1.目的 豆.方法
1.教材の評価者の概要 2.評価時期
3.評価内容 4.実施方法
皿.結果及び考察 1・教材自体の評価
2・本教材使用による学習目標の可能性 3・教材の使用希望
4・「保育」教材必要条件に対する本教材の適合性 5・教材の問題点
6・教材への要望 w.要約
第4章 指導者の評価による本教材の有効性の検討
1.目的
第1章では、 「保育」学習に関連する教材の実態調査から「保育」指導上の問題 点を明らかにし、教材に求められている条件を検討した。第2章では、その条件を 満たし、生徒に「乳幼児の発達」について理解させるための教材の開発を行った。
そして、第3章では、開発した教材の模擬使用実験を行い、学習者による評価から 教材の有効性を検討した。
しかし、学習者側による評価だけでなく、実際に教材を使用して指導する教師が 本教材をどのように評価するのかについて、把握することも必要である。
そこで、本章では、開発した教材を高等学校の家庭科教師に使用してもらい、指 導者側の評価から教材の有効性を検討することを目的に研究を行った。
1.方法
1.教材の評価者の概要
教材の評価者は、兵庫県の公立高校家庭科教師30名である。評価者の属性を図1 に示す。30才代、40才代を中心とした、教師経験10〜20年以上のベテラン教師が 全体の約の65%を占めており、ほとんどが専任教師である。子どものいる者といな い者の比率は1対1である。現在、乳幼児を育てている教師は、14.3%である。
20代 30代 40代 50代 未記入
教諭の年齢 10.0
教師経験:
専任・講師別
未婚・既婚
10年未満 10〜20 20〜30 30以上 繍菱蔑33.3. 2
未婚
il難1蒙1灘i灘藝1郷・毎…・3
専任 90.0
既婚
講師
4αδ糞
無 有
子供の有無
子供の人数
46.ケ 53.3iii
1人 2人
0〜4 5〔一9 10〜14
3人 4人
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15一・19 20〜24 子供の年齢 ・・
蜻p;il藝i鋸粥
!430 50
図1 家庭科教師の属性
100
%
2.評価時期
平成9年5月23日(金)に、兵庫教育大学情報教育実習室で行った。
3.評価内容
(1)教材自体の評価
芦葉1)が作成した学習用ソフトウェアの評価基準を参考にして、14項目の質問を 設定し、5段階評価を実施した。この評価基準は、教師の学習用ソフトウェアの選 定を支援するために、ソフトウェアの特徴とその良さを明確にすることを目的とし て作成されたものである。芦葉は、良い学習用ソフトウェアを「教育的に価値が高
く、教育的に有効であって、しかも学習者が使いやすいもの」と定義づけ、内容・
技術・運用の3つの側面から評価項目の検討を行っている。
今回の評価では、作成した教材に対応させてこの3つの側面から質問項目を検討
した。
(2)本教材使用による学習効果
本教材を使うことによってどの程度学習効果が期待できるのかを、5段階で評価 してもらうよう依頼した。質問項目は、 「家庭一般」 「生活一般」 「生活技術」の
「保育」領域の「乳幼児の保育」の学習目標2)から、10項目を設定した。
(3)本教材の使用希望
「本教材を授業で使用したいと思うか」を5段階で評価してもらい、さらに、教 材について感じたことなどを自由に記入してもらった。
評価内容は、資料4−1として示す。
4.実施方法
家庭科教師30名に1台ずつの計30台のコンピュータと、それらのコンピュータに データを送り出すメインコンピュータとの計31台のコンピュータを使用した。
初めの約10分間に教材内容の説明を行った(図2)。まず、教材の構成の概要と して、レイアウト1が乳幼児の行動状況、レイアウト2がデータの一覧、レイアウ 一58一
ト3が映像の解説であることを画面を示しながら説明した。次に、実際の映像を提
示した。
教材内容の説明 1精成の概要 2.実際の映像
提示
自分のコンピュータ
.の画面をみながら、
説明を闘く
補助説明
メインコン ピュータを実 際に操作するヒ
メインコンピュータ上で操 作されている映像を、自分
のコン.ビュータで見る
図2 家庭科教師による評価のプロセス
「乳幼児の発達」に関する6つの各発達の中で、年齢ごとの典型的な発達を表す 映像を29選び、それを年齢順に並べた。さらに、全身運動の申の一連の発達(這う
→歩く→後ずさり)と、巧緻運動の申の指の発達に関する映像を発達段階ごとに並 べた。最後に同じ年齢であっても、発達には個人差があることを表している例とし て、3人の4歳児達の中で、スキップのできる子どもとできない子どもが同時に映っ ている映像を提示した。評価に使用した映像項目を表1に示す。
表1 教師の評価に用いたデータ項目
年 齢 発. 達 行 動
0〜2ケ月 空聞でうつ伏せにして水平に支えると、頭を垂直にあげる 0〜2ケ月 顔の正面で水平に動く物を目でおう
3〜5ケ月 うつ伏せで肘をのばして手を突っ張って、上半身を床からもちあげる 3〜5ケ月 動く物を目で追いながら、顔を動かす
3〜5ケ月 人の声や音がする方向に顔を向ける
3〜5ケ月 親しい人に抱かれようとして、手を差し出す 6〜11ケ月 仰向けからうつ伏せに寝返りをする
6〜11ケ月 聞き慣れた音や見慣れた手の動きを模倣する
6〜11ケ月 「いけません」という声を聞くと、今していることを中断する・
