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授業評価オンラインアンケート概要

第6章 授業評価アンケート結果分析

6.1 授業評価オンラインアンケート概要

NBLT による交流型の授業について、中国と日本の学生に対し、授業評価アンケートを 行った。国際情報高校は、2009年2月、CALL教室での最後の授業時間内にオンラインア ンケートを実施した。求実高校は、当初オンラインアンケートを実施する予定であったが、

中国側のパソコン教室の利用制限により、2010年春に同内容の紙のアンケートを準備して 中国側の教師に実施を依頼し、7月に筆者が高校を訪問した際に回収して、帰国後、オンラ インアンケートに入力した。オンラインアンケートは、Moodle37で作成した。その理由は、

ユーザー管理及びデータの収集、分析、加工が容易であること、多言語対応しており日本 語と中国語の両方を1つのサイト上で同時に管理できるためである。アンケートの質問項 目及び説明文は、日本側用(日本語)と中国側用(中国語)で個別に作成した。

Moodleは、CMS(Course Management System)、LMS(Learning Management System)、

仮想学習環境(Virtual Learning Environment)などを構築するためのフリーのオープン ソースソフトウェアである。教育関連の e ラーニングサイトやコンテンツ作成、運営、管 理用のソフトウェアとして普及しており、デザインテンプレートも豊富で、問題作成、成 績評価、アンケート作成など授業内で使用する各種活動モジュール(Activity Module)が 搭載されており、オリジナルのeラーニングサイトを低コストで比較的容易に構築できる。

フォーラムも充実しており、日本語化に関する情報も多数提供されている。導入時のトラ ブルなどをユーザー間で交流して解決し合うコミュニティとしても充実している。Magic3 と同様、PHPが動作する環境であればどのコンピュータでも利用できるので、「中日学生交 流網」サイト構築時に作成した MySQL データベースを利用して、アンケートページ専用 のサイトを新たに構築した。Moodle本体は公式ホームページからダウンロードして入手で きる。各アンケートページの作成にあたり、「フィードバック(Feedback)」活動モジュー ルを追加で設定した。各種の活動モジュールは、公式ホームページの「Modules and

plugins」38からダウンロードして入手できる。この活動モジュールは、質問項目の種類が

豊富で編集の自由度が高く、アンケート結果を自動的に集計しグラフ表示するなど、一定 の分析機能を備えており、アンケートと調査や分析に時間をかけられない多忙な高校教師 にとって非常に有効なツールである。

37 http://moodle.org/

38 http://moodle.org/mod/data/view.php?d=13&rid=95&filter=1

図6.1 「高校中国語教育・学習改善のためのアンケート調査」トップページ(ログイン後)

授業評価アンケートは、アンケート調査同意書(アンケート趣旨の説明及び同意署名)

と質問3項目で構成されている。質問3項目は、「中日学生交流網」サイトのコンテンツの まとまりに対応している。

(1) アンケート調査同意書

(2) 自習項目(パソコン設定・ピンイン入力・入力練習)に関するアンケート

(3) 交流項目(異文化比較投票)に関するアンケート

(4) 交流項目(中文交流BBS)に関するアンケート

図6.2 アンケート調査同意書(左:日本語/右:中国語)

図6.3 自習項目(パソコン設定・ピンイン入力・入力練習)に関するアンケート

図6.4 交流項目(異文化比較投票)に関するアンケート(左:日本語/右:中国語)

図6.5 交流項目(中文交流BBS)に関するアンケート(左:日本語/右:中国語)

アンケートは基本的に、5スケールの質問項目及び自由記述回答で構成した。質問項目の 内容については、インストラクショナルデザイン(ID)モデルの中で、「魅力」に関する要 素としてジョン・ケラーが提唱する ARCS モデルが(Keller, 1984)を参考とし、学習意 欲を、「注意(Attention)」、「関連性(Relevance)」、「自信(Confidence)」、「満足感

(Satisfaction)」という 4 つの側面でとらえる方針を採用した。具体的には、学習意欲の 要因(鈴木, 1995)を参考とし、以下のような学習意欲のデザインの要素を取り入れて設定 した。

表6.1 学習意欲デザインの第一原理

1.学習への意欲は、学習者の好奇心が現在の知識の中のギャップを知覚して刺激された とき、増進される。【面白そう、何かありそう】

2.学習への意欲は、学ぶべき知識がその人のゴールに有意義に関連があると気づいたと き、増進される。【課題がわかる、将来的価値がありそう、プロセスにやりがいがある】

3.学習への意欲は、学習者が学習課題をマスターすることに成功できると思うとき増進 される。【初期に繰り返し成功体験、やればできる】

4.学習への意欲は、学習者が学習課題に満足な結果を予想し経験するとき、増進される。

【振り返ってみて努力が実を結んだ、やってよかったという満足感、次への意欲喚起】

5.学習への意欲は、学習者が彼らの意図を保護するために意志(自己調整)の方略を使 うとき、増進され、かつ、維持される。【自分なりの工夫、思い通りやって問題解決に 成功】

※鈴木 克明(2010)より引用(Keller, 2008第1章における訳出)【 】内の解釈は筆者による。