I L
ハH
U T‑ EA
V 1 j
。
図
2‑ 1
. ジ ョ セ フ ソ ン 接 合 が 挿 入 さ れ た 超 伝 導 ル ー プ の 等 価 回 路1
b : バ イ ア ス 電 流 、1
c :制御電流、1
0 :ジ ョ セ フ ソ ン 接 合 の 臨 界 電 流 値 、1
j : ジ ョ セ フ ソ ン 接 合 に 流 れ る 電 流η1
u
q︑u
図
2‑ 2.
φG 3l1>0 Llb + M1c
位 相
O
とL.
Ib+M. Icと の 関 係 太 線 は エ ネ ル ギ 的 に 安 定 な 領 域 細 線 は エ ネ ル ギ 的 に 不 安 定 な 領 域図
2‑1
に 示 さ れ た 等 価 回 路 を 用 い て 超 伝 導 ル ー プ の ポ テ ン シ ャ ル エ ネ ル ギ を 導 出 し て み よ う 。 付 録Aに 示 さ れ て い る よ う に ジ ョ セ フ ソ ン 接 合 は ジ ョ セ フ ソ ン 電 流 10s
in
8、 接 合 容 量 Cj、 コ ン ダ ク タ ン ス Gjの 並 列 接 続 と し て 表 さ れ る 。 バ イ ア ス 電 流 1bは1 b= 1 0 s i n 8 + C j (d V / d t) + Gj
・V+1
L(2.9)
と 表 す こ と が で き る 。 式
(2. 3) (2. 8)
に よ りV
と1
Lを 消 去 す れ ば 、 位 相O
に つ い て の 時 間 tに 関 す る 2階 の 微 分 方 程 式 が 得 ら れ る 。C j
(φ。 /2π) 2 . d28/d t2+Gj
(φ。 /2π) 2 d8/dt
=ー (φ
。 /2π) 10s in8
ー (φ。 /2π) 2 8/ L
+
(φ。 /2π) (1 b + M ・ 1 c/ L ) ( 2. 1 0)
Oの 時 間 変 化 の な い 場 合 は 、 左 辺 が Oと な り 、 式 (2. 8)に 帰 結 す る 。こ こ で ポ テ ン シ ャ ル エ ネ ル ギ Fを 次 の よ う に 定 義 す る 。
F = =
(φ。 /2π) Io(1‑cos8) +
(φ。 / 2
1C)28
2/2L
(φ
。 /2π)
(1 b+
M . 1c/
L) 8( 2. 1 1 )
第
l
項 は ジ ョ セ フ ソ ン 接 合 部 分 の ポ テ ン シ ャ ル エ ネ ル ギ 、 第2
項 は イ ン ダ ク タ ン ス 部 分 の 磁 気 エ ネ ル ギ 、 第3
項 は 電 流 源 に 対 し て す る 仕 事 と 解 釈 す る こ と が で き る 。 。 に つ い て のF
の 微 分 係 数 はδF/δ8 =
(φ。 / 2
1C)10s i n 8
+
(φ。 / 2
1C)28/
し一 (φ
。 /2π)
(1 b+
M . 1c/
L ) と 書 き 表 せ る 。 従 っ て 、(2. 12)
は(2. 10)
より(2. 12)
C j
(φ。 / 2
1C)2d28/d t2
+ G j
(φ。 /2
1C)2d8/d t=
ーδF/δ8 (2.13)
と 書 く こ と が で き る 。 こ こ で C
j
(φ。 / 2
1C)2
を質量、Gj
(φ。 /2π) 2
を摩 擦 係 数 と 置 き 換 え る と 、
(2. 13)
に 記 述 さ れ る 位 相O
の 振 舞 い は ポ テ ン シ ャ ル エ ネ ル ギ F (8)の 中 で 運 動 す る 質 点 の 振 舞 い に 等 価 で あ る 。 。 の 安 定 な 動 作 点 は ポ テ ン シ ャ ル エ ネ ル ギ の 極 小 点 と し て 与 え ら れ 、δF/δ8 =
(φ。 / 2
1C){los i n8
+
(φ。 / 2
1C)8/L‑Ib‑M' Ic/L} =0 (2. 14)
Fh υ
η φ
。
2 F/ δ 8
2= (φ。 / 2
1!)(1
08in8
+ (φ0/ 2π ) /L) > 0 (2. 15)
を 満 足 し て い る 。 図
2‑2
の 曲 線 は 式(2. 14)
を 満 足 す るO
とL
・1b+ M . 1
cの 関 係 を 示 す も の で あ る 。 式(2. 15)
は 式 (2. 8)
の 左 辺 をO
で 微 分 し た こ と と 等 価 で あ り 、 式(2. 15)
を 満 た す 部 分 は 図2‑2
の 曲 線 の 傾き が 正 の 部 分 で あ る 。 従 っ て 、 図 の 曲 線 の 中 で 太 線 で 描 か れ た 部 分 は 式
(2.
