7.1. システムの概要
博物館情報システムは、当博物館が目指す以下のような新しい博物館を支えるシステムとして整備されることとなっ た。
・高度情報化における自然・文化の情報センター
・映像資料等、新しい形態の資料の収集・保存と活用の拠点 ・他の博物館、学習文化施設等とのネットワークの拠点
上記の3システムは、1995年度より稼動している「収蔵資料管理システム」、「展示情報システム」の2つのサブシ ステムにより構成され、これらを有機的に機能させることにより博物館業務の柱であるところの資料の収集・管理、研 究、展示活動を支援する。
なお、研究成果の公開や広報・普及活動に関するお知らせに対しては、当初、別のサブシステムが計画されていたが、
現在はインターネットの普及により博物館のホームページをもって代替運用している。
当システムは当博物館と県立歴史博物館が共同で開発を行い、2000年度および2005年度には、機器の更新および新 OSに対応したシステムへの移行作業を行った。さらに、2006年度にはUpdateサーバを追加導入し、クライアントマシ ンのWindows Updateが効率よく行うことができるようになり、管理もしやすくなった。2010年度および2011年度の機 器更新では、最新のOSとセキュリティ対策ソフトにより安全で快適なシステムが構築されている。2015年3月31日現 在の、博物館情報システムの機器構成は下表の通りである。なお、各機器は10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tにより TCP/IPプロトコルで接続されている。
機器構成表
場所 機器名 機種名 メモリ 数量 備考
使用OS・ソフト等 ディスク容量
CPUルーム 収蔵管理サーバ 富士通PRIMERGY RX300 S6 16GB 1 収蔵資料管理システム
(管理部)
RedHat Linux ES5.5 450GB×4(RAID5)
収蔵管理サーバ 富士通PRIMERGY RX300 S6 16GB 1 収蔵資料管理システム
(データ部)
RedHat Linux ES5.5 146GB×2(RAID1)
展示情報サーバ 富士通PRIMERGY RX300 S6 4GB 1 展示情報システムの管理 RedHat Linux ES5.5 146GB×2(RAID1)
WEBサーバ 富士通PRIMERGY RX300 S6 4GB 1 ホームページの管理 RedHat Linux ES5.5 146GB×2(RAID1)
Mailサーバ 富士通PRIMERGY RX300 S6 4GB 1 メール情報の管理 RedHat Linux ES5.5 146GB×2(RAID1)
Updateサーバ 富士通PRIMERGY RX300 S6 4GB 1 Windows Updateの管理 Windows Server 2008 R2 Enterprise 146GB×2(RAID1)
職員用端末 富士通ESPRIMO D550/B 2GB 1
Windows 7 Professional 160GB ミュージアム
ライブラリー 来館者用端末 富士通ESPRIMO D530/A 富士通ESPRIMO D530/A 4 展示情報システムの閲覧など Windows 7 Professional Windows 7 Professional
職員用端末 富士通ESPRIMO D530/A 他 富士通ESPRIMO D530/A 他 3 Windows 7 Professional 他 Windows 7 Professional 他
研究室・バックヤード 研究用WS 富士通CELSIUS W480 他 富士通CELSIUS W480 他 2 衛星画像処理や分布図の作成 Windows 7 Professional 他 Windows 7 Professional 他 など
画像入力用 富士通CELSIUS W510 富士通CELSIUS W510 1 Windows 7 Professional Windows 7 Professional
職員用端末 富士通ESPRIMO D530/A 他 富士通ESPRIMO D530/A 他 40 Windows 7 Professional 他 Windows 7 Professional 他
7.2. サブシステムの紹介
7.2.1. 収蔵資料管理システム
