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第8章 技術評価力育成に向けたカリキュラムデザインと授業モデルの構築

3. 技術評価力育成に向けた授業モデルの構築

3.2 授業モデルの提案

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次節では,提案したカリキュラムデザインに即して,題材設定及び授業展開を活かした授業 モデルの提案を行う。

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評価,Step3.コントロールから構成されるTAプロセスを技術評価の学習で取り組ませること とする。その際に,技術評価力指導の力点として把握された技術評価観点や視点を評価対象と なる技術や対象となる学年に応じて変容させることとしている。

この授業モデルを上述したカリキュラムデザインに当てはめると,各内容に応じて図Ⅷ-2~

図Ⅷ-5のように授業モデルを示すことができる。

技術の両面性認識 技術の選択・活用

の重要性(現在)

技術の選択・活用 の重要性(未来)

仕組み理解

選択・活用 評価

フェーズ1:技術ガバナンス意識を高める段階

フェーズ2:技術評価力を高める段階 Step.1 事実認識

評価対象技術の仕組みや及ぼす影響の理解

Step.2 評価

技術のもたらすメリット及びデメリットの判断

Step.3 コントロール

技術の発展に向けてどうしていくべきかの提言 題材設定や授業展開

T A

判断軸

【評価対象技術】

森林資源を 活用する技術

肯定的な視点 歴史的・文化的な視点

否定的な視点 現実的課題憂慮の視点

(1)生活や社会を支える技術

〇材料や加工の特性等の原理・法則と材料の製造・

加工方法等の基礎的な技術の仕組み等について理 解すること

〇技術に込められた問題解決の工夫について考 えること

(2)技術による問題解決

〇製作に必要な図をかき,安全・適切な製作や検 査・点検等ができること

〇問題を見いだして課題を設定し,材料の選択や 成形の方法等を構想して設計を具体化するととも に,製作の過程や結果の評価,改善及び修正に ついて考えること

(3)社会の発展と技術

〇生活や社会,環境との関わりを踏まえて,技術の 概念を理解すること

〇技術を評価し,適切な選択と管理・運用の在り方 や,新たな発想に基づく改良と応用について考え ること

【意思決定】

【技術評価観点】

技術史的な背景と経過 ニーズ 消費生活への影響

図Ⅷ-2 1年生を対象とする「森林資源を活用する技術の今後の在り方」を取り上げた授業モデル

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技術の両面性認識 技術の選択・活用

の重要性(現在)

技術の選択・活用 の重要性(未来)

仕組み理解

選択・活用 評価

フェーズ1:技術ガバナンス意識を高める段階

フェーズ2:技術評価力を高める段階 Step.1 事実認識

評価対象技術の仕組みや及ぼす影響の理解

Step.2 評価

技術のもたらすメリット及びデメリットの判断

Step.3 コントロール

技術の発展に向けてどうしていくべきかの提言 題材設定や授業展開

T A

判断軸

【評価対象技術】

SNS

肯定的な視点 個人・ユーザの視点

否定的な視点 社会・ノンユーザの視点

(1)生活や社会を支える技術

〇情報の表現,記録,計算,通信の特性等の原理・

法則と,情報のデジタル化や処理の自動化,システ ム化,情報セキュリティ等に関わる基礎的な技術の 仕組み及び情報モラルの必要性について理解する こと

〇技術に込められた問題解決の工夫について考え ること

(2)or(3)技術による問題解決

〇情報通信ネットワークの構成と,情報を利用する ための基本的な仕組みを理解し,安全・適切なプロ グラムの制作,動作の確認及びデバッグ等ができる こと。

〇問題を見いだして課題を設定し,使用するメディ アを複合する方法とその効果的な利用方法等を構 想して情報処理の手順を具体化するとともに,

制作の過程や結果の評価,改善及び修正につい て考えること。

(4)社会の発展と技術

〇生活や社会,環境との関わりを踏まえて,技術の 概念を理解すること

〇技術を評価し,適切な選択と管理・運用の在り方 や,新たな発想に基づく改良と応用について考え ること

【意思決定】

【技術評価観点】

事故の危険性と事例 流通システムへの影響 しくみや科学的な原理 人間による制御可能性

図Ⅷ-3 2年生を対象とする「SNSの今後の在り方」を取り上げた授業モデル

技術の両面性認識 技術の選択・活用

の重要性(現在)

技術の選択・活用 の重要性(未来)