1 5
) も 満 足 し 、 安 定 な 動 作 点 を 示 す も の で 、 そ れ 以 外 の 部 分 は 式(2. 15)
を 満 足 せ ず 不 安 定 な 領 域 を 示 す 。 位 相
O
と 外 部 電 流L
・1b+M.1
cと の 関 係の 中 で 不 安 定 な 領 域 が 存 在 す る と い う こ と は 、 外 部 電 流 の 連 続 的 な 変 化 に 対 し て 位 相 の 飛 び が 起 こ る こ と を 意 味 し て い る 。 こ の 飛 び は 図
2‑ 1
の 回 路 の 中 で 電 気 的 に は 次 の よ う に 説 明 で き る 。 ジ ョ セ フ ソ ン 接 合 に 流 れ る 電 流 1Jが ジ ョ セフ ソ ン 接 合 の 臨 界 電 流 値 を 超 え た 時 、 ジ ョ セ フ ソ ン 接 合 は 過 渡 的 に 電 圧 状 態 と な り 流 れ て い た 電 流 の ほ と ん ど が イ ン ダ ク タ ン ス 側 へ 移 り 、
1
Lの 急 激 な 変 化 が 見 ら れ る 。 こ れ が 超 伝 導 ル ー プ へ の 量 子 磁 束 の 捕 獲 あ る い は 放 出 、 即 ち 位 相 の 飛 ぴ に 対 応 し て い る 。図
2‑2
の 例 で は 外 部 電 流 ゼ、ロ の 時 に2
つ の 動 作 点 が 存 在 す る こ と に な る 。 同 一 の 外 部 電 流 に 対 し て 位 相 に 関 す る 複 数 の 安 定 動 作 点 が 存 在 す る こ と と 、 こ れ ら の 動 作 点 聞 の 移 動 が 外 部 電 流 に よ り 制 御 さ れ る こ と が ジ ョ セ フ ソ ン 接 合 を 含 む 超 伝 導 ル ー プ の 記 憶 動 作 の 基 本 と な っ て い る 。2. 2
量 子 磁 東 転 移 型 記 憶 セ ル の 提 案2. 2. 1
動 作 原 理量 子 磁 束 転 移 型 記 憶 セ ル の 等 価 回 路 を 図
2‑3
に 示 す 。 記 憶 ル ー プ は ル ー プ1
と ル ー プ2
の2
つ の 超 伝 導 ル ー プ よ り 成 り 、 そ れ ぞ れ の 超 伝 導 ル ー プ は1
個 の ジ ョ セ フ ソ ン 接 合 と イ ン ダ ク タ ン ス 及 び ダ ン ピ ン グ 抵 抗 か ら 構 成 さ れ て い る 。ループ
1
に 含 ま れ る ジ ョ セ フ ソ ン 接 合 をJ 1
、 ル ー プ2
に 含 ま れ る ジ ョ セ フ ソ ン接合をJ2
と 呼 ぶ 。 読 み 出 し ゲ ー ト は ル ー プ2
と 磁 気 的 に 結 合 し た2
接 合 の 超 伝 導 量 子 干 渉 計 を 用 い る 。 記 憶 セ ル を 選 択 し 、 記 憶 動 作 を 制 御 す る 入 力 電 流 として1
