4. 指先 3 次元位置推定 27
4.3 指先の 3 次元位置推定
4.3.4 指先 3 次元位置拘束
visual coneは,対象の真の形状(指領域)と必ず接する(図37参照).すなわ
ち,visual hull の中から,この接する領域を求めることができれば,visual hull 中の指位置が決まるため,その位置情報を拘束条件とすることによって正確な指 先推定が可能となる.
複数のカメラで観測された visual cone群の交わりは 3次元の線として表現で きる.本システムのように2台のカメラ間の視差が極端に小さい場合,左右カメ ラそれぞれの visual cone と真の指領域が接する 2線間(図37中のTLLとTRL 間とTLRとTRR間)の距離は非常に小さい.図37は,指の断面図を表している
ため,visual cone同士の交線は点として示されている.また,図から分かるよう
に,左右カメラそれぞれの visual cone が交差する線は,真の指領域が接する 2 点の中線にほぼ等しい.よって,この visual cone が交差する線が「visual cone と真の指領域が接する領域」であると近似することができる.
しかし,一般に,任意曲面によって構成される物体を観測した複数カメラの
visual coneの交線は3次元曲線となるが,この3次元曲線を安定に求めることは
困難である.但し,投影するシルエットの輪郭が直線であれば,投影される3次 元形状は平面であり,visual coneの交線も3次元直線となるため,問題を簡単に することができる.指の輪郭直線部(図38参照)を投影した平面の交線と真の 指形状との関係を図40に示す.本システムでは,ウェアラブル仮想タブレットを 操作する際,操作する指の関節は曲げないという拘束を設けているため,上記の
「投影するシルエットの輪郭が直線である」という仮定は妥当なものである.そ こで,本システムでは,両観測画像上の指先シルエットの輪郭直線を3次元空間 中に3次元平面として投影し,それらの交線を真の指形状と接する直線とみなす.
このとき,指とステレオカメラの相対的な位置関係に関わらず,指輪郭直線部か
ら求めた 2本の visual cone の交線の中線(以下,指3次元直線)上付近に真の
指先が存在するはずである(図39,40中のcenter of intersection).よって,指 先 3次元位置の探索を指 3次元直線上に限定することができる.
outline of a finger
outline Left outline Right
図 38 指輪郭直線部
visual cone L visual cone R finger
intersection Left
intersection Right center of
intersection
図 39 指3次元直線
図40中,左カメラに撮像された指輪郭直線部の左側をoutline LeftL,右側を outline RightL,指輪郭直線部の左側を投影した平面をPlane LeftL,右側を投影し た平面をPlane RightLとする.
右カメラについても,同様にoutline LeftR,outline RightR,Plane LeftR,Plane RightR
camera L Projection CenterL
Projection CenterR
camera R
image L image R
outline LeftL
outline RightR
outline LeftR
outline RightR
3D Projected Plane LeftR
3D Projected Plane RightR 3D Projected
Plane LeftL
3D Projected PlaneRightL
intersection Left
intersection Right finger
center of intersection
図 40 visual coneと対象物体の関係
とした.
また,Plane LeftLとPlane LeftRの交線(3次元直線)をintersection Leftとす る.同様に,intersection Rightを定義する.