収蔵資料管理システムの登録実績 分野 2013年度までの登録数 2014年度の
登録数 計
哺乳類 4,495 207 4,702
鳥類 2,564 30 2,594
魚類 36,031 2,013 38,044 魚類写真 137,989 8,480 146,469 昆虫 29,028 8,846 37,874 軟体動物 22,030 700 22,730 甲殻類 14,250 3,190 17,440
甲殻類細密画 475 15 490
両生・爬虫類 785 101 886
動物その他 66 31 97
維管束植物 255,614 14,643 270,257
コケ 9,366 1 9,367
菌類・地衣類 24,083 1,677 25,760
藻類 4,336 0 4,336
植物その他 254 0 254
植生 175 89 264
植物標本 183 948 1,131
化石 12,676 481 13,157
岩石 6,376 205 6,581
鉱物 19,396 2,512 21,908
地質・ボーリング 2 0 2
はぎ取り 0 11 11
地学その他 0 17 17
衛星画像 998 55 1,053
衛星処理画像 153 1 154
景観画像 2,461 115 2,576 合計 583,786 44,368 628,154 図書 21,474 1,939 23,413
雑誌 3,439 77 3,516
合計 24,913 2,016 26,929 収蔵資料管理システムでは、これまで分野や個人ごと
にカードやパソコン等で個別に管理されていた収蔵資料 情報を、サーバと呼ばれるコンピュータで一元管理する とともに、資料の画像情報の管理も行う。このサブシス テムは博物館情報システムの中核となるシステムであり、
資料の受入からラベル等の印刷やダウンロードまでをカ バーできる。
当サブシステムは、『神奈川県植物誌1988』および
『神奈川県植物誌2001』の証拠標本を含む『維管束植 物データベース』や、ダイバーや釣り人などが撮影した 魚の写真を属性情報とともにデータベース化した『魚類 写真資料データベース』など、約30のデータベースから 構成され、館外資料の情報を格納するデータベースも準 備されている。2003年度より、書籍(図書・雑誌)につい ても収蔵資料管理システムで取り扱われている。その登 録状況を右表に示した。
またこれらの情報は、研究への利用はもちろん、一部 ではあるがミュージアムライブラリーやホームページで 公開されている。なお、本システムにより維持・管理さ れているデータの一部は、独立行政法人国立科学博物館 などとの協働により、インターネットを利用して外部に 公開されている。
ミュージアムライブラリーにおいて、展示室で見られ る資料や解説文からさらに深く踏み込んだ学習への欲求 を持つ利用者に対して、研究に基づく博物館独自の新鮮 な情報を、検索システムにより分かりやすく提供してい
る。2014年度は神奈川の自然に哺乳類のメニューを新 規追加した。この他に、神奈川県立歴史博物館が作成・
提供している「画像で見る歴史と文化」、「収蔵品コレ クション」も閲覧が可能。
7.2.2. 展示情報システム
展示情報システムのメニュー
タイトル メニュー 概要
神奈川の自然 鳥類 神奈川に生息する鳥、218種の画像や解説文、分布図や鳴き声を提供する。
植物 神奈川に自生している植物、2,969種の画像や解説文を提供する。
チョウ 神奈川に生息するチョウ、110種の画像や解説文を提供する。
トンボ 神奈川に生息するトンボ、89種の画像や解説文を提供する。
相模湾の魚 相模湾の代表的な魚、329種の画像や解説文を提供する。
コケ 神奈川県でよく見かけるコケ、82種の画像や解説文を提供する。
鉱物 神奈川県に産する主な鉱物、126種の画像や解説文を提供する。
関東ローム層 神奈川の主要な火山灰層、1,013点の画像や解説文を紹介する。
菌類 神奈川県で見られるさまざまな菌類、164種の画像や解説文を提供する。
空撮 神奈川の空から見た景観写真を770枚、うち学芸員のおすすめ写真を63枚解説と共に提供する。
哺乳類 神奈川に生息する哺乳類18種の画像や解説文、骨の画像を357枚提供する。
酒井コレクション細密画 酒井恒博士夫妻が描かれたカニ原色細密画、660種の画像を提供する。
日本で見られる恐竜 国内の博物館で展示されている恐竜について、画像や解説文を提供する。