x (Xア ド レ ス の 選 択 信 号 〉 、1
y ( Yア ド レ ス の 選 択 信 号 ) 、1
d c( 動 作 の 原 点 を 設 定 す る D Cオフセット電流〉、 1 a ( 読 み 出 し ゲ ー ト の バ イ ア ス 電 流 ) を 設 け る 。 図 に 示 す よ う に
1
xと1
d cは ル ー プ1
の 一 部 に 磁 気 的 に 結 合 し、1
yは ル ー プ1
に 直 接 注 入 さ れ る 。 デ ー タ1
" 、 デ ー タo
"の書き込み、読 み 出 し は 入 力 信 号 1x、 1yの 方 向 を 制 御 す る こ と で 実 現 す る 。 こ の 記 憶 セ ル は 印 加 す る 電 流 の 方 向 が
1
つ の 情 報 量 と し て 働 く 。 図 に お い て 矢 印 の 方 向 が 正 の方向と定義する。本 記 憶 セ ル の し き い 値 特 性 を 求 め る 。 磁 束 の 量 子 化 条 件 と 電 流 連 続 の 条 件 よ り 、 入 力 電 流
1
x、1
y、 ジ ョ セ フ ソ ン 接 合J 1
、J2
の 位 相81
、82
に 関 す る 方 程 式 は 次 の よ う に 与 え ら れ る 。f 1
(8
l'8
2) =(φ
。 /2π) (81+2 n1π‑82+2n2π
〉一 (L
2 1
y+
(L1 +
L2 ) (1
x ‑1 1 S
in 81) +
L 31 2 S
in 8 2 )
= 0 (2. 18)
f 2 (
8
1,8
2) =(φ
。 /2π) (82‑2n2π
〉一 (L4Iy‑ L4I
1s
in81
ー (L3+
L4)1 2S
in 82)
= 0 (2. 17)
ここで、
1 1
、12
は ジ ョ セ フ ソ ン 接 合J 1
、J2
の臨界電流値、 L1
、 L2
、L3、
L4
は図2‑3
に 示 す イ ン ダ ク タ ン ス 、8
1、8
2は ジ ョ セ フ ソ ン 接 合J 1
、J 2
の位相、 n1、n2は そ れ ぞ れ 整 数 で 記 憶 セ ル の ル ー プl
、 ル ー プ2
に 蓄 え ら れ る 量 子 磁 束 の 数 で あ る 。 簡 単 の た め 、 こ の 方 程 式 に お い て 図2‑3
の 中 に 示 さ れ た 相 互 イ ン ダ ク タ ン ス M1、M2は し い L2と 等 し い と 仮 定 し た 。 ま た 、 式(2. 18)
、(2. 17)
が 解 を 持 つ 条 件 はh
(81
,82)
= (df1/δ8 1 )
・(δf2/ δ 82 )
一
(δf1/δ8 2 )
・(δf2/ δ 81) >0 (2.18)
すなわちni
n 4 υ
A11112c 0 S
8
1c 0 S8
2+ A211c 0 S8
1+A31 2C 0 S
8
2+ A
4> 0 (2.
