は容易に河川等に排水可能である。

4 合流式に比べ、汚濁負荷の削減が大きく、将来の水質汚濁防止に有利である。

分流式、合流式に加え、最終的にはいずれかの方式となるが暫定的な形態として、インターセ プター下水道がある。これは現在汚水が流れている水路や管を河川への放流点直前で遮集する雨 水吐きと汚水を処理施設まで流下させる遮集幹線から構成される。多額の費用を要する枝管や各

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