図書・雑誌検索 当館のライブラリで所蔵している図書23,104冊、雑誌3,440タイトルが検索できるように提供している。
7.3.1. ホームページ
小田原市と共同で1995年10月より開設していたWebサイト(ホームページ)は、当館へのサーバの設置に伴い、
2006年2月より博物館独自の運用に切り替えた。2012年9月には利用者が使いやすく、また博物館の魅力が伝わるよ うホームページのデザインを大幅に改良した。ホームページでは博物館に関する様々な情報を提供しているが、その トップページへのアクセス数を示したのが下の表である。
1997年度以降のアクセス実績に関しては、資料の項(96ページ)に掲載した。
7.3. インターネットの利用
月別 Webトップページカウント数
7.4.1. 他サイトへの情報提供
7.4. 情報提供
当館が積極的に関わり情報を提供している Web サイトについて表にまとめた。
タイトル(HPアドレス) 概 要 年間アクセス件数
魚類写真資料データベース
http://www.kahaku.go.jp/research/db/zoology/photoDB/ 魚類94,195件の画像を提供している。
研究分野で公的機関が提供する画像データベースでは 世界最大級。
2,082,764件
FishPix
http://fishpix.kahaku.go.jp/fishimage-e/index.html 魚類写真資料データベースの英語版として、魚類
86,785件の画像を提供している。 2,755,006件
博物館の情報を公開している Web ページ
7.4.2. GBIF への情報提供
GBIF(Global Biodiversity Information Facility: 地球規 模生物多様性情報機構)とは、生物多様性に関するデー タを各国・各機関で収集し、ネットワークを通じて全 世界的に利用することを目的とする国際協力による科学 プロジェクトである。プロバイダごとにデータが蓄積さ れ、その数はGBIF全体では2014年4月現在4億3千万件 以上となっている。また、独立行政法人国立科学博物館 が中心となり推進している自然史標本データ整備事業で は、S-Net(サイエンスミュージアムネット)として国 立科学博物館経由でGBIFに提供されたデータが国内向け に公開されている。
2006年度より、当館を含む神奈川県内の博物館及び 関連施設が連携をはかり、自然史標本情報の整備を行 うなどを目的に、「自然史標本データベース神奈川委員 会」が設置されている。2013年度について、自然史標 本データベース神奈川委員会への参加館は全4館、全体 で73,500件の自然史標本情報の提供を行った。
7.3.2. 連携サイト
独立行政法人国立科学博物館と連携し、当館所蔵の魚類画像資料の検索サイト「魚類写真資料データベース」とその 英語版である「FishPix」をそれぞれ2001年と2003年より運用している。近年では毎年約5,000件の画像資料を追加して いる。
2004年度以降のそれぞれのページへのアクセス実績(画像ダウンロード数は含まない)に関しては、資料の項(96 ページ)に掲載した。
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 計 月平均
件数 32,309 32,089 30,744 39,962 58,221 33,407 31,227 30,044 23,960 29,266 29,705 38,477 409,411 34,118
タイトル(HPアドレス) 概 要 提供件数
Terra[地球]の資料館
http://www1.tecnet.or.jp/index01.html 固定型データベースとして、地球のからくり・神奈川の大地・地球地学紀行、
増殖型データベースとして、身近な自然史・砂の自然史を公開。 約2,500件 連携して情報を公開している Web ページ
2014年度自然史標本データベース神奈川委員会参加館 大磯町郷土資料館
相模原市立博物館 真鶴町立遠藤貝類博物館
神奈川県立生命の星・地球博物館 当館からの2014年度標本情報提供数 コレクション名 提供件数
維管束植物・藻類・蘚苔類標本 25,000件 魚類標本 12,000件
甲殻類・軟体動物標本 3,000件 昆虫標本 10,000件
哺乳類標本 200件 鳥類標本 200件
菌類標本(変形菌標本を含む) 10,000件 合計 60,400件