18) 但し、 A1= (L1L3+L1L4+L2L3+L2L4+L3L4) / (L2L4)A2= (φ。/
2
1!) (L 1 + L 2 + L 4) / (L 2 L 4) A 3= (φ。 /2
1!) (L3+ L4) (L2L4)A4=
(φ。 /2π)
2 /(L
2L
4)し き い 値 特 性 は 安 定 条 件 と 不 安 定 条 件 の 境 界 の
1
x、1
yの 集 合 と 定 義 で き る の で、 f2(8
1, 8
2) =0
、h (8
1, 8
2) =0
の 拘 束 条 件 の も と で 、 あ る 1xの時の
8
1、8
2を ニ ュ ー ト ン 法 で 求 め 、 そ の 時 の 1yの 値 を f1(8
1, 8
2) =O
か ら 求 め る こ と に よ り し き い 値 特 性 を 求 め る こ と が で き る 。 求 め た し き い 値 特 性 を 図2‑4
に 示 す 。 ま た 図2
ー5
に は 読 み 出 し ゲ ー ト と し て 用 い る2
接 合 超 伝 導 量 子 干 渉 計 の し き い 値 特 性 を 示 す 。上 述 の よ う に 量 子 磁 束 転 移 型 記 憶 セ ル の ル ー プ
l
に 捕 捉 さ れ る 量 子 磁 束 の 数 をnぃ ル ー プ 2に 捕 捉 さ れ る 量 子 磁 束 の 数 を n2と し て 、 記 憶 ル ー プ 内 の 量 子 磁 東 の 状 態 を (nぃ n2) と 表 す こ と と す る 。 図2‑4
に 示 さ れ た3
つ の し き い 値 曲 線 は そ れ ぞ れ(0
、0)
、 (1
、0)
、(0
、1
) の 状 態 を 示 す 。 こ こ で 正 の 量 子 磁 束 数 は 図2‑3
の 回 路 図 に お い て 右 回 り の 永 久 電 流 が 流 れ る 状 態 と定義する。 D Cオ フ セ ッ ト 電 流 1d cに よ り 点 0"を 動 作 の 原 点 と す る 。 図 に 示 さ れ て い る と お り 、 点 0"の 状 態 で は (0、o
) の 状 態 (o
1" )と( 1
、0)
の 状 態 (O
2'' ) の2
つ の 安 定 な 状 態 が 存 在 す る 。 こ の2
つ の 安 定 状 態 を デ ー タ 1" 、 デ ー タ 0"に 対 応 さ せ る 。 図2‑4
の 点A"
、B
"、 C"の 各 点 は そ れ ぞ れ 書 き 込 み 、 読 み 出 し の 時 の 動 作 点 の 一 例 を 示 し て い る 。 デ ー タ 1" の 書 き 込 み の 時 に は 1x、 1yを 負 の 方 向 に 印 加 し て 動 作 点 を 原 点
0"
か ら 点A"
に 移 し 、 記 憶 ル ー プ 内 の 量 子 磁 束 の 状 態 を(0
、0)
と す る 。 書 き 込 み の 後 、 1 x、 1yが ゼ ロ に 戻 っ た 時 に は 、 動 作 点 は 原 点
o
1 "へ戻り、 (0、 0) の 状 態 を 保 持 し て い る 。 ま た デ ー タ
o
" を 書 き 込 む 時 は 1 x、 1yを 正 の 方 向 に 印 加 し て 動 作 点 を 点 B"に 移 動 し 、 記 憶 ル ー プ の 量 子 磁 束 の 状 態 を (1、 0) と す る 。 こ の 後 、 1 x、 1 yが ゼ ロ に 戻 っ た 時 に は 、 動 作 点 は 原 点o
2" ヘ戻り、 (1
、0)
の 状 態 を 保 持 し て い る 。 次 に 読 み 出 し の 時は1
xを 正 の 方 向 に1
yを 負 の 方 向 に 印 加 し 、 動 作 点 を 点C"
に 移 す 。 こ のIDC
I x
JI
図
2‑3.
