第 4 章 保守作業支援システムの開発
4.3 指示対象位置の位置推定機能の開発
通信機能から得られる情報画像から指示対象位置の3次元位置を求めるための処理 を、図4.5に示す。
通信機能から取得した時刻tのときの視界画像Imgtに対して、現場監督が情報画像 Ifmtを作成し、そのときの画像中の指示対象位置をStとする。このとき、まず、3次 元直線取得部で、時刻tにおける作業員の位置O とStから、3次元空間内で指示対象
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図 4.5: 指示対象位置の位置推定機能の処理部
位置の3次元位置S を通る直線Lを求める。次に、自然マーカ検索部で、時刻tに抽 出された自然マーカMtの中から、直線Lとの距離が最も小さいマーカを検索し、mt とする。そして、指示対象位置の3次元位置推定部で、自然マーカmtと作業員との距 離から、指示対象位置の3次元位置S を求める。
以下で、それぞれの部分について説明する。
4.3.1 3 次元直線取得部
通信機能によって得られた、視界画像中の指示対象位置を2次元座標Stから、視界 画像における指示対象位置の3次元位置Sを計算する。図4.6に示すように、作業 員の3次元位置O と、視線方向k 、視界画像中のx軸の3次元ベクトルi 、y軸の3 次元ベクトルj とする。これらから、小型CCDカメラの焦点距離fを用いてSを 計算する。その後、SとO から、3次元空間内の直線Lを計算する。このように して求めた直線Lは、3次元空間中にある指示対象位置を通る。具体的な計算方法は、
3.6で述べた方法で行う。
ここで求めた直線Lは、次の自然マーカ検索部で使用する。
4.3.2 自然マーカ検索部
時刻tの視界画像中の自然マーカMtと3次元直線取得部で取得した直線Lとの距離 を求め、最も小さい値のマーカを検索する。
xt
yt
x y
img
St
it jt
kt
f Ot
図 4.6: 3次元直線取得部のイメージ
4.1.9で作成した自然マーカデータベースから、時刻tの視界画像中の自然マーカMt
を取得し、マーカMtの中で3次元位置が既知であるマーカMkt と3次元位置が未知の マーカMut に分ける。その後、マーカMkt 内の全てのマーカに対して、マーカの3次元 位置と直線Lとの距離を計算し、その中で最小の距離となるマーカmtを求める。距離 の計算方法は、3.6で述べた方法で行う。
このようにして求めたマーカmtは、次の指示対象位置の3次元位置推定部で使用 する。
4.3.3 指示対象位置の 3 次元位置推定部
マーカmtの3次元位置m と作業員の3次元位置O との距離から、指示対象位置 の3次元位置S を推定する。このとき、
m −O ∼S −O (4.2)
であると仮定するため、直線L上の点でO から距離m −O だけ離れている点を 求める。このようにして求まる点の中でm との距離が小さい点の3次元位置をS と 推定する。
以上のようにして求まった指示対象位置の3次元位置S と情報画像Ifmtは、情報画 像データベースに記録する。