仕組み理解

選択・活用 評価

フェーズ1:技術ガバナンス意識を高める段階

フェーズ2:技術評価力を高める段階 Step.1 事実認識

評価対象技術の仕組みや及ぼす影響の理解

Step.2 評価

技術のもたらすメリット及びデメリットの判断

Step.3 コントロール

技術の発展に向けてどうしていくべきかの提言 題材設定や授業展開

T A

判断軸

【評価対象技術】

原子力発電

肯定的な視点 リスク管理・技術発展の視点

否定的な視点 リスク回避・現状維持の視

(1)生活や社会を支える技術

〇電気,運動,熱の特性等の原理・法則と,エネル ギーの変換や伝達等に関わる基礎的な技術の仕組 み及び保守点検の必要性について理解すること

〇技術に込められた問題解決の工夫について考 えること

(2)技術による問題解決

〇安全・適切な製作,実装,点検及び調整等ができ ること

〇 問題を見いだして課題を設定し,電気回路又 は力学的な機構等を構想して設計を具体化すると ともに,製作の過程や結果の評価,改善及び修正 について考えること

(3)社会の発展と技術

〇生活や社会,環境との関わりを踏まえて,技術の 概念を理解すること

〇技術を評価し,適切な選択と管理・運用の在り方 や,新たな発想に基づく改良と応用について考え ること

【意思決定】

【技術評価観点】

人間による制御可能性 世論 しくみや科学的な原理

技術の将来展望 流通システムへの影響

図Ⅷ-4 2年生を対象とする「原子力発電の今後の在り方」を取り上げた授業モデル

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例えば図Ⅷ-2は,1年生を対象とする技術評価力育成に向けた授業モデルを示したものであ る。フェーズ1では,技術ガバナンス意識を高めるために,「仕組み理解」,「選択・活用」,

「評価」の習得感と影響を示す技術ガバナンス意識とを関連付けた題材設定や授業展開を行う 必要性を挙げている。また,フェーズ2では,技術評価の学習において「森林資源を活用する 技術の今後の在り方」を取り上げることを想定している。ここでは,肯定的な視点として歴史 的・文化的な視点,否定的な視点として現実的課題憂慮の視点を技術評価力の指導の力点とし て取り上げる必要性がある。同様に,図Ⅷ-3は,2年生を対象として「SNSの今後の在り方」

を取り上げた授業モデル,図Ⅷ-4は2年生を対象として「原子力発電の今後の在り方」を取り 上げた授業モデル,図Ⅷ-5は3年生を対象として「遺伝子組み換え技術の今後の在り方」を取 り上げた授業モデルである。これら授業モデルに即して,フェーズ1及びフェーズ2から構成 される授業を展開していくことが,技術評価力の育成に向けて効果的ではないかと考えられる。

次章では,この授業モデルに即して技術評価力育成に向けた実践を試みるとともに実践の評価 を行うこととした。

技術の両面性認識 技術の選択・活用

の重要性(現在)

技術の選択・活用 の重要性(未来)

仕組み理解

選択・活用 評価

フェーズ1:技術ガバナンス意識を高める段階

フェーズ2:技術評価力を高める段階 Step.1 事実認識

評価対象技術の仕組みや及ぼす影響の理解

Step.2 評価

技術のもたらすメリット及びデメリットの判断

Step.3 コントロール

技術の発展に向けてどうしていくべきかの提言 題材設定や授業展開

T A

判断軸

【評価対象技術】

遺伝子組み換え 技術

肯定的な視点 生産・経済活動の視点

否定的な視点 消費・社会的影響の視点

(1)生活や社会を支える技術

〇育成する生物の成長,生態の特性等の原理・法則 と,育成環境の調節方法等の基礎的な技術の仕組 みについて理解すること

〇技術に込められた問題解決の工夫について考 えること

(2)技術による問題解決

〇安全・適切な栽培又は飼育,検査等ができること

〇問題を見いだして課題を設定し,育成環境の調 節方法を構想して育成計画を立てるとともに,栽培 又は飼育の過程や結果の評価,改善及び修正に ついて考えること

(3)社会の発展と技術

〇生活や社会,環境との関わりを踏まえて,技術の 概念を理解すること

〇技術を評価し,適切な選択と管理・運用の在り方 や,新たな発想に基づく改良と応用について考え ること

【意思決定】

工夫・創造

【技術評価観点】

世論 ニーズ 環境問題との関わり 生産システムへの影響

図Ⅷ-5 3年生を対象とする「遺伝子組み換え技術の今後の在り方」を取り上げた授業モデル