I y
1 5
子 磁 東 転 移 型 記 憶 セ ル の 等 価 回 路
L
1= 5 p H 、 L
2= 4 p H 、 L
3= 7 p H 、 L
4= l p H 1
1=0.2mA 、 1
2=0.lmA 、 1
3=0.lmA 1
4=0. lmA (1
1‑‑1
4 :J l‑‑J4
の 臨 界 電 流 値 )R
1=1.5Q 、 R
2=1.5Q
‑3 9 ‑
‑ 0 . 4
図
2‑ 4.
Iy (mA )
子 磁 東 転 移 型 記 憶 セ ル の し き い 値 特 性
① デ ー タ
1
" 書 き 込 み の 時 の 動 作 マ ー ジ ン② デ ー タ
o
" 書 き 込 み の 時 の 動 作 マ ー ジ ン③ 読 み 出 し の 時 の 動 作 マ ー ジ ン
Is(mA)
一 0 . 5 φ 。 。 0 . 5 φ 。 φIn
図
2‑5.
子 磁 束 転 移 型 記 憶 セ ル の 読 み 出 し ゲ ー ト (2接 合 量 子 干 渉 計 〉 の し き い 値 特 性‑4 1 ‑
時 、 書 き 込 ま れ て い た 情 報 が デ ー タ
1
" で あ れ ば 動 作 点 は(0
、0)
の し き い 値 曲 線 の 中 か ら(0
、1
) の し き い 値 曲 線 の 中 に 移 り 、 ル ー プ2
にl
個 の 子 磁 束 が 侵 入 す る こ と に な る 。 こ の こ と は 図2‑5
に 示 す 読 み 出 し ゲ ー ト の しき い 値 特 性 上 に お い て 動 作 点 が 点 D"か ら 点 E"に 移 る こ と に 対 応 す る 。 従 っ て 、 そ れ に 伴 い 読 み 出 し ゲ ー ト が 電 圧 状 態 へ と ス イ ッ チ す る 。 一 方 、 書 き 込 ま れ て い た 情 報 が デ ー タ
o
" で あ れ ば 、 動 作 点 は (1
、0)
の し き い 値 曲 線 内 を 移 動 す る だ け で あ り 、 量 子 磁 束 の 状 態 に 変 化 は な く 読 み 出 し ゲ ー ト も ス イ ッ チ し な い 。 読 み 出 し ゲ ー ト の し き い 値 特 性 上 で は 動 作 点 が 点 D"か ら 点 D' " に 移 る こ と に 対 応 し て い る 。 さ て 以 上 で 読 み 出 し 動 作 は 完 了 す る が 、 読 み 出 し た 後 の 記 憶 ル ー プ の 量 子 磁 束 の 状 態 に つ い て 調 べ る 必 要 が あ る 。 読 み 出 し た 後 、 記 憶 ル ー プ の 状 態 が 変 わ っ て し ま っ て は 非 破 壊 読 み 出 し は 実 現 し な い 。 デ ー タo
" を 読 み 出 し た 場 合 に は 量 子 磁 束 の 状 態 は (1
、0)
の ま ま 変 化 し て い な い の で 、 そ の ま ま (1
、0)
の 状 態 に 復 帰 す る 。 一 方 、 デ ー タ1
" を 読 み 出 し た 時 、 動 作 点 を 点 C"か ら 原 点 0"に 戻 す と 、 原 点 で は (0、
0) (1
、0)
い ず れ の 状 態 も 取 り 得 る 。 し か し な が ら 、2. 2. 3
項 で 詳 述 す る よ う に 、 ポ テ ン シ ャ ル エ ネ ル ギ 的 に 本 記 憶 セ ル の 記 憶 動 作 を 観 察 す る と 、 点C"
の 状 態 か ら は(0
、0)
