法上 の不 利益 処分 につ いて 定義 する 同法 二条 四号 は、 その イに おい て、
﹁事 実上 の行 為及 び事 実上 の行 為を する に当 たり その 範囲
、時 期等 を明 らか にす るた めに 法令 上必 要と され てい る手 続と して の処 分﹂ を除 外し て いる
。こ こで 問題 とす るの は、 この イ後 段の
﹁事 実上 の行 為を する に当 たり その 範囲
、時 期等 を明 らか にす るた め に法 令上 必要 とさ れて いる 手続 とし ての 処分
﹂、 たと えば
﹁代 執行 の戒 告﹂ や﹁ 督促
﹂の 除外 が、 これ が処 分で あ るこ とを 前提 とし て創 設的 に除 外し たの かど うか
、と いう こと であ る。 一般 的な 理解 は必 ずし も処 分で ある とい う 立場 をと った もの では ない とい うも のの よう で
( )
ある
。し かし
、こ れま での 検討 から もは や明 らか なよ うに
、代 執行
50
の戒 告や 督促 は、 まさ に﹁ 事実 上の 行為 をす るに 当た りそ の… 時期
…を 明ら かに する
﹂と いう 点で
、処 分に あた る ので ある
。 確立 した 判例 によ れば
、﹁ 行政 庁の 処分
﹂と は、
﹁公 権力 の主 体た る国 また は公 共団 体が 行う 行為 のう ち、 その 行 為に よっ て、 直接 国民 の権 利義 務を 形成 しま たは その 範囲 を確 定す るこ とが 法律 上認 めら れて いる もの
﹂を いう
︵最 一小 判昭 和三 九年 一〇 月二 九日 民集 一八 巻八 号一 八〇 九頁 など
。︶ この 定義 を素 直に 読む と、 そこ には
﹁権 利義 務を 形成 する もの
﹂と
﹁権 利義 務の 範囲 を確 定す るも の﹂ の二 種類 が含 まれ てい るよ うに 読め る。 しか し、 後者 の﹁ 権 利義 務の 範囲 を確 定す るも の﹂ とし てど のよ うな もの があ りう るの かに つい ては
、こ れま で必 ずし も議 論が 盛ん で はな かっ たよ うに 思わ れる
。本 稿は この 点に 関し
、﹁ 事実 上の 行為 をす るに 当た りそ の範 囲、 時期 等を 明ら かに す るた めに 法令 上必 要と され てい る手 続と して の処 分﹂ こそ
、ま さに
﹁そ の行 為に よっ て、 直接 国民 の権 利義 務…
… の範 囲を 確定 する
﹂も のと して
、処 分性 が認 めら れて きた もの であ る、 とい うこ とを もっ てそ の答 えと した いと 思 う。
手続 を終 結さ せる﹁通 知﹂
ある 営業 につ いて 法令 上許 可制 が採 用さ れて いる 場合
、そ の営 業を する こと は法 令上 で一 般的 に禁 止さ れて いる
︵不 作為 義務 が課 され てい る︶ 状態 で、 許可 処分 があ って はじ めて この 禁止
︵不 作為 義務 が︶ 解除 され
、名 あて 人の 法 的状 態が 変更 され る。 不許 可処 分が され た場 合は
、名 あて 人の 法的 状態 は処 分の 前後 で終 始不 作為 義務 が課 され た 状態 のま まで 変わ らな い。 他の 申請 に対 する 処分 の場 合も 同様 で、 申請 を満 足さ せる 処分 があ って はじ めて 名あ て 人の 法的 状態 が変 更さ れる ので あり
、申 請拒 否処 分の 場合 は名 あて 人の 法的 状態 は一 定で ある
。で は、 なぜ 申請 拒 否処 分は 行政 行為
︵処 分︶ なの か。 塩野 宏は
、﹁ 申請 を拒 否す るの は、 手続 上、 実体 上の 理由 で、 形成 行為 をし ない とい う行 政の 側の 法的 判断 がな され てい るの で、 消極 的形 成行 為と 理解 する こと でよ い﹂ と
( )
する
。し かし
、﹁ 形成 をし ない
﹂と いう のは
﹁形 成を
51
する ため の要 件が 欠け てい る﹂ とい うこ とで ある から
