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(TPO)抗体 ◎

慢性甲状腺炎の細胞診所見 リンパ球浸潤と甲状腺濾胞細胞の 好酸性変性が認められます.

慢性甲状腺炎の組織診所見 リンパ球浸潤,甲状腺濾胞細胞の 好酸性変性,甲状腺濾胞の破壊が 認められます.

臨床的特徴

104 自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL 自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL 105

慢性甲状腺炎 ( 橋本病 )

自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL

慢性甲状腺炎(橋本病)の診断ガイドライン

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バセドウ病

 バセドウ病は自己免疫機構により甲状腺の活動性が亢進する 疾患です.本疾患では TSH レセプターと反応する自己抗体(抗 TSH レセプター抗体)が甲状腺細胞を刺激する II 型アレルギー をひき起こし,正常のフィードバック機構からはずれて甲状腺 ホルモンが産生され続けることによって発症します.抗 TSH レ セプター抗体のほか,抗サイログロブリン(Tg)抗体,抗甲 状腺ペルオキシダーゼ(TPO)抗体も検出され,TSH は低下,

T

3

,T

4

は上昇します.

 また,バセドウ病に対する治療薬であるプロピルチオウラシ ル(PTU)投与後に抗好中球細胞質抗体である MPO-ANCA が陽性となる症例が報告されています *.

*…世羅…至子…他 ,…Modern…Physician,…21(8),…1073-1075,……2001

びまん性甲状腺腫,動悸・息切れ,眼球突出,易疲労,暑がり・発汗過多,

精神的不安定 関連自己抗体

自己抗体 疾患,病態との関連 MBL 関連製品 診断 基準

抗 TSH

レセプター抗体

バセドウ病未治療例

の 90% が陽性.

甲状腺刺激抗体 ◎

抗サイログロブリン

(Tg)抗体

バセドウ病の他,慢 性甲状腺炎(橋本病)

でも高率に出現.他 の甲状腺疾患でも検 出される.

抗甲状腺ペルオキシ ダーゼ(TPO)抗体

MPO-ANCA

バセドウ病に対する 治療薬であるプロピ ルチオウラシル投与 後に陽性になる症例 が報告されている.

CLEIA

ステイシア MEBLux™

テスト MPO-ANCA

ELISA

MESACUP™-2 テスト MPO-ANCA

IIF 法

フルオロ ANCA テスト

臨床的特徴

106 自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL 自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL 107

バセドウ病

自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL

バセドウ病の診断ガイドライン

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潰瘍性大腸炎(UC)

 潰瘍性大腸炎は主として粘膜を侵し,しばしばびらんや潰瘍 を形成する大腸の原因不明のびまん性非特異性炎症です.通 常,血性下痢と種々の程度の全身症状を示します.長期にわた り,かつ大腸全体をおかす場合には悪性化の傾向があります.

血便,粘血便,下痢,血性下痢,腹痛,発熱,食欲不振,体重減少,貧血,

関節炎,尿路結石,虹彩炎,結膜炎,膵炎,高アミラーゼ血症などの腸 管外合併症

p-ANCA(抗 HMG1/HMG2 抗体),リンパ球親和性抗体など 臨床的特徴

関連自己抗体

108 自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL 自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL 109

潰瘍性大腸炎

自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL

潰瘍性大腸炎(UC)の診断基準

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クローン病(CD)

 クローン病は原因不明で,主として若年者にみられ,潰瘍や 線維化を伴う肉芽腫性炎症性病変からなり,消化管のどの部 位にも起こりえます.消化管以外(特に皮膚)にも病変が起こ ることがあります.

 臨床像は病変の部位や範囲によって多彩で,発熱,栄養障害,

貧血などの全身症状や関節炎,虹彩炎,肝障害などの全身性 合併症が起こりえます.

腹痛,下痢,体重減少,発熱,肛門病変,消化管外合併症(貧血,低蛋 白血症,強直性脊椎炎,口内アフタ,結節性紅斑,壊疽性膿皮症,虹彩 炎,成長障害など)

ASCA (Anti-saccharomyces cerevisiae antibodies)

臨床的特徴

関連自己抗体

110 自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL 自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL 111

クローン病

自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL

クローン病(CD)の診断基準

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特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

 特発性血小板減少性紫斑病は血小板膜蛋白に対する自己抗 体が発現し,血小板に結合する結果,主として脾臓における 網内系細胞での血小板の破壊が亢進し,血小板減少をきたす 自己免疫性疾患です.最近,欧米において本症は,primary…

immune…thrombocytopenia と呼ばれることが多いようです.

種々の出血症状を呈します.通常,赤血球,白血球系に異常を 認めず,骨髄での巨核球産生能の低下もみられません.ITP の 診断は今でも除外診断が主体であり,血小板減少をもたらす基 礎疾患や,薬剤の関与を除外する必要があります.血小板減少 とは,血小板数 10 万 /μL 未満をさします.最近では,ITP に おいては血小板破壊亢進のみならず,血小板産生も抑制されて いることが明らかにされています.血小板自己抗体が骨髄巨核 球にも結合し,血小板の産生障害を引き起こしていると考えら れています.