の 状 態 ヘ 戻 る 確 率 が 最 も 高 い 。 従 っ て 、 ダ ンピ ン グ 抵 抗 を 最 適 な 値 に 設 定 す る こ と に よ り 、 安 定 に (0、 0) の 状 態 ヘ 復 帰 さ せ る こ と が で き る 。 即 ち 非 破 壊 読 み 出 し 動 作 を 実 現 す る こ と が で き る 。 ま た 以 上 の 動 作 か ら わ か る よ う に 本 記 憶 セ ル の 入 力 電 流 は
1
x、1
yの2
つ の み で あ る。3
つ の パ ラ メ ー タ を 有 す る 記 憶 セ ル で は 従 来 例 の 問 題 点 で 指 摘 し た よ う に 半 選 択 状 態 に よ り 動 作 マ ー ジ ン が 狭 め ら れ る が 、 本 記 憶 セ ル で は 半 選 択 状 態 に よ り 動 作 マ ー ジ ン が 狭 め ら れ る こ と は な い 。 読 み 出 し ゲ ー ト は 入 力 線 に 直 接 結 合 し て お ら ず 、 ル ー プ2の 量 子 磁 束 転 移 を セ ン ス す る こ と に よ り デ ー タ を 読 み 出 す の で 、 動 作 マ ー ジ ン を 広 く と れ る と い う 特 徴 を 持 つ 。 言 い 換 え る と ル ー プ 2の 量 子 磁 束 転 移 現 象 は 読 み 出 し ゲ ー ト へ の 入 力 信 号 を 増 幅 す る 役 割 を 果 た し 、 そ の た め 読 み 出 し ゲ ー ト の 動 作 マ ー ジ ン を 広 く 保 つ こ と が で き る 。 こ の よ う に ル ー プl
は 情 報 を 蓄 え る 役 割 を 果 た し 、 ル ー プ2
は 読 み 出 し 動 作 の 時 に 量 子 磁 東 転 移 を 起 こ す 。 表2‑1
は 以 上 の 動 作 を ま と め た も の で あ る 。 表 の 中 で 例 え ば0" (0
、1
) は(0
、1
) の 磁 東 状 態 で 動 作 点0"
に あ る こ と を 示 す 。表
2‑ 1 .
量 子 磁 束 転 移 型 記 憶 セ ル の 動 作 状 態operating point
operation memory loop sense gate
"1" write "0" 一 → "A" " 0 "
" . 1 "hold "0"(0 , 0) " 0 "
"O"write "0" ‑ → "8" . " 0 "
"O"hold "0"(1 , 0) " 0 "
" 1 "read "0" (0 , 0) ‑ → "C" (0 , 1 ) "0"‑ → " E "
"0" read "0"(1 , 0) 一 → "C"(1 , 0) "0"‑
一歩" 0 ' "
I‑43 ‑
表
2‑2.
記 憶 セ ル 内 の 記 憶 ル ー プ で の 電 流 の 流 れI x I y
I d a t a 。
1 xの 欄 は 入 力 電 流 1xに よ り 誘 起 さ れ た 各 ブ ラ ン チ の 電 流 の 向 きを示す。 1yの 欄 は 入 力 電 流 1yに よ り 注 入 さ れ た 各 ブ ラ ン チ の 電 流 の 向 き を 示 す 。 1d a t aの 欄 は デ ー タ 1"、
o
" に 対応 し て 流 れ る 周 囲 電 流 の 向 き を 示 す 。
" 1 " W r l t e A
↓
I o c I x
B
↓
↑
"0"
W r i t e A B
↓
↑ ↓
I y
" 1 " Read
"0"Read A B A B
↑
↑
↑ ↓
次 に 本 記 憶 セ ル の 動 作 を 記 憶 ル ー プ に 流 れ る 電 流 と い う 観 点 か ら 考 察 す る 。 表
2‑2