、形 成要 件の 欠如 を﹁ 確定
﹂す る行 為な ので はな かろ うか
。 ちょ うど
、形 成訴 訟︵ 原告 が裁 判所 に対 し形 成判 決を 求め る訴 訟︶ にお ける 棄却 判決 が、 形成 要件 の欠 如に つい て既 判力 を生 じさ せる だけ の確 認判 決で ある のと 同じ で
( )
ある
。そ うす ると
、こ こで いう
﹁確 定﹂ とは 何を 意味 する のか
52
につ いて
、検 討が 必要 であ るだ ろう
。 今村 成和 は、 拒否 処分 のう ち、
﹁申 請書 の補 正不 能に よる 手続 上の 欠陥 によ る場 合﹂ は﹁ 実体 面に 触れ る以 前の 手続 的行 為に おけ る判 断と して
﹂、 手続 的行 為に あた るが
、﹁ あら かじ め定 めら れた 審査 基準 に照 らし て拒 否を 決す る場 合﹂ は﹁ 申請 され た許 認可 を認 容す るか しな いか の判 断に 基づ くこ とで ある から
、手 続的 行為 の問 題で はな い﹂ と
( )
する
。こ れは
、裁 判判 決と のア ナロ ジー でい えば
、訴 え却 下判 決と 請求 棄却 判決 に対 応し て、 手続 的行 為と
53
実体 的行 為と を区 別す るも ので ある とい えよ う。 しか し、 今村 説に おい て、 手続 的行 為と 実体 的行 為の 区別 は、 本 来、 その 効果 が実 体法 上の もの か手 続法 上の もの かに よっ てな され てい たの では なか ろう か。
﹁手 続的 行為 とは
、右 にい う実 体的 行為 と異 なり
、実 体的 な法 律関 係の 発生 また は変 動を もた らす 行為 と手 続的 に結 び 付く こと によ り、 その 法律 効果 を補 完す る法 律効 果︵
=手 続的 法律 効果
︶を もた らす 行政 行為 を指 して
( )
いる
。﹂
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﹁本 書で は、 行政 行為 を、 その 効果 が実 体法 と手 続法 のい ずれ の分 野に おい て生 ずる かに よっ て、 実体 的行 為と 手続 的 行為 とに 区別 する のを 基礎 的な 分類 とし てい る
( )
……
。﹂
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裁判 判決 との アナ ロジ ーを 用い ると すれ ば、 実体 的行 為と 手続 的行 為は
、訴 え却 下判 決と 請求 認容 判決 に対 応す るの では なく
、形 成訴 訟に おけ る認 容判 決︵
=形 成判 決︶ と棄 却判 決︵
=確 認判 決︶ に対 応す るも ので ある
。 曽和 俊文
・山 田洋
・亘 理格
﹃現 代行 政法 入門
﹄は
、﹁
﹇申 請を 拒否 する
﹈決 定に は、 申請 によ って 生じ た諾 否に つ いて の審 査を 受け るべ き申 請者 の地 位を 終結 させ
、申 請者 が申 請し た営 業等 が法 的に 許さ れな いこ とを 確定 する と いう 法的 効果 が付 与さ れて いる
﹂と
( )
する
。こ れは 核心 を突 いた 見解 であ ると 思わ れる
。い ささ か補 足し てお くと
、
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法令 上で 申請 に対 する 処分 の仕 組み を採 用す る︵ 私人 に申 請権 を保 障す る︶ とい うこ とは
、申 請に つい て法 令の 基準 に基 づい て諾 否の 決定 をす ると いう 仕組 みを 採用 する とい うこ とで あり
、こ の基 準は 少な くと もそ の目 的の 一つ と して 申請 者の 利益 を保 護す る趣 旨で 設け られ たも ので ある
。申 請拒 否処 分は
、こ の法 令上 保護 され た申 請者 の利 益 を否 定す る意 義を 有
( )
する
。