関連自己抗体

自己抗体 疾患,病態との関連 MBL 関連製品 診断基準

血小板結合性免疫グロ

ブリン G(PAIgG) ◎

抗血小板自己抗体

血小板破壊亢進.血小 板産生障害.

112 自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL 自己免疫疾患の診断基準と治療指針 第 9 版,2018 年 4 月,発行 MBL 113

特発性血小板減少性紫斑病 特発性血小板減少性紫斑病

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の診断基準

厚生労働省「血液凝固異常症に関する調査研究」班 1. 自覚症状・理学的所見

出血症状がある.出血症状は紫斑(点状出血及び斑状出血)が主で,

歯肉出血,鼻出血,下血,血尿,月経過多なども見られる.関節 出血は通常認めない.出血症状は自覚していないが血小板減少を 指摘され,受診することもある.

2. 検査所見

(1)…末梢血液

①…血小板減少…

血小板 100,000/μL 以下.自動血球計数のときは偽血小板減 少に留意する.

②…赤血球及び白血球は数,形態ともに正常,ときに失血性または 鉄欠乏性貧血を伴い,また軽度の白血球増減を来すことがある.

(2)…骨髄

①…骨髄巨核球数は正常ないし増加…

巨核球は血小板付着像を欠くものが多い.

②…赤芽球および顆粒球の両系統は数,形態ともに正常.…

顆粒球/赤芽球比(M/E 比)は正常で,全体として正形成を 呈する.

(3)…免疫学的検査

血小板結合性免疫グロブリン G(PAIgG)増量,ときに増量を認 めないことがあり,他方,特発性血小板減少性紫斑病以外の血小 板減少症においても増加を示しうる.

3. 血小板減少を来たしうる各種疾患を否定できる.

4.…1 及び 2 の特徴を備え,さらに 3 の条件を満たせば特発性血小板 減少性紫斑病の診断を下す.除外診断に当たっては,血小板寿命 の短縮が参考になることがある.

※…血小板減少を来す他の疾患

薬剤または放射線障害,再生不良性貧血,骨髄異形成症候群,発作性夜間血色素 尿症,全身性エリテマトーデス,白血病,悪性リンパ腫,骨髄癌転移,播種性血管 内凝固症候群,血栓性血小板減少性紫斑病,脾機能亢進症,巨赤芽球性貧血,敗 血症,結核症,サルコイドーシス,血管腫などがある.感染症については,特に小 児のウイルス性感染症やウイルス生ワクチン接種後に生じた血小板減少は特発性血 小板減少性紫斑病に含める.

先天性血小板減少症としては,ベルナール・スーリエ(Bernard-Soulier)症候群,ウィ スコット・オルドリッチ(Wiskott-Aldrich)症候群,メイ・ヘグリン(May-Hegglin)

症候群,カサバッハ・メリット(Kasabach-Merritt)症候群などがある.

5. 参考事項 1. 症状及び所見 A.…出血症状

「出血症状あり,なし」,及び「出血症状」は認定基準判断材料と はしない.

B.…末梢血所見

・「白血球形態異常あり」あるいは「赤血球形態異常あり」の場 合は,白血病,骨髄異形成症候群(MDS)鑑別のため骨髄 検査を求める.

・「白血球数」が 3,000/μL 未満の場合,あるいは 10,000/μL 以上の場合は,白血病や再生不良性貧血あるいは MDS 鑑別 のため骨髄検査を求める.

・「MCV(平均赤血球容積)」が,110 以上の場合は骨髄検査を 求める.

・「血小板数」は,10 万 /

μ

L 以下が ITP 認定のための絶対条 件である.

・「白血球分画」で好中球が 30%未満,あるいはリンパ球が 50%以上の場合は,骨髄検査を求め

る.

C.…その他,参考となる検査所見

・その他,参考となる検査は特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

認定に必須の検査ではない.検査成績が不明又は未回答で あっても認定可とする(抗血小板自己抗体検査,網状血小板 比率,トロンボポエチン値は,いずれも保険適用外の検査で あり,多くの施設で実施は困難であるため)

▷「抗血小板自己抗体検査」が陽性の場合は,ITP の可能性 が非常に高い.陰性の場合も ITP を否定できないので認定 可とする.

▷「網状血小板比率」が高値の場合は,ITP の可能性が高い.

正常の場合も ITP を否定できないので認定可とする.

▷「トロンボポエチン値」は,高値,正常どちらであっても認定 可とする.

▷「HBs 抗原」,「抗 HCV 抗体」が陽性の場合,鑑別診断の 項で肝硬変を鑑別できるとしている場合は認定可とする.

▷「ヘリコバクタ・ピロリ菌」は,陽性,陰性いずれでも認定 可とする.

・「骨髄検査」については検査手技などにより有核細胞数や巨核 球数が低値となることがあるので,有核細胞数や巨核球数が 低値であっても ITP 認定可とする.

・「骨髄所見」で異型細胞が存在している場合は認定できない.

・「骨髄染色体検査所見」において MDS でしばしば認められる 染色体異常(5q-,-7,+8,20q-)などを認めるときは,認定できない.

(次ページへつづく)

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