6〜11ケ月 他の人がイナイイナイバーをしているのを見て笑う 6〜11ケ月 手を使って食べる
1歳 数段の階段を休まずに、四つ這いで降りることができる 1歳 型はめ板に図形を正確に入れる
1歳 ・何かしてもらいたい時に、単語を使って意志表示をする。「のせて、のせて。」
1歳 こぼすが、自分でスプーンで食べ、コップを持って飲む 2歳 一人で階段を登り降りする
2歳 それぞれが全く異なる物をある要素別に分類する
2歳 好きなことを始められない時や、続けてすることを妨げられた時に泣く 2歳 一人で飲む
3歳 自分が見たり聞いたりしたことを、他人に話せる 3歳 兄弟や遊び友達に対して、愛情を示す
3歳 一人で洗面したり、顔や手を拭くことができる 4歳 でんぐり返りができる
4歳: のりやセロテープを使って、物をつなげたり、はりつけたりできる 4歳 友達と競争し、勝つことを喜ぶ
5歳 内部の透写された絵を描く 5歳 しりとりをする
5歳 くやし泣き、こらえ泣きをする 5歳 じゃんけんのルールを理解する
年 齢 発 達 行 動 6〜11ケ月 おなかを床につけたまま、腹這いをして自ら前に進む 6〜11ケ月 両手両膝で支えて、四つ這いで前進する
1歳 一人歩きをする 2歳 走ることができる 3歳 後ずさりができる
3歳 自分でブランコをこぐことができる。(2歳児と比較してみよう)
3〜5ケ月 親指と人差し指と手のひらの一部で物を握る 6〜11ケ月 親指と人差し指で物をつまむ
2歳 先の丸いハサミで紙を切る
3歳 ハサミは使えるが、線の通りに切ることは難しく、ただ切り刻んだり、かってに切る 4歳 簡単な形が切り抜ける
4歳 スキップができる
これら合計41の映像ファイルを順にメインコンピュータ上で作動させると同時に、
各コンピュータにも同じ画面を映し出した。その際、マウスで生徒に注目させたい 部分を、指導者が差し示すことができたり、映像を繰り返し見せることができるな
ど、本教材の使用方法について、実践しながら説明を加えた。
すべての映像を見せた後、評価者に1同ずつ実際にメインコンピュータを操作し てもらった。コンピュータの操作中に、操作方法について補足したり、質問に答え
たりした。
全体で約50分間の操作終了後、質問紙に無記名で記入するよう依頼した。
m.結果及び考察
1.教材自体の評価
本教材について、内容・展開の適切性、構成上の特性、拡張性、操作性、柔軟性、
効果的活用の6つの観点から評価を得た。
(1)内容・展開の適切性
「コンピュータを操作させることで、学習に対する興味・関心をもたせやすい」
「説明文の文章表現はわかりやすい」 「音声による説明など、提示機能が効果的に 用いられている」 「生徒が理解できる内容である」については80%以上が、 「非常 にそう思う」 「ややそう思う」と解答している。 「文字の大きさや映像など、画面 構成はわかりやすくなっている」に関してのみ60%と低く、その理由として「音声 の説明や映像が不鮮明」 「画面が小さい」ということが指摘されていた。修正を行 う必要があると考える。
非常にそう思う ややそう.思う どち.らでもない コンピュータを操作させることで、学習
に対する興味・関誉をもたせやすい
説明文の文章表現はわかりやすい
文字の大きさや映像など、画像構成はわか りやすくなっている
音声による説明など、提示機能が効果的に 用いられている
生徒が理解できる内容である
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5QO 繊・ミ・ロ・下灘i・33
ややそう思わない
333 職ヒ≧、・縁 騒5a3騨嚢錨、醜灘醐ao 33
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、 、博、、 、㌧ 、、、 、
50 100%
図3 内容・展開の適切性
(2)構成上の特性
「授業中に学習内容に関する教師の補助説明が加えやすい」 「教師の説明を想定 した画面になっていることで、教師の指導にあわせやすいように工夫されている」
のどちらも、90%以上が肯定的な評価となり、 「全くそう思わない」 「ややそう思 わない」というような否定的な評価は全くなかった。これらの項目は、第1章で明
らかになった「保育」教材に望まれる条件であり、本教材の特徴の一つとなってい る。この点について、学校で実際に指導にあたっている教師から高い評価を得られ たことによって、本教材の有効性が示唆される。
非常にそう思う やや.そう思う どちらでもない 授業中に学習内容に関する教師の補
助説明が加えやすい
教師の説明を想定した画面になってい ることで、教師の指導にあわせやすい ように工夫されている
5QO 籔箋、433雛、慧67
500 一襯愚・・襲蕪蕪灘達
、、、、、、、、@ 、、 、、凌 、
3.3
0 50 100%
図4 構成上の特性
(3)拡張性
「学習者の興味・関心に従って、選択学習をさせることができる」について、約 90%の教師が肯定的な評価をしている。生徒自身が自分でコンピュータを操作し、
映像や説明を自由に選択できる本教材は、授業においても課外活動においても学習 者の興味・関心に応じた学習活動を展開できるという点が評価されたといえる。
どちらでもない
ややそう思わない
学習者の興味・関心に従って、選択学 習をさせることができる
非常にそう愚う ややそう思う ややそ
i…i華贈:1: 難…欝三二;藷ii難灘 33
0 50 王0096
図5 拡張性