は 記 憶 ル ー プ の 左 右 の 分 校 に 流 れ る 電 流 の 向 き と 記 憶 動 作 と の 関 係 を 示 し た も の で あ る 。 各 矢 印 は 電 流 の 方 向 を 表 し 、 大 き さ は 無 視 し て い る 。 1xの 欄 は 制 御 電 流 1xに よ り 電 磁 的 に 誘 起 さ れ た 電 流 の 方 向 、 1 yの 欄 は 注 入 さ れ た1 yが 分 岐 し た 電 流 の 方 向 、 1 d a t aの 欄 は デ ー タ 1" 、 デ ー タ
o
" の 情 報 に 従 っ て 記 憶 ル ー プ 内 に 流 れ る 周 回 電 流 1d a t aの 方 向 を 表 し て い る 。 各 ブ ラ ン チ には 1x、 1yに よ り 分 流 さ れ た 電 流 と デ ー タ に 従 っ て 流 れ て い る 周 回 電 流 1da t aが 重 畳 さ れ て い る 。 表2‑2
に 示 さ れ て い る よ う に 、 記 憶 ル ー プ に 異 な っ た 情 報 を 書 き 込 む 時 、 即 ち デ ー タ1
" → デ ー タo
" あ る い は デ ー タo
" → デ ー タ1
" の よ う に 情 報 を 変 更 し よ う と す る と き に ブ ラ ン チA
に 流 れ て い る 各 電 流 は 同 方 向 に 重 な り 合 い 、 そ の 大 き さ を 最 大 に す る 。 そ の 結 果 、 ジ ョ セ フ ソ ン 接 合J1
が 電 圧 状 態 に ス イ ッ チ し 、 情 報 が 書 き 込 ま れ る 。 こ の 時 、 ブ ラ ン チB
に 流 れ る 各 電 流 は 方 向 が 異 な っ て お り 、 互 い に 打 ち 消 し あ う た め 、 ジ ョ セ フ ソ ン 接 合J2
は ス イ ッ チ し な い 。 読 み 出 し の 時 に は デ ー タ1
" の 読 み 出 し の 時 の み 、 ブ ラ ン チ Bに 流 れ る 各 電 流 の 向 き が 同 じ に な り 、 ジ ョ セ フ ソ ン 接 合J 2
が ス イ ッ チ し て ル ー プ2
に 量 子 磁 束 が 捕 捉 さ れ る こ と と な る 。 デ ー タO
" 読 み 出 し の 時 の ブ ラ ン チ B、 あ る い は 読 み 出 し 動 作 の 時 の ブ ラ ン チ Aで は 各 電 流 の 方 向 が 異 な っ て お り 、 ジ ョ セ フ ソ ン 接 合
J 1
、J2
い ず れ も ス イ ッ チ し ない。2. 2. 2
回 路 パ ラ メ ー タ の 決 定こ の 項 で は 量 子 磁 束 転 移 型 記 憶 セ ル の 動 作 マ ー ジ ン を 最 大 に す る よ う に 記 憶 セ ル の 各 パ ラ メ ー タ の 検 討 を 行 う 。
図
2‑8
は 記 憶 セ ル の 動 作 領 域 を 示 し た 図 で あ る 。 図 に お い て ① ② ③ の 領 域 は そ れ ぞ れ デ ー タ 1" 書 き 込 み 、 デ ー タ 0"書 き 込 み 、 読 み 出 し の 時 の 動 作 領 域 を 示 す 。 図 か ら 明 ら か な よ う に 本 記 憶 セ ル の 動 作 マ ー ジ ン は (0、 0) の 状 態 の し き い 値 曲 線 と (1
、0)
の 状 態 の し き い 値 曲 線 と の 重 な っ て い る 部‑45 ‑
分 の 形 状 に よ り 決 ま る 。 即 ち 重 な り 部 分 が で き る だ け 左 右 上 下 対 称 で あ る こ と が 動 作 マ ー ジ ン を 広 く 取 る 上 で は 望 ま し い 。 前 項 の 動 作 原 理 よ り 本 記 憶 セ ル に お い て 情 報 を 蓄 え る の は ル ー プ
l
で あ り 、 ル ー プ2
