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情報収集処理の並列化

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 31-34)

4.4 高速情報収集方式の提案

4.4.2 情報収集処理の並列化

次に,情報収集時間の短縮に向け,構成情報収集処理の並列化を行う.近年,一 般的に利用されているオブジェクト指向形式のモデルでは,管理対象のリソース を示すオブジェクト間の依存関係が強く,単純に並列化することができない.

一例をあげると,ストレージがPortとボリュームを有する場合,管理ソフトウェ アは,まずストレージの情報を入力値として,そのストレージが所有するPortの 情報取得リクエストを発行する.これにより,指定されたストレージ上に存在す るPortの情報を取得する.続いて取得したPortの情報を入力値とし,ボリューム の情報の取得リクエストを順次発行することで構成情報を取得する.このように オブジェクト指向形式のモデルを利用した管理インターフェースでは,リソース 間の繋がりを意識したオペレーションとなっており,目的のリソースの情報を取 得する際,関連元のリソースの情報が入力値として必要となるため,単純には情 報収集処理の並列化はできない.そこで,これを解決するために本提案では,情 報収集処理の並列化に向け,まずリソース間の依存関係の強弱に着目し,依存関 係の強いリソース群をグループとしてまとめ,このグループ単位で情報収集処理 の並列化を行う.

まず,リソースのグループ化について述べる.オブジェクト指向形式のモデル では,各リソースの関係が表現されており,それぞれの関係には管理ソフトウェ アにおける強弱がある.リソースの関係と強弱を表4.2 にまとめる.

リソースの依存関係が最も強いものとして 他リソースの情報を所有 がある.

例えば,ストレージを示す情報の詳細な値に,そのストレージが所有するPortの 識別情報やポート数などのPort情報の一部情報を持っている場合である.このよ うなケースではストレージとPortの情報に不整合が生じると,管理ソフトウェア

表 4.2: リソースの依存関係と強弱

強弱(スコア) 関係

(4) 他リソースの情報を共有

(3) 物理的な接続関係

(2) 論理的な接続関係 (1) 設定操作時に関係

にて,ストレージの情報としてPortの一覧表示していた画面から,Portの詳細画 面に遷移しようとした場合に,Portの詳細画面に遷移できない等,管理ソフトウェ アにおいて致命的なエラーが発生する.

次に,リソースの依存関係の強いものとして, 物理的な接続関係 と 論理的 な接続関係 がある.前者は,各リソースがネットワークや結線により物理に接 続していることを示している接続関係,後者は,ストレージとホスト間のアクセ ス制御情報(Logical Unit Number SecurityやZoning)などの各種設定情報である.

管理ソフトウェアにおいて,接続関係の情報に不整合が生じてしまうと,ハード ウェアの故障による障害管理などにおいて,正常な部位があたかも障害が発生し たかのように間違った結果を表示し,重大な問題を引き起こす原因となる.また,

論理的な接続関係を利用するケースでは,物理的な接続関係が前提となるケース が多い.例えば,管理者によるオペレーションミスによる設定ミスの検知を実施 する場合,物理的な接続関係と現在設定されている設定情報の突き合わせが必要 となる.そのため,物理的な接続関係と論理的な接続関係は,物理的な接続関係 の方が,依存関係が強い.

最後のリソースの依存関係としては 設定操作時に関係 がある.これは,スト レージへ接続可能なホストを登録設定など,管理者が行う設定操作において,必 要なパラメータとして関係している場合である.例えば,管理ソフトウェアにお いて,設定操作時に管理者が指定するパラメータの一部だけが更新されておらず 古い情報であった場合,設定操作がエラーとなる場合がある.このように,リソー スの関係の意味により,管理ソフトウェアが運用するリソースの情報に不整合が 発生した場合に引き起こされる問題の重要度が異なる.そのため,オブジェクト 指向形式で示されたモデルのリソース間の関係の意味を考慮し,情報の不整合が

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図 4.3: グループ化の一例

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図 4.4: 情報取得の並列化

致命的な問題が発生しないように,リソースをグループ化する.

本章の評価に利用した試作システムでは,リソース間の依存関係の強弱のスコ アが5点以上の関係を強い依存関係をもったリソースを同一グループとしてグルー プ化した.グループ化の対象としては,ストレージの構成管理を行うために必要 な51種類のリソースを対象とし16グループに分類した.グループ化したリソー スの一例を図4.3 に示す.

次に,グループ単位での情報収集処理の並列化について述べる.図4.3 の例を用 い説明する.上記で分けたグループ間の依存関係に着目し,Group1の情報を取得 した後,直接接続関係がなく依存関係のないGroup2とGroup3を並列に取得し,

Group1とGroup2と依存関係のあるGroup4については,Group1,Group2の情 報取得後取得するように制御する.図4.4に構成情報取得における並列化処理をア クティビティ図にて示す.

表 4.3: 試作システム

開発環境 Java5

使用ライブラリ J WBEM Server 3.1.2

管理対象機器 ストレージ

対象リソース種別数(CIMクラス数) 51クラス

表 4.4: 測定環境

PC CPU:Core2Due 2.00GHz,Memory:4GBytes OS Windows XP Professional SP3

このようにリソースを依存関係の強さにてリソースをグループ化し,さらにグ ループ間の依存関係を考慮することで,構成情報の収集処理の並列化を実現する.

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