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以上 をま とめ ると
、こ うで ある
。申 請拒 否処 分は
、申 請手 続を 終結 させ ると いう 法的 意義 を有 する
。こ の申 請手 続に おい て、 処分 権者 には
、申 請者 の一 定の 権利 利益 を考 慮す べき こと が義 務づ けら れて いる
。申 請拒 否処 分は
、 この 法令 上保 護さ れた 申請 者の 利益 を否 定す るも ので ある
。し たが って
、申 請拒 否処 分は 行政 行為
︵処 分︶ であ る。 この 考え を押 し進 めれ ば、 申請 拒否 処分 でな くと も、 申請 手続 を終 結さ せる 意義 を法 令上 認め られ てい るも のに
つい ては
、処 分性 を肯 定で きよ う。 たと えば
、輸 入禁 制品 該当 通知 に関 する 最三 小判 昭和 五四 年一 二月 二五 日︵ 民 集三 三巻 七号 七五 三頁 は︶
、こ のよ うな 観点 から 説明 可能 であ る。 同判 決は
、当 時の 関税 定率 法二 一条 三項
︵現 在で は、 関税 法六 九条 の一 一第 三項 に移 され てい る︶ に基 づく 輸入 禁制 品に 該当 する 旨の 通知 なら びに これ に対 する 異議 の申 出に 対す る決 定お よび その 通知
︵同 条五 項︶ につ いて
、法 定さ れた 輸入 禁制 品に 該当 する とい う税 関長 の判 断 の結 果を 表明 する いわ ゆる
﹁観 念の 通知
﹂で ある とし つつ
、﹁ 税関 長に おい て、 輸入 申告 者に 対し
、関 税定 率法 二 一条 三項 の規 定に よる 通知 をし
、又 は、 更に
、輸 入申 告者 から の異 議の 申出 にか かわ らず 先の 通知 に示 され た判 断 を変 更す るこ とな く維 持し
、同 条五 項の 規定 によ る決 定及 びそ の通 知を した 場合 にお いて は、 当該 貨物 につ き輸 入 の許 可の 得ら れる べく もな いこ とが 明ら かと なつ たも のと いう こと がで きる と同 時に
、関 税定 率法 二一 条の 規定 の 趣旨 から みて
、税 関長 にお いて 同条 一項 三号 に該 当す ると 認め るの に相 当の 理由 があ る貨 物に つい て、 税関 長が 同 条三 項及 び五 項に 定め る措 置を とる 以外 に当 該輸 入申 告に 対し 何ら かの 応答 的行 政処 分を する こと は、 およ そ期 待 され 得な いと ころ であ り、 他方
、輸 入申 告者 は輸 入の 許可 を受 けな いで 貨物 を輸 入す るこ とを 法律 上禁 止さ れて い る︵ 関税 法一 一一 条参 照︶ ので ある から
、輸 入申 告者 は、 当該 貨物 を適 法に 輸入 する 道を 閉ざ され るに 至つ たも の とい わな けれ ばな らな い﹂ とし
、さ らに この
﹁当 該貨 物を 適法 に輸 入す る道 を閉 ざさ れる
﹂と いう 効果 につ いて
、
﹁輸 入申 告に 対す る税 関長 の応 答的 行政 処分 が未 了で ある 場合 に輸 入申 告者 がそ の間 申告 にか かる 貨物 を適 法に 輸 入す るこ とが でき ない とい う、 行政 事務 処理 手続 に伴 う一 般的
・経 過的 な状 態下 にお ける もの とは 異な り、 関税 定 率法 二一 条三 項の 規定 によ る通 知又 は同 条五 項の 規定 によ る決 定及 びそ の通 知︵
……
︶に よつ て生 ずる に至 つた 法 律上 の効 果で ある
、と みる のが 相当 であ る﹂ とし て、 処分 性を 肯定 して いる
。同 判決 のポ イン トは
、① 輸入 申告 に 係る 貨物 が輸 入禁 制品 に該 当す ると 税関 長が 判断 した 場合
、税 関長 がす べき 行為 とし ては
、法 令の 仕組 み上
、輸 入 禁制 品該 当通 知以 外に ない
、と りわ け輸 入申 告に 対す る応 答的 処分 をす るこ とは 考え られ ない とい うこ と、
②し た