は 読 み 出 し 動 作 の 時 に 量 子 磁 東 転 移 を 起 こ し デ ー タ を 蓄 え る 必 要 は な い 。 一 般 に ジ ョ セ フ ソ ン 接 合 を 含 む 超 伝 導 ル ー プ に お い て n個 の 量 子 磁 束 を 貯 え る た め に は 10 L>
nφ。(1 0 :ジョ セ フ ソ ン 接 合 の 臨 界 電 流 値 、
L:
超 伝 導 ル ー プ の 臨 界 電 流 値 〉 で あ る 必 要 が あ る 。 従 っ て 、 本 記 憶 セ ル の ル ー プ の イ ン ダ ク タ ン ス と ジ ョ セ フ ソ ン 接 合 の 臨 界 電 流 値 は 次 の 条 件 を 満 た す よ う に 設 定 す る 必 要 が あ る 。2φ 。 >I1L1oop1>φ 。
1 2L 1oop2<φ 。
(2. 20) ( 2. 2 1 )
( 1 1
、12 : J 1
、J2
の 臨 界 電 流 値 、L1 o o p 1
:図2‑3
に お い て ジ ョ セ フ ソ ン接合 J1
か ら み た ル ー フ1
の イ ン タ ク タ ン ス 、L1 o o p 2
:図2‑3
に お い て ジ ョ セ フ ソ ン 接 合J2
か ら み た ル ー プ2
の イ ン ダ ク タ ン ス ) 。 実 際 に は ル ー プl
に は ル ー プ2が 含 ま れ る 形 と な る の で 、 解 析 的 に す べ て の パ ラ メ ー タ を 決 定 す る こ と は 困 難 で あ る 。 こ こ で は 図
2‑3
に 示 さ れ た パ ラ メ ー タI
ぃ1
2、L
1、L2
、L3
、L4
な ど を 式(2.20) (2.21)
の 条 件 を 満 た す よ う に 、 さ ら に は 作 製 技 術 か ら み て 実 現 可 能 な 値 を 設 定 し 、 し き い 値 曲 線 を 導 き 、 そ の 結 果 を フ ィ ー ド パ ッ ク し て 各 パ ラ メ ー タ を 最 適 化 す る 、 と い う 手 法 に よ り 各 パ ラ メ ー タ の 値 を 決 定 し た 。 ジ ョ セ フ ソ ン 接 合 は 最 小 の パ タ ー ン 寸 法 を3 μ m
とし、そ の 臨 界 電 流 密 度 は プ ロ セ ス の 再 現 性 な ど を 考 慮 し て 約
1200A/cm2
を 採 用 し た 。 従 っ て 、 最 小 接 合 は3 x 3 μ m2
の 寸 法 でO. 1 m A
の 臨 界 電 流 値 を 有 す る 。 図2‑4
の し き い 値 特 性 を 有 す る 回 路 パ ラ メ ー タ は 図2‑3
の 脚 注 に 示 さ れ て い る 。 こ の 時 の 入 力 電 流 1x、 1 yの 動 作 マ ー ジ ン は 書 き 込 み 、 読 み 出 し に 対 し て そ れ ぞ れ 約3 3 %
である。さ て 記 憶 セ ル を 実 現 す る 上 で は 、 そ の 作 製 す る 過 程 に お い て 様 々 な 要 因 に よ り パ ラ メ ー タ の バ ラ ツ キ が 生 じ る 。 成 膜 時 の 膜 厚 の 不 均 一 性 や リ ソ グ ラ フ ィ や 加 工 に よ る パ タ ー ン の バ ラ ツ キ 、 装 置 に 起 因 す る 再 現 性 の 問 題 な ど に よ り パ ラ メ ー タ の バ ラ ツ キ は 不 可 避 な 問 題 で あ る 。 こ こ で は こ の パ ラ メ ー タ の バ ラ ツ キ が 記 憶 セ ル の 動 作 マ ー ジ ン に ど の よ う な 影 響 を 与 え る か 調 べ る こ と と す る 。 図